著者
中司 修二 山下 久志 佐藤 公則 高橋 行俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.206, pp.119-123, 1998-07-24

我々人間は、人物顔からいとも簡単に個人を識別している。人の顔は、人と人とを区別するのに非常に重要な役割を持っている。我々の研究グループでは、顔から人物を識別する個人認識を研究課題としている。人物顔の部位(目、鼻、口、耳)自体にも、個人認識を行なえる情報が現れていると考え、識別対象を顔の部位画像に絞り個人認識実験を行っている。従来認識実験に用いてきた部位画像は、手動により切り出しを行っていたが、画像によって位置ずれの激しい画像もあり、また、画像データ取得時に取得者の顔を固定するなどの制限が発生する。そこで、本稿では、動画像中より肌色領域を抽出し、部位画像を自動的に追跡し、切り出すシステムを構築した。このシステムにより自由度の高い撮影環境下における部位画像データベースの作成が可能となった。
著者
柴田 正啓 林 正樹 吉村 俊郎 柳町 昭夫 高橋 博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.90, pp.17-24, 1995-09-14
被引用文献数
1

本稿では、人間の自然なふるまいとしての「見る」行為に着目した、映像メディアのための新たなヒューマンインタラクションの試みを紹介する。映像メディアにおける「見る」行為とは、完成した作品を「見る」ことの他に、映像を作るために対象を「見る」という2つの側面がある。この2つに対応し本稿では、実際に存在しない仮想世界を「見て」映像化するための仮想カメラと、見る人の視線によって提示内容が変化していくインタラクティブ番組について述べる。This report introduces our attempts of making new human interfaces for a video medium. Watching is a fundamental ability for a human and is a basis for a human-video interaction (HVI). There are two aspects for the watching act in HVI. First, directors watch objects through cameras. Second, people watch video products on screens. According to the two aspects, we have made a virtual camera system that visualizes a virtual world and a video display system based on eye-tracking
著者
高橋 拓二 池内 克史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.4, pp.189-196, 2001-01-18

コンピュータグラフィックス(CG)は、現実感の高い仮想空間を視覚的に生成するための最も一般的な手法であり、従来から幅広い分野で研究がなされてきた。さらに近年ではバーチャルリアリティやGIS ITSなどの近年注目されている技術のベースとして期待され、また計算機の速度や記憶容量の増大により計算機の性能の大幅な向上という計算機側の技術的理由も加わり、コンピュータビジョンの分野においても現在盛んに研究が行われている。なかでも全方位画像を用いた研究は、1枚の画像で広範囲な環境の情報を得られるという特徴を生かして非常に独創的な研究成果を生み出している。本稿では最初に現在までのコンピュータビジョンのCGへの一般的な応用の流れを説明し、その流れに沿って、全方位画像を用いた研究例を紹介する。Computer Graphics (CG) is one of the most popular techniques for creating realistic virtual worlds. CG has wide application areas, including virtual reality, GIS, and ITS, to name a few. Further, recent progress in computers with the greater performance and wider memory spaces promotes CG research in the computer vision community, to improve quality of CG images using computer vision techniques. Image-based rendering, Model-based rendering, and Mixed-reality are representative CG areas benifited from the techniques previsouly developed in computer vision community. Studies using panoramic images produce promissing results over these three areas. Each panoramic image has a broad range of circumstance. First, this paper overviews these vision related CG areas. Later, we introduce how to utilize the merit of panoramic images in these three areas.
著者
吉田 有里 森勢 将雅 高橋 徹 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.282, pp.31-36, 2007-10-18
被引用文献数
3

数分にわたる曲全体を一括して分析することのできる新しく開発されたTANDEM-STRAIGHTを用い、プロ歌手によるポップス系歌唱を分析して得られた歌唱音声中の母音スペクトルの統計的性質を調べた。分析には、男女各一名による歌唱音声が用いられた。STRAIGHTスペクトルから求められたMel帯域フィルタ出力とMFCCの主成分分析の結果は、いずれも第5主成分までに全分散の90%以上が含まれることを示した。また、求められた固有ベクトルとMFCCの基底関数の張る空間が類似する傾向が認められた。歌唱音声は、話声と比較して、基本周波数、発声のパワー、歌唱法などによるスペクトル変動が大きく、各母音の分布は元のパラメタ空間においても、低次の主成分で張られる空間においても、大きく重なっている。これらの結果が、母音情報に基づく音声変換法においてどのような意味を持っかについて議論する。
著者
高橋 健一郎
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.42-56, 2002-03-31

本稿は,ソビエト社会でイデオロギー的影響の下に形成された独特な言語,いわゆる「ソビエト全体主義言語」についての諸研究を概観する.全体主義言語についての研究は,言語自体のもつ政治性,言語と国家,権力の関係などについて考えるための一般理論の基礎になり得るものであり,社会言語学にとって極めて多くの示唆を与え得る.研究のタイプとしては,ソ連社会の社会的方言についての記述的研究,社会学の内容分析,「ニュースピーク・モデル」による批判的言語分析,言語文化的な実践の分析,言説分析などがある.今後それぞれの長所を生かした上で,コミュニケーションシステム全体を考慮に入れた体系的で包括的な研究が望まれる.
著者
石川 博 片山 薫 高橋 俊介 長屋 未来 布施 貴義 横山 昌平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.181-186, 2005-07-07

インターネットやユビキタスネットワーク上でXMLデータを応用する研究がおこなわれている.推薦のような, さまざまな分野で広く使われるような応用は, できるだけロジックは少ない量で, かわりにデータだけで記述できることが望ましい.そこでコンテクスト, エンバイロメント, 入力, 出力, フィルタ, 活性化と安定化という概念を導入して, コンテクスト内のXMLデータがその識別子に基づいて自己組織化することで応用が実現できるようなデータ集約型応用のための枠組み(創発的XML)を提案する.
著者
小野 英哲 高橋 宏樹 安田 稔 国生 正人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.531, pp.27-32, 2000
被引用文献数
2 1

The purpose of this study is to consider on slipperiness of floors from a viewpoint of fatigue occurring after long term physical activity. The first, it was cleared that the psychological scales about fatigue which were made by sensory tests corresponded to the slip resistance of floors measured by the apparatus which was developed in previous study. The next, the relationships between fatigue and slipperiness was considered with biomechanical and physiological parameters. As a result, we presented the fact that slipperiness of floor was very important factor and presented the suitable slip resistance from a viewpoint of fatigue.
著者
新保 達也 橋本 直己 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.85, pp.13-18, 2001-12-14

3次元物体の衝突検出アルゴリズムとして, 衝突する可能性を持つ面を絞り, 最後に面ペアの衝突検出をする方法がこれまでに提案されている.この衝突検出アルゴリズムでは, 最後の面ペアの衝突検出処理が全体の大半を占めている.そこで本研究は, 分散メモリ型PCクラスタを用いて, 面の衝突検出を並列化する実験をおこなった.その際, マスタノードから各クライアントノードに面ペアを送り, 並列処理を行う手法を用いた.8台のクライアントを用いて, 実験を行った結果, 逐次処理を行う場合の16%の実行時間で衝突検出を行うことができた.
著者
高橋 弘司 野口 裕之 安藤 雅和 渡辺 直登
出版者
経営行動科学学会
雑誌
経営行動科学 (ISSN:09145206)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.113-123, 1999-11-20
被引用文献数
1

Organization image, defined as psychological reproduction of organization made by individual who is a member of or is involved in the organization, has been less examined in the past research. Instead, quite a few research dealing with "non-membership" image, which was built by non-member or non-involved person of the organization, have been conducted. It is inconsistent with the definition of image literally, which has an affinity for impression toward object. In this article, we developed a new scale to measure membership image of organization, tested its reliability and validity, and revealed item characteristics of the scale items using graded response model of Item Response Theory (IRT). Questionnaire survey was executed to 3,412 university, college, or junior college students who were informally promised their first job employment. Results of exploratory factor analysis showed that factor structure was consistent with the notion on which the scale was based, and discriminant validity of the scale and reliability of each subscale yielded as high. Results brought by IRT analyses also showed general tendencies that each value of item characteristics parameter emerged high in discriminant and relatively low in difficulty. Further discussion was made about (1) dimensionality of the scale and its overall feasibility; (2) psychodynamic account for organizational image; and (3) future direction to improve validity of the scale.
著者
高橋 玲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.19, pp.49-54, 2007-04-16
被引用文献数
4

ユーザに経済的で快適な通信サービスを提供するためには,サービス提供前のネットワーク及び端末の品質設計ならびにサービス提供中の品質管理が重要である.適切なサービス品質設計・管理のためには,音声・映像メディアのユーザ体感品質(QoE: Quality of Experience)を安定かつ効率的に評価する方法が不可欠である.通信品質の評価は人間が品質を判断する主観品質評価が基本であるが,品質評価・設計の効率化や品質管理への適用のためには,通信の物理的な特徴量から主観品質を推定する客観品質評価技術が重要となる.本稿では,音声・映像メディアの主観品質評価技術と客観品質評価技術を様々な観点から分類し,それぞれの技術領域における国際標準化動向を概観する.
著者
平川 裕樹 齋藤 豪 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.116, pp.67-72, 2005-11-18

開扉動作は,扉という可動対象物があることで動作開始位置に依存してその後の動作が全く異なる点や,移動をしながら扉を操作する複合動作である点から日常生活の動作の中でも複雑な動作の一つである.それに対して,本稿では,時系列データを扱うのに適した連続HMMを用い,腰軌跡のみを入力として与えることで開扉動作の生成を動的かつ容易に生成することを試み,自然な開扉動作のアニメーション生成結果を得ることができたので報告する.Opening a door and going through it is a trivial action in ordinary life. For a virtual CG character, however, motions such as approaching the door knob from an arbitrary position, pulling it and following the door movement, have to be taken into account to generate the actions. In this paper, we adopt HMMs to synthesizing the animation of the action. A prepared hip trajectory of a character is applied to the HMMs, and result that an open-door-action which consist of parallel and serial motions.
著者
石川 憲洋 木下 真吾 高橋 修
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.245-253, 2000-02-15
被引用文献数
1

インターネット上の新しいサービスとして,プッシュ型情報配信サービスが注目を集めている.しかしながら,これらのサービスの大部分はクライアントが定期的に情報配信サーバにアクセスする「疑似プッシュ型」であり,情報のリアルタイム配信,クライアントの増加に対するスケーラビリティの確保などの課題は解決されていない.一方,プッシュ型情報配信サービスを実現するための基盤技術としてIPマルチキャストが注目を集めているが,現在実験段階にあり,実用化には至っていない.本論文では,IPユニキャスト通信のみをサポートしている現在のインターネット上でプッシュ型情報配信サービスを提供するための新しいアーキテクチャとプロトコルを提案する.我々のアーキテクチャは,情報のリアルタイム配信,クライアントの増加に対するスケーラビリティの確保などのプッシュ型情報配信に対する要求条件を満足することができる.我々のアーキテクチャは,情報配信サーバ,中継サーバ,クライアントから構成される.クライアントの増加に対するスケーラビリティを確保するために,複数台の中継サーバが木構造で接続される構成とした.我々のアーキテクチャを実現するために配信チャネル管理プロトコル(DCMP)と呼ぶ新しいプロトコルを開発した.本アーキテクチャに基づく実装と,そのコンテンツ配信システム(RealPush Network)への適用についても述べる.Push information delivery services have been emerging as a new serviceover the Internet.However, most of those services are pseudo-pushinformation delivery services where clients periodically accessinformation delivery servers.Those pseudo-push information deliveryservices do not resolve issues such as scalability on the increase ofclients and real-time delivery of information.While it is expected thatIP multicast is a core technology for push information delivery servicesover the Internet, IP multicast is now at the experimental stage, andhas not been fully deployed over the Internet at this time.In this paper,we propose a new architecture and protocol for push informationdelivery services over the existing Internet that does not support IP multicast.Our architecture satisfies the requirements on pushinformation delivery, such as scalability on the increase of clients andreal-time delivery of information.Our architecture consists ofinformation delivery servers, relay servers and clients.To retain thescalability of our architecture, multiple relay servers form arelationship that has a tree structure.To realize our architecture, wehave defined a new protocol called Delivery Channel Management Protocol(DCMP). We have implemented a prototype system based on our architecture.In addition, we have develped a contents delivery systemcalled RealPush network, as an application of our architecture.
著者
高橋 正行 森本 康彦 植野 真臣 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.47, pp.19-24, 2005-05-07
被引用文献数
1

本研究では, e-Learningを用いて複数の学習者が一斉に同期的に授業を受けながらも個に応じることのできる授業を実現させることを目的とする.本研究が目指す授業の実現には, 授業中の学習者のさまざまな状態に応じて教師が適切な行動をとる必要がある.しかし学習者の行動と状況に対応した適切な教師の行動のバリエーションは多く存在しており, このことがe-Learningシステムの開発を困難にしている.そこで, 本論文では, 学習者の行動と状態を基にした学習状態遷移図と, それを形式的に記述する手法を提案する.本手法で記述した遷移図は, 学習者の行動, 状態, 教師(システム)の動作が明示的に記述できるため, e-Learningシステムの設計・開発の遂行を容易にすると考えられる.
著者
磯野 春雄 倉田 晃二 高橋 茂寿 山田 千彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.324, pp.25-30, 2003-09-18

本論文では色覚の加齢効果を明らかにするために60-75歳の高齢者を対象に視覚の色度空間周波数特性および時間周波数特性を測定し若年者と比較した。本実験では色覚の反対色メカニズムに対応させて、明るさが一定で色度のみが正弦波状に変化する赤-緑(主波長 : 495nmC-495nm)および黄-青(主波長 : 565nm-445nm)の色刺激パターンを用いて色度コントラスト感度を測定した。実験結果から高齢者の色度コントラスト感度は、空間および時間周波数に対して全周波数にわたって低下し、赤-緑の色刺激に比べて特に黄-青の色刺激パターンでの低下が著しいことがわかった。