著者
阿部 和広
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16, pp.69-75, 2006-02-17
参考文献数
10

近年、教育用のプログラミング環境として注目されているスクイークについて、開発者のアラン・ケイ博士、その基となったダイナブックやスモールトークなどの思想的背景、オブジェクト指向やタイルプログラミングなどの特徴などについて解説する。また、特に科学リテラシ習得に向いているとされる点について説明する。This paper introduces a programming environment "Squeak". Squeak was developed by Dr. Alan Kay and based on his Dynabook concept and Smalltalk. Squeak is good for developing scientific literacy of children.
著者
笠井昭範 原直 阿部匡伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-6, 2014-07-21

GPS による位置情報を用いたアプリケーションやサービスが広く普及している.本研究では,GPS から取得した位置情報をもとに,様々なライフログを集約するシステム FLAG を開発した.FLAG では位置情報を滞在地と移動経路に分類して管理を行う.分類した位置情報は地図とタイムテーブル上に可視化され,滞在地にはユーザごとに個別の名称を登録する機能を設けた.また,様々なライフログを集約する例として Twitter における投稿時間から FLAG の持つ位置情報と結びつけを行う.これにより,位置情報を持たないライフログの地図上への可視化が可能となる.システムの評価では,6 名の被験者により滞在地の正解データを作成し,FLAG の滞在地検出精度について 2 種類の検出法を用いて比較を行った.結果, FLAG では元データに比べて高い精度による滞在地の検出が確認された.Recently, the application and the service which utilize location information from GPS have highly prevailed. In this paper, we developed the system called FLAG which aggregates the variety of Lifelog under location information. FLAG manages location information discriminate between moving and staying. With using FLAG, we visualize categorized location information on the map and the time table. And implement set the function which registers individual name according to users in the staying state. We also link the location information from FLAG to Twitter using the posting time for an example of aggregating various kinds of Lifelog, This function enables Lifelog to show on the map even if the Lifelog has no positional information. For an evaluation of the FLAG system, we created correct data of staying by six users. And we compared accuracies of staying by using two detection methods. As a result, we confirmed that FLAG can be detected high accuracy staying than the original data.
著者
北上 誠一 村上 由里子 安永 廣作 阿部 洋一 加藤 登 新井 健一 SEIICHI KITAKAMI YURIKO MURAKAMI KOSAKU YASUNAGA YOICHI ABE NOBORU KATO KEN-ICHI ARAI 社団法人全国すり身協会 社団法人全国すり身協会 独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所 カネテツデリカフーズ株式会社 東海大学海洋学部 社団法人全国すり身協会 National Surimi Manufacturers Association National Surimi Manufacturers Association National Research Institute of Fisheries Science Kanetetsu Delica Foods Inc. School of Marine Science and Technology Tokai University National Surimi Manufacturers Association
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.250-257, 2009-03-15
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

等級の異なる10種のスケトウダラ冷凍すり身に加水して調製した加熱ゲルの破断強度(BS),破断凹み,及びゲル剛性(Gs)とタンパク質(P)濃度の関係を解析した。そして,(1)BSとGsはP濃度に伴って指数関数的に増大,(2)加水しない加熱ゲルのBSとGsの最大値はすり身の等級が上位の方が高く,(3)BS vs Gsを図示すると,10種のすり身から得た加熱ゲルの両値の間に強い正の相関があった。これらの結果は,そのBSとGsのレベルとP濃度依存性から見積る加熱ゲル形成能が,冷凍すり身の品質要因の一として有用であることを示す。From ten lots of walleye pollack frozen surimis of various grades, the heated gels of different protein concentrations were prepared by adding 0-150% water. Breaking strength (BS), breaking strain (bs), and gel stiffness (Gs=BS/bs) were measured, and the effect of the protein concentration of the heated gel on their physical values was analyzed. The results were as follows: (1) Of all the surimis tested, the BS and Gs of the heated gel increased exponentially with the increase in the protein concentration of the heated gel. (2) The maximum values of BS and Gs of the heated gels formed without addition of water were higher in the order of SA>FA>A>KA>2nd grades of frozen surimi. (3) When BS was plotted against Gs, there was a close, positive correlation among those of the heated gels from the ten lots of frozen surimis of various grades. These results indicated that the heated gel forming ability, as measured by BS and Gs levels of the heated gel and its dependence on the protein concentration, is a useful parameter for judging the quality of walleye pollack frozen surimi.
著者
阿部 寛子
出版者
成城大学
雑誌
成城文藝 (ISSN:02865718)
巻号頁・発行日
no.40, pp.31-42, 1965-09
著者
阿部 フミ子 長尾 常敦 岡部 光 山内 辰郎 丸林 信洋 上田 幾彦
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.2127-2129, 1990-08-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
5
被引用文献数
7 10

Parsonsianine, a 14-membered macrocyclic pyrrolizidine alkaloid, composed of retronecine, (2S, 3R)-2, 3-dihydroxy-2-ethylbutanoic acid and (2R, 3S)-2, 3-dihydroxy-2-isopropylbutanedioic acid, was isolated from the leaves of Parsonsia laevigata and the structure was determined by means of nuclear magnetic resonance and X-ray analysis.
著者
中西 徹 河村 葉子 城市 香 渡邊 雄一 杉本 敏明 阿部 裕 六鹿 元雄
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.193-199, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
3
被引用文献数
2

食品衛生法では,器具・容器包装からの総溶出物試験として蒸発残留物試験が規定されている.油脂および脂肪性食品の最適な食品擬似溶媒は植物油であるが,蒸発乾固が困難であることから,合成樹脂ではヘプタン,ゴムでは20%エタノールが浸出用液として用いられている.一方,欧州連合では,油脂および脂肪性食品に使用される合成樹脂に対してオリブ油への総溶出物試験が規定されており,その試験法は欧州標準規格EN1186-2に収載されている.しかし,試験操作上の問題が多いことから,試料の恒量化を43%硫酸デシケーターで行い,溶出後試料に残存する植物油を内標準浸漬抽出法で抽出し,植物油のメチルエステル化にナトリウムメトキシドを用い,GC測定条件を変更するなどの改良を行った.その結果,操作が簡便で試験時間が大幅に短縮され,試薬の有害性が低減され,合成樹脂だけでなくゴムにも適用可能な試験法を確立することができた.さらに,本法とEN1186-2に示された試験法を6種類の試料を用いて比較したところ,同等の試験性能をもつ優れた試験法であることが確認された.
著者
阿部 長 丸山 泉 原 直哉 明吉 康則
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.232-236, 1996
参考文献数
10
被引用文献数
1

脳卒中片麻痺患者(CVA患者)21例を対象に,下肢筋の能力の一部である筋持久力が歩行耐久性に及ぼす影響について検討した。対象は屋内歩行自立以上の歩行能力を有するCVA患者の内,麻痺側下肢のBrunnstrom stageがIV・Vの者に限定した。両側下肢の筋持久力及び歩行耐久性の指標として,膝伸展最大収縮20回前後の膝伸展筋力と300m最速歩行前後の歩行速度の低下率を用いた。また,歩行耐久性評価時に歩行率・重複歩距離に関しても前後比を求め,それぞれ比較した。その結果,麻痺側下肢のみ,筋持久力と歩行耐久性とに正の相関関係を認めた。また,歩行率及び重複歩距離の前後比はt検定で有意差を認めなかった。これらの結果より,麻痺側下肢の筋持久力が高い者程,歩行耐久性も高いと考えられた。
著者
齋藤 政彦 山田 泰彦 太田 泰広 望月 拓郎 吉岡 康太 野海 正俊 野呂 正行 小池 達也 稲場 道明 森 重文 向井 茂 岩崎 克則 金子 昌信 原岡 喜重 並河 良典 石井 亮 藤野 修 細野 忍 松下 大介 阿部 健 入谷 寛 戸田 幸伸 中島 啓 中村 郁 谷口 隆 小野 薫 ラスマン ウェイン 三井 健太郎 佐野 太郎
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

不分岐な不確定特異点を持つ接続のモジュライ空間の構成,リーマン・ヒルベルト対応の研究により,対応するモノドロミー保存変形の幾何学を確立した.また,混合ツイスターD加群の理論の整備,可積分系の幾何学的研究において種々の成果を得た.高次元代数幾何学においては,端末的3次元射影多様体のある種の端収縮射の分類や, コンパクトケーラー多様体の標準環の有限生成性などの基本的結果のほか,モジュライ理論,シンプレクテック多様体に関する種々の成果を得た.量子コホモロジーの数学的定式化や,ミラー対称性の数学的理解についても大きな成果を得た.また,代数多様体の層の導来圏に関する研究においても種々の成果を得た.
著者
楢崎 洋子 阿部 正樹 橋本 遼平
出版者
武蔵野音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

オーケストラ作品や器楽作品にオリジナルな作風が認められるとともに、声楽作品やオペラ作品も書いている日本の作曲家の作品を対象に考察すると、たとえばオペラ作品において言葉に声、オーケストラが重なって、複数のメディアの複合的というよりも一元的な関係が認められるため、その関係を表す適切なジャンル名称の必要性を示唆する。
著者
阿部 恒之 高野 ルリ子
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.338-343, 2011
被引用文献数
2

化粧に関する心理学的研究は,1980年代から盛んになってきた.化粧は慈しむ化粧(スキンケア)と飾る化粧(メーキャップ・フレグランス)に大別されるが,感情に及ぼす影響に関する研究は,そのいずれもが高揚と鎮静をめぐるものであった. 喩えるなら,メーキャップによって心を固く結んで「公」の顔をつくって社会に飛び出し,帰宅後にはメーキャップを落とし,スキンケアをすることで心の結び目を解いて「私」の顔に戻るのである.すなわち,化粧は日常生活に組み込まれた感情調節装置である.
著者
阪田 安彦 岩本 康男 菅原 隆文 阿部 圭輔 赤木 恵 宮森 伸一 伊藤 充矢 大谷 彰一郎 雑賀 隆史 野間 純 檜垣 健二 二宮 基樹 開 浩一
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.780-784, 2012-12-10 (Released:2013-12-10)
参考文献数
10

Docetaxel is used to treat various types of carcinomas. Since docetaxel is insoluble in water (solubility, 0.002 mg/mL), to improve its solubility, it is administered with alcohol. The amount of alcohol required to improve the solubility of Onetaxotere® is twice as much as that required to improve the solubility of Taxotere®.In this study, we investigated the immediate breath alcohol level of and feeling of drunkenness experienced by patients after administration of chemotherapy with Onetaxotere®. The study was performed in 50 patients, from March 2012 to June 2012. In addition, 25 patients served as controls: these patients were administered chemotherapy with paclitaxel. Breath tests revealed no alcohol in any of the patients who were administered Onetaxotere®. Furthermore, none of these patients experienced a feeling of drunkenness. In contrast, breath tests performed in the control patients revealed alcohol in 15 cases, and 4 out of the 15 patients experienced a feeling of drunkenness.Breath tests revealed alcohol in 60.0% of the patients who were administered paclitaxel. The result is similar to those reported in other studies. No alcohol was detected in any of the patients who were administered Onetaxotere®. Moreover, these patients did not experience a feeling of drunkenness. These findings suggest that the patients who received Onetaxotere® were unaffected by the alcohol used to administer the drug.
著者
菅沼 信也 阿部 達弥 西澤 喬光 正木 一郎
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.607-615, 2018 (Released:2018-10-30)
参考文献数
20

【目的】当院では代謝性アシドーシス補正効果の高いクエン酸含有無酢酸透析液を用いているが, 一部の患者でアシドーシス補正が十分でない. そこで, 血清重炭酸濃度上昇作用を有するリン吸着薬クエン酸第二鉄製剤 (FC) の影響を後ろ向きに調査した. 【対象と方法】当院通院外来維持透析患者で既存薬からFCに変更または追加した72名を対象に, FC投与開始前, 投与3か月後のCKD-MBD, 貧血指標と週中日の透析前血清重炭酸濃度を比較した. 【結果】透析前重炭酸濃度は, 全例ではFC投与後変化はなかったが, 22mEq/L未満の患者30例では有意に上昇した. FC投与に伴いFC由来の鉄が吸収され, TSAT 20%未満かつ血清フェリチン値100ng/mL未満の絶対的鉄欠乏の患者が著減し, ESA投与量が有意に減少した. 【結語】FCはリン吸着および鉄補充に伴う貧血改善作用に加え代謝性アシドーシス補正作用を有し, 特に異所性石灰化等のリスクとなる代謝性アシドーシス患者において有用なリン吸着薬になり得る.
著者
村山 明生 古場 裕司 舟木 貴久 城山 英明 畑中 綾子 阿部 雅人 堀井 秀之
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.338-351, 2003
被引用文献数
5 4

耐震性に関する既存不適格住宅について,その耐震診断,耐震補強の実施を促進させるための新たな制度的対策の研究を行った.新たな制度的対策として,中古住宅売買/賃貸時説明責任制度,沿道既存不適格建築物耐震改修補助制度,生命/損害保険耐震性割引制度,中古住宅耐震性価格査定制度,減災耐震改修促進制度,地震倒壊危険建築物利用制限制度の6つを抽出した.研究方法として,原因仮説体系の設定,ユーザー意識インターネットアンケート調査による原因考察,対策現状を踏まえた新たな制度的対策の考案,ユーザー意識インターネットアンケート調査による効果考察,法的観点からの妥当性評価を行った.
著者
岡元 翔吾 齊藤 竜太 遠藤 康裕 阿部 洋太 菅谷 知明 宇賀 大祐 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1237, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】投球障害後のリハビリテーションでは,病態の中心である肩甲上腕関節への負担を最小限に抑えることが不可欠であり,肩甲胸郭関節や胸椎の動きを十分に引き出し良い投球フォームを獲得する練習として,シャドーピッチング(以下,シャドー)が頻用される。しかし,硬式球を用いた投球(以下,通常投球)時の肩甲胸郭関節と胸椎の角度については過去に報告されているが,シャドーに関しては明らかにされていない。本研究では,シャドー時の肩関節最大外旋位における肩甲上腕関節,肩甲骨および胸椎の角度を明らかにし,運動学的観点より通常投球との相違を検証することを目的とした。【方法】対象は投手経験のある健常男性13名(年齢24.9±4.8歳,身長173.9±4.3cm,体重72.1±7.3kg,投手経験11.2±5.2年)とした。測定条件は通常投球とタオルを用いたシャドーの2条件とし,いずれも全力動作とした。動作解析には三次元動作解析装置(VICON Motion Systems社製,VICON 612)を使用し,サンプリング周波数は250Hzとした。反射マーカーはC7,Th7,Th8,L1,胸骨上切痕,剣状突起に貼付した。また,投球側の肩峰,上腕遠位端背側面,前腕遠位端背側面に桧工作材を貼付し,その両端にも反射マーカーを貼付した。得られた三次元座標値から肩関節最大外旋位(以下,MER)時の肩関節外旋角度(肩全体の外旋角度),肩甲上腕関節外旋角度,肩甲骨後傾角度,胸椎伸展角度を算出した。また,非投球側足部接地(FP)~MERまでの時間と各関節の角度変化量を算出した。尚,各条件とも2回の動作の平均値を代表値とした。統計学的解析にはIBM SPSS Statistics ver. 22.0を使用し,対応のあるt検定を用い,有意水準は5%とした。【結果】肩関節最大外旋角度は,通常投球145.4±14.2°,シャドー136.4±16.8°と有意にシャドーが小さかった(p<0.01)。その際の肩甲上腕関節外旋角度は,通常投球98.4±16.7°,シャドー91.8±13.1°と有意にシャドーが小さかった(p<0.01)が,肩甲骨後傾角度と胸椎伸展角度は有意差を認めなかった。FP~MERの時間は,通常投球0.152±0.030秒,シャドー0.167±0.040秒と有意にシャドーが長かった(p<0.05)が,角度変化量は有意差を認めなかった。【結論】シャドーは通常投球に比して,MER時の肩甲骨後傾角度や胸椎伸展角度に差はないが,肩甲上腕関節外旋角度が小さくなったことから,関節窩-上腕骨頭間での回旋ストレスが軽減する可能性が示唆された。また通常投球では,重量のあるボールを使用する上,短時間に同程度の肩甲上腕関節での外旋運動を求められるため,上腕骨回旋ストレスが大きくなる可能性が考えられる。投球障害後のリハビリテーションにおいて,シャドーは肩甲胸郭関節や胸椎の動きが確保され障害部位への負担が少ない動作となることから,ボールを使った投球動作へ移行する前段階での練習方法として有用であると考える。
著者
阿部 慶賀
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.161-170, 2016

&lt;p&gt;本研究では,印象評定時の重さの身体性入力が評定に及ぼす影響を検討する。近年の身体性研究では,事物や人物の印象評定時に触覚や力覚での身体性刺激を添えることによって判断に歪みが生じることが報告されている。例えば,重いクリップボード上に提示された履歴書の人物や記事に対して印象評定を行うと,軽いクリップボード上に提示された場合より重要性を高く評定する傾向が見られるとされている。しかし,こうした重さをはじめとする知覚される身体性入力は,主観量と物理量が必ずしも一致しない。そこで,本研究では重さによる印象への影響は主観量と物理量のどちらが主導であるのかを「大きさ重さ錯覚」を用いた心理学実験によって検討した。実験の結果からは,同質かつ同じ重量の飲料水でも容器の大きさから生じる錯覚で重さの主観量が異なっていた場合には,飲料水の貴重さや値段の見積もりが異なることが示された。このことから,重さによる印象評定には主観量が作用していることが示唆された。
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