著者
細田 耕 鈴木 昭二 浅田 稔
出版者
大阪大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

本研究では、視覚情報に基づいて生成される脚式移動ロボットの行動に基づく環境表現手法を提案し,実機によってそれを検証することを目的とする.具体的には視覚誘導により基本的な行動を生成する段階と,それを用いて環境表現を構築する段階に分かれる.使用する脚式移動ロボットに,まず「転ばない」,「脚が接地したまま揺れ動く」,「遊脚を利用して移動する」などの基本サーボ系を埋め込む.これを利用して,断続的に提示される視覚目標に対し,これに追従するよう行動し,この間に,環境中の適当な視覚情報を獲得,これとロボットの行動の相関をとることにより,環境表現を獲得する.さらにこの環境表現に基づき行動し,環境表現の更新及び修正を繰り返す.以下のような項目について,理論の整備,及び実験による検証を行った.(a)脚式ロボットにカメラを装着し,視覚・運動系を構築した.(b)環境に対する先験的な知識がない場合にも,「脚が接地したまま揺れ動く」ために,視覚目標に追従するための制御系と,脚間距離を保つための制御系を組み合わせたサーボ系を開発した.(c)ZMPを観測し,バランスを崩しそうになると,それを回復するための方策を検討し,遊脚を決定するアルゴリズムを開発した.(d)「遊脚を利用して移動する」ためのサーボ系を開発した.(e)以上の方法を実機を用いて,その有効性を検証した.
著者
山寺 博史 中村 秀一 鈴木 英朗 遠藤 俊吉
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.53-56, 1997-02-15 (Released:2009-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

We experienced a 49 years old female SAD patient who showed a good response the next day after alprazolam 1.2 mg administration. The back ground EEG of the patient showed a abnormal EEG with slow waves. The personality was colored with histerical features. The nadir of body core temperature from rectum slightly delayed in remission phase compared with depressive phase. The patient became hypomania and calmed down gradually. Alprazolam tratment is seemed to be available for SAD patients. (J Nippon Med Sch 1997; 64: 53-56)
著者
植竹 智 原 秀明 平木 貴宏 岩崎 達郎 笠松 良崇 北尾 真司 小林 康浩 小無 健司 増田 孝彦 増田 亮 宮本 祐樹 岡井 晃一 大久保 翔 尾崎 亮太 笹尾 登 佐藤 帯子 T. Schumm 瀬戸 誠 重河 優大 S. Stellmer 鈴木 健太 渡部 信 山口 敦史 安田 勇輝 依田 芳卓 吉見 彰洋 吉村 浩司 吉村 太彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.789, 2017 (Released:2018-04-19)

229トリウムには,原子核としては異常に低い数eVの励起準位が存在することが知られている.この原子核遷移は電子に遮蔽されているため外乱の影響を受けにくく,レーザーにより直接励起できる可能性がある.そのため新世代高精度周波数標準としての応用を目指した研究が世界各国で進められている. しかしながら,先行研究で明らかになった遷移エネルギーは7.8±0.5eV (159±10nm) と不定性が大きいため,より精密な決定が急務である.我々はSPring-8の高輝度放射光X線による核共鳴散乱を用いた新しい手法により,原子核遷移周波数を精密に決定することを目指している.これまでにX線の高時間分解能検出器開発,高密度229トリウム標的開発などを進めてきた.講演では実験の現状について詳細を報告する.
著者
冨田 尚吾 鈴木 一 秋山 一男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.430-438, 2002
参考文献数
22
被引用文献数
2

成人気管支喘息患者127名においてコマーシャルベースの4種のゴキブリ抗原液を用いて皮内テストを行った.またCAP-RAST法にてゴキブリ特異的IgE抗体を測定した.使用したゴキブリ抗原液に対する即時型皮内反応陽性率は10.2〜12.6%であり,CAP-RAST陽性率は12.6%であった.ゴキブリに感作された喘息患者6名にゴキブリによる抗原吸入誘発試験を施行したところ2名に即時型気道反応,1名に遅発型気道反応を認めた.末梢血白血球ヒスタミン遊離試験においても陽性例を認めた.RAST抑制試験にて2種のゴキブリ(American cockroach, German cockroach)の間には共通抗原性の存在が示唆された.またダニ抗原によってもゴキブリRASTは抑制される例がみられ,一部ダニとの共通抗原性も示唆された本邦においてもゴキブリアレルゲンの関与した喘息症例は少なからず存在し,注目すべきと思われた.
著者
鈴木秀夫著
出版者
古今書院
巻号頁・発行日
1969
著者
國府田 真綾 鈴木 学 金地 夏実 福本 実咲 桑原 千明 林 秀樹 亀山 千里 生木 庸寛 小原 道子 棚瀬 友啓 杉山 正
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.395-402, 2018-08-10 (Released:2019-08-14)
参考文献数
8
被引用文献数
3

Gifu Pharmaceutical Association conducted a survey on the actual situation of family pharmacists in collaboration with Gifu Pharmaceutical University in 2016. Data of 3,340 people were obtained from 342 pharmacies. A total of 2,666 patients received prescriptions in May 2017 and family pharmacists were assigned to 221 patients (8.3%). The patients group who selected family pharmacists had a greater tendency to bring all the prescriptions to the same pharmacy, to bring the medicine notebook with the prescriptions, and to buy over the counter drugs (OTC) from the family pharmacy than the group not covered by the family pharmacists. The patients ask family pharmacists for reliability, health consultation, and advice in selecting OTC. They are satisfied with family pharmacists on consultations being responded to at any time and feeling that they could ask questions that they could not ask the doctor.
著者
鈴木 雅光
出版者
東洋大学文学部英語コミュニケーション学科
雑誌
dialogos (ISSN:13463101)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-16, 2013-03
著者
小松 裕和 鈴木 越治 土居 弘幸
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.851-859, 2009-10-15 (Released:2009-12-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

臨床研究に必要な統計的知識としては,基本属性の比較を行うにあたって「どの場合にどの検定を用いればよいか」がまず整理できることと,「交絡要因の調整」に用いられる多変量解析としてロジスティック回帰分析を理解することが基本となる。そして,臨床研究では生存期間をアウトカムとして用いる研究が多いことから,生存解析についての知識を習得することも必要である。基本属性の比較にあたっては,各種変数が「連続量変数」か「カテゴリー変数」か理解し,「2グループ」で比較するのか「3グループ以上」で比較するかによって用いる検定を決定する。ロジスティック回帰分析はアウトカムが二値の場合に用いられることが多く,曝露の影響をオッズ比として推定することができる。一方,生存解析で用いるCox比例ハザードモデルでは曝露の影響をハザード比として推定することができる。忙しい臨床のなかで臨床研究の知識を身につけるには,「疫学をしっかりと勉強してから,必要な統計的知識を増やしていくこと」が効率的であろう。
著者
恩田 宗生 小原 知治 鈴木 由美子 久保田 善彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.1-6, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
10

グループ学習の後に個人活動を加える集散型学習の学習効果、及び個人の協同作業に対する認識の違いが集散型学習に与える影響について、コンセンサスゲームを用いて分析した。集散型学習によってコンセンサスゲームの解答が有意に正解に近づき、さらに学習に対する自信や納得度が高まるなどの学習効果が明らかになった。また、協同効用因子が高い群と低い群では、思考の深まりの認識に大きな差があることが明らかになった。これらの調査から、グループ学習後に自分の言葉で思考をまとめ直す集散型学習の重要性とその留意点が示唆された。

1 0 0 0 OA 養蚕図解

著者
鈴木弥作 著
出版者
鈴木弥六
巻号頁・発行日
1887
著者
大工谷 新一 小野 淳子 鈴木 俊明
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会 第49回近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.7, 2009 (Released:2009-09-11)

【はじめに】 筆者らはスポーツ外傷後の神経筋機能を評価する目的で,理学療法評価に電気生理学的検査を取り入れている.今回,スポーツ動作中に足関節内反捻挫を受傷したバスケットボール選手に対する電気生理学的検査で特異的な所見を得たので報告する.【対象】 対象は本件に関する説明に同意を得た21歳の男子大学バスケットボール選手であった.診断は左足関節内反捻挫(II度損傷)であった.現症としては,応急処置が奏功した結果,腫脹と疼痛,可動域制限はそれぞれ軽度であった.筋力検査は疼痛のため不可能であった.ADLレベルは,歩行は疼痛自制内で可能であるものの,段差昇降には時間を要し,走行は不可であった.【方法】 電気生理学的検査として,ヒラメ筋からH反射を導出した.具体的には,筋電計Viking Questを用いて,安静腹臥位で足尖をベッド外へ出した状態の被験者の膝窩部脛骨神経に電気刺激を16回加えて,H反射を記録した.電気刺激強度は,振幅感度を500μV/divとした画面上でM波出現が同定できる最小強度とした.H反射の記録後,同部位に最大上刺激を加え,最大M波を記録した.H反射振幅とM波振幅の平均値を求めた後に各々の比(振幅H/M比)を算出して,受傷前,受傷後3日,受傷後1ヶ月の振幅H/M比を比較した.【結果】 受傷前,受傷直後,受傷後1ヶ月の振幅H/M比は,非受傷側で0.17,0.88,0.21,受傷側では0.62,1.23,0.58であり,受傷直後に顕著に増大していた.また,得られた波形の外観上の特徴として,受傷直後の受傷側には長潜時反射様の律動的波形がH反射出現後に記録された.【考察】 振幅H/M比は脊髄神経機能の興奮性を示す指標である.また,下肢における長潜時反射は脳幹または大脳皮質の興奮性を表す指標となる.本症例では,受傷直後に両側についてヒラメ筋に関連する脊髄神経機能の興奮性に著しい増大が認められた.また,通常は安静時には導出されない長潜時反射も受傷直後の受傷側において記録された.これより,本症例においては足関節内反捻挫の受傷によって,一過性の脊髄神経機能の興奮性の増大が両側性に認められ,受傷側においては脳幹より上位の神経機能の興奮性も増大していたことが明らかとなった.この機序としては,受傷そのものによる脊髄神経機能への影響と,受傷した状態でADLに適応する過程で脊髄神経機能に及ぼされる影響の2つの観点から考慮する必要がある.受傷そのものによる脊髄神経機能への影響としては,疼痛を回避するために脊髄反射が亢進していた可能性や腫脹による関節内圧の変化などが考えられ, ADLに適応していく過程で脊髄神経機能に及ぼされた影響としては,受傷直後の不安定感や疼痛を回避するために,ヒラメ筋などの足関節周囲筋群の緊張性収縮を常時亢進させた状態で姿勢保持や動作遂行を繰り返していた影響があった可能性が推察された.
著者
川上 拓 鈴木 啓史 中嶋 香織 礒﨑 真英 黒田 克利
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.15-22, 2019-05-31 (Released:2019-09-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

耐性菌の発生動向を把握し,それに応じた効果的な防除を行うことを目的に,県内トマト栽培圃場において,2015年作~2017年作にかけて灰色かび病菌を採取した。得られた菌株の主要殺菌剤に対する感受性を培地検定法および生物検定法により評価し,耐性菌の発生動向を調査した。また,当該殺菌剤の散布と耐性菌発生との関係性について解析した。調査圃場のうち,ほぼ全ての圃場で耐性菌発生リスクの高いQoI剤,SDHI剤耐性菌を確認した。これら耐性菌については,当該殺菌剤の散布がある場合,散布がない場合と比較し発生が多い傾向にあった。一方,耐性リスク中程度の殺菌剤であるメパニピリム剤,リスク低~中程度の殺菌剤である,フルジオキソニル剤については,散布回数が多かったにもかかわらず,調査期間を通じて耐性菌が確認されなかった。これら主要殺菌耐性菌の発生動向は,FRACの定義する耐性菌発生リスクと概ね一致する結果であった。また,本調査において,耐性菌の発生が全体的に少なかった圃場では,TPN剤のような保護殺菌剤の使用およびローテーション散布が徹底されており,これら保護殺菌剤を含めた効果的な防除が重要であることが示唆された。以上より,感受性モニタリングは,FRACの耐性菌発生リスクに基づき,耐性菌対策の実践効果の検証のために,必要な殺菌剤や圃場に限って実施することが現実的であると考えられた。
著者
嚴 先鏞 山村 拓巳 鈴木 勉
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1442-1447, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

近年,コンパクトシティ・プラス・ネットワーク型の都市構造における多様な都市サービス施設の集積が議論されているが,既存施設の分布の考慮が不十分であること,郊外での新規開発も進んでいることの問題が指摘されている.本研究では,国土交通省が誘導施設として挙げている機能を対象とし,商業施設の集積度に基づいた公共施設の空間的な関係についての近年の変化を明らかにすることを目的とする.第一に,施設数が少ない病院,図書館,行政サービス施設といった公共施設が,商業集積度の高い場所に立地する傾向がある.第二に,総合立地合致度がもともと大きい市町村では総合立地合致度が減少した市町村の割合が大きい一方で,総合立地合致度がもともと小さい市町村では,施設の数が少ないものの,増加した市町村が多く,公共施設の立地が商業集積地に立地する方向へ変化している傾向が見られる.第三に,施設種類別に立地合致度の変化を見ると,行政サービス施設,幼・保育所,図書館の場合は商業集積地に立地する傾向が強く,駅前の再開発などにより,図書館や市役所が商業集積度の非常に高い地点に移転したケースも見られるなど総合立地合致度の増加に寄与している.
著者
鈴木 禄弥
出版者
東北大学法学会
雑誌
法学 (ISSN:03855082)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.1-33, 1962-05