著者
山内 啓太郎 吉田 真太郎 長谷川 晃久 池田 明弘 張 奎泰 松山 茂実 西原 真杉 宮澤 清志 高橋 迪雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.905-909, 1995-10-15
被引用文献数
5

ウマ卵巣より作出したcDNAライブラリーより, ウマインヒビンαサブユニット前駆タンパク質をコードするcDNAを単離した. ラットインヒビンαサブユニットcDNAの配列を基にプライマーを設計し, ラット卵巣RNAを用いたRT-PCR法によりスクリーニング用のプローブを作製した. 1.2×10^5個のプラークより19個の陽性クローンが得られた. そのうちの一つ(Eq-α-11)は, 367個のアミノ酸をコードする完全長のタンパク質翻訳領域を含んでいることが確認された. cDNAの塩基配列より推定されるウマインヒビンαサブユニット前駆タンパク質及び成熟タンパク質のアミノ酸配列は他の6種類の哺乳動物 (ウシ, ブタ, ヒツジ, ヒト, ラット, マウス) のものと比較して80%以上の相同性を有していた. ノーザンブロット法によりウマ卵胞及び精巣に存在するインヒビンαサブユニットmRNAのサイズは1.5 kbであることが判明した.
著者
長谷川 芳典
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-18, 1990-03-31

全語法により漢字単熟語の読みを発声させる訓練を1名の被験児(開始時26ヶ月齢)に実施した。3歳になった時点で、読む力や熟語を生成する力について検討した。(a)単語や熟語を読む速度は、それらが漢字あるいは平仮名まじり漢字で書かれていた場合のほうが、すべて平仮名で書かれていた場合より速かった。(b)習得した漢字で書かれた文の64%は、初回提示から読むことができた。(c)100個の単漢字から57の熟語を作ることができた。日本では、一般に、平仮名を完全に習得してから漢字を教えるべきであると考えられている。しかし、今回の結果は、2歳2ヶ月からでも漢字の読み学習が始められること、そうした早期の学習はのちのより複雑な読み技能の土台となるものであることを示している。従来の漢字教育は再検討が必要である。
著者
長谷川 淳一 市橋 秀夫
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.689-704, 2002-03-25

Until the late 1980s, the British Labour Party under the leadership of Gaitskell and Wilson was perceived to have been much less successful than the Party had been under Attlee. But in recent years, with the emergence of 'New Labour', more sympathetic analyses have gained ground. This article will reassess the various interpretations through surveying both old and recent writings on the Labour Party of the 1950s and 1960s. In particular, we will look closely at the much questioned attempts by Gaitskell and Wilson to modernise the Party : the removal of Clause IV, the widening of the Party's electoral appeal, and the modernising of Britain through a 'scientific revolution'. Overall, faced by the increased affluence of the 1950s and 1960s, it became more and more difficult for the Labour Party to continue an interventionist stance. On balance, we accept the view that modernising projects were inevitable and necessary. However, Labour revisionists failed to show their own coherent version of a socialist Britain. We also find some difficulty in rehabilitating Wilson and his governments. Although he successfully united the Party traditionalists and modernisers with a new vision of a socialist society, once elected his priority was to remain in office rather than to make and implement policy.
著者
黒沢 令子 長谷川 理 泉 洋江 越川 重治
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.3, pp.A19-A25, 2007
被引用文献数
1

2006年初頭に北海道の中央地域でスズメが大量死し,個体数が減少した.そこで市民が気軽に参加できるような簡易定点調査法により,その後のスズメの個体群動態のモニタリングを開始した.積雪地域(北海道など)と雪のない地域(関東地方)の違いや季節および,餌やりの影響を比べたところ,スズメの出現数は平均3.6~3.8羽(0.78ha)で,両地域に差はなかった.季節別にみても夏と冬ともに平均3.6羽で差はなかった.一方,北海道の同一地点において,季節別に冬期の餌やりの交互作用をみると,冬期に餌やりのある地点では,冬期のスズメの数が有意に多く,餌やりのある場所にはスズメが集中することが裏付けられた.このような状態は感染症が発生した場合には水平感染が起きやすくなるので,2005/06年のような大量死を引き起こす要因になりうる.それを避けるためには,餌やりは最小限にして過密状態を避け,餌台の衛生管理の徹底を呼びかける必要があるだろう.市民参加による調査は,簡便さが要求される一方,精度にバラつきが生じやすいことと,さらに検討できる要因を増やすために調査地点数を増やすことが課題である.スズメのような身近な鳥は,人間の近くに住むので,環境の健全性を見守る指標として利用できることから,学校や自然教育における応用が期待される.
著者
高橋 紀子 岡田 ミヨ子 長谷川 由紀子 佐藤 紀子 成田 琢磨 神谷 千鶴 浅沼 義博
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13478664)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.58-67, 2004-03-31

糖尿病患者に対し,教育入院用クリニカルパスを作成し,7例に適用した.このパスの中での栄養士の果たす役割は,アウトカムを「食事療法の必要性が理解でき,ご飯などの秤量ができ,退院後も継続できる」とした.入院期間は平均24日であり,この間に全例において, 3回栄養指導を行うことができた.入院時に調査した患者の食事状況については,7例中6例が間食をしていた.また,食事傾向は7例中5例が基本量よりも多く食べていた.また,7例中2例では食事療法に対する家族の協力は得られず,問題を抱えていた.教育入院前後のBody Mass Index (BMI)は,入院時27.4±4.8,退院時26.7±4.6であった.また,収縮期血圧は,各140±26mmHg,117±18mmHgであった.BMI,収縮期血圧ともに入院により有意に改善した.血液検査成績として,空腹時血糖, HbAlcを測定した.空腹時血糖は,入院時182±40mg/dl,退院時132±52mg/dlであった.また,HbA1cは,各10.0±1.8%, 8.0±0.9%であった.空腹時血糖,HbA1cともに入院により有意に改善した.退院時に,食事療法の理解度を調査した.摂取エネルギー量や主食・主菜・副菜の組み合わせの理解は7例ともあった.また,食品交換表の理解は,「ある」が3例,「1部ある」が3例であり,「ない」は1例のみであった.糖尿病教育入院用クリニカルパスを用いて管理栄養士が食事療法に介入することは,計画的に栄養指導を行うことができる,栄養士がチーム医療のなかに積極的に入ることができる等の理由により有意義であると考える.
著者
山本 明 安部 航 泉 康介 板崎 輝 大宮 英紀 折戸 玲子 熊沢 輝之 坂井 賢一 志風 義明 篠田 遼子 鈴木 純一 高杉 佳幸 竹内 一真 谷崎 圭裕 田中 賢一 谷口 敬 西村 純 野崎 光昭 灰野 禎一 長谷川 雅也 福家 英之 堀越 篤 槙田 康博 松川 陽介 松田 晋弥 松本 賢治 山上 隆正 大和 一洋 吉田 哲也 吉村 浩司 Mitchell John W. Hams Thomas Kim Ki-Chun Lee Moohyung Moiseev Alexander A. Myers Zachary D. Ormes Jonathan F. Sasaki Makoto Seo Eun-Suk Streitmatter Robert E. Thakur Neeharika
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.81-96, 2008-02

本研究は,南極周回超伝導スペクトロメータによる宇宙線観測(BESS-Polar 実験)を通して,『宇宙起源反粒子,反物質の精密探査』を目的としている.地球磁極領域に降り注ぐ低エネルギー宇宙線に注目し,反陽子スペクトルを精密に測定して,衝突(二次)起源反陽子流束の理解を深めるとともに,『原始ブラックホール(PBH)の蒸発』,『超対称性粒子・ニュートラリーノの対消滅』等,初期宇宙における素粒子現象の痕跡となる『宇宙(一次)起源反粒子』を精密探査する.反ヘリウムの直接探査を通して,宇宙における物質・反物質の存在の非対称性を検証する.同時に陽子,ヘリウム流束を精密に観測し,これまでのカナダでの観測(BESS実験,1993-2002)の結果と合わせて,太陽活動変調とその電荷依存性について系統的に観測し,宇宙線の伝播,相互作用に関する基礎データを提供する.本研究では,これまでのBESS 実験で培われた超伝導スペクトロメータによる宇宙線観測の経験をもとに,低エネルギー領域での観測感度を高め,南極周回長時間飛翔を可能とする超伝導スペクトロメータを新たに開発した.2004年12月13日,南極(米国,マクマード基地)での観測気球打ち上げ,高度37km での9日間に及ぶ南極周回飛翔に成功し,9億イベントの宇宙線観測データを収集した.運動エネルギー0.1〜1.3GeV の範囲に於いて,これまでの約4倍の統計量でエネルギースペクトルを決定した.結果は,衝突(二次)起源モデルとよく整合し,一次起源反陽子の兆候は観測されていない.太陽活動が極小期にむけた過渡期にあたる2004年の観測として予想に沿った結果を得た.反ヘリウム探索は,これまでのヘリウム観測の総統計量を2倍以上に高め,反ヘリウム/ヘリウム比の上限値を2.7×10^<-7>にまで押し下げた.本報告では,BESS-Polar(2004年)の成果を纏め,次期太陽活動極小期(2007年)における第二回南極周回気球実験計画を述べる.
著者
長谷川 真理子
出版者
岩波書店
雑誌
科学 (ISSN:00227625)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.700-701, 1998-09
著者
長谷川 耕二郎 傍島 真人
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.14-20, 1992-03-01
被引用文献数
2

カキ'西条', '伊豆'及び'松本早生富有'の若木をそれぞれ供試し, 亜主枝に針金の被覆線で結縛処理を行い, 結実と果実品質並びに花芽形成に及ぼす影響について調査した.なお, 結縛は外径2.0mmと2.6mmの針金の被覆線を用いて, 満開20日後に行った.1.夏枝発生の多かった'西条'及び'伊豆'では対照区の結実が少なかったが, 両品種とも結縛処理により, 夏枝の発生が抑制されるとともに, 結実が増加した.'松本早生富有'では夏枝発生が少なく, 対照区の結実が比較的良好であったが, 結縛処理により結実がさらに増加した.2.結縛処理により, '西条', '伊豆'及び'松本早生富有'3品種の果実が肥大し, また着色も増進した.2.0mm及び2.6mm結縛処理により'西条'の果重は対照区に比べて約1.2及び1.3倍, '伊豆'では約1.3及び1.3倍, '松本早生富有'では約1.4及び1.4倍, それぞれ増加した.結縛処理区の果実には種子が少なかった.3.結縛処理により, '松本早生富有'の発育枝の花芽数は増加した.2.0mm及び2.6mm結縛区のがく片形成期花芽数はそれぞれ対照区の約2.2及び2.6倍であった.'西条'の夏枝を発生した発育枝でも, その春枝部位の花芽数は結縛処理により増加し, 2.0mm及び2.6mm結縛区のがく片形成期花芽数はそれぞれ対照区の約1.7倍及び1.8倍であった.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明 福田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.51, pp.1-6, 2007-05-17
被引用文献数
13

本稿では,タイルカーペットを用いることで屋内環境に適したM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムの実現に向けた見通しを得ている.従来のM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムで使われている視覚障害者誘導用ブロックの代わりに建物内に広く普及したタイルカーペットをM-CubITS素子として用いたM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを提案し,タイルカーペットをM-CubITS素子として機能させるための色と配置方法の検討および汎用モバイル機器への実装を行なっている.さらに,本システムを実装した汎用モバイル機器の勲作確認を行ない,一部の照明条件を除いて本システムが正常に動作することを確認している.
著者
長谷川 公嗣 庄司 知史 大宮 学
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.32, pp.63-66, 2009-07-30
被引用文献数
1

温度・湿度などの環境データの収集,人体の状態監視,物の移動追跡など無線センサネットワークが注目されている.センサネットワークでは各種データの収集とともに位置情報を必要とすることが多い.さらに,センサノードが常に移動していることが想定されることから,位置推定法が重要な技術である.IEEE802.15.4に基づくZigBeeでは受信信号強度(RSSI)を使用することで,比較的容易に位置推定が可能である.しかし,この方法を適用するためには屋内環境での伝搬特性を事前に把握していなければならない.実験的に伝搬特性を測定することは,時間とコストの観点から困難である.本報告においては,RSSIマップ作成における大規模電磁界解析に基づく計算機シミュレーションの有効性について検討する.すなわち,ZigBeeを使用したRSSI測定結果とシミュレーション結果を比較することで,シミュレーション結果の妥当性および提案手法の有効性を明らかにする.