著者
高木 駿
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.13, 2017 (Released:2018-07-01)

In the First Book of the Critique of the Power of Judgment (1790), judgments of taste which state the beauty are based on a subjctive ground, or the feeling of pleasure, so that they are not logical cognitive judgments which constitute “a cognition of the object through concepts of it” (V 211) but aesthetic judgments. Therefore, they cannot state truth or falsehood of themselves as logical cognitive judgments do. However, Kant uses the expression of “a false (or an erroneous) judgment of taste (ein irriges Geschmacksurteil)” (V 216). If this “false (or erroneous)” is not logical one, what does it mean? About what are judgments of taste false? Now, we have three leading interpretations of judgments of taste to resolve these questions, i.e. interpretation from an epistemological, moral, aesthetic point of view. But I think that the first two interpretations are not successful, because they contradict Kant’s statements in some points as I will show. Thus, in this paper by adopting the aesthetic interpretation of judgments of taste I shall answer the questions concerned, namely argue that the falsehood (or error) of them consists in choosing an inappropriate feeling of pleasure for the ground of judgments of taste.
著者
高木 駿
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.13, 2016 (Released:2017-07-18)

In the First Book of the Critique of the Power of Judgment (1790), Immanuel Kant says that judgments of taste are not cognitive but aesthetic, because they are grounded only in a subjective ground, or the feeling of pleasure (Vgl. V 203). Now logical cognitive judgments constitute “a cognition of the object through concepts of it” (V 211 Italics mine), therefore judgments of taste must be without concepts of object, namely nonconceptual. However, Kant’s example of an object of judgments of taste, “the rose that I am gazing at” (V 215), and the judgment of taste “This rose is beautiful.” seem to contradict the nonconceptuality of judgments of taste themselves, because this judgment appears to presuppose the use of concepts of understanding for empirically identifying what an object is, and the cognition “This is a rose.”. In this point, does Kant make a self-contradictory statement? In this paper, by considering the meaning of Kant’s conception of the nonconceptuality, I shall argue that the judgment of taste “This rose is beautiful.” does not contradict the conception, and thus there is no Kant’s self- contradiction.
著者
深谷 哲生 由井 樹人 高木 克彦 仲村 亮正 文 相吉吉 志知 哲也 藤嶋 昭
出版者
一般社団法人日本粘土学会
雑誌
粘土科学討論会講演要旨集 (ISSN:24330566)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.52, 2004

セピオライトはタバコの臭い成分をよく吸着することが知られている。そのためタバコ用脱臭剤としてさまざまな分野に利用されているが、セピオライトの脱臭能力はすぐに性能が低下してしまう。<br>そこでわれわれはセピオライトに吸着した臭い成分を光触媒により分解することで脱臭性能の向上ができると考えた。本発表では、セピオライトと酸化チタンを複合化した手法とそれら複合体の脱臭性能について検討した結果を報告する。
著者
高木 美也子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.44-51, 2009
参考文献数
12
被引用文献数
2

ヒトの脳内神経回路網の一部を植込み電極と体内埋設型刺激デバイスで刺激する脳深部刺激療法(DBS)により、不随意運動など多くの脳機能障害が劇的に改善されることから、日本でもこの治療を受ける患者が年々増加している。近年、うつ病や強迫性障害などの精神疾患に対してもDBSの効果が報告され、ドイツ、フランス、ベルギー、USA、カナダ等で治療として医学的な実験(治験)が開始されている。しかしながらDBSは脳内の神経回路網に組み込まれた刺激デバイスが脳機能を改変する危険性を孕んでおり、特に精神疾患ではその影響が大きいと考えられる。欧米では、治験をどのような安全基準で行なっているのか。ここでは、2008年1月にドイツ、フランスで行なった調査を踏まえ、精神疾患に対するDBS治療の安全性や適用範囲、患者の選択基準、人格に与える影響や社会的な懸念、さらには過去に精神疾患治療に使われたロボトミー手術などから倫理面を考察した。
著者
包 航 任 恵峰 遠藤 英明 高木 敬彦 林 哲仁
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.591-597, 2002-09-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

16種のフラボノイド自身の変異原性と抗変異原性を前進突然変異試験法を用いて検討した.活性を検出した11種について未加熱,単純加熱,混合調味液添加後の加熱による活性の変化を調べた.(1) カテキン,エピカテキン,ヘスペリジン,ネオヘスペリジン,ネオヘスペリジンデヒドロカルコンの5検体は,変異原性・抗変異原性ともに全く示さなかった.(2) 残り11種フラボノイドの中で,バイカレインなどのように抗変異原性のみを示すものもあれば,ケルセチンやモリンのように変異原性と抗変異原性の両方を示すものもあった.(3) これらの活性に対する影響は加熱そのものより,むしろ調味料の存在の影響の方が大きかった.(4) 調味料添加条件下での加熱で著しく変化したのは,S9存在下で測定した抗変異原性であった.
著者
高木 健 木下 健 寺尾 裕 井上 憲一 田中 進 小林 顕太郎 山田 通政 高橋 雅博 植弘 崇嗣 内山 政弘 江嵜 宏至 佐藤 増穂 岡村 秀夫
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.132-132, 2006

この論文では、環境負荷の小さい基幹エネルギー源として、帆走型洋上発電施設を提案している。この施設は、台風を避けながらかつ好適風力を求めて日本のEEZ内を航行するのが特徴である。また、このコンセプトの目標として、水素社会が実現される頃に、環境負荷が最も少ない基幹エネルギーとして成立することを目指している。試設計によれば、この施設は台風を上手に避ける運動性能と、充分な強度を有することが判った。また、フィージビリティ・スタディによれば、この施設3900個で石炭から得られるエネルギーに相当する日本全体の発電量の18%のエネルギーを代替することができ、2002年のCO2レベルの10%を削減できることがわかった。
著者
布施 孝久 永井 肇 大原 茂幹 福島 庸行 福岡 秀和 高木 卓爾 伴野 辰雄 中村 隆昭
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.933-937, 1989 (Released:2006-09-05)
参考文献数
22
被引用文献数
9 9

A 39-year-old male experienced unilateral right hearing loss and tinnitus for 7 years and was hospitalized after he suddenly developed severe headache, vertigo, and right facial paralysis. Computed tomography (CT) showed a round, high-density area in the right cerebellopontine angle. Magnetic resonance (MR) imaging demonstrated a crescent-shaped region of high signal intensity, representing hemorrhage, in the superior aspect of the tumor, surrounded by edema. The right internal auditory canal was enlarged. Four-vessel angiography disclosed neither an aneurysm nor an arteriovenous malformation. A right suboccipital craniectomy revealed an encapsulated mass 3 cm in diameter in the right cerebellopontine angle. The tumor was totally removed. Histological examination revealed a typical neurinoma composed of Antoni type A and B cells. After undergoing anastomosis of the right hypoglossal and facial nerves, the patient was discharged in good condition. In this case MR imaging demonstrated intratumoral hemorrhage (which is rare in cases of acoustic neurinoma) and the surrounding tissue more clearly than did CT scanning.
著者
高木 優也 綱川 孝俊
出版者
[栃木県水産試験場]
巻号頁・発行日
no.61, pp.44-45, 2018 (Released:2018-07-18)

ニジマスのC and R漁場において,大型ニジマスが釣れることがどれくらい釣り人の満足度を高めるか調査しました。アンケート調査により,釣り人の満足度とその日の釣獲状況の関係について検証したところ,大型ニジマス1尾の釣獲は釣り人の満足度を7%上昇させると推定されました。
著者
及川 和美 荒金 圭太 倉藤 利早 斎藤 辰哉 松本 希 高木 祐介 河野 寛 藤原 有子 白 優覧 小野寺 昇 Oikawa Kazumi Arakane Keita Kurato Risa Saito Tatsuya Matsumoto Nozomi Takagi Yusuke Kawano Hiroshi Fujiwara Yuko Baik Wooram Onodera Sho
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.453-456, 2011

本研究は,「水中だるまさんがころんだ」運動時の心拍数と酸素摂取量の変化から水中運動としての「だるまさんがころんだ」の特性を明らかにすることを目的とした.被験者は,健康成人男性8名(年齢 : 21±2歳,)とした.被験者は,鬼が「だるまさんがころんだ」と発声している時に最大努力で水中を移動し,声が止んだ時に静止した.鬼までの距離を20mとした.鬼に到着するまでを1セットとし,3セット繰り返した.セット間には,3分間水中立位安静を行った.測定項目は,心拍数と酸素摂取量とした.運動後の心拍数および酸素摂取量は,1セット目の運動時と比較して,1セット目以降の運動時が,同等あるいはそれ以上の値を示した.水中でも陸上の「だるまさんがころんだ」と同様にインターバルトレーニング様の心拍数と酸素摂取量変化を示した.運動生理学的な分析から「水中だるまさんがころんだ」が身体トレーニングの要素を持つことが明らかになった.
著者
榎戸 芙佐子 平口 真理 高木 哲郎 中川 東夫 渡辺 健一郎 今井 昌夫 渡辺 多恵 地引 逸亀 鳥居 方策
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.453-461, 1999-08-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
42

神経性食欲不振症(AN)のまま2児を出産した珍しい症例を経験したので, その長期の経過を内外の報告を参照して報告した.症例は高校1年, 48kgあった体重が39kgに減り無月経となり発症した.高校3年時, 26kgとなり約1年間当院に入院した.入院中に強迫症状が認められた.25歳で結婚し専業主婦となり, 26歳時に体重35.5kgで2,076gの女児を帝王切開術にて出産した.29歳時に体重37kgで月経が戻り, 30歳時に体重32.5kgで1,814gの女児を出産した.その後も体重は32〜34kgで推移し, 強迫的な生活態度, 無月経, 食事の制限は持続している.2人の子どもは元気であるが, 体力不足で十分な育児ができないと嘆いている.