著者
高橋 恵子 田松 花梨 松本 宏明 鮎川 順之介 今泉 紀栄 三道 なぎさ 柳生 奈緒 栗田 裕生 長谷川 啓三 若島 孔文
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.3-17, 2012-07-21 (Released:2017-07-21)
被引用文献数
1

東日本大震災の発災後に被災者自身の手によって行われた「震災川柳」の取り組みについて、参加者が震災川柳の心理的効果をどのように認知していたかを明らかにし、今後の災害後の心理的支援を検討する手がかりを得ることを目的とする。本研究は、調査1(インタビュー調査)と調査2(質問紙調査)によって構成される。調査1では、震災川柳の役割には5つのカテゴリーがあることが示され、さらに、個人内/個人間において効用を持つことが考えられた。さらに調査2では、震災川柳を自ら詠む人(投稿参加)と発表される川柳を聞く人(傍聴参加)という参加形態と、心理的効果の認知との関連を検討した。その結果、投稿参加、傍聴参加ともに、震災川柳により「明るい気持ちになる」ことが分かった。これらのことから、震災という非常事態において、震災川柳が心理的支援の一つの形態として有効である可能性が示唆された。
著者
奥島 邦雄 長谷川 敏夫 若林 憲光
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.348-358, 1976-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
50
被引用文献数
1

Carbon dioxide has been widely used in society for a century or so. In the light of today need to save resources, it is an urgent task for us to reexamine this basic material from every possible standpoint. This paper, in which data on its physical and chemical characteristics in particular are compiled and handling methods for high pressure product are listed, has been prepared as referential data for technical people who are interested in carbon dioxide.
著者
丸山 悦子 茂木 育子 浅野 由美 末安 加代子 峰雪 敬子 橋本 慶子 長谷川 千鶴
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.603-607, 1979-08-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
8

1) 筍から硫安分画, 各種カラムクPtマトグラフィーにより, p-HPP hydroxylaseを約300倍に精製し, 本酵素の分子量はゲル濾過法により約10,000と推定された.2) 精製酵素はp-HPPに高い特異性を示し, 基質濃度9×10-3Mで最大活性となり, 10-2M以上の濃度では基質阻害がみられた.3) 筍においても, p-HPP hydroxylaseにより, かHPPから化学量論的にホモゲンチジン酸が生成されることが示された.
著者
守 明子 長谷川 直司 志岐 祐一
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

わが国における鉄筋コンクリート造建築物の黎明期に生産され,かつ現在も供用中の工場(山口県山陽小野田市)を対象に,当該建築物に関する資料調査と実測調査とを行った。併せて黎明期の鉄筋コンクリート造に関する著作の調査も行った。その結果,我が国が明治時代より近代化をすすめた際の建築材料製造技術の歴史ならびにその材料を用いた新しい構工法である鉄筋コンクリート造建築物の歴史の一端を明らかにすることができた。ここで得られた成果は,黎明期の同構造建築物における耐久性を解明するための基礎的な資料となるとともに,現在,各地で進められている多くの鉄筋コンクリート造建築物の文化財としての保存に対し,補修改修方針の策定に関しても資するものである。
著者
長谷川 道子 齋藤 龍一 堀内 あゆみ 田村 敦志
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.132, no.3, pp.479-486, 2022-03-20 (Released:2022-03-22)
参考文献数
19

動物用ワクチンのヒトへの誤刺は畜産業従事者の間で起こるが,誤注入された薬剤のヒトへの影響を述べた文献は極めて少ない.我々はオイルアジュバント加鶏用ワクチンを手掌に誤注射後,高度の局所反応を呈した44歳男性例を経験した.高熱を伴う蜂窩織炎様の初期反応が沈静化したのち,進行性に拡大する局所壊死を生じ,組織学的には変性・壊死した組織内の稠密な好中球浸潤と多核巨細胞を混じた肉芽腫形成を認めた.ステロイド全身投与が奏効したが,誤注射された薬剤の除去が不十分または困難な例では試みる価値があると考え報告した.
著者
長谷川 ユリ
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 (0xF9C1)人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.55-65, 1997-08

本論文では, 日本語のアスペクトを表す形式の一つである「テアル」を取り上げ, その中心的な意味はどういうものか, 又, その意味は何によって決まるのかということを明らかにするために, 語彙的, 構文的の両面から考察した。まず, 動詞の語彙的な意味特徴を分析し, テアル形になる動詞は, [+意志性][+完結性]という語彙特徴を持つことが明らかになった。それによって, 動作・行為を表す動詞の中でも, 意志を持って主体的に働きかけ, 完結する動きを表す動詞のみがテアル形になる, ということが分かった。さらにテアルを「存在文型」と「動作文型」の2つに分けて観察を行った。「存在文型」は行為がなされたことによって物が存在するということを表し, 「動作文型」は行為の結果, その行為がなされたことが事実として存在するということを表している。「ある意志的な行為が成り立った結果, 物や事柄が存在する」というテアルの中心的な意味が, 行為の結果存在するのが具体物か抽象物かということで2つの類型に分かれ, 前者の場合, 「~ガ~テアル」の形をとった時, 後者は「~ヲ~テアル」の形をとった時にそれぞれの類型が典型的な意味を表すということが明らかになった。更に, テアルとアルの意味的な関係, テアルとテイルの比較などもあわせて行った。
著者
黒川 泰嗣 岩橋 眞南実 柳岡 拓磨 長谷川 博
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.193-203, 2022-04-01 (Released:2022-03-14)
参考文献数
41
被引用文献数
1

Prolonged exercise in a hot environment increases the minute ventilation (VE) and respiratory rate (RR) with an increase in core temperature. This hyperthermia-induced hyperventilation decreases the partial pressure of arterial blood carbon dioxide (PaCO2). Conversely, nasal breathing during exercise has been reported to produce low VE and RR values and high PaCO2 values; however, no studies have investigated this in hot environments. Therefore, the purpose of this study was to clarify the effect of nasal breathing on estimated partial pressure of carbon dioxide in arterial blood (PaCO2,estimate) during prolonged exercise in a hot environment. Twelve university endurance athletes participated in the study and performed a 40-minutes steady-state cycling exercise at an intensity of 55% of peak oxygen uptake in a hot environment (room temperature 35℃, relative humidity 40%). Using randomized crossover design, two experiments were performed—nasal breathing condition (NB) and mouth breathing condition (MB). Moreover, physiological indices were measured during the exercise. Rectal temperature increased in both conditions, but there was no significant difference between these conditions. PaCO2,estimate values were significantly higher in NB between 10 minutes and 40 minutes of exercise (p < 0.05) compared to MB, and decreased with time in MB. Compared to MB, the VE was significantly lower in NB between 30 minutes and 40 minutes (p < 0.05), while the RR was significantly lower in NB between 25 minutes and 40 minutes of exercise (p < 0.05). Therefore, nasal breathing during a prolonged moderate-intensity exercise in a hot environment prevented the decrease in PaCO2,estimate due to hyperthermia-induced hyperventilation.
著者
長谷川 陽一 吉田 明弘 三嶋 賢太郎 高田 克彦
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

花粉化石に含まれる分解が進んでいるDNAを解析するためには、1細胞あたりに多数コピーが含まれる細胞質DNAを用いる必要がある。スギの葉緑体DNA(cpDNA)には、多くのマイクロサテライト(SSR)領域が含まれていることが明らかになっているが、スギの葉緑体SSRの多様性を天然林集団で明らかにした研究はない。そこで本研究では、高標高のスギ天然林集団として八甲田山1・2と秋田駒ケ岳カルデラ内の3集団を、低標高の集団として鰺ヶ沢、碇ヶ関、仙岩峠、鳥海、雄勝峠の5集団を対象として葉緑体SSR18座とクローン識別用に核SSR5座を用いた解析を行った。高標高の集団の、八甲田山1では全10サンプルが1クローンと、八甲田山2では全45サンプルが8クローンと、秋田駒ケ岳では全19サンプルが1クローンと推定された。また、八甲田山2における8クローンは全て、葉緑体SSRを使っても識別することが可能であった。低標高の集団では、69%~96%の個体が葉緑体SSRマーカーによって識別可能であった。これらの結果から、スギ天然林集団において葉緑体SSRマーカーに遺伝的多様性があることが明らかになり、花粉化石のDNA解析に使用できると考えられた。
著者
長谷川 眞理子
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.3_58-3_61, 2010-03-01 (Released:2010-10-25)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
長谷川 和
出版者
日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.206-211, 1953-06

By heat-treatment (for 5-40 minutes at 25-34℃) of fertilized eggs of the toads, Bufo vulgaris formosus (Boulenger), four double-headed tadpoles, which lived more than 30 days, were obtained. Generally in the head portions of these animals the organs were formed doubly, while in the tail portions singly; and intermediate forms of the two portions were recognized in the trunk portions. It may be considered that these animals were produced by the division of the direction of primary invagination.
著者
平石 哲也 長谷川 準三 黒木 啓司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
no.14, pp.275-279, 1998

Long period waves often cause large surging motion of moored vessels by resonance to naturaloscillation of the mooring system composed of the elastic hawsers and ship body. In order to preventthe amplification of long period waves in harbor by the reflection, the wave absorbing beach isproposed. The artificial beach with mild slope can reduce the reflection coefficient. The appropriateinstallation planning for beaches in harbor is discussed on basis of the results of numericalsimulation.
著者
磯部 光平 長谷川 佳祐 伊藤 忠彦
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT) (ISSN:21888671)
巻号頁・発行日
vol.2018-SPT-29, no.50, pp.1-6, 2018-07-18

暗号鍵管理デバイスは,暗号技術を安全に利用するために広く使われてきた.昨今では,エンドユーザ自身が市販されている暗号鍵管理デバイスを調達し,任意のサービスで使用する事例も急激に増加している.そのような事例の代表例が 「仮想通貨用ハードウェアウォレット」 となる.本稿では,エンドユーザが暗号鍵管理デバイスを調達するうえで,考慮 ・ 注意すべき点の検討を行う.
著者
岸本 成史 小佐野 博史 奥 直人 渡邊 真知子 安藤 崇仁 厚味 厳一 板垣 文雄 大藏 直樹 岩澤 晴代 長谷川 仁美 長田 洋一
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, 2021

<p>帝京大学薬学部では,4年次に統合型の演習科目「薬学統合演習1」を開講し,約300名の学生を対象に講義室内で薬物治療症例の問題基盤型学習を行っているが,2020年度はCOVID-19のパンデミックによりオンライン形式での遠隔授業として行うことになった.オンライン授業はオンライン会議システムと学習管理システムを組み合わせて用いて実施し,症例検討のスモールグループディスカッションはオンライン会議システムのブレイクアウトルーム機能を利用して行った.また,症例シナリオや授業の実施内容を極力変えず,履修者全員が確実に授業に参加できるよう考慮して授業を行った.授業終了後に学生が得られたと感じた学修成果や授業の満足度は,従来の授業と比べて差異がなかったことから,本演習をオンライン形式で行った場合でも,対面形式と遜色ない学修成果が得られたものと考えられた.</p>
著者
長谷川 泰久 三上 康之 渡邉 航介 フィルズィメール ゼナブ 山海 嘉之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp._2A1-B22_1-_2A1-B22_4, 2008

This paper introduces a new wearable handring support system for a person who has trouble in motor capability of their upper limb.The support system is used not only for a support system to make their upper limb active in daily life but also for a rehabilitation system to reduce manual loads of physical therapists.The system measures three rotation angles of patient's head: pitch, roll and yaw to control three degrees of freedom of the support system; angle of elbow joint, angle of wrist joint and hand close/open, respectively. Hemiplegia patient who has paralysis on one half of the patient body can use both arms cooperatively by wearing the handling support system on the paralysis side. In our experiments, the system helps pouring task from POP bottle to a glass, while an upper limb on paralysis side of a user grasps the POP bottle and the other upper limb grasps the glass.