著者
鈴木 義仁 小泉 均
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.718-723, 1989
被引用文献数
1 3

不飽和結合の定最に利用されるヨウ素価はウィイス試薬やハヌス試薬を用いて,オレフィン性二重結合へハロゲンを付加させ消費されたハロゲンをヨウ素等に換算して求めている.このような試薬を用いる反応では試料量,反応時間などによりヨウ素価は異なる値を示すことが知られている.本報ではウィイス試薬,ハヌス試薬,及び臭素溶液を用いて付加反応によって得られたハロゲン付加物をHPLCにより分離・定性分析し,これらの試薬との反応によって,どのような付加物が得られるかを明らかにした.スチレンへの付加反応では使用した試薬の違いによるハロゲン付加物はHPLCで分離できた.しかし長鎖不飽和脂肪酸の付加物ではハロゲン種の違いに基づく相互の分離は達成できなかった.保持の近接した付加物ピークについては分取後,酸素フラスコ燃焼法によりハロゲンイオンとしてイオンクロマトグラフィーにより付加したハロゲン種を同定し,そのHPLCによる分離挙動を明らかにした.
著者
小川 雄司 川上 博士 鈴木 実平 尾崎 仁志 沓名 宗春 井上 裕喜 齋藤 清隆
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
生産加工・工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.265-266, 2014

Indirect laser peening is a new laser peening technique and modifies the mechanical properties of the surface of the substrate. Metal sheet protects the substrate surface from heat affect by a plasma with laser irradiation. Because the metal sheet absorbs laser energy and reduces the peening efficiency, the features of indirect laser peening for several aluminum alloys were investigated in this study. The changes of mechanical properties by indirect laser peening were discussed by the comparison to the mechanical properties of as-received state.
著者
美才治 隆 安田 恵三 荒井 智昭 鈴木 健太郎 赤谷 桂一 長谷川 匡
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.207-215, 2007

本稿にて「製品における環境配慮技術の実際」に関する,<br>・定着システムの省エネ技術<br>・コメットサークルをコンセプトとした循環型社会に向けての再利用,再使用技術の解説を,リコーでの実例を用いて述べる.その概要は以下の通りである.<br>1) 「IEA-DSM Program」対応から開発されたQSU技術は,キャパシタ技術との融合によるHYBRID QSU技術を経て,IH加熱を導入したカラーQSU技術へ発展している.<br>2) コメットサークルは,循環型社会を実現する姿を現したもので,品質工学,可視化,品質予測による循環技術開発により「複写機製品」,「製品梱包」,「サプライ製品」にて具現化されている.

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著者
鈴木三重吉 著
出版者
俳書堂
巻号頁・発行日
1907
著者
石川勲 近澤 芳寛 佐藤 一賢 奥山 宏 今村 秀嗣 羽山 智之 山谷 秀喜 浅香 充宏 友杉 直久 由利 健久 鈴木 孝治 田中 達朗
出版者
金沢医科大学
雑誌
金沢医大誌 (ISSN:03855759)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.522-530, 2005
被引用文献数
1

金沢医科大学腎移植チームでは,1975年3月より2005年6月30日までの約30年間に,260例の腎移植を行ってきたが,この間における移植成績の向上には隔世の感がある。これには長年にわたる経験の積み重ねに加え,免疫抑制療法や急性拒絶反応に対する治療法の飛躍的な進歩が深く関わっていると思われる。そこで我々が行ってきた腎移植の成績はどのように変化してきたか,また移植腎が生着し,現在も外来に通院中の患者について現状はどうかまとめてみた。腎移植260例の内訳は,生体腎移植212例,死体腎移植48例で,生体腎移植は透析導入直後の例で多く,死体腎移植は長期透析例で多かった。また提供者をみると生体腎移植では親が多く,死体腎移植では若い人から高齢者まで様々であった。30年にわたる移植時期を10年ごとに区切って,その間の移植成績をみると,すなわち,免疫抑制薬としてステロイドとアザチオプリンを使用した最初の10年,それに続き,ステロイド,アザチオプリン,シクロスポリンを使用した次の10年,さらに,ステロイド,ミコフェノール酸モフェチル,シクロスポリンまたはタクロリムスを使用したここ10年に分けて,5年腎生着率を比べてみると,それぞれ68.3%(n=89),73.0%(n=86),93.7%(n=37)と大きく向上してきている。1975年に行われた最初の4例は現在も生着し,腎機能も良好である。またこの間12例の患者が18児を出産した。外来通院中の134例について高血圧の頻度は86.6%で,うちコントロール良好例は86.2%,糖尿病の頻度は18.7%で,うちコントロール良好例は80.0%であった。以上より金沢医科大学における腎移植の成績は良く,生活習慣病関連事項もコントロール良好と言える。近年では,移植数の減少が最大の問題点となってきている。死体腎移植に対するさらなる理解と啓発・提供者の増加,生体腎移植における適応の拡大(ABO不適合移植,夫婦間移植)がなによりも求められるところである。
著者
平野 康之 藤田 佳男 鈴木 浩子 飯島 節
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.705-710, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

〔目的〕5つの運動機能検査を用いて運動能力に関する自己認識が適切に行えているかどうかの評価(以下適切度)を実施し,転倒との関連について検討した。〔対象〕デイサービス利用高齢者76名とした。〔方法〕日常動作に関連が深い5つの運動機能検査(Functional reach test,立ち上がりテスト,またぎテスト,台昇降テスト,最大歩幅テスト)について対象者自身による予測値と実測値を測定した。得られた予測値と実測値の一致の程度をもとに適切度を評価し,適切評価群と不適切評価群の2群に分類して転倒との関連について検討した。〔結果〕「立ち上がりテスト」と「またぎテスト」に基づく評価では,不適切評価群の転倒経験者の割合が適切評価群のそれに比して有意に多い結果を示した。また,5つの運動機能検査の適切度を総合して判断した評価(以下5P適切度)においても同様の結果を示した。さらに転倒予測指標としての感度と特異度の検討では,単一検査の適切度に比して複合検査による5P適切度の方が感度ならびに特異度ともに比較的良好な値を示した。〔結語〕本研究で用いた運動能力に関する自己認識評価は転倒予測として臨床応用できる可能性があり,単一検査の適切度よりも複合的な適切度を用いる方がより転倒予測精度を向上できる可能性が示唆された。
著者
鈴木 清 木村 清志
出版者
魚雑
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.77-81, 1980

三重県沖で行われた深海カゴ網の試験操業によって漁獲された標本の中から5個体の.Psychrolutes inermis (Vaillant) が得られた.これは本邦初記録で, 和名としてクマノカジカを提唱する.本種は従来Cottun-culoides inermisとして記載されていたが, 近縁と思われるウラナイカジカやPsychrolutes phrictus Stein et Bondの記載と比較した結果, ウラナイカジカ属Psychrolutesに帰属させるべきであるとの結論に達した.本種は背鰭条数 (VII~VIII, 17~18), 胸鰭条数 (20~21) および側線が完全に退化していることなどにより近縁種と区別される.
著者
坂口 次郎 鈴木 雅和
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.247-252, 1993-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
2

筑波研究学園都市の街路樹は, 緑量の増加と樹冠の一体化を意図して2本立植栽がなされ, 植栽デザインとして特徴的である。しかし, 植栽後約20年経過して観察すると, 必ずしも当初のデザイン意図どおりの効果を達成していないものも見られる。本研究はそれら街路樹に関する活力度調査および視覚的評価によりデザイン意図と成果の検証を行うことによって, 植栽デザインの方法論を考察したものである。その結果, ユリノキ, アメリカフウではデザイン意図を達成しているが, トウカエデ, シラカシ, エンジュでは達成していないことがわかった。今後, 植栽デザインにおいて樹木の経年的変化と管理方法を考慮する必要性が明らかになった。
著者
鈴木 秀夫
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.205-211, 1962-05-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
6
被引用文献数
32 23

資料としては,もっとも密度の細かい区内観測所を使用し,方法としては,気候は毎日の天気現象の綜合であるという定義にできるだけ忠実に,日本の気候区分を行なった.その結果,寒帯・中緯度気候帯,裏日本気候区・準裏日本気候区・表目本気候区,多雨区・少雨区の組み合せによって9つの気候区を認め,とくに境界線に注意して区分した。
著者
鈴木 裕一 鈴木 薪雄 寺嶋 一彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
「運動と振動の制御」シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.452-455, 2001

This paper is concerned with a human interface between a human operator for decision-making of obstacle avoidance and a crane transferring an object. A semi-automatic control system is proposed in terms of a diffusion equation strategy in order to check and revise the reference trajectory directed by human operator for obstacle avoidance. Moreover, this system includes an optimal servo controller to suppress the sway of the transfer object and to control the cart velocity. The usefulness of the proposed method is demonstrated through experimental studies.
著者
永江 敏規 鈴木 直雄
出版者
日本蠶絲學會
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.40-45, 1982 (Released:2011-12-19)
著者
ヌル サイフラ ビン カマルディン 鈴木 実平 川上 博士
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会全国大会講演概要 平成19年度秋季全国大会
巻号頁・発行日
pp.168, 2007 (Released:2007-10-23)

アクリル板のレーザ切断溝の形状におよぼす切断速度、レンズ焦点距離の影響を検討した。次に限界切断速度におよぼす焦点距離および板厚の影響を定量的に明らかにした。カーフの入口側の幅はほぼレンズの焦点距離によって決まり、切断速度の影響は少ない。全体のカーフ形状は切断速度によって変化する。
著者
島田 洋七 鈴木 亮
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.321, pp.96-98, 2009-08

ばあさんと暮らした日々と、そこで見たこと、体験したことは人生の教科書ですし、僕だけの貴重な財産です。
著者
鈴木 眞理子
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.25-41, 2008

中途参入の女性ソーシャルワーカーのキャリア発展についてライフヒストリーから分析考察する。福祉に縁のない家庭環境出身の3人の女性が、就職、結婚、子育ての経験後、再社会参加として社会福祉を選択し、ソーシャルワーカーとしての地位を確立する経緯を追った。【目的】(1)育った家庭環境や子育て、前職の経験がどのような影響を与えているか、(2)共に早世した父親の存在が娘の生き方とキャリアにいかに影響を与えたか、(2)個性が、キャリア発展やポスト獲得にどのように影響を及ぼしているかを検証する。【方法】50歳前後の3人の女性ソーシャルワーカーのインタビューによるライフヒストリーを起こし、表に整理しながら、過去のキャリアと現在の福祉分野(ソーシャルワーカー)でのキャリアを個人的動機、家族の特徴、特に父親の与えた影響、本人のパーソナリテイとの関係に注目し分析考察した。【結果】G子は地元社協の立ち上げ職員の欠員補充として就職した。H子は子育て中、多様な職業経験の後、キャリア蓄積のため社会福祉士の資格取得を目指した。病院就職後も外で多彩な活動を繰り広げた。I子は父の死という不条理への怒りから商社を退職、多様なフリーター経験をした後、安定とやりがいから資格に結びつく福祉系大学へ進学した。【考察】3人のキャリア発展のプロセスは異なるが、早世した父親の影響がキャリア発展の節々に強く表れていた。G子は結婚相手と子育てを生きがいにする家庭中心主義、また地味に裏方として組織を支える真面目さがあった。H子は先見の明のある経営者、世間で役職をこなす名士としての父親像を理想として、華のある注目されるソーシャルワーカーとして多くの役職につき、三障害を対象にする画期的な相談支援センター長となって自分の理想に近づいた。I子は進学か就職かで大喧嘩の直後に父親を失い、喪失感の影響は大きかった。父親の死の意味を自分のキャリア発展に吸収するまで8年間の時間がかかったが、自分に適した福祉サービスの施設経営者として父親の夢を実現した。【結論】3人のキャリア発展のゴールは「内助の功型」「スター型」「経営者型」とそれぞれの個人のパーソナリテイを色濃く反映している。その背景には娘に大きな愛情と期待をかけ、無念にも早世した父の思い、それに応えた娘の思慕があった。3人のソーシャルワーカーとしてのキャリアコースには、それぞれの個性と同時に、育った家庭環境、父親の娘への期待が大きく反映されていた。
著者
種田 行男 加納 政芳 山根 基 笠井 達也 鈴木 敏博 加賀 善子
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.184-193, 2009 (Released:2011-02-21)
参考文献数
20
被引用文献数
1

目的:中高年女性の運動実施意欲を高めて運動習慣の形成を支援するための家庭用体操ロボットを開発し,その実用性を検討した.方法:対象者は軽度の膝痛を有する中高年女性6名,年齢64(SD11)歳であった.この6名に膝痛軽減のための体操(膝関節の屈伸,大腿四頭筋の収縮,膝関節の屈曲と大腿四頭筋のストレッチ,膝関節まわりの筋収縮)を指導した.体操ロボットはHITEC Robotics製のROBONOVA―I(高さ310×幅180×奥行き90mm,重量1.3kg)を使用し,膝痛軽減体操を模擬するプログラムをロボットに搭載した.6人の対象者に体操ロボットを貸与し,20日間毎日自宅でロボットと一緒に体操を実施するように指示した.ロボットとの体操期間終了後にFocus Group Interview(FGI)を実施し,その内容を質的に分析した.結果:対象者の介入期間中のロボット利用率は,90.4(SD12.5)%であった.インタビュー内容の質的分析の結果,3つのカテゴリーおよび11のサブカテゴリーが抽出された.これらのカテゴリーの関連性を検討し構造モデルを作成した.その結果,体操習慣形成の構造は,「体操ロボットに対する好印象」に始まり,「動機づけ」,「ロボットへの愛着」,「仲間意識」を通じて「体操ロボットの積極的利用」に到達した.結論:対象者となった中高年女性は体操ロボットを積極的に受け入れていた.今回用いた体操ロボットは対象者の体操習慣の形成支援ツールとして活用できることが示唆された.