著者
金藤栄孝 二木厚吉
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.770-784, 2004-03-15
被引用文献数
1

Dijkstraのgoto文有害説とそれに引き続く構造的プログラミングの提唱以降,goto文の使用に関する問題は長く議論されてきたが,goto文の使用法に関しての理論的裏付けを持つ研究としては,逐次的プログラムの制御フローは3基本構造(順次接続,条件分岐,反復)のみで表現可能であるからgoto文を用いたプログラムは3基本構造のみによる等価なプログラムに書き換えられる,という結果に基づいたMillsらのgoto文排斥論以外は皆無であり,Dijkstra本来のプログラムの正しさを示す手段としてのプログラムの構造化という観点でのgoto文の使用の是非は,プログラム検証論の立場から考察されなかった.本論文では,プログラムの正しさを示すという検証手段としてのHoare論理に基づきgoto文の使用を再検討する.特に,多重ループの打ち切りの場合,goto文を用いて脱出するプログラミングスタイルの方が,Mills流のBoolean型変数を追加してループを打ち切るスタイルよりも,Hoare論理での証明アウトラインが簡単に構成でき,したがって,前者のgoto文を用いたプログラミングスタイルの方が,そのようなプログラムに対するHoare論理による検証上からは望ましいことを示す.There have been a vast amount of debates on the issue on usages of goto statements initiated by the famous Dijkstra's Letter to the Editor of CACM and his proposal of ``Structured Programming''.Except for the goto-less programming style by Mills based on the fact that any control flows of sequential programs can be expressed by the sequential composition, the conditional (If-Then-Else)and the indefinite loop (While), there have not been, however, any scientific accounts on this issuefrom the Dijkstra's own viewpoint of verifiability of programs.In this work, we reconsider this issue from the viewpoint of Hoare Logic,the most standard framework for proving the correctness of programs, and we see that usages of goto's in escaping from nested loops can be justified from the Hoare Logic viewpoint by showing the fact that constructing the proof-outline of a program using a goto for this purpose is easier than constructing the proof-outline of a Mills-style program without goto by introducing a new Boolean variable.
著者
所 安夫 小金澤 滋
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.972-985, 1976 (Released:2007-12-26)
参考文献数
60
被引用文献数
3

日本住血吸虫症に随伴した直腸癌及びS状結腸巨大ポリープ集落の各1例を資料とし, 前者標本全域の虫卵の分布を算え, 且癌境界部の粘膜の厚さと組成とを測定し, 計測病理組織学見地より若干の考察を企てた. 1) 虫卵は癌巣内及びそれより肛門側に皆無, 2) 粘膜下層全体の虫卵と直腸全体のそれと略等しい, 3)虫卵による異物炎は殆んどない, 4) 虫卵と上皮腺の増殖とは特に関係せぬ. 5) 癌境界域の組成と厚さとは全周で極めて不整, 6) 6mmの厚さは全て癌巣よりなるが4mm~2mmは正常粘膜内又は下に入りこんだ癌との総和である, 7) 癌の側方伸展は甚だ強烈, 8) 癌化腺と非癌腺との境は常に鋭利且鮮明, 癌化の過程を実像として追跡不可能, 9) 境界部も虫卵に乏しい, 10) 粘膜腺増殖は全く非特異的, 11) 随伴癌成り立ちの因果性は薄弱.
著者
入江 さやか 金 明哲
出版者
計量国語学会
雑誌
計量国語学 (ISSN:04534611)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-18, 2019-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
59

日本の方言は,これまで多くの先行研究によって,語彙・文法・音韻などの違いから,種々に分類されてきた.構造言語学的な体系的基準による分析は当然行われるべきことであるが,現実の言語行動において,実際に使用された頻度を考慮した分類も重要であると考える.そこで,本研究では,自然談話における拍のbigramの頻度データを使用し,近隣結合法を用いた系統樹を作成して,各地方言の分類を行った.その結果,北アルプスを境として,東西に分かれ,岐阜と愛知は共に西に分類できた.次に,東西の方言における拍bigramの特徴を見るために,比率差の検定を行ったところ,東では「ンダ・ネー・ダカ・ッテ・ダッ・ダヨ・ガラ」,西では「ナー・モー・(u)ーテ・ホイ・ンヤ・ンジャ・ソヤ」が,有意な差が見られる拍bigramとして上位に抽出された.
著者
熊谷 良雄 糸井川 栄一 金 賢珠 福田 裕恵 雨谷 和弘
出版者
東京都立大学
雑誌
総合都市研究. 特別号 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.123-143, 1996-12
被引用文献数
2

平成7年1月17日未明に発生した「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」は、未曾有の構造物被害をもたらし、長期間にわたって発生した火災ともあいまって、5,500人以上の直接的な死亡者を発生させた。また、地震発生直後からの応急対応が体系的に実施されなかったこと等によって、900人以上にも及ぶいわゆる震災関連死をもたらす「阪神・淡路大震災」に発展していった(平成8年12月26日現在、死者数:6,425名,行方不明者数:2名)。22ヵ月を経過した平成8年11月時点で兵庫県下では、11万3千棟の公費解体数の約70%にあたる建築確認申請が受理され、遅々としたペースではあるが被災建物の再建が進みつつある。しかし、建物個々の耐災性に関する調査や提言はなされているものの、地区そのものが本来抱えている脆弱性、たとえば、地形・地質と被災度等の分析は、それほど多くはない。今後の被災地域の復興や被災地域外での防災対策立案にあたって、個々の被害項目を対象とした被害発生分析: Damage Assessmentは必須のものである。阪神・淡路大震災によってもたらされた膨大な人的被害についても、死因に関する分析や個々人の死に至った過程に関する分析はなされているものの、自然的・社会的な地区特性等との関連については被害量の膨大さに圧倒され、いまだに被災地域全体を横断的にとらえた検討はなされていない。そこで、本研究でははじめに、建設省建築研究所のGIS: 地理情報システムを用いて個々の建物被災度と死亡者発生の関連を分析する。それを踏まえて、地区特性と死亡者発生率との関連を、神戸市の沿岸6区の町通単位で分析する。本研究が、震動によって直接的に犠牲となった5,500人以上の方々を慰霊できれば望外の幸せであり、また、二度とこのような犠牲が出ない都市・地域を形成することに役立てば、と願っている。More than six thousands lives were lost in the Great Hanshin-Awaji Earthquake. Around 90% of the causes of deaths were related to housing damages such as completely collapsed and burnt down. In this study,firstly,we try to clarify the relations of each victim to damage,use and structure of building which was living the victim before the quake. The geographical information system in the Building Research Institute was utilised for this analysis. Secondery,as part of the damage assessment of the Great Hanshin-Awaji Earthquake,the fatality rate in each district (Chou and Touri) in Kobe City was analysed through building damage rate caused by the quake and demographic and socio-economical backgrounds in each district. Several conclusions are as follows: 1) The fatality rate of female was 20-30% as high as male. 2) 90% of building where fatalities used to live before the quake are low-rise buildings. 3) In low-rise detached and apartment houses,80% of fatalities were killed in completely and half collapsed buildings. 4) When the rate of completely collapsed buildings increase 10%,number of death per total number of building will increase 0.05-0.06 person/bldgs. 5) The fatality rate in each district depends not only on the building damage rate but also on the ground failure of residential land. 6) Concentration of small residential houses contribute to decreasing of the fatality rate.
著者
鈴木 仁之 田中 啓三 金光 真治 徳井 俊也
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.764-767, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1 2

Basedow病に胸腺過形成が合併する原因については,いまだ明らかにはされていないが,甲状腺機能亢進症により二次的に胸腺過形成が生じるという説や,ある種の免疫機構の関与を示唆する説がある.今回我々は,Basedow病に合併した胸腺過形成の2例を経験したので報告する.1例は甲状腺機能亢進症の遷延と,胸腺については腫瘍性病変の存在が否定できなかったために,甲状腺亜全摘と胸腺摘出術が施行された.もう1例では甲状腺機能は徐々に正常化したが,腫瘍の縮小を認めないため,生検が施行された.2例とも腫瘍性病変は認めず,胸腺過形成と診断された.しかし組織学的にはリンパ様過形成と真性過形成との違いが確認され,両者における胸腺過形成の背景因子ないし発生メカニズムの違いが示唆された.
著者
金子 大智
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.52-61, 2017

本稿の目的は、フランスの哲学者アンリ=ルイ・ベルクソン(1859-1941)の「自由」論を特徴づけることである。それは以下の手順で行われる。初めに、ベルクソンの自由論を主題とする二本の論文を取り上げ、ベルクソンの「自由論」の概観を捉える。一方は、ベルクソンが「自由」を主題とした彼の初の主著である『意識に直接与えられたものについての試論』(以下『試論』)を内在的に論じた論文(西山, 2013)である。他方は、『試論』の次の主著である『物質と記憶』での議論を中心に、その次の著作である『創造的進化』までも射程に入れたベルクソンの「自由」論を論じた論文(平井, 2012)である。ベルクソンの各主著の時系列上の順序を経て「自由」論は変遷を遂げているであろうが、『試論』から『創造的進化』に至るまでどのように変遷しているのかという内実を見ることが必要である。西山(2013)においては、『試論』における記述を解釈し、最初期のベルクソンの「自由」論を描出している。『物質と記憶』においては、「過去実在論」という彼独特の形而上学的テーゼにもとづいて哲学史上のハードプロブレムである心身問題の解決が図られたが、そこにおける記憶理論を参照し、『創造的進化』における生命一般の進化の創造性をも射程に入れ、時間と自由の関係を考察したのが平井(2012)である。西山(2013)では『試論』の範囲内での「自由」論が示される。平井(2012)では、『物質と記憶』の記憶理論を軸に『創造的進化』までも踏まえた「自由」論が示されるが、前者における(一つの完結した著作ゆえの)残された問題を後者の自由論によって補完できることが本稿において示される(それは『試論』から『創造的進化』へと至る過程がベルクソンの「自由」論の深化であることが内実を持って示されることでもある)。このような概観をふまえ、ベルクソンの「自由」論のさらなる問題を提示する。
著者
葉梨 輝 金野 俊洋 櫻井 敏博 今川 和彦
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.214-220, 2009 (Released:2009-12-08)
参考文献数
28

レトロウイルスは新しい遺伝子を取り込み,その機能を獲得,発揮することが出来る.実際,レトロウイルスの一種であるラウス肉腫ウイルスは宿主に感染することによって,宿主の持つがん遺伝子srcを取り込み,それを自らのゲノムの一部にしたことは良く知られている.このようにレトロウイルス側が宿主細胞側の遺伝子を取り込み利用することが可能であれば,それとは逆に,細胞生物側がレトロウイルス由来の遺伝子を取り込んで利用することがあっても不思議ではない.脊椎動物のゲノム上にはレトロウイルス由来と思われる配列が数多く存在しており,内在性レトロウイルス(Endogenous Retrovirus, ERV)と呼ばれている.そして,それら遺伝子の発現は,哺乳類において特徴ともいえる“胎盤”で高いことが知られている.このようなレトロウイルス由来タンパクの組織特異的な発現とその機能を考えれば,レトロウイルス由来の遺伝子が胎盤の形成機構に関与している可能性は高い.本論文では,哺乳類,特にヒトにおける胎盤形成のメカニズムと内在性レトロウイルスの関係について,胎盤に発現するERV由来タンパクsyncytinを中心に,今後の展望を交え述べていく.
著者
金子 正彦
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.76-77, 2000-01-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
9

光磁気ディスクの構造,記録再生の原理を述べ,その特徴を紹介する.第1世代のディスク以来の高密度化の流れをレビューして,現在および今後の高密度化について概説する.
著者
岡田 啓司 加崎 弘康 東郷 幸 冨澤 伸行 原 茂雄 金田 義宏
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.673-676, 1995-09-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
13

健康なビーグル犬各7頭に, 消風散, 当帰飲子, 小柴胡湯および小青龍湯の漢方方剤1.25g (小青龍湯は1.5g) を朝, 夕2回に分割して連続7日間経口投与したところ, 消風散を除く3方剤により, Compound 48/80に対する皮内反応を指標とした肥満細胞脱顆粒作用は有意に抑制され, 当帰飲子を除く3方剤により, リン酸ヒスタミンに対する皮内反応を指標とした抗ヒスタミン作用は有意に増強された. また, 小青龍湯および小柴胡湯投与開始後7日には, 血中Cortisol濃度が投与開始前に比べて有意に増加した.
著者
金子 元久
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.123-133,en234, 1980-09-20 (Released:2011-03-18)

Since its establishment. as a discipline the economics of education has been progressing eminently to date. This paper aims at clarifying the nature of theoretical development of the discipline. It is argued that:(i) it was the human capital theory that provided a core for the economics of education to be established as a dispcipline, and it provided a basis fort both the analyses of the relation of education with income distribution and with economic growth;(ii) but the major issue was the education-social equity side in the 70's, where the theory was challenged seriously by others, while the theory itself developed towards the direction to be a general theory of individual choice of action and its consequences; and (iii) on the other hand, in the education-growth side the human capital theory was unrivalled for some years with its internal-rate-of-return concept, but the inadequacy of it is now becoming apparent. The conclusion is that besides its wealthy stock of theories and statistical results, the Economics of Education provides a resourciful insight to the Sociology of Education with its dialectical development as a discipline with twenty years history.
著者
김 혜영 김 태성 キム ヘヨン キム テソン 金 惠英 金 泰成 Kim Hye-young Kim Tae-seong
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The social sciences (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.5-29, 2014-05

記録(Proceeding)北に渡った言語学者・金壽卿 (キムスギョン) (1918-2000)の再照明 : 人文科学研究所国際学術シンポジウム「磁場としての東アジア」第4回記録Revisiting North Korean linguist Kum Sugyǒng (1918-2000) : proceedings of International symposium "East Asia as a Magnetic field" (4)
著者
金 愛慶 Aekyoung KIM
雑誌
白梅学園大学・短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.42, pp.13-28, 2006-03-25

本研究は,日本の若者の「ピアッシング行為」と「自傷行為」に対するイメージを調べると共に,ピアッシング行為と自傷との関連性について検討した。短期大学生を中心とした285名を対象(女性256名・男性28名・不明1名)に,「ピアッシング実態」,「ピアス・イメージ」「自傷行為イメージ」「ピアッシングを自傷行為だと感じる程度」に関する独自に作成した質問紙を実施した。ピアス・イメージでは「Fac.1内面的高揚」,「Fac.2女性的」,「Fac.3否定的外見」,「Fac.4ファッション道具」の4因子が抽出され,自傷行為イメージでは,「Fac.1実存手段」,「Fac.2非共感」の2因子が抽出された。ピアス・イメージにおいて,ピアス「過剰群」は「Fac.2女性的イメージ」,「Fac.4ファッション道具」のイメージを最も強く持っており,「Fac.3否定的外見イメージ」は相対的に低かったが,ピアス「平均群」は「Fac.2女性的イメージ」,「Fac.4ファッション道具」のイメージ得点が低い反面,「Fac.3否定的外見イメージ」の得点が最も高かった。平均群と過剰群におけるピアス・イメージの質的違いがピアスのホール数の違いをもたらす鍵となり,平均群の過剰ピアッシングの抑制要因となっていることが示唆された。ピアッシングと自傷との関連性においては,「ピアッシングを自傷行為だと感じる程度」というより直接的質問に関しては平均群と過剰群間の有意差は見られなかったが,自傷行為イメージの「Fac.2非共感」では過剰群が平均群よりも有意に低く,過剰群は有意に自傷行為に共感的である結果であった。この結果から過剰なピアッシング行為は自傷と親和的であることが示唆された。
著者
小田 桂吾 吉田 和歌子 藤沼 絢子 児玉 真知子 鈴木 恒 吉田 怜 成田 崇矢 馬見塚 尚孝 金森 章浩 宮川 俊平 平野 篤
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C3P3435, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】膝前十字靱帯(以下ACL)再建術後、再度ACL断裂を受傷した症例について調査し、今後のリハビリテーション(以下リハ)プログラム及び予防プログラムについて検討することを目的とする.【対象および方法】平成15年4月から平成20年9月までの期間に、当院で自家半腱様筋腱(および大腿薄筋腱)を用いた解剖学的二重束でACL再建術施行例のうち経過観察可能であった155名(男性70名,女性85名,平均年齢24±10歳)のうちACL再受傷した4名を対象とした.調査項目はACL再受傷発生頻度,性別,年齢,競技種目,競技レベル,再受傷期間,受傷機転について検討した.なお本研究は当院の倫理委員会の審査を受け、承認されたものである【結果】全手術例に対するACL再受傷発生率は2.6%であった.症例の性別,年齢,競技種目は男性1例(24歳、サッカー、JFLチーム所属).女性3例(16~17歳、バスケットボール部所属で全国大会出場レベル1例,県大会出場レベル1例、ハンドボール部所属,県大会出場レベル1例)で再受傷期間は165±47日であった.【考察】再断裂した症例は1例(女性,バスケットボール部全国大会出場レベル)を除いて競技復帰前に受傷していた.移植腱の成熟および骨の癒合は3~6か月程度要すると報告されていることから、この時期のリハは筋力の回復状況や膝固有感覚の回復を考慮したプログラムを実施すると同時に危険肢位等のリスク管理を十分患者に理解させ、再断裂を未然に防ぐことが重要である.また2例は部活動以外のアクシデントで再断裂している.スポーツ活動中だけでなく日常生活レベルでのリスク管理の指導も十分行う必要性がある.以上のことは以前から報告されているが、改善されていない理由として患者本人の病態意識の低さだけでなく、再断裂した症例は全て初回も再受傷も非接触型で受傷していることから我々のリスク管理を含めた予防トレーニングの指導力不足も関係しているのではないかと考える.また当院では術後6カ月でBIODEXを用いた筋力検査を行い患健比マイナス15%以内、H/Q比60%以上を競技復帰の目安にしており今回、競技復帰後に再断裂した症例はこの目安をクリアし順調に筋力が患健比約90%回復していたにも関わらず再断裂に至ってしまった.当院のACLのリハは筋力検査の結果を競技復帰の目安にし、術後平均約8か月でリハ終了としているが、まだ競技復帰に対して不安感を持っていながら、この時期を境に今まで行ってきたリハのプログラムを終了していたことが誘因のひとつであると推察した.
著者
住友 恒 金子 光美
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
衛生工学研究論文集 (ISSN:09134069)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.128-135, 1983 (Released:2010-03-17)
参考文献数
7

For the purpose of leveling up safty in water supply, the quantification of virus concentration in water resource is required, and one of the most important basic data required for the quantification or the quantitative prediction is the decay constant of viruse in natural water. Therefore, the natural decay or inactivation of Coxsackie-B virus is observed and measured in a cirulative channel (diameter 40cm, width 10cm, depth 20cm) in a laboratory. The experimental conditions are controlled in temperature and sunlight. The former is by a regulative heater and the latter is by a window shutter. The results are summarized in the following forms as κθ=κ20 (1.175) (θ-20), κ20=1.41 (in sunlight condition) and κ'θ=κ'20 (1.143) (θ-20), k'20 =0.87 (in dark condition), where kθ is the decay constant (1/day) in the first order reaction under the temperature θ(°C). The mechanism of the inactivation is also briefly discussed in this paper.