著者
金城 満 杉尾 幸司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.17-30, 2017

工業高校におけるデザイン教育とキャリア教育との共通部分に注目して, 学校行事における高校生の模擬店(Cafe)の企画・運営の実践をとおして,「社会人基礎力」の育成を図る実践研究を行った.具体的には,事前学習のためのICT教材を開発して実践前に必要な知識技術を学ばせた後,実際のCafe運営を体験させた.ICT教材の内容は,「社会から求められている能力」,「コミュニケーションとは」,「デザインの定義」,「社会人基礎力とは」,「マーケティング」,「アクティブラーニング(協調学習・ジグソー法)」,「コーヒー焙煎・抽出方法」の7項目から構成されている.Cafe運営実施前,実施後のアンケート調査からは,事前学習と実施体験が,知識と体験を一体化させる効果を生み,本実践が社会人基礎力の育成に効果的であり,デザイン教育と連携した取り組みがキャリア教育としての効果を向上させ,社会人基礎力の育成に生かせることが明らかになった.
著者
呉屋 五十八 末永 直樹 大泉 尚美 吉岡 千佳 山根 慎太郎 谷口 昇 金谷 文則
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.763-767, 2017

2002年から2014年までの間に,一次修復不能な後上方腱板広範囲断裂に対し広背筋・大円筋移行術を行い2年以上経過観察可能であった25例25肩の術後成績を検討した.関節症変化がなく,骨頭を温存し移行術を行ったのは12例12肩(RCT群),関節症をともなうcuff tear arthropathyで小径骨頭を用いた人工骨頭置換術と移行術を行ったのは13例13肩(CTA群)であった.RCT群は平均年齢65.0歳,男性11例,女性1例,平均経過観察時間は38.3ヵ月であった.CTA群は平均年齢68.6歳,男性4例,女性9例,平均経過観察時間は52.9ヵ月であった.両群の術前と最終観察時のJOAスコアと肩関節可動域,外旋ラグサインの変化,合併症,さらにRCT群では術前と最終観察時のX線所見,術後のMRIによる再断裂の有無を調査した.<BR> JOAスコアはRCT群39.9点から77.7点,CTA群は40.6点から78.0点へ,屈曲はRCT群は49.6&deg;から141.3&deg;,CTA群は56.5&deg;から136.9&deg;へ,外旋はRCT群は15.4&deg;から33.3&deg;,CTA群は16.2&deg;から29.2&deg;へ有意に改善した.外旋ラグサインは術後全例で消失していた.合併症は認めなかった.RCT群で4肩(33.3%)に術後の肩甲上腕関節症の進行を認め,4肩(33.3%)に骨頭上方化の進行を認めた.再断裂は認めなかった.両群でJOAスコア,外旋ラグサインを含め可動域の改善を認めており,広背筋・大円筋移行術は一次修復不能な後上方腱板断裂に対する有用な手技であると考えられた.
著者
クイ レ ゴック フォン 金 どぅ哲
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本研究は,ベトナム中部のフエ省におけるビンディエン水力発電ダムの建設に伴う,集落の水没と移転,そしてその過程で行われた補償を題材に,ベトナムにおける土地問題と少数民族の地域ガバナンスを考察したものである。ビンディエン水力発電ダムの建設によって移転を余儀なくされたボホン集落はベトナムの少数民族であるカトゥ族によって構成され,ダム建設前まで慣習的な土地所有と利用を続けてきた。ところが,ダム建設による移転過程で,伝統的なガバナンスの物的基盤であった総有的な土地資源がなくなり,その結果長老を中心とする伝統的な地域ガバナンスが急激に解体されていった。また,配分された土地では従来のような生計を営むことができず,若年層を中心に出稼ぎが増えており,コミュニティ自体の存続すら危ぶまれる状況である。
著者
金 敏植 加藤 信介 大場 良二 大浦 理路
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第23回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.475, 2014 (Released:2015-03-10)

原子力発電所事故時の迅速な放出量推定手法の構築を目指し、単位放出源強度に基づく拡散シミュレーション結果から観測地点の大気拡散物質濃度の伝達係数を評価し、この伝達係数と観測値から放出源強度を求めるいわゆる逆解析を用いた放出量推定の(STE: Source Term Estimation)手法を開発した。本報では、放出源近傍の観測データに適用するため、拡散シミュレーションとして、厳格な技術基準の下で実施された風洞拡散実験データを正規拡散式で近似する拡散モデルを比較対象として用いこれに基づく逆解析法を検証した。これにより、風向変動に起因する放出量推定精度低下を改善する対策として、1時間平均観測データを用いることで精度改善が図れることを確認した。
著者
金原辰典 石原 進
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.14, pp.1-8, 2011-11-03

無線アドホックネットワークのプロトコルの研究を進めていく上で,シミュレーションと実環境双方からアプローチしていくことは重要である.筆者らの研究グループでは,車々間アドホックネットワーク(VANET: Vehicular Ad hoc NETwork)上での情報配信にRandom Network Coding(RNC)とOpportunisticなデータ配信,ならびに車両密度や速度に応じたデータ配信制御を組み合わせることで,特定エリア内への低遅延で確実的な情報配信を可能とする手法を提案している.この手法は,シミュレーションによる性能評価によりその効果が確認されているが,実環境での評価がされていない.しかしながら,様々な条件を考慮した実環境での評価を行うには,移動端末の確保や広大な実験スペースが必要等の問題がある.本稿では,省スペースで端末密度や通信状態等の条件を柔軟に変更できる実験環境を整えるため,Wi-FiやZigBee等の通信デバイスと比較して,柔軟に無線信号処理の変更が可能であるソフトウェア無線開発ツールキットGNU Radioを用いて実環境実験環境を構築した.その後,R2D2Vの動作の一部であるRNCとOpportunisticなデータ配信を組み合わせた情報配信動作を屋内外で固定端末を用いて実験を行い,省スペースでエラー発生率の高いアドホックネットワーク環境を模した実験が可能であることを確認した.To evaluate the performance of protocols on wireless ad-hoc networks, approaches both by simulation and experiment in a real environment are important. We have proposed a regional data distribution scheme which utilizes Random Liner Network Coding (RNC), an opportunistic data delivery strategy, and adaptive transmission control considering the density of vehicles and their moving speeds on Vehicular Ad hoc networks (VANETs). It is confirmed that the scheme can disseminate a data item rapidly and reliably by controlling the probability of sending a data item according to the vehicle density and vehicle speed through simulation. However it has not been fully evaluated in a real environment. To evaluate such a scheme in various condition, many devises, wide experiment field, and a lot of manpower are required. In this paper, we discuss using GNU Radio which can control various wireless signal processing more flexibly than off-the-shelf Wi-Fi and ZigBee devices to built a flexible and narrow space wireless network testbed. We evaluated a simplified prototype of R2D2V which disseminates a data item using RNC indoors and outdoors. We obtained a brief guideline of how to build an experimental environment of a wireless ad-hoc network in a small space.
著者
金子 良 上村 春美
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木研究 (ISSN:18847218)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.113-118, 1961

The value of evapotranspiration (E. T.) observed by a lysimeter does not correspond to that from a field having large area in natural condition.<BR>So it is worth making study to estimate E. T. from a field by the hydrological method without using a lysimeter.<BR>The presnt data were obtained on sandy soil at the meteorological observation place and the neighbering orchard of the National Institute of Agricultural Sciences in Hiratsuka.<BR>On the sandy land where surface run off does not occur, the following hydrological relations can be obtaind : <BR><I>P</I>=<I>E</I>+<I>M</I>+<I>G</I>… (1) <BR><I>G</I>= (<I>G</I><SUB>2</SUB>-<I>G</I><SUB>1</SUB>) +<I>H</I>·<I>pa</I>… (2) <BR>where P : precipitation, <I>E</I> : evapotranspiration, <BR>M : change of soil moisture, <BR>G : recharge of ground water, <BR>G1 : ground water flowing in to the locality from upper reach, <BR>G2 : ground water flowing away from the locality to downstream reaches, <BR>H : change of ground water level, pa. : air capacity of soil in the part of changing ground water level.<BR>A small rainfall on dried soil or no rainfall gives, G_??_0. In this case, the decrease of groundwater level corresponds to (<I>G</I><SUB>2</SUB>-<I>G</I><SUB>1</SUB>), and a certain relation can be obtained between the various ground water flows and the ground water levels.<BR>This is approximately applicable to the case where G≠0, making it possible to estimate the value of (<I>G</I><SUB>2</SUB>-<I>G</I><SUB>1</SUB>) in every month through the year.<BR>Eventually, the evapotranspiration, <I>E</I> on sandy land can be obtained from (1) and (2).<BR>Generally speaking, <I>E</I> of the sandy land is approximately from 600 to 700mm, and the ratio between <I>E</I> and the pan evaporation is almost equal to 0.7. This ratio is smaller in spring and larger in fall than other seasons.
著者
柳澤 健之 苗村 健 金子 正秀 原島 博
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.1345-1351, 1996-09-20 (Released:2011-03-14)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

Reconstruction of virtual space has become very important in various applications. Computer graphics methods based on geometric models have been studied for this purpose. To obtain more natural representation, this paper proposes a new method which represents and handles 3 D objects using the concept of “ray space.” Ray space is a space that stores the rays reflected by 3 D objects. Handling objects in real space is equivalent to getting a sliced image with an appropriate plane in the ray space.
著者
狩野 拓也 金子 智紀 西川 宏之 林 秀臣
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.212-213, 2010

PET、ポリイミド等のプラスチックに対するプロトンビームの照射効果を調査した。照射効果の評価には、FT-IR等の種々の機器分析を用いて結合状態の調査を行った。さらに最大1MeVのビームエネルギーを有するプロトンビームを数ミクロンサイズに集束し、プラスチック試料上を走査した。その結果、微細な照射部位における表面状態の変化を光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡等により、着色や形状の変化の様子を確認できた。これにより、試料表面における微細な照射効果の付与を確認した。また、いくつかのプラスチックにおいては、適切な溶媒による現像処理により、数ミクロンサイズ、深さ10ミクロン以上の微細加工が可能であることを確認した。
著者
金澤 麻由子 Mayuko KANAZAWA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2017
巻号頁・発行日
2017-11-25

本作「きみとぼくのあいだのコト」は、2015年5月に出版した絵本『ポワン』の主人公の黒パグ「ポワン」と白パグ「フォーン」の眠る姿が描かれた絵画作品であり、鑑賞者のふるまいに相互作用するインタラクティブな作品である。 鑑賞者が近づくとその気配を感じ取った絵画上の主人公(犬)たちの反応を様々な映像アニメーションで表現することで、あたかも絵画と鑑賞者の想像力とが対話を生成していく「動く絵画」としてのアートディスプレイであり、絵本の世界観を映像インスタレーション作品として制作したものである。リアルタイムでの相互作用を可能にするセンサーとして、BLASTERX SENZ3D(3D深度&音声認識対応の3Dカメラ)を用い、表情と音声認識技術を用いた。センサーカメラを使用することで、よりリアルタイムでの絵画とのコミュニケーションと、鑑賞者と作品との関係性が近づき、目標としている「癒し」や「安らぎ」の感情を生む作品を目標にした。 本稿では2017年9月に銀座ステップスギャラリーでの個展開催にて新作発表する本作の「戌-pug-」展での本作の制作意図とともに制作方法などについて考察する。
著者
金菱 清
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.104-113, 2013-05-18 (Released:2017-09-22)

何万にものぼる死者の行方は?未曾有の災害で家族の命を断たれた遺族はどのように日常に戻っていけるのだろうか?本論文では、東日本大震災の被災者が集住する仮設団地において、"過剰"に住民が介入するかのようなコミュニティをとりあげることで、どのようにコミュニティが生を中断せざるをえなかった「彷徨える魂」を鎮めることができるのかについて、被災コミュニティの文化的・宗教的な装置の側面を社会学的に明らかにする。阪神淡路大震災後の仮設住宅では、孤独死やアルコール依存症者が発生した。この深刻な事態を教訓として、宮城県名取市の仮設住宅では、自治会レベルでさまざまな対策を講じてきた。それらの取り組みをまとめると、ある意味「過剰な」コミュニティ運営をしている自治会が浮かび上がってくる。ここで過剰なコミュニティ運営とは、個人の生について住民組織が過度なまでに介入していることを指す。ただし、建物倒壊による圧死が死因の多数を占めた都市直下型地震の阪神淡路大震災とは異なって、東日本大震災では津波特有の遺体の見つからない行方不明者が多い。この過剰なコミュニティ運営は、生死のわからない彷徨える魂に対処する(ホカヒする)ための文化的社会的装置であると考えられる。本論では、大規模災害で生じる無念な「死」に対して、民俗学・宗教学とは異なる視角から、コミュニティの役割について社会学的に探ることを目的とする。そのことを明らかにすることによって、犠牲者を未だ彼岸の「死者」として扱えず、此岸に残された人びとの社会的生に対する積極的な位置づけをおこなう。
著者
金生 翔太 橋本 雅文 余田 侑仁 高橋 和彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00138-17-00138, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
26

This paper presents a laser-based tracking (estimation of pose and size) of moving objects using multiple mobile robots in Global-navigation-satellite-system (GNSS)-denied environments. Each robot is equipped with a multilayer laser scanner and detects moving objects, such as people, cars, and bicycles, in its own laser-scanned images by applying an occupancy-grid-based method. It then sends measurement information related to the moving objects to a central server. The central server estimates the objects’ poses (positions and velocities) and sizes from the measurement information using Bayesian filter. In this cooperative-tracking method, the nearby robots always share their tracking information, allowing tracking of invisible or partially visible objects. To perform a reliable cooperative tracking, robots have to correctly identify their relative pose. To do so in GNSS-denied environments, the relative pose is estimated by scan matching using laser measurements captured by both sensor nodes. Such cooperative scan matching is performed by 4-points-congruent-sets (4PCS)-matching-based coarse registration and Iterative-closest-point (ICP)-based fine registration methods. The experimental results of tracking a car, a motorcycle, and a pedestrian with two robots in an outdoor GNSS-denied environment validate the proposed method.
著者
金井 一彦 森鼻 英征 山崎 敏樹 寺田 邦夫
出版者
日本造船学会
雑誌
日本造船学会論文集 (ISSN:05148499)
巻号頁・発行日
no.132, pp.269-279, 1972
被引用文献数
1

In order to obtain the collapse strength data on the spherical shells suitable to the pressure capsule of DSSV, collapsing tests were conducted using spherical shell models by means of MHI 1,200kg/cm^2 hydrostatic tank. These models were made from several kinds of materials including ultra-high yield strength steels such as 18% Ni maraging steel, 10% Ni dual-strengthened steels etc., and machined into near-perfect spherical shape or spheres with initial imperfection of various thicknesses. From these experiments the following conclusions are obtained : (1) Collapse pressure of relatively thick shells (h_a/R_<10>≧0.03) agrees to the theoretical inelastic buckling pressure by Gerard et al. (2) The effect of initial imperfections are evaluated by local radius in case of relatively thick shells. But for thinner shells, this method is not sufficient and nonlinear elasto-plastic analysis will be required. (3) Present results will not always agree with Krenzke's data, especially in thinner shells with flat spot. (4) Fracture appearance of collapsed shells are closely related to the fracture toughness of materials.

1 0 0 0 OA 日本名勝記

著者
遅塚麗水 (金太郎) 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1899

1 0 0 0 OA 日本名勝記

著者
遅塚麗水 (金太郎) 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1899
著者
金 熙榮
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:18845843)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.11-17, 2014 (Released:2014-01-01)
被引用文献数
5