著者
種本 雅 長谷川 峻 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.290-303, 2022 (Released:2022-06-21)
参考文献数
25

Housekeeping robot must grow as it lives with the user. To build a system that can serve as a foundation for this purpose, we need to discover what we need to research further through the realization of a housework support task by a robot, and need to solve these problems. In this paper, we tackle the task of bento-serving as a household chore support task, and describe new problems that we discovered through the implementation of it. As for the bento-serving, it has been assumed that the robot performs the task in a factory. In this paper, we reconsider the bento-serving task by a robot as a part of our household support and propose a system to make it happen. When a housework assistance robot does the bento-serving, he needs to recognize the prepared foods and environment, interact with the owner, and manipulate foods without destroying them. Through the realization of the bento-serving task, we found that the housekeeping robot has to deal with objects of the same type but with different shapes, plan movements with user preferences in mind, and perform the entire sequence of actions by himself. To achieve these goals, we propose a system consisting of five processes, recognition of the environment and food, acquisition of information through dialogue, storage of the information, devising a goal using the acquired information, and manipulation of the objects using tools.
著者
戸所 隆 宇根 寛 山田 晴通 鈴木 厚志 長谷川 均 川口 太郎
出版者
高崎経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

パラダイム転換を必要とする時代には、地理学を伝統的な総合的基礎科学としてだけでなく、広範な応用科学・政策科学として発展させ、社会貢献しつつ学問的に発展できる地理学に変身させる必要がある。それには、研究者養成や地理教員養成以外にも通用する資格として地域調査士を創設し、その必要性を国民各層に広報・周知させなければならない。本企画調査は地域調査士の創設を目的検討してきた。本企画調査は(社)日本地理学会企画専門委員会のメンバーで東京・群馬を中心に月一回の研究会を開催した。また、地域調査士の創設の是非やそのあり方に関して、教育・研究者の立場から(社)日本地理学会会員に、需要者の立場から地理学および関連専攻学生にアンケート調査を実施し、地域調査士を採用する立場から国や都道府県・市町村関係者、コンサルタントや観光関係などの企業関係者に聞き取り調査を行った。さらに、資格制度を先行的に導入した社会調査士認定機構等にも訪問調査した。その結果、地理学の本質を社会化する新たな資格制度の創設は、次に示す理由から社会的に意義が大きいと判明した。すなわち、(1)分権化社会への転換に伴う地理的知識や技能に基づく地域調査需要の増大(2)地理学の有用性と社会貢献を社会にアピールする認知システムの確立(3)各種資格制度創設ラッシュにおける地理学独自の資格制度の必要性(4)現代社会に必要な幅広い地理的知識を提供できる専門的人材の育成システムの構築である。以上の結論に基づき、制度設計(調査士と専門調査士・認定制度・標準カリキュラム・継続教育・更新制・学会としての講習会)や事務体制・財政的見通し、倫理規程、関連他学会との協力体制、導入スケジュールの基本を検討した。その結果、今回の企画調査によって、制度導入の道筋をつけることができ、制度導入実現に向けての次のステップに進むことができた。
著者
平沢 隆之 渡辺 翔 須田 義大 吉田 秀範 中野 公彦 水間 毅 長谷川 智紀 竹内 俊裕 栃岡 孝宏 山本 康典 岩下 洋平 藤元 秀樹 東 耕一
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.177-182, 2015-03-01 (Released:2015-03-30)
参考文献数
7

車車間通信型ASV の普及スキームの一環として提案した路面電車と自動車の間での通信型ASV プロトタイプサービスを,実証実験への試供が可能となったASV 通信機を用いて構築した.両車両が見通し不良状況にて1 対1 で遭遇する基礎的なシーンを想定し,広島地区第二次ITS 公道実証実験デモに合わせて機能検証データを取得した.その結果,プロトタイプサービスが路面電車運転士の気づき支援に必要な機能を満たすことを確認した.
著者
長谷川 貴陽史
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.53, pp.29-33, 2006-04-25 (Released:2012-08-01)
参考文献数
17

「住所がなければ、子どもを学校にやれない。証明書がなければ結婚できないし、社会保障給付を請求できない。読み書きのできない人は、公式に排除されていようがいまいが、実質的には政治に関与できないようになっている。ある機能領域から排除されているがゆえに、他の機能領域へも包摂されえなくなっているのである。」(ニクラス・ルーマン)

1 0 0 0 味の芸談

著者
長谷川幸延 著
出版者
鶴書房
巻号頁・発行日
1966
著者
長谷川 達人 田中 基貴
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.38-48, 2022-05-31

2018年に本国において70年ぶりの漁業法の一部改正が決定された.新漁業法の主な目的は,水産資源の持続的な利用を確保し漁業生産力を発展させることとされている.この目的の達成には,操業や水揚げ等の情報を用いた資源調査を行い,科学的な知見に基づいた客観的な指標により資源評価を行い,評価結果に基づく指標に従った資源管理を行うことが重要である.一方,漁獲した尾数や,魚種,魚体長といった資源評価に必要な基礎情報は,各漁場で手動で計測されていることが多い.本研究では,Mask R-CNNを用いた画像認識により漁獲物の基礎情報を自動で収集するシステムを提案する.特に,Copy-Paste Augmentation(CP-Aug)と敵対的訓練により少量のラベル付きデータのみを用いてモデルを訓練した点と,クラス分類Headを1 class分類に変更した点が特色である.評価実験の結果,CP-Augにより複数魚の検出精度が大幅に向上した.また,敵対的訓練によりアノテーション誤差に頑健な特徴表現の獲得がなされ,1 class分類により未知魚に対する精度向上も達成した.
著者
黒住 献 松本 広志 大矢 敏裕 多胡 賢一 室谷 研 内田 紗弥香 尾林 海 家里 裕 横森 忠紘 堀口 淳 竹吉 泉 長谷川 剛
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.76-79, 2012 (Released:2013-01-31)
参考文献数
11

症例は67歳,女性。甲状腺機能の異常を認めたため,当科を紹介された。局所所見では甲状腺のびまん性腫大を認め,その中に大きさ3.5×2.3cmの境界明瞭,平滑,弾性硬,可動性良好な腫瘤を触知した。血液検査では,free T3,T4の上昇,抗TSHレセプター抗体陽性を認めた。超音波検査では甲状腺左葉に3.5cm大,右葉中部に1.0cm大の腫瘤像がみられた。99mTc-O4シンチグラムでは左葉上中部の腫瘤に一致する強い集積と右葉中部に淡い集積を認め,その周辺の甲状腺組織にも淡い集積が認められた。以上の所見からMarine-Lenhart症候群(Plummer病を合併するBasedow病)と診断し,メルカゾール30mg/dayを約1ヵ月間投与した。しかし,甲状腺機能の正常化が認められないため,機能性甲状腺結節の切除を含む甲状腺亜全摘術を施行した。病理学的所見では,2つの結節はadenomatous goiterの像を示していたが,濾胞を形成する細胞の高さは通常よりも高く,肥大していた。一方,結節外の背景の甲状腺濾胞上皮細胞には肥大所見は認められず,正常の濾胞上皮細胞と同等の像を示していた。術後,甲状腺機能亢進は比較的速やかに正常化した。以上の経過より,本疾患での甲状腺機能正常化には,機能性結節の切除を含む手術療法が有効であると思われた。
著者
長谷川 寿一
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.138-144, 1995-04-01 (Released:2017-05-26)
参考文献数
8

「論文を執筆できる」ということは、大学教育における大きな到達目標のひとつであるに違いない。にもかかわらず,大学生にとって論文を書くことがどのような意味をもつのか,また大学人は学生に対して論文執筆をどのように教育したらよいのか,といった基本的な問いに対しては,従来,正面から答えられることが少なかった。本稿では,論文執筆の原点は,他者との交流を通じて自らの主張を節度をもって根拠づけることであるとの認識から出発し,レポートと論文の相違点,論ずるに足る主題とは何か,論拠の示し方などについて述べ,さらに,執筆上のトラブルや悩みの対処の仕方などを論じた。
著者
野々瀬 恵司 長谷川 巌 関 悠平 塚本 俊之 松下 聡 苗村 元
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和2年度大会(オンライン)学術講演論文集 第3巻 空調システム 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.81-84, 2020 (Released:2021-10-28)

2011年から運用されたスーパーコンピュータ「京」は、2019年8月に運用を取りやめ、スーパーコンピュータ「富岳」が設置され、部分的に運用が開始された。それに伴い、消費電力及び冷却負荷が大幅に増大することとなった。本稿では、それに対応するための冷却設備の増強改修を行ったのでその概要を報告する。
著者
佐藤 俊明 長谷川 正幸
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文報告集 (ISSN:09108025)
巻号頁・発行日
vol.414, pp.55-69, 1990-08-30 (Released:2017-12-25)
被引用文献数
1 1

This paper presents a new method to calculate theoretical seismograms for earth structures considering the layered strata and local soil conditions surrounding an observation point. The reciprocal relationship of Green's functions is employed in the formulation, and the Green's functions are obtained in the frequency domain by combining of the three-dimensional thin layer elements developed by Waas, Kausel and Tajimi and the axisymmetric finite elements. The results in the time domain are obtained by the FFT algorithm. Therefore, the proposed method is called the thin layer finite element (TLFE) method in this paper. The accuracy of this method is examined by comparing its results with wavenumber integral solutions for a buried point source in an elastic halfspace. As a numerical example, theoretical seismograms on the idealized sedimentary basin model are calculated in order to illustrate the effect of local soil conditions surrounding the observation point.
著者
田中 浩二 長谷川 雅美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.3_53-62, 2012-09-20 (Released:2012-10-16)
参考文献数
20

目的:うつ病高齢者の生活世界に根ざした体験を明らかにし,抑うつを緩和するための看護への示唆を得ることである.方法:うつ病と診断され精神科治療を受けている65歳以上の高齢者11名を対象に,非構成的面接を行い,Giorgiの科学的現象学的方法で分析した.結果:6つのテーマが導き出された.うつ病高齢者は,過去の【負の記憶の重み】を抱えながら現在を生きており,さらに【老いによる喪失の重み】【抑うつを伴う身体症状からの脅かし】【他者との相互作用から起こる自己の存在価値の低下と孤独】という老いを生きることに基づく苦しみを体験することで抑うつを深めていた.これらの体験は全て【死の強い意識化】につながっており,それによってさらに抑うつが増強するという悪循環が生じていた.一方では,他者や世界とのつながりが実感できることで【生きる力の再生】を体験し,抑うつを緩和することができていた.結論:うつ病高齢者の体験の基盤には,死にふれて生きることや人としての尊厳が脅かされやすいことへの苦悩があることが考えられた.看護師は,うつ病高齢者が抑うつを抱えながらも【生きる力を再生】できるように働きかけることが重要である.
著者
橋本 和幸 吉岡 秀晃 長谷川 龍成 上岡 尚代 田辺 達磨
出版者
了德寺大学
雑誌
了德寺大学研究紀要 = The Bullentin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.14, pp.33-44, 2020

本研究は,先行研究で開発した保育園で行う運動遊びを,保育園を変えて追試を行ったものである.対象となる保育園は,先行研究と比べて,施設が手狭で,運動担当の保育士が不在という条件であった.運動遊びを保育園で継続して実施してもらい,3か月後に再度運動能力調査6種目を行って効果測定を行った.この結果,評点が有意に上昇した種目,有意に下降した種目,変化がなかった種目が2種目ずつに三分された.運動遊びが筋出力の調整とバランスに影響する2種目は成績が向上したと考える.一方,大きく強くジャンプしたり,全速力で走るなどの動きをしたりすることが影響する2種目は,園の施設の手狭さにより,成績が低下したと考える.
著者
常本 照樹 佐々木 雅寿 山下 竜一 長谷川 晃 辻 康夫 北原 次郎太 山崎 幸治 加藤 博文
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

英米型の先住民族政策とは異なる、日本とアイヌ民族の実状に適合した先住民族政策のあり方を追求した結果、憲法13条の「個人の尊重」に個人としてのアイヌが自らのアイデンティティを選択する自由の根拠を求め、その自由を実質化する責務を国に課すことによって民族文化の復興を目指すことが、第一段階として必要にして合理的であることが明らかになるとともに、文化の伝承・発信の具体的あり方も示すことができた。また文化の復興は、社会的・経済的地位の向上政策に対する国民理解の推進のために必要であるだけでなく、地位の向上に主体的に取り組むアイヌの累増のためにも有効であることが明らかになった。
著者
長谷川 幸代
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.159, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)

2022年5月号の特集テーマは,「データの価値を創出するために」です。近年,イノベーションの創出を目的として,官公庁データ,研究データ,民間データなど,あらゆるデータの利活用が推進されています。これまでの社会では,存在する膨大なデータを収集して「ビッグデータ」としてまとめることが中心となりがちでした。それが昨今は,データの収集,蓄積,管理,流通を的確かつ効果的に行い,それらを利活用して新たな価値を作り出していくことが期待されています。情報専門家であるインフォプロも,従来の資料や情報の収集と提供からさらに発展し,新たな情報資源ともいえる多様なデータを扱う機会が増えてきています。このような中で,改めて身に付けておく基礎知識や求められる能力などについて検討する必要が出てきているのではないでしょうか。今号がこの状況に際して,データ利活用の現状やスキル,人材育成等の側面から皆さまに情報を提供する機会となることを願います。本特集では,まず総論として林和弘氏から,オープンサイエンス政策と学術情報流通を中心とした研究データ利活用の国内及び海外の動向について解説し,さらに展望について述べていただきました。次に,吉武道子氏からは,主に材料科学分野を例に取り上げ,データの種類ごとにデータの利活用の現状と,利活用するために必要な処理であるデータキュレーションについての概観を論じていただきました。池内有為氏には,「データキュレーター」について定義を行い,その役割や人材育成について解説していただきました。河塚幸子氏からは,図書館で利用可能なデジタルデータを中心に現状を紹介,さらにその活用に向けて図書館がどのように対応していくべきかの役割と課題について述べていただきました。水田正弘氏には,データを活用して実社会に役立てる方法について論じていただく中で,必要となるデータに関する状況について解説し,推測統計や記述統計等についてもふれていただきました。大量かつ多種にわたるデータを蓄積していくだけでなく,そこに付加価値を付けて社会に還元していくスキルと人材がとても重要になってきます。インフォプロが直面する新たな課題も出てくると思われます。今号がそのようなことに対して,新たな知見を与える契機になれば幸いです。(会誌編集担当委員:長谷川幸代(主査),今満亨崇,中川紗央里,水野澄子)
著者
御厨 健吾 長谷川 久夫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
計算力学講演会講演論文集 2006.19 (ISSN:24242799)
巻号頁・発行日
pp.753-754, 2006-11-02 (Released:2017-06-19)

This paper is concerned with three-dimensional stresses of a circular elastic rotating disk with a step under centrifugal forces. A method of solution is presented for the problem by using an approximate analytical solution and a body force distribution method. For this purpose, we apply Green's functions for axisymmetric body force problems of an infinite elastic thick plate. Stress distributions in the stepped rotating disk are shown by numerical calculations.
著者
安達 寛人 塩谷 幸祐 田口 玲子 長谷川 雅美
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.40-49, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
19

本研究は,一豪雪地域で生活を継続している統合失調症を持つ人の経験について当事者の語りから明らかにすることを目的として,精神科デイケアまたは就労支援事業施設に通所している統合失調症者11名を対象に半構成的面接を実施し,質的帰納的に分析を行った.結果,本研究における豪雪地域で生活する統合失調症を持つ人の経験は,【健康維持の心がけと習慣化】【日常生活維持のための自己決定】【積雪環境への適応】【周囲の人々からの支え】【今後の生活への希望となるものの獲得】【自分の病気と療養生活の受け入れ】【対人関係における配慮】【問題や課題の保留と我慢】の8カテゴリーに分類された.積雪環境において,彼らは自身の気分変調への対処や気持ちの整理をし,周囲のサポートを受けながら【積雪環境への適応】をすることで生活を継続していることが明らかとなった.本研究では,当事者が健康を維持できるよう配慮しながら,積雪に関連した移動手段の確保や余暇活動の支援の重要性が示唆された.