著者
牧野 秀夫 森下 文仁 阿部 好夫 山宮 士郎 長谷川 勝 石井 郁夫 中静 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.3094-3100, 1997-11-25
被引用文献数
12

3次元物体の実時間音声案内を目的に, 同一形状でも種類の異なる物体の識別が可能な音声案内方法を検討した. 具体的には, 従来開発してきたテレビカメラによる図形情報案内システムを基本とし, 更に物体識別には従来の画像処理による方法に代わり, バーコードを用いることとした. しかし, 物体に通常のバーコードを貼付する方法では, 視覚障害者用教材を他の障害者教育に応用する場合問題があり, また日用品等に応用した場合はプライバシー保護の点からも適切ではない. そこで, 通常の可視光領域では検出されず赤外線にのみ優れた反射特性をもつ顔料を用いたバーコードを作成し, これを物体識別用に用いる方法を考案した. 実験では, 識別用の積み木表面に貼付した見かけ上同一色のバーコードから個々の情報が自動的に読み取られ, 更にパーソナルコンピュータに接続された音声合成装置から3秒以内に物体案内情報が出力されることを確認した. 本論文ではリ非可視型バーコードの具体的な検出方法と音声案内結果について報告する.
著者
佐藤 史朋 秦 美暢 笹本 修一 加藤 信秀 高木 啓吾 高井 雄二郎 長谷川 千花子 渋谷 和俊
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.809-813, 2007-09-15

58歳男性.睡眠時無呼吸症候群でnCPAP療法中に,右肺S^2/S^6間に増大傾向を示す15mm大の不整結節影を認めたため,超音波メスを用いて右肺部分切除術を施行した.病理組織所見は線維性瘢痕であり,術後は空気漏れがなく術後7日目に軽快退院した.帰宅後翌日にnCPAPを再開したところ右前胸部痛が出現し,胸部X線所見で右上下葉間に薄壁空洞を認め,nCPAP再開を契機とした肺瘻の出現が疑われた.空洞は次第に縮小し術後6ヵ月で消失した.nCPAP使用中の肺切除術では,肺実質切離の方法やnCPAPの再開時期ならびに再開方法について留意すべきと思われた.
著者
佐久間 貴士 長谷川 伸三 荒武 賢一朗
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学学芸学部論集 (ISSN:18807887)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.274-282, 2008-01-31

?珹寺は奈良時代に創建され、平安時代に紀有常が再興したと伝えられている。本尊は女人裸形阿弥陀仏で、五十年に一回衣替えをする時に公開した秘仏といわれている。 この?珹寺で二〇〇五年から地域文化センターと日本文化史学科の共同事業で、?珹寺(紀寺)総合学術調査を実施してきた。 調査は現在古文書調査と発掘調査を行っている。古文書調査は住職下間家に伝来したものを整理しており、近世から近代にかけての宗教史について、貴重な資料が多数見出されている。本論では、?珹寺についてのこれまでの研究を整理し、新史料から下間頼和と石田敬起についての紹介を行った。 また発掘調査では奈良時代の瓦が多量に出土したことから、?珹寺が奈良時代創建であることが確実となった。
著者
長谷川 浩志 吉川 向 上原 広靖 川面 恵司
出版者
日本シミュレーション学会
雑誌
シミュレーション (ISSN:02859947)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.144-155, 2006-06-15
被引用文献数
1

In this paper, Authors proposed a hybrid meta-heuristic method for the integer optimization of multi-peak problems to support the engineering field. For the search ability of the optimal process, the proposed method did not define a traditional combination, i.e., combining global search ability and local search ability, but newly defined the combination of multi search ability (MSA), local search ability (LSA) and neighborhood optimal search ability (NOSA). For NOSA, this proposed method introduced direct search process which self-changes design variables with reflecting recognition of dependence relation among design variables automatically. The proposed method was applied to some benchmark functions to estimate its performance, and was confirmed that it improved amount of computational cost and convergence up to the optimal solution.
著者
清水 佑輔 長谷川 貴正 周 瑞 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.113, pp.79-84, 2007-06-21
被引用文献数
1

本論文では,直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)において,従来のスケジューリングアルゴリズムと比較し,RT(Real-Time)型トラヒックのQoS(Quality of Service)要求を満たしつつ,NRT(Non Real-Time)型トラヒックのスループット特性を改善するパケットスケジューリングアルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムでは,トラヒック状況の変化に応じて適応的にRT型及びNRT型トラヒックのスケジューリングを行うために,基地局でのパケットの時系列処理を表す,時間効用関数(TUF:Time-Utility Function)の限界スケジューリング時間間隔(MSTI:Marginal Scheduling Time Interval)を調整する.提案方式では,各ユーザのバッファにおいてNRT型トラヒックのパケット数が0になる場合,voiceトラヒック及びvideoトラヒックにおけるMSTIの長さを各々の最大許容遅延の値に変更することにより,RT型トラヒックのバケット遅延を低減し,NRT型トラヒックのスループット特性を改善することができる.計算機シミュレーションによる特性評価を行い,提案方式がRT型トラヒックのパケットロス率を低減し,NRT型トラヒックのwwwトラヒックのスループット特性において良好な特性が得られることを示す.
著者
稲葉 洋 瀧 剛志 宮崎 慎也 長谷川 純一 鳥脇 純一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.390, pp.7-12, 2004-10-21
被引用文献数
1

本研究では,弾性表現された骨格筋の力発生に基づく人体の動作シミュレーションを行う.具体的には,人体の断層像より抽出した骨格筋,骨,および脂肪の3組織から,弾性を伴う人体モデルを構築する.モデル化された骨格筋の収縮動作に基づく動的な筋力発生および変形から,姿勢変化および組織変形を伴う人体の動作シミュレーションを実現する.また,その結果をCGアニメーションとして可視化する.実験では,本手法を人体下肢に対して適用し,膝関節の屈曲動作のシミュレーションおよびその際の組織の変形を確認した.また,人体モデルを利用した応用として,変形時における種々の計測値の可視化法について述べる.
著者
長谷川 敬
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.146-151, 1988-03-01
被引用文献数
4

CRT上に8×15文字で呈示される色文字の可能性の評価(5段階法)を通して, 低コントラスト領域での文字対背景としての配色と輝度比の許容呈示条件を求めた。その結果, 輝度比では1.8〜0.7の範囲を避けるべきこと, 配色では白や暖色系の色を文字とし, 寒色系の色を背景とするのがよいことがわかった。また, 青背景のときは文字が背景より暗いことは不適当であること, 文字が寒色系のときは不適輝度比域が暖色系のときより高いレベルにあること, 評価の内容にかなりの個人差があることなどを示した。
著者
長谷川 博 鹿野 真人 佐藤 栄需 金子 哲治 門馬 勉 武石 越郎
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.439-444, 2006-12-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2 3

高齢者の頭頸部癌治療では副作用が少なく,高い安全性と根治性が要求される。われわれは高齢者口腔癌に対し,ドセタキセル(TXT),シスプラチン(CDDP),ペプロマイシン(PEP),5-FUによるTCPF動注化学療法を行い,その安全性と有効性について検討した。2002年3月から2005年5月までTCPF動注化学療法を行った75歳以上の扁平上皮癌症例10例を対象とした。年齢は75~84歳,平均80歳。部位は舌口腔底8例,頬粘膜1例,上顎歯肉1例。全症例に浅側頭動脈か後頭動脈経由で動注用カテーテルを留置し,TCPF動注化学療法を行い,7例に生検切除を,2例に根治的切除を行った。原発部位に対する効果はCR率80%(8/10),PR率20%(2/10),pathological CR率67%(6/9)であった。副作用は,脳血管障害はなく,動注側の粘膜炎と脱毛が主であり,血液毒性など全身的な副作用はほとんど認めなかった。本療法の有効性と安全性は高く,ハイリスクの高齢者にも根治的治療として適応し得ると考えられた。
著者
古田 昭 成岡 健人 長谷川 倫男 鈴木 康之 池本 庸 大石 幸彦
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.570-573, 2003-07-20

前立腺粘液癌は非常に稀な腺癌であり,その病態はあまり知られていない.われわれは免疫染色にてprostate specific antigen(以下PSA)陽性,carcinoembryonic antigen(以下CEA)陰性で,印環細胞を認めず,通常の腺癌を合併した症例を経験した.免疫染色にてPSAとCEAの両方が検索されていた自験例を含む32例の報告について検討した結果,PSA染色陽性23例中17例,CEA染色陽性10例中3例に通常の腺癌の合併が認められた.また,印環細胞は6例に認められ,そのすべてがCEA染色陽性であった.このことは,前立腺粘液癌のなかにはPSA染色陽性で通常の腺癌の一亜型と考えられるものと,PSA染色陰性かつCEA染色陽性で前立腺部尿道の腸上皮化生に由来するものの2つのタイプが存在する可能性が示唆された.
著者
長谷川 勝久
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.51-66, 2006-02

本稿では、階層構造を持つ情報数学に関する学習課題において、一人ひとりの学習者が異なった情報を持ち寄って行うJigsaw学習に学習効果があることを示した。次に、学習中の言語記録簿をデータとして、そこで起きている学習者相互の会話の質を探った結果、以下のことが明らかになった。階層構造を持つ情報数学に関する学習課題を用いたJigsaw学習では、1階層構造の下位に位置する課題には学習効果が得られず、上位に位置する課題に学習効果が得られる。2自分が説明を担当する課題の成績と、他者から説明を受ける課題の成績との間には、統計的な有意差は見られない。3階層構造の下位、中位の課題において、説明者は、言い換え、メタファーなどを使って自分なりに再解釈を加えた深い思考を伴う説明の発話が多い。4階層構造の上位の課題において、説明を受ける者の質問は、単に内容や理由の説明を求めるだけではなく、自分の知りたいことを明確にし、資料にない内容についても、自分なりの仮説を持った質問の発話が多い。5質問に対する回答は、論拠を伴わない回答の発話頻度と、論拠を伴う回答の発話頻度に有意な差は見られない。6学習の進め方に関する発話は、質の高い相互交渉を引き起こすきっかけとなりうる。
著者
長谷川 哲哉
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.29, pp.445-458, 2008-03-27

バウハウス研究において近年使用されてきた「バウハウス第二世代」の概念を明瞭にするため,この世代に属すとみなされたG・フィーツとH・トレーケスの諸側面を事例として,広義での「バウハウス第二世代」の共通した指標を明らかにする。そのためにバウハウスと近似した改革芸術学校での修学,元バウハウス教師からの影響,バウハウスの根本思想の受容,バウハウス教育学の理解とその発展的継承,等々の視点から考察し彼らの共通点を探る。これにより,戦後においてバウハウス教育学を担った人たちの活動範囲,すなわちバウハウス教育学の影響史をより幅広く,しかもより豊かに捉えることができる。
著者
岩下 友美 倉爪亮 辻 徳生 原 健二 長谷川 勉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.109, pp.119-126, 2003-11-06

カメラ画像など2次元,3次元空間内で移動体を追跡する際に,SnakesやDeformable surfaceなどの動的輪郭モデルが広く利用されている.これらはノイズに対して頑強な境界軌跡法であるが,分離や結合など位相変化への対応は困難であった.一方,近年本質的に位相変化が可能なLevel Set Methodが注目を集めているが,この手法は初期化や更新時の計算コストが高いことが問題とされていた.そこで本報告では,高速で安定なLevel Set Methodの解法として提案したFast Level Set Methodの概要を示し,その応用例としてビデオ画像上の移動物体のリアルタイム追跡,およびステレオカメラを用いた人体概形の3次元リアルタイム追跡を紹介する.This paper presents an efficient implementation technique for the level set method(LSM) named the Fast Level Set Method (FLSM). Various applications based on the LSM have been presented including motion tracking and 3D geometrical modeling. However, the calculation cost of reinitialization and updating of the implicit function is considerably expensive as compared with the cost of conventional active contour models such as "Snakes". To tackle this problem, we have proposed an efficient algorithm of the LSM named the FLSM. This paper introduce some experiments of realtime tracking of moving objects in video images and 3D stereo range images using the FLSM.