著者
長谷川 泰久 松浦 秀博 中山 敏 藤本 保志 松塚 崇 寺田 聡広 奥村 耕司 竹内 秀行 松本 昇
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部腫瘍 (ISSN:09114335)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.530-534, 1997-11-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1

甲状腺乳頭がんの予後は一般に良好である。頸部郭清ではいかに機能障害の少ない手術を行うかが大切である。われわれは癌の進行度に応じて頸部郭清術を使い分けている。Lateral component に対しては Jugular Neck Dissection (JND, 深頸郭清術) と Modified ND (MND) を用いる。 JNDは甲状腺癌取扱い規約のV, VIに当たる内深頚リンパ節と鎖骨上窩リンパ節の郭清を行う。MNDはこれに副神経リンパ節 (規約のVII) の郭清を追加する術式である。この中でJNDについてその手術手技を中心に述べる。切開切離はメスによる鋭的切離を基本として行う。メスによる切離は術者と助手の間でカウンタートラクションを十分に行うことが大切である。郭清は6つの面 (上面: 顎二腹筋後腹, 外面: 胸鎖乳突筋内面, 内面: 深頸筋膜面, 後面: 胸鎖乳突筋後縁, 下面: 鎖骨上縁, 前面 (甲状腺): 前頸筋外側面) を順次切離するように行う。N044例にJNDを行い, 組織学的リンパ節転移を内深頚リンパ節に75%認めた。これまでの経過観察ではJNDを受けた症例に非郭清部および郭清部の再発はない。
著者
長谷川 功
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.184-189, 2018

<p>現代の神経科学は,『脳の特定の解剖学的区分に限局する細胞の性質がその脳区分に宿る機能を表す』とする機能局在論のパラダイムのもと,目覚ましい発展を遂げてきた.しかし,複雑系としての脳の動作原理を説明するのに,機能局在論に基づく細胞活動記録や脳機能マッピングのアプローチだけでは限界があることは否めない.筆者は,視覚認知の基盤をなす大脳の巨視的ネットワークにおける信号の流れや分散的・同期的な神経表現の解明を目指している.本稿では,脳の表面に柔軟な電極を張り巡らせるメッシュ型皮質脳波(ECoG)の技術を活かして,皮質に分散した視覚カテゴリー認知に関わる微細機能構築の非線形的・動的な性質を明らかにすることにより,機能局在論と全体論の発展的統合を目指そうとする最近の試みについて紹介する.</p>
著者
山本 雅貴 平田 邦生 長谷川 和也
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.2-9, 2022-02-28 (Released:2022-03-04)
参考文献数
37

Since the first crystal structure determination of protein by J. C. Kendrew in 1959, protein crystallography has been playing the leading role in the structural biology by various technology developments. Especially the utilization of synchrotron radiation from the 1990s brought innovative progress in this field on the data quality and the phasing method and had expanded the sample targets including membrane proteins and supra-molecular complexes. Here we will describe the outline and the future prospects of the protein crystallography from the role of synchrotron radiation and SPring-8.
著者
長谷川 卓 中村 英人 黒田 潤一郎 守屋 和佳
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

C4植物は700万年前頃に顕在化した被子植物で,通常の光合成回路の前段にCO2濃縮回路を持ち効率的な炭素固定を行う.この形質の成立過程は謎に包まれているが,「白亜紀中期の約1億年以上も前のオーストラリア南西~南極大陸にかけてがC4植物誕生の場である」という仮説を立て,これを検証する.炭素循環の大きな攪乱期の前後の試料から有機分析を進め,分子レベルの炭素同位体比分析など先進的手法も取り入れる.どの時代でどの環境激変と連動してC4植物が誕生・進化したかを明らかにし,その時代の環境背景を更に詳しく理解していく.C4植物のみに由来する有機分子の発見を期待している.
著者
藤森 真一郎 長谷川 知子 増井 利彦 高橋 潔 シィルバ エラン ディエゴ 戴 瀚程 肱岡 靖明 甲斐沼 美紀子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.II_217-II_228, 2015
被引用文献数
2

Special Report on Emissions Scenarios(SRES)が公表されて以降,気候変動関連研究は主としてSRESを用いて行われてきた.一方,2007年以降に新シナリオプロセスが開始され,新しい社会経済シナリオ Shared Socioeconomic Pathways(SSPs)は気候モデル,影響評価モデル,統合評価モデルで使われ,中核的なシナリオとなることが期待される.また,近年統合評価モデルが提示するシナリオはパラメータの設定等が明瞭に示されずブラックボックスとなっているという批判が存在し,統合評価モデルが抱える大きな問題の一つとなっている.このような背景を踏まえ,本論文は以下の二つの目的を有する.第一にSSPの定量化プロセスについて詳細に記述し,シナリオ定量化作業をオープンにすることである.第二にその結果を既存のシナリオであるSRESとRCP(Representative Concentration Pathways)と比較し,シナリオの特徴を明らかにすることで,今後SSPの主たるユーザーとなる気候モデルや影響評価モデルに対して有用な情報を提供することである.本研究で得た主要な結論は以下のとおりである.第一に大気汚染物質の排出量はRCPで一貫して減少していたが,SSPの一部は増加するシナリオが含まれ,気候モデルにとってエアロゾルの違いの影響を明らかにすることができる.第二に耕作地面積はいずれのシナリオでも21世紀で拡大し,水資源,森林生態系など土地利用に影響される影響評価モデルにとっては土地利用シナリオを考慮することが重要であることが示唆された.
著者
長谷川 日出世 Hideyo Hasegawa
巻号頁・発行日
vol.15, pp.165-178, 2009-03-25
著者
大石 幼一 長谷川 博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1412, 2014-04-07

中部日本放送および同グループは2014年4月1日に認定放送持株会社体制に移行した。中部日本放送が中心となり、CBCテレビやCBCラジオなどのグループ会社が同一円周上に並んで事業を展開する組織体をイメージする。首都圏以外に拠点を置く地方局が認定放送持株会社…
著者
森田 明理 新谷 洋一 長谷川 正規 加藤 正也 西尾 栄一 細川 裕子 辻 卓夫
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.111, no.8, pp.1229-1236, 2001-07-20 (Released:2014-12-27)

Narrow-band UVBは,311 nmにピークを持つきわめて狭い波長(311±2 nm)の紫外線光源であり,尋常性乾癬,アトピー性皮膚炎などにヨーロッパでは一般的に用いられている.乾癬でbroad-band UVB療法より優れ,PUVA療法とはほぼ同等とされる.今回,明らかにステロイド外用,ビタミンD外用で皮疹のコントロールのできない難治な尋常性乾癬23名(平均PASI 28.6)を対象としてnarrow-band UVB療法を行った.Narrow-bandUVB療法には,TL 01ランプ10本装着したM-DMR-LH型を使用した.照射率の測定はIL 1700を用いた.照射方法は,ヨーロッパで一般的に用いられているstandard regimenを用い,入院では週に5回,外来では週に3回の照射を行った.治療終了時の皮疹評価は,寛解15例,改善4例,やや軽快1例であり,寛解導入率65.2%,改善以上は82.6%であった.また,3例では,増量に伴うケブネル現象がみられたため,増量が難しく,不変もしくは悪化し中止とした.それ以外,水疱などの高度の急性副作用を起こすことなく照射が可能であった.
著者
甲能 直樹 長谷川 善和
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
no.162, pp.801-805, 1991-06-28
被引用文献数
3

埼玉県東松山市付近に分布する中部中新統神戸層下部の礫岩層より, イマゴタリア亜科に属する鰭脚類の臼歯化石が発見された。当該標本は歯冠高が低く, 歯冠の遠位舌側に極めて発達のよい歯帯を持つことなどから, セイウチ科のイマゴタリア亜科に属する鰭脚類の, 左上顎第2もしくは第3前臼歯と判断される。北太平洋沿岸域におけるこの仲間の記録としては, これまでに知られる限り最も古いものの一つとなる。当該標本は, 単離した1個の臼歯であるため属種を決定できないが, プロトコーンシェルフがよく発達していることや, 2歯根であるなど原始的特徴を保持しており, ほぼ同時代から知られているセイウチ類の祖先とされる, ネオテリウム類の臼歯に最もよく類似している。このことから, 当該標本は最古の鰭脚類であるエナリアルクトス類から, セイウチの系統に分かれた初期の仲間のひとつであったろうと思われる。
著者
荒川 祐二 長谷川 博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1456, pp.13-14, 2015-03-09

ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)は2015年2月14日、放送分野における音楽著作権管理事業に2015年4月から参入すると発表した。管理開始時における管理作品は、浜田省吾氏の「J.BOY」やスピッツの「チェリー」、坂本龍一氏の「TECHNOPOLIS」といった作品を中心と…
著者
東 浩太郎 長谷川 輝 三河内 岳 Michael Zolensky
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

様々な隕石種の岩片を含む角レキ岩隕石であるKaidun隕石中に見つかった2つの岩片について鉱物学的研究を行った。1. ブラチナイト隕石と考えられる岩片は、主にカンラン石から成る約0.4x0.4mmの岩片で、カンラン石組成はブラチナイトと似ており、ブラチナイトのタイプ標本であるBrachina、ブラチナイトの一種であるNWA 1500と近い特徴も確認された。BrachinaはMn-Cr年代が4564.8&plusmn;0.5 Maを示すことから、Kaidun母天体の形成はこの年代より若い可能性がある。2. 水質変成を受けたEコンドライト岩片は、岩片の両端約1mmの範囲で中央と比べ一部の元素の含有量が明らかに少なくなっており、端層において欠如している鉱物、EPMAの定量分析での収量が低く組成にばらつきのある複数種の物質の存在が確認された。以上の特徴より非平衡な変成を受けており、水質変成を経験したことが示唆される。水質変成を受けた層はCコンドライトと接しており、この岩片の成因に関連した可能性がある。
著者
田中 徹 長谷川 博
出版者
日経BP
雑誌
日経ニューメディア = Nikkei new media (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1713, pp.7-8, 2020-07-13

動画配信サービス「Paravi」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)が新体制に移行した。2020年6月11日に田中徹氏が新たに代表取締役社長に就任し、経営の舵取りを担うことになった。PPJには東京放送ホールディングス、日本経済新聞社、テレビ…
著者
竹井 豊 長谷川 恵 安達 哲浩
出版者
Japanese Society for Emergency Medicine
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.569-577, 2021-08-31 (Released:2021-08-31)
参考文献数
20

目的:救急隊員の職業上の危険性を明らかにすること。方法:総務省消防庁のヒヤリハットデータベースから抽出したアクシデント事例とインシデント事例を分析した。結果:腰痛の原因は,患者の搬送(運ぶ,上げる,下げる)によるものであり,経験不足はインシデント事例に比べてアクシデント事例の危険性が高いことを示していた。インシデントは,ストレッチャー操作による転倒が多かった。転倒は,現場での患者の移送や,病院到着後の救急車からのストレッチャーの積み下ろしの際によく発生した。多変量解析では,救急車からストレッチャーを積み下ろしする際の作業に対する安全確認の不足が転倒に関連していることが明らかになった。結論:救急隊員の身体的負荷を軽減し,救急医療サービスにおける有害事象のリスクを低減するためには,作業手順を見直し,人間工学に基づいて設計された機器を使用する必要がある。
著者
髙綱 康裕 長谷川 博
出版者
日経BP社
雑誌
日経ニューメディア (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1594, pp.11-12, 2018-01-29

東京放送ホールディングスや日本経済新聞社など6社の共同出資会社であるプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)は2018年4月に新たな動画配信サービス「Paravi (パラビ)」を開始する。Paraviでは、サービスの中心と位置付けるSVOD(定額制動画配信サービ…