著者
長田 あかね 家原 彰子 岡井 毅芳 金子 千沙 小林 凱之 高橋 葉子 見市 泰男 山路 興造 渡邊 美秀子
出版者
京都造形芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

長命茂兵衛家文書は、中世から近世にかけて南都両神事能(春日若宮祭能と興福寺薪能)で活動した年預に関する、ほぼ唯一のまとまった文書群であり、日本芸能史・能楽史の研究を中心に、きわめて重要な資料と位置づけることができる。研究期間を通して、同文書について、書誌データの採取、目録・釈文・解題・画像データの作成、参考文献の収集他の作業を達成し、同文書の分析および年預の活動実態に関する研究も行った。その結果、これまで事実上未公開であった同文書の全面公開への道筋をつけ、同文書を活用した今後の研究発展に貢献しうる成果を得るに至った。
著者
国府島 泉 山本 洋 山本 マリリア明美 中村 知明 長町 栄子 寺坂 昌子 金政 泰弘
出版者
Okayama Medical Association
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3-4, pp.385-389, 1984-04-30 (Released:2009-03-30)
参考文献数
11

電子レンジによるおしぼり付着菌の殺菌効果について検討した.菌付着おしぼりを1本ずつ照射する実験ではE. coli, S. aureus, P. aeruginosaの細菌類は2分間程度のマイクロ波照射で殺菌された.真菌類のC. albicansも3分で殺菌された.しかしB. subtilisの芽胞は5分間のマイクロ波照射でも10%の生残が認められた.実際面を考慮しておしぼり10本程度を同時に行なう場合は,効率的にやや長時間を要するが,芽胞以外のものを対照にする限り5分照射で充分である.電子レンジによるおしぼりの殺菌は手軽に短時間にしかも効果的になされることが判明し,自家処理おしぼりの殺菌にはもちろんのこと業者処理おしぼりの追加殺菌にも有用であると考えられる.
著者
石井 正紀 山口 泰弘 井角 香子 中村 友美 金井 淳子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

慢性閉塞性肺疾患 COPD) は、加齢に伴い進行し高齢者で多発する老年呼吸疾患である。肺の老化とも関連するCOPDでは、ビタミンD血中濃度低下が、肺機能低下や重症度と相関することが分かってきている。しかし、ビタミンDの補充がCOPDの進行を抑制するかは明らかになっておらず、今回、われわれは、肺特異的ビタミンD受容体過剰発現トランスジェニックマウスを作製し、ビタミンD受容体は、肺組織局所において、抗炎症効果の観点から、COPD増悪の抑制に寄与する可能性が示唆された。また喫煙は、肺胞上皮細胞におけるビタミンD受容体発現に対する負の制御因子としてその発現量の低下を誘導する可能性が示唆された。
著者
鈴木 みずえ 松井 陽子 大鷹 悦子 市川 智恵子 阿部 邦彦 古田 良江 内藤 智義 加藤 真由美 谷口 好美 平松 知子 丸岡 直子 小林 小百合 六角 僚子 関 由香里 泉 キヨ子 金森 雅夫
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.487-497, 2019-10-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
34

目的:本研究の目的は,パーソン・センタード・ケアを基盤とした視点から認知症高齢者の転倒の特徴を踏まえて開発した転倒予防プログラムの介護老人保健施設のケアスタッフに対する介入効果を明らかにすることである.方法:2016年5月~2017年1月まで介護老人保健施設で介入群・コントロール群を設定し,認知症高齢者に対する転倒予防プログラムを介入群に実施し,ケアスタッフは研修で学んだ知識を活用して転倒予防に取り組んだ.研究期間は,研修,実践,フォローアップの各3カ月間,合計9カ月間である.対象であるケアスタッフにベースライン(研修前),研修後,実践後,フォローアップ後の合計4回(コントロール群には同時期),転倒予防ケア質指標,学際的チームアプローチ実践評価尺度などのアンケートを実施し,割付条件(介入・コントロール)と時期を固定因子,対象者を変量因子,高齢者施設の経験年数,職種を共変量とする一般線形混合モデルを用いた共分散分析を行った.結果:本研究の対象者のケアスタッフは,介入群59名,コントロール群は70名である.転倒予防プログラム介入期間の共分散分析の結果,転倒予防ケア質指標ではベースライン63.82(±11.96)からフォローアップ後70.02(±9.88)と最も増加し,有意な差が認められた.介入効果では,認知症に関する知識尺度の効果量が0.243と有意に高かった(p<0.01).結論:介入群ではケアスタッフに対して転倒予防ケア質指標の有意な改善が得られたことから,転倒予防プログラムのケアスタッフに対する介入効果が得られたと言える.
著者
金石 圭祐 川畑 正博 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.130-134, 2015 (Released:2015-06-17)
参考文献数
16
被引用文献数
2

終末期がん患者における不眠は頻度の高い苦痛症状の1つである.患者だけでなく,家族や介護者にとっても負担は大きい.薬物療法は主要な対応の1つであるが,多くの終末期がん患者にとって薬剤の内服は困難となる.今回われわれは不眠に対しフルニトラゼパムの単回皮下投与の有効性を示すことを目的とした観察研究を行った.睡眠の評価にはSt. Mary’s Hospital Sleep Questionnaire を使用した.主要評価項目は睡眠の質とした.30人の患者が対象となった.良好な睡眠の質が得られた患者の割合は90%であった.平均睡眠時間は7.5時間で,入眠までの平均時間は31分であった.投与後2人がせん妄と診断された.平均呼吸回数の減少がみられたが,臨床的な問題はなかった.終末期がん患者における不眠に対し,フルニトラゼパムの単回皮下投与が有効に使用できる可能性が示された.
著者
金子 茂男 水永 光博 宮田 昌伸 八竹 直 松田 久雄 杉山 高秀 朴 英哲 栗田 孝
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.1361-1366, 1991-11

正常成人の夜間の陰茎勃起現象は,1時間20~25分ごとに約20~40分間生じている.勃起時の陰茎の周径は約4 cm太くなり,硬さは約85%(RigiScanの硬度指標)であった.夜間陰茎硬度・周径連続測定方法によりインポテンスの診断,とくに器質性,機能性勃起不全の鑑別は信頼度の高いものになると思われる
著者
小菅 亨 岡田 隆 増田 敦子 石井 孝法 山田 利彦 金丸 雄介 菅波 盛雄
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bulletin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.9, pp.183-191, 2015

柔道の競技力強化の現場で行われている「ロープトレーニング」とは上肢と体幹を主に用いて局所筋持久力と全身持久力の向上を目的に行われるものである.この方法が柔道競技において普及しているのは柔道には上肢と体幹を多く用いるという競技特性があるためである.本研究ではロープトレーニングの生理学的反応を明らかにし,ロープトレーニングのトレーニング効果に関する知見を得ることを目的とした.大学男子柔道部員10名を対象とし,ロープトレーニングをTabata protocolに模倣したロープトレーニングで行わせた.測定項目は酸素摂取量,血中乳酸濃度,心拍数とした.また,自転車ペダリング運動によって測定される仮定最大値(VO2max ,Lamax, HRmax)との相対値を算出した.結果はVO2max に対してロープトレーニング中のpeakVO2は有意に低く,Lamax に対し,ロープトレーニング中のpeakLaは有意に高かった.peakHRはロープトレーニング中ほぼHRmaxに近い値で推移し,有意差はなかった.上記によりロープトレーニングは解糖系に最大の負荷をかけるが,酸化機構には最大の半分程度の負荷しかけることができないということになる.これは,上肢などの局所筋における解糖系に大きな負荷がかかることで酸化機構への負荷が十分に高まる前にオールアウトしたことが原因であると考えられる.今後は,ロープトレーニングで負荷をかけることができなかった酸化機構に最大負荷をかけることができるプロトコルを探索していくことが課題の1つである.
著者
金山 富貴子 山本 眞理子
出版者
筑波大学心理学系
雑誌
筑波大学心理学研究 (ISSN:09158952)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-131, 2003

我々は、日常生活において様々な他者と相互作用を行う中で、種々の感情を相手に対して持つ。このような、ある特定の人物に対する感情は、対人感情と呼ばれる。対人感情とは、"特定の他者に対する持続的な感情"であり、相手との ...This study aims to examine the structure of emotions toward a disliked person. Respondents were 143 undergraduate students who were asked to imagine a particular person who belonged to the same group they disliked and completed a questionnaire concerning their emotions ...
著者
山崎 翔子 岩本 百合子 金谷 和明 畠山 薫 上原 さとみ 鈴木 淳
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.72, no.8, pp.495-499, 2019-08-20 (Released:2019-09-20)
参考文献数
30

都内ペットショップで飼養されている犬及び猫の病原体保有状況を調査した.54施設において,犬364頭から糞便355検体及び被毛361検体,猫113頭から糞便111検体及び被毛112検体を採取した.動物由来感染症の病原体として,Campylobacter jejuni(犬糞便5検体),Giardia intestinalis(Assemblage A)(猫糞便2検体),病原大腸菌(EPEC O119:NM)(猫糞便1検体),皮膚糸状菌(犬被毛4検体,猫被毛4検体)が検出された.施設内に病原体が持ち込まれることを前提とした検疫体制の整備と,施設内での交差汚染を防ぐための衛生管理が重要であると考えられた.
著者
大島 堅一 上園 昌武 木村 啓二 歌川 学 稲田 義久 林 大祐 竹濱 朝美 安田 陽 高村 ゆかり 金森 絵里 高橋 洋
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1.システム改革と市場設計に関する研究:電力システム改革の背景にあるエネルギー転換や世界的なエネルギー政策の構造改革について調査し、日本の状況との比較検討を行った。また、エネルギー転換の一環として世界的に盛り上がる国際連系線について、電力システム改革の観点から研究した。2.地域分散型エネルギーの普及、省エネルギーの促進政策研究:地域分散型エネルギーの普及については、特に欧州の国際連系線の潮流分析や市場取引状況について定量的評価を行なった。また国内の系統連系問題に関して主に不適切なリスク転嫁の観点から、参入障壁について分析を行った。 省エネルギーの促進政策の研究については、対策技術種類と可能性、対策の地域経済効果、技術普及の際の専門的知見活用法について検討した。3.新しいビジネスと電力会社の経営への影響に関する研究:電力の小売全面自由化の影響にいて整理・分析し、その研究成果の一部を「会計面からみた小売電気事業者の動向」として学会報告した。加えて2020年4月からの発送電分離と小売部門における規制料金の撤廃の電力会社の経営面に与える影響について制度面ならびに国際比較の観点から分析を行った。4.エネルギーコストに関する研究:昨年度の研究成果を踏まえて、風力発電事業者複数社等への追加ヒアリング調査を行い、疑問点の解決を図った。加えて、原子力のコストについて、現時点での新たな知見に基づく再計算と、電力システム改革下における原子力支援策についての分析を行った。5.経済的インパクトに関する研究: 2005年版福島県産業連関表を拡張し、再生可能エネルギー発電部門を明示化する作業を行い、拡張産業連関表の「雛形」を完成させた。これを福島県の実情を反映したものにするための準備作業として、風力、太陽光、小水力、バイオマス、地熱の業界団体・専門家に対してヒアリングを行った。
著者
落合 雄彦 金田 知子
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.531-550, 2008-12-26
著者
小田原 真希 山科 卓也 入江 健司 山下 克也 鶴田 南奈子 塚田 寛子 鶴山 萌子 金内 弘志 原 利宝 児玉 真由子 久保 徳彦 平木 洋一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.319-328, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

In this study, antimicrobial stewardship team (AST) intervention was evaluated by comparing patient outcomes and consumption of broad-spectrum antibiotics [carbapenem antibiotics and tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC)] before and after the intervention. There was no fluctuation in the consumption rate of carbapenem, TAZ/PIPC and other antibiotics, but there was a decreased annual consumption of antibiotics after AST intervention compared to before intervention. For the carbapenems, antimicrobial use density (AUD) of meropenem (MEPM) was highest in both periods, at 20.1 and 20.4 before and after AST intervention, respectively, with no significant change after AST intervention. However, the days of therapy (DOT) for MEPM were 27.4 and 24.8 d, respectively, with a decreasing trend after AST intervention. AUD and DOT for TAZ/PIPC after AST intervention were 6.5 and 8.1 d, respectively, which were lower than the pre-intervention values. Rapid identification of the causative strain enables early de-escalation and may improve the economics of antibiotic use, but there was no difference from before to after AST intervention. Compared with before and after strain identification, the carbapenem administration rate after AST intervention was significantly lower than the pre-intervention rate (p<0.01). There was no difference in 28-day mortality and treatment period before and after AST intervention, and there were no differences in outcomes such as resolution of bacteremia, mortality, exacerbation and no change from before to after AST intervention. Based on these results, we suggest that AST intervention can reduce consumption of antibiotics without altering patient outcomes.
著者
松本 金寿
出版者
立正大学文学部
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
no.32, pp.3-23, 1968-12