著者
吉井 瑛美 深澤 向日葵 會退 友美 赤松 利恵 長谷川 智子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.345-354, 2021-12-01 (Released:2022-02-08)
参考文献数
24
被引用文献数
1

【目的】幼児の野菜摂取を促進するための手がかりを得るため,夕食の野菜摂取量で幼児を3群に分け,食事内容を比較すること。【方法】2019年3~5月,4~6歳の幼児121人を対象に,写真を用いた連続5日間の食事記録調査を実施した。幼児の夕食の野菜や栄養素等摂取量,1食あたりの野菜の種類数,5日間の主食,主菜,副菜等の出現回数,副菜および副菜を含む料理の内容等を調べた。1日あたりの野菜摂取量の25,75パーセンタイル値を用いて,対象者を3群に分け,食事内容を比較した。【結果】解析対象者は118人(97.5%)だった。夕食の野菜摂取量の中央値(25,75パーセンタイル値)は,54(39,74)g/食であった。野菜摂取量高群は他の群に比べ,エネルギー摂取量,1,000 kcalあたりの野菜摂取量,食塩相当量が多かった。高群の1食あたりの野菜の種類数は5.0(4.2,5.8)種類で最も多かった。副菜の5日間の延べ出現回数が3群間で異なり,高群が最も多く6.0(5.0,7.0)回であった。高群は副菜および副菜を含む料理として,野菜生もの,野菜汁物,野菜煮物の順に高頻度で摂取していた。【結論】幼児の夕食の野菜摂取量別の食事内容は異なっていた。野菜摂取量高群は,夕食1食あたりの野菜の種類が5種類であり,1食あたりに少なくとも1つの副菜を摂取し,野菜の生もの,汁物,煮物等の料理を高頻度で摂取していた。
著者
高谷 哲夫 安心院 純子 長谷川 純 山崎 一
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.516-518, 2003-10-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
11

星状神経節ブロック (SGB) は網膜の血流を増やし, 視神経炎の治療に有効とされている. SGBで, 視神経炎後の視覚障害が著明に改善した症例を経験した. 症例は60歳の女性で, 左眼の視力低下と両眼の乳頭浮腫, および右眼のマリオット盲点の拡大, 左眼の中心暗点とマリオット盲点の拡大を認め, 両眼の視神経炎と診断された. ステロイド治療によって視力はかなり改善したが, 左眼の色覚異常や変視症などの視覚異常が残った. 視神経炎罹患1年6カ月後, 両手のレイノー現象のために当科外来で左SGBを開始した. 7回目のSGBを行った頃より左眼の変視症と色覚異常の改善を徐々に自覚するようになった. 約半年間の計23回のブロック後には, 色覚異常と変視症は著明に改善し, 視力もさらに改善して軽度の小視症を残すのみとなった. 陳旧性の視神経炎でも積極的にSGBを試みる価値があると考える.
著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る
著者
長谷川 大祐 坂口 顕 山田 哲 日高 正巳 川口 浩太郎
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Fb0796, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 理学療法士が、整形外科疾患やその他外科手術後の症例を担当することは非常に多い。術後に生じる術創部周辺の「硬い浮腫」は、疼痛の遷延や関節可動域制限の原因となることが多い。一方、微弱電流刺激(MCR)は、生体に1mA以下の微弱な電流を流す電気刺激療法である。近年、急性外傷後の疼痛軽減効果、腫脹軽減効果や組織修復促進を目的に、主にスポーツ現場などで使用されている。同様に外科的処置によって生ずる術創も、その部位に組織の損傷が起きており、MCRが効果を発揮できる病態であると考える。MCRがこのような術創部周囲の腫脹を軽減できれば、その後の修復過程を促進することができるのではないかと考える。そこで本実験では、創部硬度の観点から検証するとともに、MCRによって、創部がどのように変化するかを検証することを目的とした。【方法】 Wistar系雌性ラット(8匹、6週齢)を無作為にControl群、Sham群、MCR群に分けた。Sham群、MCR群は背側を剃毛し、背側皮膚をメスにて2cmの長さに縦切開し、6針縫合した。翌日より、Control群、Sham群は、1日1回の麻酔のみを行った。MCR群は麻酔下にて、1日20分のMCRを行った。刺激は、交流電流を、刺激強度を500μA、周波数0.3Hzに設定し、電極配置は、創傷中央から左右に配置した。実験期間は10日間とし、毎日行った。創部の硬度は介入5日目より10日目まで測定した。創部硬度の測定方法は、歪みゲージ(協和電業社製、LTS-1KA)と、デジタルノギスを用いて、創部に対する圧迫力と創部の厚さを測定することで算出した。算出方法は、創部圧迫力と創部の厚さから回帰直線y=‐ax+bの関数式を導き出し、その傾き(回帰係数a)をもって創部硬度とした。創部硬度の群間比較は統計解析ソフト(PASW Ver.18.0)を用い、Kruskal-Wallis検定にての一元配置分散分析(ANOVA)を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 兵庫医療大学動物実験委員会の承認(承認番号2010-18-1)を得て行った。【結果】 創部硬度では,Control群は5日目から10日目まで変化がなかった。一方、Sham群とMCR群は5日目の硬度ならびに厚さが増加していた。これら2群については、それぞれの日数では統計学的な有意差は認められなかったものの、日数によって硬度が変化する様式が異なる傾向を示した。Sham群は5日目に一度硬度が上昇した後、10日目には硬度が低下する傾向を示した。一方MCR群では、5日目よりも10日目の方が、硬度が上昇する傾向を示した。【考察】 術後創部周囲の「硬い浮腫」は、炎症反応後の組織修復期に、ヒアルロン酸等のムコ多糖類が増加することに由来するといわれている。これらのムコ多糖類は、保水性に優れることから、水分を吸収し、そのため術創部の周囲に「硬い浮腫」が生じる。本研究においても、創を作成したSham群、MCR群の組織修復期にあたる5日目以降において、Control群に比べて硬度が上昇し、「硬い浮腫」が存在していた。介入5日目の回帰係数はMCR群よりもSham群が高値を示していることから創部硬度はSham群が高い傾向にあると考えられる。介入10日目の回帰係数はMCR群が高値を示す傾向となり、創部硬度がMCR群とSham群で逆転した。結果からMCR群は他群と比較して創部硬度増加率が高い。この理由として、組織修復には多くの過程がオーバーラップしていることを考慮しなければならない。ムコ多糖類の合成が落ち着いた後には、線維芽細胞分泌が上昇する。これによりMCR群では、5日目のムコ多糖類や水分の蓄積が抑えられ、10日目ではコラーゲン線維が増加したことで、Sham群とは異なる組織硬度の変化を呈したのではないかと考える。坂口らは、足関節周囲の術後早期からMCRを使用することで、足部周囲の腫脹軽減や足関節関節可動域制限の進行抑制に対して、効果があると報告している。本実験結果から得られる仮説として、MCRの早期からの使用は炎症反応と修復過程が早められ「硬い浮腫」を軽減するとともに、線維芽細胞の増殖過程が早期に起こす可能性を示唆するものである。今後、それぞれの組織回復期に準じた検証と、組織学的あるいは生化学的な検証が必要であるとともに、長期的な検証が必要である。【理学療法学研究としての意義】 本研究は、例数も少ないため、この結果を持って、MCRの効果を絶対的に論じることはできない。しかしながら、MCRを術後早期から使用することにより、「硬い浮腫」軽減に対して何らかの影響を及ぼすことが考えられる。これは組織修復の進行速度に対して影響を及ぼしている可能性が示唆され、術後早期の理学療法を行う時の、創部そのものへのアプローチを考えるきっかけとして意義あるものである。
著者
長谷川 彩香 高橋 知音
出版者
信州大学大学院教育学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要 = Annual letters of clinical psychology in Shinshu (ISSN:13480340)
巻号頁・発行日
no.19, pp.95-106, 2020-06

本研究では,評価懸念が強く自分の本一音を我慢して相手を気遣う傾向があると,親しい友人への援助要請に消極的な態度や抵抗感が高まるかどうか検討することを目的とした。大学生183名を対象に無記名の質問紙調査を実施した。調査では「親しい友人」を一人想起させ,その友人に対する被援助志向性と気遣いを測定した。その結果,評価懸念が高く自分の気持ちを我慢してまで相手を気遣う傾向にある人は,相手が親しい友人であっても援助要請に抵抗感をもつことが明らかになった。
著者
海野 道郎 長谷川 計二
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.5-19, 1989-03-24 (Released:2009-03-31)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本稿の目的は、(1)社会科学において「意図せざる結果」の概念が持つ重要性を主張するとともに、(2)「意図せざる結果」について概念的検討を加え、今後の分析のための枠組みを提供することにある。社会科学の古典において「意図せざる結果は繰り返し論じられてきた。さらに現代においても「自己組織性」や「社会運動論」などの現代社会学の最先端で「意図せざる結果」が論ぜられており、この概念の重要性が示唆された。 これらの研究の中でとりわけ重要なのはマートンとブードンである。そこでまず、マートンの「潜在機能」および「予言の自己成就」の2つの概念に検討を加え、これらの概念が「意図せざる結果」の下位類型であることを示した。次に、ブードンの研究を取り上げ、「意図せざる結果」の類型化の問題点を指摘するとともに、個々の行為が集積されるプロセスに着目した類型化の必要性を示唆した。最後に、ブードンによる「意図せざる結果」に関する社会理論の4つの形式─「マルクス型」、「トックヴィル型」、「マートン型」、「ウェーバー型」─を取り上げ、これらの類型が、ブードンの「方法論的個人主義」の立場と密接に関連して設定されていることを示し、「意図せざる結果」が生ずるプロセスについて一般的な枠組みを示唆した。
著者
高橋 靖 長谷川 桂介 杉山 和雄 渡辺 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-24, 2000
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究は映画における物語の構造を簡潔に表現し, タイトルや内容の検索, ブラウジング, 編集, 要約等に活用するために, 映画における物語の意味的単位であるシーンを複雑化・解決化の尺度で評価するセマンティックスコア法を提案した。5ジャンル15タイトルのセマンティックグラフの解析から重要シーン抽出の手がかりが得られ, またジャンル別にグラフを特徴づける4つの特徴関数, すなわち最高シーン率, 最終複雑度率, 平均シーン秒数, フラクタル次元が導かれた。これよりジャンルのグラフの型が次のように定められた。アクションタイプ「右上がり型」ドラマタイプ「山型」コメディタイプ「台地型」ラブストーリータイプ「右寄り山型」ファンタジータイプ「連峰型」さらに, 4つの特徴関数を用いたジャンルの判別分析によって15タイトルの映画が効果的に判別され, 映画の構造記述におけるセマンティックスコア法の有効性が示された。
著者
高橋 靖 長谷川 桂介 杉山 和雄 渡辺 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.57-66, 2000-03-31
被引用文献数
9

本研究は映画における物語の構造を簡潔に表現し, タイトルや内容の検索, ブラウジング, 編集, 要約等に活用するために, 映画における物語の意味的単位であるシーンを複雑化・解決化の尺度で評価するセマンティックスコア法を提案した。5ジャンル15タイトルのセマンティックグラフの解析から重要シーン抽出の手がかりが得られ, またジャンル別にグラフを特徴づける4つの特徴関数, すなわち最高シーン率, 最終複雑度率, 平均シーン秒数, フラクタル次元が導かれた。これよりジャンルのグラフの型が次のように定められた。アクションタイプ「右上がり型」ドラマタイプ「山型」コメディタイプ「台地型」ラブストーリータイプ「右寄り山型」ファンタジータイプ「連峰型」さらに, 4つの特徴関数を用いたジャンルの判別分析によって15タイトルの映画が効果的に判別され, 映画の構造記述におけるセマンティックスコア法の有効性が示された。
著者
南崎 信樹 桜井 千里 栗原 千佳子 大竹 徹 宮下 元 長谷川 紘司
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.681-688, 1990-06-28 (Released:2010-11-29)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本実験では, 歯肉縁上のプラークコントロールとポケット内洗浄が歯肉縁下細菌叢や臨床的な各指数に及ぼす影響を検討した。被験者は9人の成人型歯周炎患者を用いた。各々の患者から5mmの歯周ポケットを選択して, 実験に供した。細菌数の検査は, 位相差顕微鏡を用いてスピロヘータ数, 総細菌数を算定した。臨床的には, PL-I, GI , Probing PocketDepthを計測した。診査時期は0, 2, 4週目に行なった。歯肉縁上のプラークコントロールはスクラッビング法によるブラッシングと歯問ブラシやフロスを徹底させた。また, 実験群には1週間に2回Perio-Pik ® によるポケット内洗浄を行なった。その結果, 歯肉縁上プラークコントロールが良好にできた群と, ポケット内洗浄を行なった群ではポヶット内の総細菌数, スピロヘータ数とGIを除いた臨床的な診査項目において, 初診時と比較して著明な減少をしていた。さらに, ポケット内洗浄は歯肉縁下の細菌叢を洗い流していること, また歯肉縁上のプラークコントロールとポケット内洗浄の併用効果も示唆された。
著者
稲垣 栄洋 長谷川 佳菜 窪田 早希子 西川 浩二 成瀬 和子
出版者
日本有機農業学会
雑誌
有機農業研究 (ISSN:18845665)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.32-37, 2019-07-31 (Released:2019-12-27)
参考文献数
11

伝統的な刈敷き栽培は,ススキやヨシなどのイネ科植物を用いるのが一般的である.しかしながら,徳島県剣山系の伝統農法では一般的な刈敷き栽培にはススキを用いるのに対して,ナス科作物の栽培にはタデ科多年生雑草であるイタドリが経験的に用いられている.この要因は明確ではない.そこで本研究では,イタドリの表層施用がナスの生育や収量,品質に及ぼす影響を検討した.試験は2016年度と2017年度に行い,径30cmのポットにナスを1本植え栽培して,イタドリ施用,ススキ施用,無施用の3水準で行った.その結果,潅水を制限した場合,イタドリを施用した区とススキを施用した区では,無施用に比べて土壌水分が高くなった.また,イタドリ施用区とススキ施用区では昼夜の温度差が小さくなる効果が認められた.ナスの生育や収量には,イタドリやススキの施用の効果は認められなかった.一方,イタドリを施用した区では,ナスの皮がやわらかくなり,果実糖度が高まる効果が認められた.
著者
三上 岳彦 長谷川 直子 平野 淳平 福眞 吉美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2019年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.130, 2019 (Released:2019-09-24)

青森県十三湖は日本海に面する汽水湖で、現在は冬季に結氷することはないが、江戸時代にはほぼ毎年結氷(と解氷)し、その連続的な記録が弘前藩庁日記に1705年〜1860年の155年間にわたって残されていることが明らかになった。十三湖には、南から岩木川が流入しており、江戸時代には津軽平野で産出された米輸送の舟運に利用されていたことから、長期間の結氷解氷期日が記録されたと思われる。
著者
反町 和則 長谷川 富市 鳴海 敬倫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.51-52, 2006

When air pushes a more viscous fluid in two parallel plates by a syringe pump, viscous fingering pattern have been observed. Water and aqueous glycerin solutions are used as Newtonian fluids. Polyacrylamide (Separan AP30) solutions and aqueous glycerin solutions adding polyacrylamide are used as non-Newtonian fluids. It was found that it showed the bifurcation of viscous fingering to be different by a kind of solution. And, it was found that the solution concentration, gap and air pressure influenced a bifurcation pattern. Furthermore, it was not found a large bifurcation pattern in dilute Polymer solution and aqueous glycerin solutions with lower concentration. Then, tip speed of bifurcation was low.
著者
反町 和則 長谷川 富市 鳴海 敬倫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.81-82, 2005

When air pushes a more viscous fluid in two parallel plates by a syringe pump, viscous fingering pattern have been observed. Water and aqueous glycerin solutions are used as Newtonian fluids, and aqueous glycerin solutions adding polyacrylamide (Separan AP30) are used as non-Newtonian fluids. It was found that it showed the bifurcation of viscous fingering to be different by a kind of solution. It was found that the solution concentration, gap and air pressure influenced a bifurcation pattern. Furthermore, viscosity and air pressure influenced tip speed of bifurcation in Newton fluid.
著者
山本 則子 石垣 和子 国吉 緑 川原(前川) 宣子 長谷川 喜代美 林 邦彦 杉下 知子
出版者
Japanese Society of Public Health
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.660-671, 2002-07-15
参考文献数
23
被引用文献数
10

<b>目的</b> 「介護に関する肯定的認識」が,介護者の心身の生活の質(QOL)や生きがい感および介護継続意思に与える影響を,続柄毎に検討することを目的とした。<br/><b>方法</b> 東京・神奈川・静岡・三重・沖縄の全21機関において訪問看護を利用している322人の高齢者の家族介護者に質問紙調査を実施した。介護負担感が続柄により異なるという過去の報告に鑑み,分析は続柄別に行った。分析には QOL,生きがい感,介護継続意思を従属変数に,属性および介護に関する肯定的認識・否定的認識を独立変数とした重回帰分析およびロジスティック回帰分析を用いた。<br/><b>結果</b> 1) 身体的 QOL に「肯定的認識」は関連しない。<br/> 2) 心理的 QOL と「肯定的認識」の関連は続柄により異なる。介護者が夫および息子の場合は「肯定的認識」のみが,妻の場合は「肯定的認識」,「否定的認識」の両者が心理的 QOL に関連する。娘の場合は「否定的認識」のみが心理的 QOL に関連する。嫁の場合はどちらも心理的 QOL に関連しない。<br/> 3) いずれの続柄でも生きがい感には「肯定的認識」が強く関連する。夫および息子では「否定的認識」は生きがい感に関連しない。<br/> 4) 介護継続意思には,夫および息子では「肯定的認識」,「否定的認識」の双方が関連するが,妻・嫁では「肯定的認識」のみが関連する。娘では「否定的認識」が介護継続意思に関連する。しかし,続柄別の違いはわずかと思われる。<br/><b>結論</b> 介護者の心理的 QOL や生きがい感を高める支援を考えるため,介護の継続を予測するためには,介護の肯定的認識を把握することが重要と考えられる。介護の肯定的認識の影響は続柄別に異なるため,支援に際しては続柄別に検討を行うことが必要である。