著者
浅野 浩之 金澤 好一 小野里 光 鶴渕 恒雄 綿貫 邦男
出版者
群馬県林業試験場
雑誌
研究報告 (ISSN:09186115)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-9, 2009-04

巻き枯らし間伐の現地適応化の可能性について調査研究を行ったところ、その結果は以下のとおりである。1.ヒノキの巻枯らし施工は、樹皮剥ぎが容易なものと困難なものがある。2.ヒノキは巻枯らし処理後24カ月経過すると、大部分の個体で赤褐色化した針葉が落葉し、樹冠に着葉のない状態になる。3.ヒノキの巻枯らし処理木の含水率は、処理後19カ月経過時に、地際部をのぞき20%〜25%にある。4.ヒノキの巻枯らし間伐の樹皮剥離は、木部(辺材部)を直接外気に曝すことにより、機能の高い辺材外周部の仮道管にキャビテーションによる通導障害を発生させ、その結果、処理木が枯死に至るものと考えられる。5.剥皮処理後4年経過したヒノキを伐倒したところ、5本中4本にかかり木が発生し、うち3本は倒伏するために牽引具による牽引が必要で、牽引時に樹幹中間付近に幹折れが発生した。同様に通常木を巻枯らし木にかかり木にし、牽引したところ、巻枯らし木に幹折れが発生した。6.スギの巻枯らし間伐において、早期に間伐効果を得るためには、環状剥離幅を考慮する必要がある。
著者
浅野 浩之 金澤 好一 小野里 光 鶴渕 恒雄 綿貫 邦男
出版者
群馬県林業試験場
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-9, 2009 (Released:2011-07-26)

巻き枯らし間伐の現地適応化の可能性について調査研究を行ったところ、その結果は以下のとおりである。1.ヒノキの巻枯らし施工は、樹皮剥ぎが容易なものと困難なものがある。2.ヒノキは巻枯らし処理後24カ月経過すると、大部分の個体で赤褐色化した針葉が落葉し、樹冠に着葉のない状態になる。3.ヒノキの巻枯らし処理木の含水率は、処理後19カ月経過時に、地際部をのぞき20%〜25%にある。4.ヒノキの巻枯らし間伐の樹皮剥離は、木部(辺材部)を直接外気に曝すことにより、機能の高い辺材外周部の仮道管にキャビテーションによる通導障害を発生させ、その結果、処理木が枯死に至るものと考えられる。5.剥皮処理後4年経過したヒノキを伐倒したところ、5本中4本にかかり木が発生し、うち3本は倒伏するために牽引具による牽引が必要で、牽引時に樹幹中間付近に幹折れが発生した。同様に通常木を巻枯らし木にかかり木にし、牽引したところ、巻枯らし木に幹折れが発生した。6.スギの巻枯らし間伐において、早期に間伐効果を得るためには、環状剥離幅を考慮する必要がある。
著者
葛谷 健 中川 昌一 佐藤 譲 金澤 康徳 岩本 安彦 小林 正 南條 輝志男 佐々木 陽 清野 裕 伊藤 千賀子 島 健二 野中 共平 門脇 孝
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.385-404, 1999-05-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
47
被引用文献数
86

糖尿病は, インスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし, 種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である. その発症には遺伝因子と環境因子がともに関与する. 代謝異常の長期間にわたる持続は特有の合併症を来たしやすく, 動脈硬化症をも促進する. 代謝異常の程度によって, 無症状からケトアシドーシスや昏睡に至る幅広い病態を示
著者
金澤 雄記
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.661, pp.681-688, 2011-03-30 (Released:2011-03-31)
参考文献数
9

Honmune style houses were built since late 17th century to late 19 th century, especially 209 houses still exist in Iida City. This paper reports about result of hearing investigation at 198 houses and measurement survey at 85 houses, explains architectural evaluation of Honmune style houses based on the research about the realities and change of living spaces and structures. Living space of Honmune style houses became gloomy and closed, because expansion the second floor since the middle of 19 th century and renovation it since mid the MEIJI era to sericultural works.
著者
金澤 忠博 井﨑 基博
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平均8歳の極・超低出生体重児220名のうち、自閉スペクトラム症(ASD)15.9%、注意欠如多動症(ADHD)が20.5%、限局性学習症(LD)が23.2%、知的障害は9.5%、境界知能は9.1%であった。重症のIVHとIUGR、CLD、ROPがIQを低下させ、重症のIVHは、ASD、ADH、LDの増悪にも関わり、IUGRもADHDやLDの発症に影響を与えていることが示された。一卵性双胎24組48名と二卵性双胎21組42名について、遺伝率と共有環境、非共有環境の寄与率を調べると、ASDや不注意に関しては遺伝率より周産期を含む共有環境の寄与率の方が大きいという特徴が確認された。
著者
遊間 義一 金澤 雄一郎 河原 哲雄 東條 真希 荻原 彩佳 石田 祥子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.20232, (Released:2022-02-10)
参考文献数
28

This study aimed to develop a Japanese version of the Iowa Gambling Task (IGT) using Psychology Experiment Building Language based on the English version. Additionally, we tested the equivalence of these versions using a biological equivalence test. We randomly assigned 63 undergraduate and graduate students from several Japanese universities to our parallel design experiment. We evaluated equivalence by determining differences between the logs of the number of cards chosen from the advantageous decks in the Japanese and English versions in five blocks. We defined an equivalence margin as ± 30% (log (0.70 = -0.36, log (1/0.70) = 0.36, for log-transformation). All two-sided 90% family-wise confidence intervals in the five blocks were within the equivalence margin. Our results confirmed the equivalence of the Japanese and English versions of the IGT. The Japanese version can be used with the compiled executables and source code without charge. Future comparative studies should evaluate the IGT on Japanese samples or between samples from Japan and other countries.
著者
金澤 洋一 上村 真由子 福井 美帆
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1_2, pp.105-111, 2009-06-30 (Released:2012-06-15)
参考文献数
12

アベマキ・コナラを中心とする里山薪炭林からの薪による家庭へのエネルギー供給量を推定した.兵庫県宍粟市の中山間地域に位置する集落において,聞き取り調査から「分け柴」と呼ばれる薪の採取システムを明らかにし,現地林分の伐倒による現存量調査から「分け柴」に必要な面積を計算した.またこれらの結果にもとづいて,「分け柴」によるエネルギー供給量を推定した.その結果,毎年,20~30 GJ程度が薪により供給されていたことがわかった.この量は,現在日本の一般家庭で消費されるエネルギー量である43 GJの半分あるいはそれ以上に相当し,現在でも「分け柴」によって日本の一般家庭が必要とするエネルギー量のかなりの部分を供給できることがわかった.「分け柴」として利用されていた面積は集落が利用してきた土地のごく一部で,本集落50世帯でも14 ha程度と推定され,現在残されている広葉樹林でも十分に足りることがわかった.
著者
金澤 浩 浦辺 幸夫 岩本 久生 白川 泰山
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A0475, 2008 (Released:2008-05-13)

【目的】腱損傷や腱断裂の術後などでは腱組織の伸張性の改善が求められる.その際のリハビリテーションではストレッチングを用いる場合が多いが,ストレッチングによって生じる腱組織の伸張量は明確ではない.腱組織の伸張を目的としたストレッチングを効果的に実施しようとする場合,実施時間と腱組織の伸張量との関係を知る必要がある.本研究の目的は,下腿三頭筋をストレッチングし,アキレス腱伸張量とストレッチング時間との関係を調査してアキレス腱の伸張に有効なストレッチング時間を決定することである.【方法】対象は下肢に傷害の既往がなく,特別なスポーツ活動を行っていない健康な成人女性40名とした.方法は,まずデジタル超音波診断装置(EUB-6500,(株)日立メディコ)とリニア型プローブ(EUP-L54MA,(株)日立メディコ)を用い,安静立位の超音波画像上で右の腓腹筋内側頭の筋腱移行部を確認し,その位置の皮膚にマーカーを付けた.また,踵骨隆起の位置を確認して皮膚にマーカーを付け,二点間の距離をアキレス腱長とした.対象は足関節最大背屈角度に設定されたストレッチングボード上で立位をとった.ストレッチング終了直後,再び安静立位でアキレス腱長を測定し,ストレッチング前後のアキレス腱長を比較した.ストレッチング時間は,1分,2分,3分,5分,10分の5種類とした.1回のストレッチングの影響が最長で4日間持続するという報告があることから,各測定の間隔を5日以上とした.測定は同じ時間帯に行い,実施時間の順序は無作為に選択した.本研究は,医療法人エム・エム会マッターホルン病院倫理審査委員会の承認を得て行った.【結果】安静立位のアキレス腱長の平均は182.4±23.1mmだった.ストレッチング後,アキレス腱は,1分で3.3±1.5mm,2分で6.6±2.1mm,3分で6.8±0.4mm, 5分で7.1±0.5mm,10分で7.4±0.5mm伸張され,1分と2分では有意に伸張されたが(p<0.01),それより長い時間では伸張量に差は認められなかった.【考察】10分のストレッチングでアキレス腱は平均7.3mm伸張された.久保ら(2006)は,足関節底背屈0°で底屈方向への等尺性最大随意収縮時の腱組織の最大伸張量は20歳代で14.4mmだったと報告した.腱組織はストレッチングよりも筋収縮によってさらに伸張される可能性を示しており,腱損傷後などのリハビリテーションで段階的なストレッチングを実施する際に示唆を与えるかもしれない.アキレス腱伸張量とストレッチング時間との関係については,ストレッチングを3分以上行っても2分のアキレス腱長と差がなかったことから,腱組織の伸張を目的としたストレッチングは2分間で十分であると考えられた.【まとめ】本研究の結果,アキレス腱の伸張を目的としたストレッチングは2分で有効であることがわかった.
著者
金澤 一郎
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.97-103, 1989-03-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
12

ニューロン同士の情報伝達にかかわる化学物質である神経伝達物質の概念そのものが近年大きな変革をせまられている.かつてのように局在, 作用, 放出といった性質の他に最近では特異的レセプターの存在も重視されてきている.さらに, 同一ニューロンに二種類あるいはそれ以上の神経伝達物質が局在していることも明らかになっていることなどを概説した.さらに, このような神経伝達物質の基礎的知識の臨床応用として, ヒト神経疾患脳で測定されているが, その変動のパタンが単にニューロン変性の二次的現象としての減少, 形態変化を伴わない機能低下を反映した減少の他, 代償的増加など三つの基本的パタンがあることを述べた.
著者
菱沼 典子 石川 道子 高橋 恵子 松本 直子 鈴木 久美 内田 千佳子 金澤 淳子 吉川 菜穂子 川越 博美
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.76-82, 2007-06
被引用文献数
1 1

目的:大学内に市民が立ち寄り活用できる健康情報サービススポットが開設されて3年目になる。この健康情報サービススポットの広報活動が,利用者の増加に有用であったかどうかを検討し,今後の広報活動への示唆を得ることを目的に本研究を行った。方法:調査対象期間は2004年4月〜2006年12月であり,健康情報サービススポットの記録と,研究者間での振り返りからデータを収集した。広報活動を時間軸に沿って整理し,来訪者数,リピーター,健康相談者数,ならびに当該地域住民,当該自治体,看護職・司書等からの協力や連携等の問い合わせ件数の推移を調べた。結果:3年間の広報活動の内容は<知ってもらう宣伝>と<来てもらう催事>に大別され,<近所付き合い>から始め<町のキーパーソンとの連携>によって推進されていた。<知ってもらう宣伝>は,ポスターやチラシ,案内板や看板,地域の行事への参加,ホームページの活用で,イメージキャラクターを用い,サービス内容を選択して宣伝内容としていた。<来てもらう催事>はハーブティや抹茶のサービス,ランチタイムミニ健康講座・ミニコンサートの定期的催しであった。健康情報サービススポットの最も重要な活動である健康相談の月平均利用者は,2004年31.7名から2006年88.4名と増加し,2005年の相談者の12%がリピーターであった。宣伝媒体を受け入れている店舗数は2006年現在,ポスター掲示が31件,カードの設置が10件で,自治体や自治体内の諸機関からの連携依頼や専門職の見学もあった。考察:これらの結果から,健康情報サービススポットの利用者が増え,その存在が広く知られてきていることが確認でき,広報活動は有用であったと考える。大学と地域との連携や,広報活動の中での健康情報サービスの実施について考察した。