著者
金光 淳
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
no.29, pp.27-50, 2016-09

ウェブ調査による都市ブランド調査によって109都市(一部地域)の都市ブランドの構造とその生成メカニズムが解明される.衣食住遊,経済政治社会分野にわたる21のブランド要素からなる都市ブランドモデルで測定されたスコアでは東京都心部と京都市をトップとする不平等構造が明らかになった.また因子分析は4種類の都市類型の分化構造を明らかにし,多重対応分析によって4類型に対応した「伝統・観光都市」「近代的大都市」「地方都市」「大都市郊外都市」の都市分布構造マッピングが描出された.さらに地理空間変数と諸都市資本(自然資本,文化資本,社会関係資本,創造資本)によるクラスター分析によっても「中核都市クラスター」「大都市郊外都市クラスター」「地方都市クラスターI」「地方都市クラスターII」「周辺都市クラスター」の階層的都市システムが明らかにされた.最後にPLS回帰分析による都市ブランドに対する諸資本の効果分析では,「都市ブランドの地理的埋め込み仮説」「高都市ブランド高文化資本仮説」「高都市ブランド高寛容性仮説」「 高都市ブランド創造都市仮説」が支持されたが,「高都市ブランド高ソーシャル・キャピタル仮説」は支持されなかった.これらの結果から今後の都市ブランディングに関するインプリケーションと課題が示された.
著者
金 碧臻
出版者
首都大学東京
巻号頁・発行日
pp.1-85, 2014-03-25

首都大学東京, 2014-03-25, 修士(文学)
著者
金子 之史 森井 隆三
出版者
香川大学教育学部
雑誌
香川大学教育学部研究報告 第2部 (ISSN:03893057)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.p43-52, 1976-03
被引用文献数
2
著者
金子 之史 前田 喜四雄
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.1-21, 2002-06-30

日本人の研究者による哺乳類の学名の記載とその学名を付与した模式標本の保管状況を把握することは,哺乳類学の基礎である分類学を確立するためには欠くことができない.しかし,日本の哺乳類研究者がいままでに記載発表した哺乳類の新種·新亜種などの学名と模式標本のリストは今泉(1962)を除いてなく,それも未完である.日本におけるこのような状況を改善するために,2000年までの日本人哺乳類研究者が記載した学名と出典文献のリストを作成した.このリストには "nom.nud." などの無資格名も含んだ.結果として,適格名206のうち,模式標本が現在も保管されている学名は64(31.1%),模式標本が消失した学名は57(27.7%),および模式標本の所在が未調査("N.V.")の学名は85(41.3%)となった.以上の結果から,我々は動物学標本と文献を永久に保管できる国立の自然史博物館の設立を強く希望する.
著者
金子 元久
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.21-36, 1990-10-05 (Released:2011-03-18)
参考文献数
81
被引用文献数
1
著者
嵯峨山 茂樹 小野 順貴 西本 卓也 金子 仁美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

数理モデルに基づいて音楽信号および音楽情報の解析・認識・加工・生成の多角的な研究を行い、多大な成果を生み出した。この中には、多重音の解析のために多重音モデルのパラメータ推定(HTC)に基づく方法、同じくスペクトログラムの非負値行列分解(NMF)に基づく方法、調波音と打楽器音の信号分離(HPSS)、スペクトログラムからの位相成分の復元に基づく楽曲の速度変換やピッチ変換などの高品質な信号加工、ステレオ音楽信号からのパート分離、人声に含まれる揺らぎ成分に基づく歌声の抽出と消去、音楽信号からの和声自動推定、楽曲を構成するリズムの自動学習と小節分割(RhythmMap)、それに基づく楽曲ジャンルやムードの自動分類、多声部音楽信号からのリズム構造推定と自動採譜、上位の音楽理論から下位の信号観測までを統合したDynamic Bayesian Net に基づく音楽モデルと自動採譜、楽譜データからの作曲家自動推定、確率場学習に基づく楽譜からの音楽的な自動演奏、テーマ模倣を含む自動対位法による自動作曲、歌詞の日本語韻律を利用した自動歌唱作曲、以上の研究を支える機能和声データベースの構築など、極めて広い範囲の研究成果を含む。これらは、ジャーナル論文、国際会議論文、解説論文、国内学会発表、自動作曲のwebサービス、メディアによる報道などにより社会に公表している。
著者
金丸 みつ子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.150, no.4, pp.177-182, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
31

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は,睡眠中に気道閉塞とそれに伴う無呼吸/低呼吸を繰り返し起こす.それに伴う繰り返す低酸素/高炭酸ガス血症や中途覚醒は,メタボリックシンドロームや認知症や骨粗鬆症等を併発させ,心筋梗塞や脳血管障害のリスクを高め,日中の眠気から交通事故や労働災害を引き起こす.世界的にも罹患率の高い疾患であり,肥満度の低い日本人においても上気道の解剖学的特徴から罹患率は欧米並みである.軽症から中等症OSAS患者には,持続陽圧換気(CPAP)の治療適応がなく,薬物治療等の新たな治療法が求められているが未だ確立したものはない.多くのOSAS患者の上気道閉塞部位が咽頭気道であることから,その前壁を構成する頤舌筋の緊張の調節因子として,舌下神経核のセロトニン(5-HT)神経について研究が進んできている.舌下神経核の5-HT2受容体を介した頤舌筋の調節が報告されている.我々は,低酸素や高CO2換気・気道応答に対して舌下神経核と孤束核を含む背内側延髄の5-HT2受容体を介した作用を検討した.背内側延髄の5-HT2受容体活性の低下時に,低酸素刺激では反応初期に気道抵抗が増大し換気増大が遅れ,低酸素/高CO2刺激では反応初期の気道抵抗の増大や換気増大の遅れは消失していた.CO2換気・気道応答の結果と合わせて,背内側延髄の5-HT2受容体活性は速やかな低酸素換気・気道応答に重要であるが,CO2の存在により代償されることが示唆された.OSAS治療薬として期待されていた5-HT関連薬のミルタザピンは,臨床試験の途中で体重増加と眠気が大きな壁となった.最後に,OSAS治療薬としての5-HT関連薬の可能性について,上気道の開大性,中途覚醒の抑制,食欲の抑制の視点から考察した.
著者
羽田 貴史 金井 徹
出版者
日本教育行政学会
雑誌
日本教育行政学会年報 (ISSN:09198393)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.158-175, 2010-10-01 (Released:2018-01-09)

The purpose of this paper is to consider the big picture of the presidential appointment system of national universities after World War II and to explore what kinds of presidents were selected under the system. The system of president appointment prevailed in all imperial universities since the system was established in the wake of the Tomizu and Sawayanagi incidents, although legislation to this effect was not fulfilled. This system restricted the constituency of candidates to professors with methods of election : 1) Candidates narrowed down by preliminary committee in advance and 2) A president elected through several elections without a prior selection of candidates. The election system remained with an expansion in the constituency even after the postwar national university system was inaugurated in 1953 which included provision for electing a president independently. In the presidential selection at that time there were only four presidents who were elected at their old universities. The internal promotion system of a president was not a common pattern given the circumstances of antagonism among faculties and the shortage of candidates eligible for president. In addition, "the principal as the professional" that was the personnel transfer route of the Ministry of Education was dismantled because of the system entitling national universities to hold an independent election for presidents. Recommendations of the Central Council for Education (1963) and University Council (1995) pointed out that nearly all presidents actually had little in the way of management skills and that elections tended to become sensational and be favorable for large-scale faculties. The election system, however, has remained in national universities even after these recommendations. The presidents of national universities selected under the postwar election system have had the following characteristics : 1) Almost all national university presidents were selected in their early 60s as they came up to forced retirement as professors of a national university, 2) The number of presidents who graduated from imperial universities or former imperial universities has decreased, and the number of inbred candidates for national universities for presidents has increased, 3) Presidents being given internal promotion have become the majority, and 4) Almost all of these presidents in the postwar period were from the faculties of medicine, technology, science, education, agriculture, or economics. The presidents of national universities have been transformed from being seen as the "president as a symbol of the university" who was a graduate of other imperial universities, which was found at the beginning of the postwar period, to the "president as a symbol of collegiality" selected from his university and well-informed about that particular university. This tendency has remained after national universities were incorporated.
著者
金澤 英作 坂上 和弘
出版者
一般社団法人 日本人類学会
雑誌
Anthropological Science (Japanese Series) (ISSN:13443992)
巻号頁・発行日
vol.126, no.1, pp.5-13, 2018 (Released:2018-06-28)
参考文献数
33

江戸時代の遺跡から発掘された甕棺被葬者(武士階級)と早桶被葬者(庶民階級)の頭蓋196例について第三大臼歯の欠如率を調査した。欠如率は調査歯数に対する欠如歯数の割合として算出し,その結果は,順に早桶男性23.8%,早桶女性26.5%,甕棺男性30.0%,甕棺女性36.0%であった。女性が男性より欠如率の高い傾向にあったが,男女を総合した欠如率は早桶群が24.8%,甕棺群が33.2%であった。この率には5%レベルでの有意差があった。これまでの研究から早桶群が幅広く比較的頑丈な顎を持つこと 甕棺群が狭い顔面と華奢な顎を持つことが知られており,今回得られた結果を考察すると,早桶群では発達した上下顎骨に第三大臼歯を容れる十分なスペースがある一方で,甕棺群ではそのスペースが足りないということがその要因として考えられる。
著者
佐藤 圭悟 金子 弘昌
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.187-193, 2019 (Released:2020-01-28)
参考文献数
20

定量的構造活性相関や定量的構造物性相関では,それぞれ化合物の活性・物性 y と化学構造の特徴を数値した分子記述子 x との間の関係を定量的にモデル化する.回帰モデルの予測性能を向上させるため,アンサンブル学習では複数のサブモデルを構築し,サブモデルからの y の予測値を統合して最終的な y の予測値を計算する.各サブモデルの適用範囲 (applicability domain, AD) を考慮することで,AD 内のサブモデルのみ用いてアンサンブル学習における予測性能が向上することは確認されているが,x が異なるサブデータセット間で AD の比較はできず,新しいサンプルごとにサブモデルを選択したり重み付けしたりして y の値を予測することはできなかった.そこで本研究では AD の指標の 1 つである similarity-weighted root-mean-square distance (wRMSD) に着目し,wRMSD に基づいてサブモデルの重み付けを行う wRMSD-based AD considering ensemble learning (WEL) を開発した.wRMSD は y のスケールであるため x の異なるサブモデル間で AD の比較ができ,wRMSD に基づいて各サブモデルからの y の予測値に重み付けすることで,予測値の信頼性の高いサブモデルほど重みを大きくして予測することが可能となる.水溶解度・毒性・薬理活性それぞれが測定された 3 つの化合物データセットを用いた解析をしたところ,WEL を用いることで従来のアンサンブル学習法と比較して AD が広がり予測性能が向上することを確認した.WEL の Python コードは https://github.com/hkaneko1985/wel から利用可能である.