著者
上野 金太郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.170, pp.363-373, 1896-04-26
著者
金子 竹男 小林 憲正 矢守 章
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会秋季講演会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.69-69, 2003

炭素質隕石からアミノ酸、核酸塩基を含む生体有機化合物が検出されていることから原始地球への有機物質の多くが地球圏外起源であったとする可能性が示唆されている。しかし、地球外有機物の地球への持ち込み時の安定性が問題である。これまで彗星や隕石による有機物の地球への持ち込み時の反応を調べる為に衝突実験(_から_2km/s)、アミノ酸の加熱分解実験およびシリカを共存させたアミノ酸の昇華実験が行なわれてきた。しかし、より速い速度での衝突実験は余り行なわれていない。我々は世界最速である宇宙研の電磁加速装置「レールガン」を用い高速衝突実験を行なっている。今回はグリシン水溶液および彗星を模擬したメタノール、アンモニア、水の混合物に高速衝突させた生成物について検討した。<BR>10mM グリシン溶液はステンレス製ホルダーに、また彗星を模擬したアンモニア、メタノール、水の混合物は金メッキしたステンレス製ホルダーに封入し、ドライアイスで冷却後、液体窒素で冷却しながらこれにポリカーボネート製の飛翔体を衝突させた。衝突速度は2.5_-_6.4 km/sであった。生成物の一部を6 M HCl, 110℃で24時間加水分解し、陽イオン交換樹脂で脱塩後、アミノ酸をN-アセチル-L-システインとo-フタルアルデヒドでポストカラム誘導体化する島津LC-6Aアミノ酸分析計で同定・定量した。またアミノ酸の重合物は加水分解前の試料を0.45μmのメンブランフィルターでろ過後、イオンペアクロマトグフィーおよびMALDI_-_TOF MSにより分析した。<BR>グリシンを用いた実験では、加水分解前にはグリシン重合物のピークは観測されなかったが、ジケトピペラジンの生成が示唆された。衝突速度の違いによる生成物の差は見られなかった。海底熱水系を模擬したフローリアクター実験から、グリシンの重合物およびジケトピペラジンの生成が報告されている。イオンペアHPLCの結果から、衝突による高温・高圧状態では、フローリアクター実験で報告されている通常の重合物と異なる物が生成していると考えられる。MALDI-TOF MSの結果からは、2環アミジンの生成が示唆された。これは耐熱性があり、衝突でも残存し、加水分解することでアミノ酸になることが分かった。<SUP>1)</SUP><BR>メタノール、アンモニア、水の混合物を用いた衝突実験では、生成物を加水分解することにより、セリン、グリシンなど多種のアミノ酸が生成することが分かった。<BR>高速衝突でグリシンから海底熱水系模擬実験や昇華実験とは異なる2環状アミジンの生成が示唆され、アミノ酸の一部は重合物を生成することにより衝突による分解を免れることが示唆された。彗星を模擬したメタノール、アンモニア、水の混合物から種々のアミノ酸が生成したことから、彗星の高速衝突によりアミノ酸前駆体が生成する可能性も示された。今後、模擬星間物質を用いた衝突実験を行ない、原始地球への地球圏外起源有機物質の持ち込みについて考察していく予定である。<BR>1)金子竹男、小林憲正、矢守章、スペース・プラズマ研究会平成14年度、79-82 (2003).
著者
松亭金水 作
出版者
大黒屋平吉
巻号頁・発行日
vol.二, 1836
著者
金杉 高雄
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.27-36, 2014-03

「毎度 ! 儲かってまっか 」,「えぇ、ぼちぼちでんなぁ」。大阪人のことばの文化, 話の本題へ入る前のこのようなあいさつの文化の背後にはその地域の人々にしか分からない伝えることばの奥深さがある。ことばを使って相手に自分の意図を伝える場合, 直接的もしくは間接的に伝える方法がある。話し手が字義通りに解釈することを聞き手に期待するのではなく, 言外の意味を読むことを聞き手に期待する間接的な表現の場合, ことばと真意との間にはギャップが生じる。間接的に自分の意図を相手に伝える場合では, 聞き手はそのことばの背後に隠された素顔の人間心理を顔の表情, 声のトーン, 身振り, 手振り等から読み取らなければならない。このような自分の意図するところを字義通りではなく間接的に相手に伝える活動は人間のみが発達させた手法である。そこでは, 時にメタファー・メトニミーのレトリックが用いられる。言外の意図を探ることを話し手が聞き手に求める人間心理の背後には話し手の置かれた状況と生まれ育った環境、経験からの背景知識が相互に関わりあっている。話し手が伝えたい真の意図を聞き手がうまく捉えられない場合に考えられることは認知主体間の主観性が大きく影響を及ぼしていることである。
著者
金澤 康子 森谷 [キヨシ] 百々瀬 いづみ 古橋 卓 大塚 吉則
出版者
天使大学
雑誌
天使大学紀要 (ISSN:13464388)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.23-34, 2010-03-31
被引用文献数
1

ストレスを軽減する可能性をもつ食品としてカモミール茶(C茶)およびペパーミント茶(P茶)の午前中の連続摂取効果を検討した。50〜70歳代女性13名を対象に、午前中にC茶またはP茶の摂取実験を行い、その後3週間C茶またはP茶を毎朝食後に自宅で摂取させた後に同じ摂取実験を行った。実験時に前頭部脳波、唾液アミラーゼ活性、および感情状態を測定した。標準化された質問紙MCL S.1で快感情、リラックス感および不安感得点を求めた。α波の増加はその部位のリラックスを示す。C茶を摂取した後、およびP茶の1回目の摂取後に、前頭部α波パワー値が有意に高くなった。快刺激で活性が低下する唾液アミラーゼ活性は、C茶を3週間摂取した後、およびP茶の1回目の摂取後に、活性が有意に低下した。感情状態は、P茶の1回目の摂取でリラックス感が有意に増加した。午前中のC茶の連続摂取は、夕方の摂取と同様、ストレスを軽減する可能性が示唆された。一方、P茶の1回目の摂取はストレス軽減効果を示したが、3週間の連続摂取後では効果が消失した。
著者
本橋 準 一ノ瀬 貴士 石川 忠夫 甲斐 隆章 金田 裕敏 石塚 隆司
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.119, no.1, pp.14-23, 1999-01-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
10

In recent years, enhancement of consciousness for energy saving and problem of environment are widely encouraging the installation of dispersed storage and generation (DSG) units such as co-generation and photo-voltaic generation. When a distribution line with the DSG is disconnected from the main source of utility, the DSG supplies power to the distribution line. The situation, namely islanding, creates various problems for the reliable and safe operation of the distribution line. Thus, the islanding must be immediately prevented by islanding protection equipment. This paper describes an islanding protection scheme and the digital protection equipment for a synchronous generator. The proposed scheme detects an islanding of a synchronous generator from frequency fluctuation occurred by feeding a sinusoidal small reference voltage signal into the auto voltage regulator circuit of the generator. The authors have manufactured the digital protection equipment applying the scheme, confirmed the excellent performance by testing in an artificial distribution line. In the paper, a determining proceeding of the setting value of the equipment is described.
著者
荻原 啓文 荒木 海人 上村 麻子 金内 理江 江口 勝彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CdPF2042-CdPF2042, 2011

【目的】<BR> 野球やサッカーなどでは,ガムを噛みながら競技を行っている選手を見ることがある.ガム咀嚼が脳血流量を増大させる,あるいはガム咀嚼により覚醒水準が上昇したなどの報告があるが,その結果として運動パフォーマンスにどのような変化をもたらすのであろうか.本研究の目的はガム咀嚼が単純反応時間に及ぼす影響を明らかにすることである.先行研究から,中枢神経への影響であるると推察される.我々は,「反応時間,なかでも中枢神経処理過程を反映しているといわれているpremortor time(以下PMT)を短縮させるのではないか」という仮説をもとに,ガム咀嚼時の,光刺激に対する単純反応時間を検討した.<BR>【方法】<BR> 対象は健常若年成人男性20例(平均年齢22.1歳±1.4)であった.条件1)何も口に含まない,条件2)ガム(エクササイズ・キシリトール ロッテ社)咀嚼,の二条件で光刺激に対する膝伸展を課題として単純反応時間の測定を行った.被験者を足底が床に着かない高さで背もたれつきの椅子に座らせ,右踵部と椅子脚前面に電極を付け右膝関節伸展運動の指標とした.さらにEMGシステムPTS137(Biometrics社)を用い右側大腿直筋より筋電図を導出した.被験者の右前方に配置した光刺激装置の発光部から予告合図なしで単色光を発光させ,刺激に対し素早く膝関節を伸展させた.光刺激,筋電図,関節伸展運動の信号を同期させA/D変換器PowerLab16/30(ADInstruments社)を経由しパーソナルコンピューターに取り込んだ.また,条件2では先行研究に従い,鼓膜温をガム咀嚼前と咀嚼10分後に測定し,脳血流量の指標とした.条件1,2の測定順序はランダム配置にて行った.光刺激から関節運動が起こるまでの時間を反応時間(reaction time,以下RT),光刺激から筋活動が生じるまでの時間をPMT,筋活動から関節運動が起こるまでの時間をmortor time(以下MT)とした.<BR> 得られたデータは,統計解析ソフト(JMP5.0.1,SAS Insti.)を用い,単純反応時間は条件1,2について,鼓膜温はガム咀嚼前後での測定値について,それぞれ対応のあるt-検定を用い分析した.有意水準は5%とした。<BR>【説明と同意】<BR> 対象は,本研究の目的・方法・参加による利益と不利益などの説明を十分に受け,全員自らの意思で参加した.また,本研究は本学研究倫理委員会の規定に基づき,卒業研究倫理審査により承認され実施した.<BR>【結果】<BR> RTは条件1(180±20msec),条件2(177±18msec)と,条件間による有意な差はなかった(p=0.68).PMTは条件1(117±17msec),条件2(112±18mesc),MTは条件1(63±16msec),条件2(65±15msec)と,それぞれ条件間による有意な差はなかった(p=0.84,p=0.27).鼓膜温は,条件1(摂氏35.6度±0.4),条件2(摂氏35.8度±0.4)と,条件間に有意な差を認めた(P=0.003).<BR>【考察】<BR> 一般に鼓膜温は脳循環の内頚動脈温を反映する深部体温であるとされている.塩田<SUP>1)</SUP>はガム咀嚼は脳血流量を増加させ,覚醒レベルを上げると報告している.本研究では,ガム咀嚼前に比べ咀嚼後の鼓膜温は有意に上昇したことから,脳血流量が上昇したと考える.<BR> 一方,条件1と条件2の単純反応時間に有意な差は認められなかった.佐橋<SUP>2)</SUP>は,「ガム咀嚼は認知的機能を亢進させ,反応時間の短縮をさせると考えられる」と報告している.また,佐藤<SUP>3)</SUP>は,光と音刺激による「ジャンプ動作」および「ボタン押し」課題による身体運動反応時間について報告しており,ガム咀嚼前後で差は無かったとしている.本研究でも脳血流量は増加したものの,RT,PMT,MT共に短縮しなかった.<BR> 本研究の結果より,ガム咀嚼は脳血流量は増加せしめるが,反応時間は短縮させないことが明らかになった.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> ガム咀嚼による運動パフォーマンスへの影響を明らかにすることにより,スポーツ競技のみならず,広く応用できる可能性がある.<BR>【文献】<BR>1) 塩田正俊・他:ガム咀嚼による脳覚醒が運動パフォーマンスに及ぼす影響,体力科学. 58(6) : 852, 2009.<BR>2) 佐橋喜志夫:ガム咀嚼が事象関連電位に及ぼす影響,歯科基礎医学会,46(2) : 116-124, 2004.<BR>3) 佐藤あゆみ:ガム咀嚼が身体運動反応時間へ及ぼす影響,東京歯科大学歯科衛生士専門学校卒業研究論文集,20, 2008.
著者
久保 金弥 岩久 文彦 小野塚 実
出版者
日本教育医学会
雑誌
教育医学 (ISSN:02850990)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.335-340, 2008-06
著者
長谷川 修 森島 繁生 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1231-1249, 1997-08-25
参考文献数
76
被引用文献数
46

「顔」は人間にとって非常に身近な存在であると共に, 顔の持ち主である一人一人の人間における個人的な情報, コミュニケーションに係わる情報を始めとした, 言語的手段では表現しにくいようなさまざまな情報を担っている. 近年, 工学分野では主としてコミュニケーションメディアやヒューマンインタフェースへの応用の観点から,「顔」の工学的取扱いに対する研究が活発に行われている. 具体的には, ユーザである人間を対象とした視覚機能をコンピュータにもたせるための顔の認識技術と, コンピュータあるいはコミュニケーションメディアに表現力豊かな顔をもたせるための顔の合成技術である. これらの研究成果は, 従来個別に検討が行われていた顔関連の心理学, 人類学, 美容, 歯科等さまざまな分野においても活用されつつある. 本論文では, このような観点からコンピュータによる顔情報処理に焦点を当て, まず要素技術としての顔画像合成と表情認識について最近の技術動向を概観する. 次に,「顔」の諸特性について考察した後に, 人と人との対面コミュニケーションの支援, 人と機械との間の顔情報を介したコミュニケーションという二つの立場から「顔」の工学的応用について述べる. また,「顔」情報処理の研究のためのツールやデータベース等についても紹介する.
著者
市橋 幸子 荒川 容子 倉田 知香 飯沼 光生 田村 康夫 久保 金弥 岩久 文彦
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.87-92, 2008-02-20
被引用文献数
1

本研究は,高次脳中枢の中でストレスによる影響を最も受けやすいといわれている海馬にスポットをあて,老化促進モデルマウスP8系を用いて,咬合不全が海馬機能に与える影響を検討した。咬合挙上は,マウスの上顎臼歯部に歯科用光重合レジンをもることにより行った。はじめに,ストレス物質である血中のコルチコステロン(CO)濃度を測定した。その結果,老齢期の咬合挙上マウスでは,血中CO 濃度が顕著に上昇していたため,咬合挙上がストレッサーとして作用していることが確認された。次いで,海馬の記憶機能が測定できるモリス水迷路学習テストを行い,咬合挙上と空間認知能との関係を検討した。また,Fos 陽性細胞の発現率から記憶運動にリンクした海馬への情報入力量を検討した。その結果,老齢期の咬合挙上マウスでは,水迷路テストによりプラットホームへの到達時間が延長するとともに,Fos 陽性細胞数が減少していたことから,咬合挙上により海馬への情報入力量が減少し,空間認知能が低下することが示唆された。次に水迷路テスト終了後,咬合挙上と老化プロセスとの関連を検討するため,海馬神経細胞数の計測を行った。老齢期の咬合挙上マウスでは,海馬神経細胞数の減少がみられたことから,咬合挙上が海馬の老化を促進させることがわかった。最後に,海馬におけるグルココルチコイドレセプター陽性細胞とグルココルチコイドレセプターmRNA の発現状況を調べ,咬合挙上が視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA-axis)に与える影響を検討した。咬合挙上マウスでは,GR 陽性細胞とGRmRNA の発現が減少したことから,海馬からHPA-axisへのネガティブフィードバック機構が抑制されていることが判明した。本実験により,咀嚼機能の維持や咬合不調和の改善は,「食べることができる」ようにするということだけでなく,海馬機能(記憶能力)の維持に重要であることが脳科学的に証明された。また,歯の喪失している高齢者の有病率や認知症発症率が高いという疫学調査の結果を考え合わせれば,高齢化が進む我が国において咬合の維持・回復は認知症予防につながる可能性があると期待される。
著者
岩田 健太郎 北村 聖 金澤 健司 丹生 健一 苅田 典生
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.358-363, 2013-10-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
7

背景 : 指導医講習会は「能動的,主体的」であるべきだが,神戸大学病院でのそれは受動的なものであった.方法 : 参加者がより能動的,主体的になるよう,内容をより現場にあい,自由なものに変更をしてきた.この変更内容をまとめ,変更前後(平成20年度と24年度)の受講者のアンケート結果を比較した.結果 : 講習会の内容はより自由な内容となり,KJ法などは用いられなくなった.参加者の評価をスコア化すると,以前に比べて概ね評価は高まったが,研修時間に関しては有意差がなかった.考察 : 指導医講習会の質的改善が試みられ,受講者の満足度は改善した.今後も質的改善を重ねていき,その質の評価も行うべきだと考える.
著者
金村 英秋 相原 正男 中澤 眞平
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.404-408, 2002-09-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
20

前頭葉, 前頭前野の性差による解剖学的左右非対称性について, 三次元MRI画像を用いて定量的に体積測定を行った.前頭葉, 前頭前野ともに男性では左側が大きく, また加齢とともにその非対称性が大きくなるが, 女性では左右非対称性は明らかでなく, 年齢による影響を受けないことを確認した.男性では女性と比較して前頭葉の機能の側性化 (lateraliZation) が強いことが神経心理学的研究で示唆されているが, 今回の検討はこれら機能的側性化を解剖学的に裏付ける結果であった.今後, 神経心理学的検討と合わせて三次元MRIを用いた体積測定を行うことは, 性差における前頭葉, 前頭前野の機能的な相違に客観的知見を与えるものと考えられる.
著者
秋山 恭彦 宮嵜 健史 萩原 伸哉 中右 博也 神原 瑞樹 吉金 努 辻 将大 藤原 勇太 内村 昌裕 永井 秀政
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.10, pp.728-737, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
32

頚動脈ステント留置術は, 全身性動脈疾患であるアテローム性動脈硬化症に対し, 頚部局所のアテロームを制御する治療で, 低侵襲であるために, 周術期の心筋梗塞をはじめとする全身性合併症を低く抑えることが可能である. しかし, 治療本来の目的は脳梗塞予防であるため, 現行の治療は, 周術期の脳虚血イベントを十分に制御できているとはいえない. 本稿では, これまでの頚動脈ステント留置術と頚動脈内膜剝離術のランダム化比較試験および, そのサブ解析の結果を概説し, 本治療法の現状と課題を周術期脳虚血合併症に焦点をあて整理し, 次世代への治療の進歩を探る.
著者
金村 久美
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本語の長音と短音の区別は、外国人にとって習得しにくい。この研究では、長母音と短母音の区別のあるタイ語の母語話者は、母語の正の転移の影響を受け、日本語の母音の長短を容易に習得できるのかどうかを、母音の長短の区別のないベトナム語話者を比較対象として調査した。その結果、タイ語母語話者は日本語母語話者とは異なるパターンで日本語の長さの対立を知覚しており、母音の長短の習得上特に有利であるとはいえないことが明らかになった。
著者
東京・関東信越・仙台・名古屋・金沢・福岡各国税局 国税庁醸造試験所 国税庁鑑定企画官室
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.407-412, 1982

1.前報で述べた価格の異なる種々の原料米を用いて清酒を製造することにより, 原料米の諸特性が清酒の品質にどのように影響するかを調べた。<BR>2.清酒の品質 (総合品質及び熟度) に強く関係する原料米特性として, 使用時精米歩合, 粗たん白分, カリウム分, 死米指摘得点, ジメチルスルフイド分を見いだした。<BR>3.原料米及び清酒の諸特性を主成分分析して, 米質と清酒の品質との関係を調べたところ, 米質の良いものは概ね清酒の品質も良い傾向にあることが分った。<BR>4.玄米換算価格との関連で米質と酒の酒質の関係をみたところ, 玄米換算価格の安いものは米質及び品質が不良で, 玄米換算価格の高いものは米質及び酒質が良くなる傾向があることが分った。