著者
阿部 輝夫
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.29-38, 1984

性的機能障害に対して, セックス・セラピーが有用であることが認められてから10年以上が経過した. 我国でも治療を求める患者数の増加は著しいが, 適格に対応可能な治療者は未だ少数である.現在行われているアメリカでのセックス・セラピーの現状について述べ, その実地臨床での診断・治療の進め方の特徴を, 筆者の若干の経験を加えて紹介する.
著者
小杉 憲吾 阿部 伸一 井出 吉信
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.67-78, 2000-02-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

オトガイ神経の走行形態を立体的に保存し観察するため, シリコン含浸標本を作製した。試料として東京歯科大学解剖学教室所蔵10%ホルマリン固定成人遺体24体45側を用いた。オトガイ神経の断端より末梢側に向かい剖出し, 口角枝, 下唇枝, オトガイ枝の走行の観察, 分類を行ったところ以下の結果を得た。口角枝は, オトガイ孔より出現後ただちに口角部の皮膚または粘膜に停止するもの (I型) と下唇内に侵入し下唇外側粘膜下を彎曲して走行するもの (II型) に大別された。下唇枝は, オトガイ孔より下唇正中に向かい斜走するもの (I型) とその上外方を軽度に彎曲して走行するもの (II型) に分かれた。オトガイ枝は, オトガイ孔より横走しオトガイ部に停止するもの (I型) と正中付近にて下唇方向に転じ上方に向かうもの (II型) が認められた。これらの分布領域および走行方向を検討したところ, 分布密度が低く安全性が高い部位が示唆された。
著者
渡辺 大作 阿部 省吾 植松 正巳 阿部 榮 遠藤 祥子 後藤 浩人 小林 隆之 藤倉 尚士 小形 芳美 伴 顕 平野 貴 杉本 喜憲 斎藤 博水
出版者
日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会
雑誌
日本家畜臨床学会誌 (ISSN:13468464)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.41-45, 2004-11-10 (Released:2009-04-22)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

牛クローディン-16(CL-16)欠損症19頭およびそれ以外の腎不全黒毛和種牛2頭におけるビタミンA(VA)とレチノール結合蛋白質(RBP)の動態および過長蹄の発現について調査した。CL-16欠損症では、1-6ヶ月齢の子牛3頭を除き84%で過長蹄がみられた。CL-16欠損症を過長蹄群と正常蹄群にわけて正常黒毛和種子牛群36頭と比較したところ、過長蹄群ではRBP、VA、尿素窒素(UN)およびクレアチニン(Cre)の有意な増加がみられ、正常蹄群ではVAのみ有意な増加がみられた。RBPはVA、UN、およびCreと有意な正の相関を示し、VAはVA添加飼料が給与される5-13ヶ月齢で著しい高値を示した。腎不全牛2頭(腎盂腎炎、腎低形成症)でも過長蹄がみられ、VAおよびRBPは高値を示した。CL-16欠損症で正常蹄の牛は、若齢または軽度の腎障害であったことから、過長蹄はCL-16欠損症に特異な症状ではなく、重度の腎機能障害の持続により発現すると考えられた。
著者
阿部 洋丈 Hirotaka Abe 科学技術振興機構 CREST JST CREST
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-14, 2006-01-26

本稿では,近年注目を集めているPeer-to-Peer型分散システムを構築するための基盤技術,分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Tablel; DHT)についての入門的な解説を行う.分散ハッシュテーブル技術は,システム全体を管理する中央サーバを持たないようなPeer-to-Peerシステム(pure Peer-to-Peerシステム)において,効率的なオブジェクト発見の実現を可能にする.
著者
佐光 亘 阿部 考志 原田 雅史 和泉 唯信 梶 龍兒
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.9-15, 2018-02-01 (Released:2018-03-13)
参考文献数
22

脳機能を評価する比較的新しい方法としてResting state functional magnetic resonance imaging (RSfMRI) があり, 特にindependent component analysis (ICA) に基づく解析は, ネットワークレベルでの病態解析法として応用されてきた。筋萎縮性側索硬化症 (ALS) における, 脳機能ネットワークを評価した論文が散見されるが, 各ネットワーク間の関連性に関する報告はない。また, 上位運動ニューロン徴候を欠くためにALSと診断できない場合もあり, 診断補助としてのICAによるネットワーク解析の有用性評価と, ALSにおけるnetwork-network interactionを明らかにするために本研究は行われた。12人のALS患者と12人の疾患対照のMRI撮影を行った。ICAにより, sensorimotor network (SMN), Salience network (SN), right frontoparietal network (RFPN) などを同定した。両群間に各ネットワーク発現量の有意な差は認められなかったが, ALSにおいてのみ, SMN・RFPN・SN間に有意な相関が見出された。これらの結果は, 診断補助としてICAに基づくネットワーク解析を用いることの困難さと, ALSにのみ認められる, 異常なnetwork-network interactionの形成を示唆する。
著者
谷口 守 阿部 宏史 清水 健夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.661-666, 2001

コンクリート塊の落下など、新幹線は施設全体のリニューアルまで考慮すべき時期にあるが、その地域間交通に占める重要性という観点からの議論は乏しく、サービス途絶時の影響に関する冷静な議論がない。本研究では幹線旅客純流動調査のデータから、7カ所の想定ポイントで途絶した場合に生じる影響を、潜在的な航空旅客負荷に換算することで検討した。分析から潜在旅客負荷は大きく広範に及び、特定空港に集中するとともに、現状に比すれば地方部の負荷も大きいことが示された。また、実際に新幹線の途絶が発生した阪神大震災時の航空臨時便データとの比較から、実際のサービス提供が負荷の解消には至っていないことを明らかにした。
著者
阿部 永
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.55-66, 2010 (Released:2010-07-23)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本州中部においてコウベモグラMogera woguraがアズマモグラM. imaizumiiと競合し,分布を置換しながら前進している8地域においてトンネルのサイズ調査を行い,2009年時における前者のおよその分布先端を確定した.特に1959年に分布先端を確定してあった長野県内2河川流域のうち,木曽川上流においては上松付近において50年間に最大4.1 kmの分布拡大が認められた.他方,天竜川上流の支流小野川流域では最大2.4 km,本流域では最大16 kmの分布拡大が認められた.石川県金沢平野におけるコウベモグラの分布先端は,1998年における最初の調査以後の11年間に大きな変化はなかった.富士川流域では最上流部にある甲府盆地の下流約16 kmの峡谷に分布先端があった.静岡県・神奈川県にまたがる地域では,両県を分け南北に連なる山脈がコウベモグラの東進を妨げる障壁になっていることが明らかになった.
著者
岡林 隆敏 阿部 大輔 糸永 洋次郎 足立 圭太郎
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学工学部研究報告 (ISSN:02860902)
巻号頁・発行日
vol.34, no.63, pp.65-69, 2004-07

The atomic bomb disaster can be classified to urban disaster from the viewpoint of civil engineering. "The US strategic-bombing investigating commission film", an existing aerial image data of post atomic bomb disaster in Nagasaki recorded by the commission, remains as the materials for representing the result of the attack. However, there is few material, which indicates the right places of the object structures in detail. The objective of this study is to structure the database linked with the map of Nagasaki city by Visual Basic in order to utilize the historical data. Furthermore, we utilized the data by archiving in DVD-ROM.
著者
阿部 豊 青木 一義
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.712, pp.2864-2869, 2005-12-25 (Released:2011-03-03)
参考文献数
10
被引用文献数
3

It is expected to manufacture new materials under the micro-gravity environment in space. Under the micro-gravity environment, holding technology of molten metal is important to manufacture new materials. There are previous studies about droplet levitation by the acoustic wave for the holding technology. However it is still unknown experimentally and analytically how the acoustic wave act on the levitated droplet. In the present study, the technology to handle the material in space by the ultrasonic wave is developed and the simulation technique to evaluate the acoustic wave field and the movement of the droplet in the acoustic field. Therefore the followings are the purposes of present study. At first, the characteristics of droplets holding by the ultrasonic standing wave under normal gravity environment and micro-gravity environment is investigated. Secondary, numerical simulation is conducted to clarity the characteristics of ultrasonic standing wave. Finally, the force committed to a droplet is investigated by reproducing a movement of the droplet.
著者
阿部 豊 青木 一義
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.70, no.692, pp.1072-1077, 2004-04-25 (Released:2011-03-03)
参考文献数
4
被引用文献数
1 4

It is expected to manufacture new materials under the micro-gravity environment. Under the micro-gravity environment, holding technology of molten metal is important to manufacture new materials. In the present study, the technology to handle the material in space by the ultrasonic wave is developed. However, it is difficult to hold a high temperature object by ultrasonic standing wave due to temperature gradient. Moreover, it is also important to measure the physical properties of the material by non-contacting. Therefore the followings are the purposes of present study. At first, the characteristics of droplets holding by the ultrasonic standing wave under normal gravity environment is investigated. Secondly, the surface tension of the droplet is estimated by measuring surface oscillation. Thirdly, the viscous coefficient of liquid droplet is calculated by the damping constant of the droplet. Finally, numerical calculation is conducted to clarity the characteristics of the high temperature object holding in space.
著者
阿部 真理子 小林 雄一郎 藤原 康弘
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究の目的は、高校生の英語スピーキング力を 3 年間にわたり縦断的に追跡し、その発達過程を明らかにすることである。具体的には、(1)個人レベルでの経年変化のモデル化、(2)内的・外的な学習者要因が発達に及ぼす影響の解明を行う。そのためには研究の共同基盤となるコーパスの整備が不可欠である。「Longitudinal Corpus of L2 Spoken English (LOCSE)プロジェクト」において収集している縦断的英語スピーキング力データ(約120名×8回)をもとに、今年度は学習者コーパスの構築を推進させた。またコーパスの概要を示す特徴量算出(前半3回分)と、個々人の発話に関する数値的な情報(前半3回分)を算出した。個々人の情報に関しては、学習者ごとにフィードバックも行った。さらには、書き起こしの精度と速度を向上させるために、自動書き起こしツールを用いた作業の検討を繰り返し行った。そして、自動書き起こしツールの効果を検証するためのデータ収集を開始した。高校生の英語運用能力および学習意欲の変動に影響する要因を探るためのアンケートも実施し、内的・外的な学習者要因がスピーキング力の発達にどのような影響を及ぼしているかについて論文をまとめた。国内・国外において一件ずつの研究発表を行った。そのことで、次年度(2018年夏)に共同シンポジウムを二件行うことが決定した。また国外における人的ネットワークの構築を行うのみならず、海外の大学との共同研究の開始が決定した。
著者
森永 太 伊東 隆利 阿部 成善 添島 義樹 土屋 直行 松井 孝道 飯島 俊一 川口 和子
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.170-179, 2018-06-30 (Released:2018-07-25)
参考文献数
15

長期症例のインプラントに対して,しばしばインプラントの残存率が一つの成功基準として使用される.しかし,患者の実態を知るにはそれだけでは十分といえない.この研究の目的はインプラント治療を受けた患者の長期経過の実態を知ることである.我々は,インプラント治療後20年以上経過した患者に対しアンケート調査を行った.患者は九州インプラント研究会に所属する歯科医師によって治療された.アンケートは1,168名に送付し509名からの回答を得た(回答率44%).回答者の内,78%がインプラントに何も問題ないと答えた.また,歯の経過については68%が何もないと回答した.食事については84%が何でもよく噛めると回答した.また93%がインプラント治療に満足していると回答した.