著者
小杉 徹 岡野 正豪 荒尾 知人 金森 哲夫
出版者
静岡県農業試験場
雑誌
静岡県農業試験場研究報告 = Bulletin of Shizuoka Agricultural Experiment Station (ISSN:0583094X)
巻号頁・発行日
no.50, pp.19-28, 2006-03 (Released:2011-03-05)

微生物資材等について約5週間の栽培試験を行い、キャベツの生育促進効果及び、根こぶ病の抑制効果について調査した。1.園芸培土(クレハ)と多腐植質黒ボク土を5:1に混合し、その混合土1g当たり1×10(5)の根こぶ病菌の休眠胞子を接種したものを、供試土壌とした。供試土壌に対して、牛糞たい肥2%、またはEMボカシ(米ぬか、魚かす、なたね油かすに微生物液を入れて1週間嫌気発酵させたもの)2%を混和し、それぞれ牛糞たい肥区、EMボカシ区とした。キャベツ播種後1週間では、EMボカシ区で生育が抑制されたが、5週間目の調査時には資材無施用区と同等となった。また、EMボカシ区は、根こぶ着生を抑制した。2.EMボカシと微生物液を入れないボカシを用意して、キャベツに対する栽培試験を行った。資材施用による生育に対する効果は認められたが、両資材に生育差はなかった。また両資材ともに0.25-0.5%以上で根こぶ着生はほぼ抑制された。3.米ぬか、魚かす、なたね油かすを各々0.3%施用した場合でも、根こぶの着生が抑制された。根こぶ着生を抑制しているのは、ボカシ資材を構成している米ぬか、魚かす、なたね油かすと推測した。
著者
岩崎 衣津 時岡 宏明 福島 臣啓 實金 健 奥 格 小林 浩之 石井 瑞恵
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.92-100, 2012-03-15 (Released:2012-05-18)
参考文献数
32
被引用文献数
1

【目的】わが国では敗血症性ショック患者に対してエンドトキシン吸着療法(以下PMX-DHP)が保険適応になって以来,敗血症治療の第一選択として行われることが多い。しかし,国際的には臨床的有用性は議論されており,治療法としては確立されていない。当院では,敗血症性ショック患者に対して,速やかな感染源の除去,適切な血行動態の維持,抗菌薬の早期投与等の集学的治療を行っている。PMX-DHPを用いない当院において,緊急手術を施行した下部消化管疾患による敗血症性ショック患者の治療成績について後ろ向きに検討した。【対象と方法】下部消化管疾患に対し緊急手術を施行され,周術期に敗血症性ショックとなり昇圧剤を必要とした成人症例を対象とした。血行動態の維持には,頻回の心臓超音波検査による前負荷と心機能の評価を行い,輸液を投与した。昇圧剤にはドパミン,ノルアドレナリン,少量バソプレシン等を用いた。【結果】緊急手術を施行した下部消化管疾患による敗血症性ショック患者28例の院内死亡率は17.9%でAPACHE IIから算出した予測死亡率63.3%に比較して良好であった。とくに大腸穿孔患者15例では,予測死亡率57.7%に対して院内死亡率は0%であった。【結論】下部消化管疾患による敗血症性ショック患者の治療は,心臓超音波検査による適切な前負荷の維持とノルアドレナリンとバソプレシンの使用により,PMX-DHPを用いなくても良好な成績を示した。
著者
川嶋 宗継 小西 吉治郎 奥田 久男 黄瀬 金司 板坂 修 堀 太郎
出版者
滋賀大学
雑誌
滋賀大学教育学部紀要. 自然科学 (ISSN:04886291)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.18-25, 1976

We have investigated at regular intervals about the water qualities of Lake Biwa-ko for the purpose of appreciating the present state of eutrophication. In this year 1976, the water qualities at the eight to nine specific stations were studied on February 25, May 8 and July 19, and the following results were obtained;1) The concentrations of total nitrogen are high at the three periods and over the boundary line for eutrophic lake.2)Total phosphorus is abundant in May, but low in February, which is about 50% of the results in May.3)A significant relationship is found to exist between the concentrations ofchlorophyll a, COD and nutrients, wherever the horizontal or vertical (St.4) of the lake water. This marked correlation seems to be due to the production of phytoplankton occurs regularly in Lake Biwa-ko. In addition, the above finding in this lake as probably in many other lakes supported to the esults reported in the previous paper.
著者
金 景勲 片山 佐一
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.29-36, 1971

(Bi<SUB>1-<I>x</I></SUB>Sb<SUB><I>x</I></SUB>)<SUB>2</SUB>(Te<SUB>1-<I>y</I></SUB>Se<SUB><I>y</I></SUB>)<SUB>3</SUB> 系において,重量パーセントでビスマス(0~63.46),アンチモン(0~50.33),テルル(0~61.47),セレン(0~49.67)をそれぞれの広い組成の範囲内において,けい光X線による非破壊定量分析を行なった.分析に用いたけい光X線は,BiL<SUB>α</SUB>,L<SUB>β</SUB>;SbK<SUB>α</SUB>,K<SUB>β</SUB>;TeK<SUB>α</SUB>,K<SUB>β</SUB>;SeK<SUB>α</SUB>,K<SUB>β</SUB>である.ビスマステルライドを基盤にし,ビスマスの代わりにアンチモン,テルルの代わりにセレンをそれぞれ原子比で20(%)刻みに置きかえた36種の標準試料を作り,まず係数αを定め,それを用い各元素のけい光X線の相対強度と元素の重量パーセントとの関係を示す連立方程式を解き重量パーセントを求めた.解析はK<SUB>α</SUB>,L<SUB>α</SUB>線とK<SUB>β</SUB>,L<SUB>β</SUB>線について.それぞれ別に用いた.その結果は次のとおりである.K<SUB>α</SUB>とL<SUB>α</SUB>線のけい光X線を用いた際の誤差と変動率はそれぞれ±1.15%と±4.3%である.同様に,K<SUB>β</SUB>とL<SUB>β</SUB>線については±0.9%と±3.7%である.
著者
金 聖哲
出版者
広島市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

北朝鮮の核外交は、その体制の不調和の結果であると同時に、まさに開放の寸前である体制をわずらわす対外的ディレンマの結果である。体制の内的分化は、非公式的領域(官僚腐敗、闇経済、個人主義など)を生み出して、体制運営全体に不調和をもたらす結果となった。こうした状況の中、北朝鮮は、これまでにない大打撃を被った経済の回復のための必死の翌力をして、その努力は、2002年7月に採択され、以降継続している新たな経済対策として結実した。しかしながら、(日本と韓国を通じて)回り道をして米国にアプローチするという外交が失敗に帰し、以来、北朝鮮は核のゲームに取り込まれてしまっている。2006年10月9日の核実験により絶頂に達した北朝鮮の挑発的な外交は、主要敵国である米国との交渉を目的としたものだった。朝鮮半島における米国の核のプレゼンスと、冷戦期に繰り返し脅威となった核兵器使用の可能性は、北朝鮮の核開発プログラムへの動機に火をつけたのである。しかしながら、北朝鮮の核保有国への道のりをすべて理解するためには、1990年代の決定的に重要ないくつかのターニング・ポイント、すなわちソ連の崩壊と北朝鮮の飢饉、についての分析が必要である。これらの事態に対処するために、国家の存続が最も緊急な事柄となり、次に、この状況が先軍政治を誕生させたのである。米国との戦争(朝鮮戦争)とその後の軍事力の増強の経験のために、北朝鮮にとって、厳しい状況に適応していく中で、軍の重要性を強調することは自然なことであった。先軍政治は、今や国内及び対外政策を貫き通すことになった。北朝鮮の核兵器開発と核実験は、このことがもたらした結果の頂点であると言える。北朝鮮の挑発的な政策は、外交ゲームの中で繰り返された損失への反応によって発生した生存目的の抑止力であると言える。合理的選択に関する心理学的分析によると、その認識した損失は、リスクを避ける選択の代わりにリスクを冒す選択を行為主体に強いる。このように、体制全般の不調和の中で発生した適応過程における失敗が、北朝鮮として「一か八か」(double-or-nothing)的な政策に依存させる役割を担った。同時に、金正日のリーダーシップの特性、すなわち、国内及び対外政策のすべてに面において細心過ぎるほどの関心を向けるような特性を考慮すると、間違いなく、核ゲームは彼の選択であったはずだ。政治家のリーダーシップをコンピューター・オペレーターになぞらえることが、この状況では適切であろう。様々なタイプのコンピューター・プログラムのオペレーターとしての金正日は、最高意思決定者であり、しかもなお、彼の決定は、ハードウェアと、より深い背景で行われでいるため外から見えないオペレーションの両方に依拠しなければならなかったのである。金正日はその背景要因に変化をもたらすため自分の影響力を発揮してきた一方で、その背景要因が今や直近の政策的選択の幅を制約しているのである。
著者
金 相美
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.68, pp.97-114, 2006-01-31

The purpose of this paper is to understand the behavior of simultaneous use of two forms of media. It seeks to analyze the characteristics of people who engage in such behavior and the factors regulating it. This analysis should provide a foundation for a comprehensive understanding of the influence of the new medium of internet on the existing medium of television. The principle source of data for this study was a time use survey. According to this survey, 12.6% of home internet users made simultaneous use of both television and computer internet in the space of their home. The average daily length of time spent in such simultaneous behavior was 10.2 minutes. The main factor correlating with such simultaneous use was length of television viewing : when heavy television viewers also made use of the internet, there was a high likelihood that they would use the internet simultaneously with television. The proportion of people who used mobile internet simultaneously with television was 16.2%, and the average daily time spent this way was 8.2 minutes. Simultaneous use of mobile internet and television was greater among women, and tended also to be greater among younger people and heavy television users.
著者
石原 金由 多田 志麻子
出版者
ノートルダム清心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究では,現代の子どもの睡眠習慣に焦点を当て,睡眠短縮,就床時刻の後退(夜更かし)が心身の健康状態にどのような影響を与えているかを検討することを目的としていた.研究計画に沿って,当該研究期間に2つの実験的研究,フィールド研究,小学校からの委託調査研究が実施された.概要は以下のとおりである:実験研究1 3名の児童・生徒を対象に縦断的に実施されている.1名につき3日間の測定日を設け,最初の2日は基準日,3日目は2時間睡眠を短縮する実験日であった.基準日の一方は,授業期間と同様の就床・起床時刻を設定し,他は授業期間よりも1〜1.5時間睡眠時間を延長した.測定された指標は,入眠潜時(1日5回測定),舌下温であった.入眠潜時は,基準日と比較して睡眠が短縮されると午前(10:00)及び夕方(18:00)で極端に短くなった.とくに午前中の眠気増加は全被験者に共通しており,睡眠不足の指標として有効であることが示唆された.また,体温リズムの頂点位相は年齢に伴って後退し,7-8歳で位相が確立されるとした過去の知見とは異なっていた.実験研究2 睡眠の短縮及び延長が日中の眠気に及ぼす影響を検討するために,女子高校生10名を対象に,実験研究1とほぼ同様の手続で実験が実施された.睡眠短縮によって日中の眠気は増大し,睡眠延長によって日中の眠気はわずかに改善された.主観的に睡眠不足を訴えていた者と充足している者とを比較すると,不足群では午前の眠気(10:00)が増加していることと体温リズムの位相後退が見出された.フィールド研究 2つのフイールド研究に着手し,研究1では,小学4年,6年,中学1年,3年を対象に,クラス単位(6年生を除いて各学年2クラス,6年生は1クラス)で体温,睡眠習慣,心身疲労の測定を実施した.体温リズムの位相は,小学生で学年差は見られなかったが,中学生では小学生と比較して約0.6時間後退していた.また,就床時刻の遅い者と早い者とで比較すると,心身疲労は遅い者で有意に高くなっていた.委託調査研究 4小学校の1-6年生を対象に,睡眠習慣,健康調査(ストレス反応質問紙),出来事調査(心理的ストレッサー質問紙,5・6年生にのみ実施)を実施した.心身の健康状態に影響する要因は,心理的ストレッサーだけでなく,睡眠習慣が心理的ストレッサーとほぼ同等に影響を及ぼしていることが明らかにされた.また,睡眠習慣について因子分析を行い,抽出された因子をもとに,生徒個人ごとの睡眠習慣の良否をチェックし,フイードバックした.
著者
井合 真海子 矢澤 美香子 根建 金男
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.81-93, 2010
被引用文献数
1

本研究では,境界性パーソナリティ障害(borderline personality disorder: BPD)周辺群を対象として,認知行動理論的視点から,見捨てられスキーマとBPD周辺群が示すBPDの徴候との関連を調べることを目的とした。調査1・2では,大学生452名を対象に質問紙調査を実施し,見捨てられスキーマ尺度(the Abandonment Schema Questionnaire: ASQ)を作成した。その結果,ASQは「恒常的な見捨てられ・孤独」,「親密な関係に対するしがみつき・同一視」,「他者からの好意に対するあきらめ」の3因子構造であることが示され,信頼性・妥当性も確認された。調査3においては,大学生253名を対象に,BPD周辺群の徴候と見捨てられスキーマの関連を調べた。パス解析の結果,見捨てられスキーマは,感情の不安定性を介してBPD周辺群に顕著にみられる様々な行動化に影響を与えている,という因果モデルが導かれた。今後は,ASQの大学生以外の適応可能性を検討することが求められる。
著者
正田 彬 舟田 正之 高橋 岩和 土田 和博 山部 俊文 柴田 潤子 江口 公典 石岡 克俊 金井 貴嗣
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究組織(「東京経済法研究会」)による本研究は、市場支配的地位にある企業が存在する市場の実態と、それに対する独禁法及び各産業分野の事業法による規制のあり方を、同様な状況が認められる諸外国との比較研究を含めて調査研究することを目的とする。本年度は、以下の研究成果をあげることができた。第一に,IT革命が多様な形で、市場競争を国際的規模で、かつ質的にも変化させつつあるという状況の下で、特に競争を制限するような市場支配的地位にある企業の出現、あるいは大企業による市場支配地位の濫用をどのように抑止し、公正かつ自由な競争を維持・促進していくかを検討した。特に、独禁法による規制を検討対象とし、一般的な理論的・解釈論的研究を行い、具体的素材としては、日米のマイクロソフト事件,インテル事件などIT関連産業を主に取り上げた。そこでは、私的独占による規制の可能性を検討し、日本の私的独占の要件では、市場支配力の濫用を規制することが不十分であることが明らかとなった。第二に、個別規制法による規制としては、電力産業を取り上げ、そこにおける市場支配力の規制の現状と実態を明らかにすることに務めた。そこでは、米国、ドイツ、英国、及びEUによる電力規制をも研究対象とした。どの国でも、既存の電力会社の市場支配力の規制として、構造規制(アンバンドリンク)、そして、行為規制(卸・小売の取引条件の規制、及び、託送などについての規制)が行われている。日本は「部分的自由化」という特殊な状況にあるので、自由化部門と規制部門の問の内部相互補助が極めて重要な課題になっていることが明らかになった。小売のすべてについて自由化するかが今日の政策課題であるが、その際に、整備すべき各種の条件があることを明らかにした。
著者
田丸 徳善 石井 研士 後藤 光一郎 孝本 貢 井上 順孝 柳川 啓一 島薗 進 浜田 哲也 金井 新二 ヤン スインゲドー 西山 茂 藤井 健志 林 淳
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度と昭和62年度の二年間にわたり, 現代日本における教団の総合調査を行った. 対象教団は, 神社神道, 仏教教団(浄土真宗本願寺派, 日蓮宗, 臨済宗妙心寺派, 曹洞宗, 真言宗智山派), キリスト教(日本キリスト教団, カトリック)および新宗教教団(金光教, 天理教等)である. これらに関してはできる限り統計処理の可能な資料を収拾し統計分析を行った. これに関しては報告書に掲載されている. また, 地域における教団組織と教勢を把握するために, 銀座と大阪梅田を選び, 都市化の問題をも含めた総合調査を行った. 神社神道は, 既成教団として, 変動がないように考えられてきたが, 内容は大きく変化しているように思われる. とくに都市化が神社神道に及ぼした影響はとくに顕著である. 仏教教団に関しても, 都市と農村の寺院の格差は著しく, 根底から寺院の質を変えようとしている. 都市化が都市と農村の寺院の経済的基盤に変化を与えており, そのことが寺院の世襲化を生む土壌となっている. キリスト教団は, これらに対して比較的変動のない歴史を送っている. そのことは同時に大規模な発展のなかったことをも意味している. 新宗教教団は, 通常の認識では最も変化の激しく, 現代社会に適応した形態をとっていると考えられるが, 実質的にはかなりの程度既成化が進み, 社会的認識との間にはずれがある. この点に関しては, 新宗教教団の詳細な歴史年表を作成することによって, 新宗教教団の歴史的経緯も考察した. 地域研究では, 都市化の顕著な銀座と大阪梅田の比較調査を行うことによって, 各宗教教団の組織的問題を考察した. また, 各教団の製作しているビデオテープを収拾し, 映像に関する考察をも取り入れた.
著者
長谷川 毅 妙中 直之 日月 亜紀子 阿古 英次 金原 功 西村 重彦 中塚 伸一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.1247-1251, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

症例は50歳代,男性.昭和61年に潰瘍性大腸炎(全結腸型)を指摘されていたが放置していた.平成11年に下血にて大腸内視鏡検査を施行,S状結腸癌と診断され同年11月に潰瘍性大腸炎に合併したS状結腸癌として結腸亜全摘術,J型回腸嚢直腸吻合術を施行した(高分化型腺癌,mp,ly2,v1,n0,stageI).平成20年1月に腫瘍マーカーの上昇(CEA,CA19-9)を認めたため大腸内視鏡検査を施行,残存直腸に粘膜不整像を認め,生検にて低分化腺癌と診断された.平成20年3月腹会陰式直腸切断術を施行した.病理組織検査にて直腸内分泌細胞癌と診断された.術後経過は良好で術後第25病日よりmFOLFOX6を開始し,術後10カ月現在,再発の所見は認められていない.直腸内分泌細胞癌はまれな疾患で,1984年以降で自験例が本邦60例目であり,潰瘍性大腸炎の残存直腸に発生したのは本邦初である.
著者
村田 昇 金森 敬文 竹之内 高志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-729, 2005-09-01
被引用文献数
2

本稿では, 近年機械学習の分野で注目を集めているアンサンブル学習の一つであるブースティングを取り上げる.特に三つの学習器によるブースティングの仕組みについて考えて, 「三人寄れば文殊の知恵」を実現するためにどのような工夫が用いられているのかを解説する.