著者
本間 佑介 宇賀 大祐 菅谷 智明 阿部 洋太 遠藤 康裕 中澤 理恵 坂本 雅昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1033, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】日本臨床スポーツ医学会は,1995年に少年野球による重篤な障害を防止する為の提言を行っている。少年野球において,選手自身の投球数や練習時間等の自己管理を徹底するのは困難であり,チームの監督・コーチや保護者に委ねる部分が多いと考える。本研究の目的は,少年野球チームの指導者に対し,投球障害予防に関連するアンケート調査を実施することで,指導者の障害予防に対する認識を明らかとすることである。【方法】2014年6月にT市の野球連盟学童部に所属した48チームの監督48名,コーチ89名の計137名に対し,集合調査法にてアンケート調査を実施した。アンケート内容は年齢,指導年数,少年野球指導者講習会参加の有無,予防教室の参加回数,野球経験の有無と経験年数,部員数,指導者数,1週間の練習日数・練習時間,投手数,1日の投球数,一人の投手が投げる連続試合数,年間試合数,ウォーミングアップ・クールダウンの実施状況・必要性,臨床スポーツ医学会による練習日数と練習時間の制限および投球制限についての認識,練習日数と練習時間の制限の必要性,投球障害予防教室の必要性,指導者の医学的知識の必要性とした。【結果】全回答者数131名(回収率95.6%)中,有効回答者数は101名(回収率77.1%)であった。内訳は監督30名,コーチ71名であった。対象者の平均年齢は41.3±5.6年指導年数は4.2±3.6年であった。部員数は,「15名以下」が36名(36%),「16名~30名以下」が65名(64%)であった。投手数は「3人」という回答が最も多く43名(42%)で,「1人」という回答は1名(1%)であった。92名(92%)の指導者に野球経験があり,そのうち高校野球経験者が64名(70%)であった。ウォーミングアップの実施率は101名(100%)で実施時間は30.1±12.3分であった。クールダウンの実施率は101名(99%)で実施時間は13.8±5.7分であった。1週間の練習日数は3.9±0.6日であった。練習時間は,平日2.3±0.8時間,休日6.2±1.4時間であった。練習日数と練習時間の制限の提言について,48名(48%)が知らなかったと回答した。練習日数と練習時間の制限の必要性は,7名(7%)が「必ず必要だと思う」,61名(60%)が「必要だと思う」,32名(32%)が「あまり必要ないと思う」,1名(1%)が「全く必要ないと思う」と回答した。投球数は,全体の60%が「51~100球」であった。投球制限の提言について94名(93%)が「知っている」と回答した。投球制限の必要性について,48名(48%)が「必ず必要だと思う」,51名(50%)が「必要だと思う」,2名(2%)が「あまり必要ないと思う」と回答した。指導者の医学的知識の必要性は,14名(14%)が「必ず必要だと思う」,83名(82%)が「必要だと思う」と回答した。【考察】船越ら(2001)は,小学生の1週間の練習日数の平均は4.6日であり,提言で推奨する1日の投球数50球未満を守っているのは20%程度と報告している。本研究において,1週間の練習日数は3.9±0.6日で,提言で推奨する週3日以内を上回る結果となった。練習時間は,平日2.3±0.8時間,休日6.2±1.4時間で,提言で推奨する1日2時間以内を上回る結果となった。現在,1日の練習時間や練習日数の管理は各チームに委ねているのが現状である。今回の結果を踏まえ,傷害予防の観点から1日の練習時間や練習日数について,野球連盟スタッフ主導のもと指導者が適切に管理する体制を構築し,指導者に啓発していく必要があると考える。投球制限の提言について94名(93%)が「知っている」と回答し,投球制限の必要性については殆どが必要性を感じていた。背景には,T市野球連盟学童部が大会にもよるが,投球制限やイニング制限を設けている為このような結果になったと考える。一方で,投球数について,61名(60%)が「51~100球」と規定数を超える傾向にあり,認識と実際の指導に乖離が認められた。具体的な投球内容等について詳細な聞き取り,分析が必要と考える。投球数については船越らの報告と同程度の結果であった。指導者の医学的知識の必要性について,9割以上の指導者が必要と回答している。指導者の多くは選手の父親であり,指導年数は4.2±3.6年であることから,一定期間で指導者が入れ替わることが予想される。以上より,指導者ライセンス制度の導入やメディカルスタッフとして理学療法士の介入の必要性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】少年野球指導者の投球障害に対する認識を把握し,理学療法士として障害予防の観点から指導者の投球障害に対する認識向上を図ることで,学童期の少年少女の健康・安全の一助となる。
著者
阿部 宏喜
出版者
日本味と匂学会
雑誌
日本味と匂学会誌 (ISSN:13404806)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.169-176, 2001
参考文献数
25
被引用文献数
1

魚介類のおいしさに関する従来の研究では低分子エキス成分および無機イオンの影響が詳細に検討され、これまでに美味な魚介類の呈味有効成分が明らかにされている。近年、ペプチド、タンパク質、多糖類、脂質などの呈味効果が次第に明らかにされつつあり、魚介類の微妙な味の差に興味がもたれている。本稿では魚介類の味および風味質に対するグリコーゲンとタンパク質の影響、魚醤油の呈味有効成分とオリゴペプチドの呈味効果およびマグロのおいしさに対する脂質の影響に関する最近の知見を紹介する。
著者
阿部 匡伸 水野 秀之 中嶌 信弥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.66, pp.67-72, 1997-07-18
被引用文献数
10

音声作成ツール (peech editor 9)を開発した。本システムは、グラフィカルユーザインタフェース (U) を用いて、音声合成のパラメータが操作できるものであり、その目的は、従来のTTSでは不可能であったきめ細かな制御を可能とし、多種多様な品質や表情で音声を合成することにある。操作法には、漢字かな混じり文、アクセント型等をテキストベースで修正するモードと、音声のパワー、基本周波数、継続時間をパラメータレベルで修正するモードとがある。UNIX上とWindows95上で動作している。Speed97で作成された音声は、音声信号と音素記号等との対応が明確になっているため、他のメディアとの同期が容易にとれる等のメリットがある。また、Speed97は、音声ガイダンスの作成等の音声メッセージの作成ばかりでなく、例えば、感情を込めてせりふを読ませるなどして演技させることも可能である。さらに、Speed97で作成された音声は、1kbit/s以下の高能率音声符合化音声として利用することも考えられる。We developed a tool (Speech editor 97) to create speech messages. Steed97 provides a graphical user interface to manipulate parameters of speech synthesis, and makes it possible to synthesize various types of speech. The manipulation is performed in text level such as to change Chinese characters and accent types, and in parameter level such as to modify speech power, fundamental frequency and duration. Speed97 runs on UNIX and Windows95. Speech messages created by Speed97 have several advantages. Examples include easy synchronization with other media such as moving picture, because the speech is associated with phoneme symbols, and a low bit rate; i.e., only phonetic symbols and prosodic parameters should be transmitted; approximately 1 kbit/sec or less.
著者
佐藤 守 阿部 和博 菊永 英寿 高田 大輔 田野井 慶太朗 大槻 勤 村松 康行
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.295-304, 2015
被引用文献数
19

モモ[<i>Prunus persica</i>(L.)Batsch]とカキ(<i>Diospyros kaki</i> Thunb.)を供試し,福島第一原子力発電所事故の放射性降下物により休眠期汚染された落葉果樹に対する高圧洗浄機を用いた樹皮洗浄による放射性セシウムの除染効果を検証した.夏季洗浄処理として 18 年生モモ'あかつき'を供試し,2011 年 7 月 5 日と 27 日の 2 回にわたり,樹皮洗浄処理を実施した.休眠期洗浄処理として 2011 年 12 月 21 日に 30 年生カキ'蜂屋',2012 年 1 月 24 日に 7 年生モモ'川中島白桃'を供試し,樹皮洗浄処理を加えた.高圧洗浄処理によりカキではほぼ全ての粗皮がはく離したが,モモの表皮はほとんどはく離しなかった.2011 年夏季に洗浄処理されたモモ'あかつき'の果実中 <sup>137</sup>Cs 濃度は洗浄による有意差は認められなかった.2011 年から 2012 年の冬季に洗浄処理されたモモ'川中島白桃'の葉および果実中 <sup>137</sup>Cs 濃度は洗浄により有意に減少した.同様にカキ'蜂屋'でも洗浄処理翌年の葉および果実中 <sup>137</sup>Cs 濃度は洗浄により有意に減少した.これらの対照的な結果と矛盾しない現象として,汚染された樹皮洗浄液による二次汚染および樹皮からの追加的汚染の可能性について考察を加えた.
著者
桑原 智美 藤田 智子 倉持 清美 阿部 睦子 菊地 英明
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2017

【研究目的】<br /><br />厚生労働省の2016年食中毒統計資料によるとノロウィルス、カンピロバクター、植物性自然毒などの食中毒の患者総数が多く挙げられている。小学校家庭科の調理実習で作ったカレーのジャガイモのソラニンによる食中毒(2015年読売新聞)や、高校における冷やし中華によるカンピロバクター食中毒(1992年)なども報告されている。後者では鶏肉に付着したカンピロバクターが手指、器具などを介して調理食品を汚染する二次汚染が発生要因として推定(群馬県伊勢崎保健所)されている。このように調理実習で生じる食中毒は度々報告されており、衛生に関する授業開発は喫緊の課題である。学校現場での衛生管理の問題点を明らかにするために調理室や手洗い後の細菌検査を行った研究(石津、大竹、藤田他 2016)はあるが、生徒の食材の扱い方や食材管理上のリスクついては十分に検討されていない。本研究では、まず、調理実習で使用する食材に付着する菌について調べ、教師が食材管理上気を付ける点を整理する。次に、生徒の食材の扱い方の実態を把握し、衛生面についてどのような指導が必要なのかを明らかにする。生徒が衛生を意識した行動をとれているのかも検討する。<br /><br />【研究方法】<br /><br />1.食材調査:小学校、中学校、高校の教員9名に、調理実習時に使用する食材、衛生面で気になる点について調査した。それを基に、頻回に使われる食材について、培地を使用し菌の発生を調査した。<br /><br />2.調理実習時の生徒の食材の扱い方:都内S中学校、第3学年4クラスで、バナナケーキ調理時にバナナの皮を触った手で、そのまま触る場所を調査した。バナナは皮に菌が付着していることが多いため食材として選定した。2016年11月家庭科の授業(50分)で行った。実習グループ4人のうち1人は、バナナの皮を触った生徒が、その後に触れた箇所を、調理器具や調理台など17箇所を写真で示したチェックシートにシールを用いてチェックした。もう1人はバナナの皮を触った生徒の動きをiPadで録画した(アプリケーションソフト「ロイロ・ノート」使用)。バナナの皮を触った生徒が皮を捨てて手を洗った時点で記録の終了とした。<br /><br />【結果と考察】<br /><br />食材管理の観点から、食材配布時のトレーおよび食材について細菌検査を行った結果、肉には細菌が付着していることが明らかになったが、他の食材については結果にばらつきがあった。食材購入時にすでに細菌が付着している可能性があると考えられ、教員は細菌付着の可能性を踏まえたうえで食材管理をすることを再認識する必要があるだろう。また、細菌検査の結果を、他の教員および児童・生徒向けの教材として用いることは有効ではないかと考えられた。<br /><br />調理実習時の生徒の食材の扱い方について、バナナに触れた38名が、手を洗わないまま触った箇所は、17箇所のうち、0~15箇所、平均は6.9箇所であった。触ったのべ回数は、0~68回、平均は22.2回であった。バナナを触った直後に皮を捨てて手を洗った生徒もいれば、手を洗わずに多くの箇所を触る生徒もいるといったように、個人差が大きかった。触る回数が多い箇所は、蛇口、カップ側面、まな板、カップ内側、包丁であった。食材を触った手で様々なものに触れる生徒もおり、食中毒予防には生徒側の衛生に関する理解が必要であると考えられた。生徒の衛生面に関する配慮は個人差があると推察され、安全に調理実習を行うためには、教育の必要性が再認識された。また食材の扱い方調査において、記録をした生徒の衛生意識が高まっていることが授業後の感想から見て取れた。生徒たちの実態把握の方法としてだけでなく、授業方法としても今回のシールと映像を使った記録方法の有効性が示唆された。<br /><br />なお、本研究は東京学芸大学平成28年度教育実践研究推進経費「特別開発研究プロジェクト」の研究成果の一部である。
著者
柴田 聡 井上 梅夫 阿部 博文 田中 俊彦
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.600-603,020, 2001

タクマTCP 30マイクロタービン・コージェネレーション・パッケージは, apstone社製28k Wマイクロガスタービン発電機を組み込んだコージェネレーション・パッケージである。マイクロタービンはガスエンジン等のレシプロエンジンと比較して小型軽量, 高効率, 低環境負荷, 低コスト, 無振動, ノーメンテナンスと数多くの特徴を持ち合わせており, また, タクマのエコノマイザ付排気再燃蒸気ボイラで排熱回収を行っている。パッケージは, エンジン本体, ガス圧縮機, 制御・電力変換装置のマイクロタービン機器と排熱回収装置, 制御装置, その他附帯設備から成立っており, 超高速発電システム特有の騒音低減と電子機器からの排熱の効果的な除去という二律背反する面を, コンパクト化されたパッケージ内で両立させている。<BR>26kW電力 (有効電力) と蒸発量600kg/h (換算蒸発量712kg/h) の蒸気を出力し, システム効率93%の高効率コージェネパッケージとなっている。システムの高効率化によって従来の方式 (電力需要は買電, 蒸気需要はボイラによる供給) と比較して約20%の省エネルギーと約25%のCO<SUB>2</SUB>削減が実現するとともに, ユーザ側の大幅なランニングコスト削減が可能であり, 蒸気需要の多いホテル, スポーツクラブ, 銭湯, 病院, 工場等の施設を対象として急速な普及が期待される。
著者
阿部 和俊
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 社会科学 (ISSN:03887383)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-18, 1995-02-10
著者
阿部 公一
出版者
東北公益文科大学
雑誌
東北公益文科大学総合研究論集
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-22, 2009-12-20

はじめに 本稿では、「戦後の経済回復期における社会保障構想の展開」について論じていく。題目に「戦後の経済回復期」という表現を用いているが、戦後の経済復興期における前半期および中頃までの期間を想定している。具体的には、終戦直後から1950(昭和25)年までを対象にしている。筆者は、これまでに厚生年金の制度展開について研究してきたが、経済復興期における厚生年金の制度展開と社会保障構想の展開との関係までは、十分に論じることができなかった。今後、厚生年金の制度展開をより探めていく必要から、本稿では、戦後の経済回復期における社会保障構想の展開を考察していく。
著者
阿部 永
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan (ISSN:05460670)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.118-124, 1967-08-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

1) Feeding habits and nests of the Hokkaido squirrel, Sciurus vulgaris orientis THOMAS, were observed in a wind-shelter belt consisting of Picea excelsa LINK and Populus nigra L. var. italica MOENCH. and in a stand of Abies sachalinensis MAST. in the grounds (50m×110m) of a shrine at Futomi, Tôbetsu Town, Ishikari, Hokkaido. The width of the wind-shelter belt is 55m, the length 2km, and roads (about 10m in width) cross the woods at every 500 meters.2) One squirrel has resided in every area with a range of 55m×500m of the woods and in the grounds of the shrine, respectively. No data revealed that the animal went out to areas other than its own for hunting food.3) From fall to spring, cones and buds of P. excelsa and A. sachalinensis and mushrooms were eaten by this animal. The buds were extensively eaten from early winter to late May. There are two types of damage to the buds. One of them is the type where only the buds are cut off to eat, the other is that the animal cuts off a twig with buds and eats only the buds. The latter type of damage was observed only in severe cold mid-winter. In this case, however, slender twigs with a thickness of about 2mm are cut off, short (2cm-3cm), while thicker twigs with a diameter of 4mm-7mm are cut longer (15cm-30cm) .4) Nine complete nests and twenty abandoned old nests which were built on the upper base of side branches or at the crotched portion of trunks of P. excelsa and A. sachalinensis were observed. There was also a nest which was built in the roof of the shrine and a nest-hole in a tree trunk (P. nigra) . The nests which have an entrance at one side are usually elliptical in form and measure about 30cm in outer diameter, 25cm-30cm in depth, about 12cm in inner diameter of cavity, and about 7cm in depth of the cavity. The outside of the nests usually consists of P. excelsa or A. sachalinensis twigs and the cavity is lined by sasa bamboo leaves and bark of wild vines. The height of the nesting position ranges from 3.5m to 9.8m, with an average of 6.8m. One squirrel has one to three nests and around these there are 2-6 abandoned old nests. In many cases, the nests being used by one animal are situated 50m or more apart from each other in its home range.
著者
松岡 高輝 波部 斉 阿部 孝司 井口 信和
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.555-556, 2018-03-13

水産養殖場では,魚の健康を維持するために管理が必要不可欠である.特に,クロマグロを養殖するとき,稚魚の段階で死亡する割合は8~9割と非常に高い.クロマグロは外からの刺激に対して敏感であるため,刺激によってパニック状態となり,水槽の壁に衝突して死んでしてしまうこともある.人手に頼らず,瞬発遊泳の検知やその傾向の分析ができれば,魚をより適切に飼育する環境の構築に役立つことが期待される.そこで本研究では,カメラを用いてクロマグロ稚魚が遊泳する様子を撮影し,その映像からオプティカルフローを求めて群になって泳ぐ稚魚のマクロな動きを捉え,機械学習により瞬発遊泳の検出やその傾向の分析を行う.
著者
阿部 亮
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.277-280, 2010-02

飼料構造論。飼料米。日本は「瑞穂の国」である。瑞穂とは、みずみずしい稲の穂を表現する言葉であり、日本の美称として、「瑞穂の国」という冠を頭上に載せてきた。瑞穂の国の歴史は、米をめぐるさまざまな社会の出来事の系譜でもある。五公五民という米で支払う重税の負荷と農民の呻吟、田畑永代売買の禁令、飢餓と打ち壊し、米価暴騰と買い占め、そして打ち壊し、第二次世界大戦後の食糧難等々、米は日本人の生活の中で重たい地位を占め、白米は、日本の長い歴史の中では、神聖な存在ですらあった。「米を家畜(畜生)に、とんでもない、罷り成らぬ」という心情は、つい、この前まではあった。しかし今、米(稲)と畜産の連携が、「瑞穂の国」の新たな形として推進され始めている。
著者
阿部 宏史
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.79-84, 1996

WITH THE PROGRESS IN URBANIZATION AND THE TREND TOWARDS A SOFTWARE- AND SERVICE-ORIENTED ECONOMY, THE VITALIZATION OF REGIONAL AND PREFECTURE CENTER CITIES IS NOW A MAJOR OBJECTIVE IN THE REGIONAL DEVELOPMENT PLANNING IN JAPAN. THIS PAPER AIMS TO IDENTIFY THE RECENT POLICY ISSUES ON THE DEVELOPMENT OF LOCAL CENTER CITIES IN JAPAN WITHIN THE CONTEXT OF INDUSTRIAL STRUCTURE. THE INDUSTRIAL STRUCTURE AND THE GROWTH DISPARITIES IN TWENTY-SIX JAPANESE CITIES WITH POPULATIONS OF MORE THAN 300,000 ARE EXAMINED BY APPLYING THE RATE-SHARE ANALYSIS AND THE MULTIPLE REGRESSION ANALYSIS FOR THE YEARS 1980-90.
著者
朴 正泌 小澤 誠一 阿部 重夫
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.121, no.5, pp.899-905, 2001

A main problem with dynamical associative memories (DAMs) is that when memory patterns are stored, pseudo-memories (false fixed points and limit cycles) are also generated and they hinder proper association of input patterns. To overcome this problem, Hassoun proposed a heuristic method of reducing pseudo-memories. In this method, DAMs are constructed such that a zero vector called &ldquo;ground state&rdquo; as well as stored patterns is stabilized and sparsely activated states (sparse patterns) converge to the ground state. Such dynamical properties of neural networks can be described with linear inequalities, and connection weights of networks are obtained by solving these inequalities using the Ho-Kashyap algorithm. In this paper, we propose an extended Hassoun model in which network dynamics are modified such that dense patterns, mix-ture patterns and inhibition patterns are also converged to the ground state. In simulations, we compare association performance of this extended Hassoun model with conventional associative memory models, and demonstrate the usefulness of our proposed model as a dynamical associative memory.
著者
李 雨桐 山岡 賢 阿部 真己 畑 恭子 中野 拓治
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.I_243-I_253, 2018

<p>本研究は, 農業集落排水施設から得られた実測データに基づき, 農業集落排水施設の流入汚水量の実態把握と変動要因の検討を通じて, 設計諸元の定量化と設定について考察した.日流入汚水量には, 土地利用・立地条件が関与しており, 処理区の土地利用・立地条件を水道水量と降水量に加味することで, これらを説明変数とする重回帰推定式から日流入汚水量を精度よく推定できることを明らかにできた.時間流入汚水量の日間変動には, 管路延長, 供用率, 流入人口率が関与しており, 時間水量日変動幅とピーク係数はこれらを説明変数とする重回帰推定式から設計基準値を設定できることが示唆された.</p>
著者
髙木 力 米山 和良 阿部 悟 鳥澤 眞介 竹原 幸生 山口 武治 浅海 茂
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.209-213, 2017 (Released:2018-12-03)
参考文献数
8

We developed an effective aquaculture production management system that can measure the body length, weight, and number of cultured fishes in a tank or cage in a non-contact manner. A threedimensional measuring system that employs two commercialized video cameras was produced to measure the body size of cultured fish, including their fork length, body height, and width. The distance between the video cameras and target fish was less than five meters to reduce the error ratio. In addition, an automatic counting system for cultured fish in a tank was developed to assist in efficient aquaculture management. Finally, an algorithm for fish counting was based on estimating the mobile vectors of individual fish, in which the particle tracking velocimetry (PTV) analytical method was applied. In some experimental cases, estimated numbers by the system were coincident with actual numbers.