著者
高橋 雅人 バンフォード ジュリアン
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.317-329, 2005-07

大学を含む英語教育についての政府の計画は具体的な方向性を帯びてきている。文部科学省の「英語が使える日本人」の育成のための行動計画(平成15年3 月31日)と平成16年3 月に開かれた「英語が使える日本人」の育成のための行動計画東京フォーラムは文教大学での英語教育と学生の英語能力に関係し責任を負う教職員にとって手引き、方向性を示すものと言える。パート1 では2003「英語が使える日本人」の育成のための行動計画の中から大学に関する考察、パート2 では日本企業からの大学生の英語能力についての要望、パート3 では我々の考える文部科学省の指針と企業からの要望に成功裏に応えるための提案をする。
著者
高橋 雅人 Bamford Julian
出版者
文教大学
雑誌
情報研究 (ISSN:03893367)
巻号頁・発行日
no.33, pp.317-329, 2005

大学を含む英語教育についての政府の計画は具体的な方向性を帯びてきている。文部科学省の「英語が使える日本人」の育成のための行動計画(平成15年3 月31日)と平成16年3 月に開かれた「英語が使える日本人」の育成のための行動計画東京フォーラムは文教大学での英語教育と学生の英語能力に関係し責任を負う教職員にとって手引き、方向性を示すものと言える。パート1 では2003「英語が使える日本人」の育成のための行動計画の中から大学に関する考察、パート2 では日本企業からの大学生の英語能力についての要望、パート3 では我々の考える文部科学省の指針と企業からの要望に成功裏に応えるための提案をする。
著者
萩原 剛 新井 盛夫 山中 晃 藤田 進 高橋 一郎 川田 和秀 大石 毅 鈴木 隆史 天野 景裕 福武 勝幸
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.337-344, 2003-08-01

ハイレスポンダーインヒビター保有血友病Aおよび血友病B患者に起きた3回の重症出血に対し, 凝固因子製剤の大量投与でインヒビターを中和し, 引き続き持続投与によって充分な血漿凝固因子活性を維持し, 止血に成功した. 症例1は第VIII因子インヒビター保有血友病A患者. 38歳時に小脳出血で緊急入院した. 2. 1ベセスダ単位(BU)/m<I>l</I> の第VIII因子インヒビターに対し, 第VIII因子製剤5, 000Uのボーラス投与に続き, 3. 8U/kg/hrの持続投与を行った. 血漿第VIII因子活性は4日間0. 9~1.44U/m<I>l</I> を維持し血腫は縮小した. 40歳時には, 外傷性頭頂葉皮質出血をきたし, バイパス療法を行ったが, 新たに右硬膜下血腫を認めたためインヒビター中和療法を施行した. 10BU/m<I>l</I> の第VIII因子インヒビターに対し, 第VIII因子製剤12, 000Uのボーラス投与に続き, 4~6U/kg/hrの持続投与を行った. 血漿第VIII因子活性は, 5日間0.54~2.04U/m<I>l</I> を維持し血腫は縮小した. 症例2は4歳の第IX因子インヒビター保有血友病B患者. 右足背部の打撲により大きな皮下血腫を生じた. 連日のバイパス療法でも改善せず, インヒビター中和療法に変更した. 2.1BU/m<I>l</I> の第IX因子インヒビターに対し, 第IX因子製剤2, 000Uのボーラス投与に続き, 13U/kg/hrの持続投与を開始した. 血漿第IX因子活性は1. 0~1.3U/m<I>l</I> を維持し, 血腫は速やかに縮小した.
著者
竹本 淳 高橋 宏和 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.386, pp.85-90, 2009-01-14

地上デジタル放送の移動体受信環境並びに室内での受信においては,直接波の受信が期待できず,一般に弱電界エリアになるために,伝搬環境,特に受信所望波の到来方向及び遅延時間の定量的かつ高分解能な把握が重要となる.到来方向推定にはアレーアンテナが有用であるが,一般的手法では複数の到来波を判定するために波数と比べアレー素子数を十分大きくする必要があり,かつ,全てのブランチの信号を同時に取得しなければならない。また、遅延時間の推定には受信側において既知の広帯域信号が必要になることから,実放送波を利用する到来波・遅延時間推定には有用かつ簡便な手法が確立されていない.そこで,本稿では,高SN比の信号が受信される場所と被測定環境との2点で同時収録を行い,高SN比信号を基準信号として目的信号を精密に解析する新しい測定法を提案する.本手法では,トータルレコーダ(1台)を用いて,被測定信号と高品質信号を各アレー素子について同時収録し,オフライン処理により基準・被測定双方の受信データから相関行列を作成,ここから固有値解析を行って,到来波の角度特性や遅延特性の精密な測定が可能であることを述べる.
著者
桜井 鐘冶 高橋 渉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.122, pp.49-54, 2002-12-20
被引用文献数
1

携帯電話を用いて個人認証を行う際には,入力上の制約から複雑なパスワードの入力は難しい.一方,モバイル環境ではパスワードの入力を悪意の第三者に盗み見られるショルダーハッキングの危険もあり,4桁程度の固定の暗証番号による認証では企業内情報の参照やモバイルコマースの認証にはセキュリティが不十分である.本稿では,このような問題に対して,携帯電話上のJavaアプリケーションを利用してサーバからのチャレンジ値を表示し,これに対し利用者が本人の記憶するパスワードをもとに入力する認証データをレスポンス値として利用する認証方式を提案し,その評価と実装時のポイントについて報告する.For user authentication using a mobile phone, it is difficult to input a complicated password from a keypad. So, it is widely used to input a 4-digit number as a password. But in mobile environment, there is a risk of shoulder hacking which is the simplest way to steal a password. This paper presents authentication methods using challenge-response technique which protect password leak. By using these authentication methods, it is possible to input authentication data from a keypad safely whenever malicious people watch the input.
著者
原田 浩 石川 裕 堀 敦史 手塚 宏史 住元 真司 高橋 俊行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.89-94, 1999-08-02
被引用文献数
6

既存のUnixオペレーティングシステムと低通信遅延かつ高通信バンド幅を有するネットワークシステム上にSCASHと呼ぶソフトウエア分散共有メモリを開発している。SCASH上に、ページ管理ノードの動的再配置機構を実装し、SPLASH2のLUを用いて評価を行った。その結果、管理ノードをノードに固定的にラウンドロビンに配置した場合との比較では64台の実行で1.17倍の性能向上を達成したが、管理ノードを固定的に最適化した場合との比較では、0.722倍の性能を得るに留まった。We have been developing a software distributed shared memory system called SCASH on top of a Unix with a low latency and high bandwidth network system. A dynamic owner node reallocation mechanism is introduced to SCASH and evaluated using the LU benchmark from SPLASH2 suits. LU under the dynamic ower node reallocation mechanism is 1.17 times faster than that of using round robin fashion node allocation. It is 0.722 times faster than that of using statically optimized owner node.
著者
黒岩 菊郎 吉野 連一 高橋 五良
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.139-145, 1958-04-25
被引用文献数
1

われわれは東京農工大学農学部校庭(東京都府中市)にある2本のキリの半径の日変化を, 前報に示した鏡成長計によつてはかり, 4月から11月までの成長期間中28回の観測を行つた。拡大の倍率は約14,000倍であつた。1. 2本の木はほとんど平行的にその半径を常に変えている。2. 夜間の曲線はなめらかであるが, 昼間はでこぼこが多い。3. 日の出の頃肥大はおとろえ, 午前中に極大に達し, 急に縮小しはじめ, 極小になるのは午後3時前が多く, 上昇しはじめるのは午後3時ごろである。4. 曲線の形は温度曲線と似ている。5. 曲線の形は0時を基点とすれば, 晴天の日はN字形, 雨天は直線形, 曇りの日はこの中間で階段状をなすものといえる。6. 曲線のでこぼこはすべて水分の変動によるもので真の肥大成長は昼夜の別なく一様に進んでいると思われる。7. 昼間の細かい曲線のでこぼこは陽光の強さと密接な関係があり, 陽光があれば幹はちぢみ, 弱まると肥大しはじめる。この反応は10分以内にあらわれ, このための変動の量は約10 μ程度である。8. 成長期間中の日成長量はその日の平均気温(最高, 最低の平均)との間にかなり高い相関関係が認められた。雨量との間の関係は明らかでない。
著者
高橋 哲 永井 宏和 大谷 真紀
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.149-158, 1999-12
被引用文献数
3

MR画像で認められるjoint effusionの生物学的意義を検討するため, 顎関節症患者の関節滑液中の蛋白濃度を, Joint effusionの有無で比較検討した。対象としては, パンピングマニピュレーションを行った顎関節症患者のうち, MRIを撮像し得た27症例38関節である。コントロールとして, 顎関節に症状のない健常人女性, 5例6関節を用いた。Joint effusion像は矢状断でT2強調画像にて高信号域を示し, プロトン強調画像にてその信号が減弱するものとし, 0点から4点までの5段階(Effusionスコア)に分類し, 3点, 4点のものをjoint effusion有りとした。顎関節滑液は希釈法により採取し, 滑液中の蛋白濃度をBCA assayにて測定し, joint effusionの有無, 臨床症状のうち, 関節痛の有無とにおいて比較検討して, 以下の結果を得た。1.コントロール群では, いずれもjointe ffusionは認められず, その蛋白濃度は(中央値 : 0.73mg/ml), 患者群の中で, jointe effusionと関節痛いずれも認めない関節(中央値 : 0.67mg/ml)と同程度であった。2.jointe ffusionは患者群の全関節の65.8%に認められ, 関節痛の有無との比較では, 関節痛のある関節でjoint effusionの出現頻度が高く(p<<0.05), 関節痛の有る関節の蛋白濃度(中央値 : 1.92mg/ml)は関節痛の無い関節(中央値 : 0.86mg/ml)に比較して高値を示した(p<0.05)。3.jointe ffusionの程度(Effusionスコア)と蛋白濃度は正の相関(7=0.663,p=0.025)を示し, joint effusionの有る関節(1.87mg/ml)は, jointe ffusionの無い関節(中央値=1.14mg/ml)に比較して有意に高値を示した(図2)。以上の結果から, MRIで認められるjointe ffusionは, 関節痛のある関節に高頻度に認められ, 関節痛やeffusionの認められる関節では蛋白濃度が高い関節が多く, この蛋白濃度の上昇は, 滑膜炎などの炎症性反応の結果として, 血清由来の蛋白などの分子が関節液中に滲出したもの, あるいは下顎頭の負荷により, 軟骨などの関節構成組織が融解した物質である可能性が示唆された。
著者
橘 弘志 高橋 鷹志
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.496, pp.89-95, 1997
被引用文献数
38 10

The purpose of this paper is to clarify meaning of regional environments for elderly people by means of comparison of behavioral environments in housing complex area and those in town area. The method of this study is an interview with elderly residents in these areas about places to use, routes to pass, and communications they have in the area in everyday life. The findings are as follows. 1) Behavioral environments of elderly residents in two areas are quite different. 2) Opportunities of diverse communications and accessibility to places influence the quality of regional environments. 3) Two models of behavioral environment are found, those are intention-determinant model and action-inductive model. 4) Especially for the elderly, their behavioral environments are strictly regulated by the regional environment they live in.
著者
山下 泰央 高橋 大志 寺野 隆雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

近年,ファイナンス理論の理解を深めるための手法が必要とされている.本研究では,ビジネスゲーム手法を利用した投資選択と資本構成決定に関するファイナンス理論の学習を目的とした分析を実施した.分析の結果,投資プロジェクト選択法を理解し株主資本価値を高める資本構成の決定法について理解が進むなど,興味深い現象がみられた.これらの結果はファイナンス理論の学習へのビジネスゲーム手法の有効性を示すものである.
著者
佐合 隆一 高橋 宏和 高柳 繁
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.267-272, 2002-01-30
被引用文献数
1

雑草防除の適正化とコストの低減をはかるためには,雑草個体群の動態や埋土種子量・発生量などを把握することにより,雑草防除手段を選択するプログラムを作成することが重要となってきている。本研究は茨城県南地域で小型の一年生雑草が優占している水稲栽培水田で埋土種子数と雑草発生量を調査し,雑草の水稲に対する害が認められない埋土種子数のレベルを推定することを試みた。本調査方法では埋土種子数が深さ1.5cmあたりアゼナ類で1,500粒/m^2,カヤツリグサ類で200粒/m^2,一年生雑草全体では3,000粒/m^2を越えた場合には雑草の発生量を推定することができ,埋土種子からの本田での発生率は,アゼナ類で2.5%,カヤツリグサ類で4.9%,コナギで16.4%,一年生雑草全体では5.2%であった。また,雑草害が明確とならない雑草の発生量は埋土種子数が3,000粒/m^2以下であることを推定した。
著者
高橋 理喜男
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.2-8, 1975-03-20
被引用文献数
2 5

本邦における公園の発祥の原点となった明治6年の太政官布達によると,公園設置の要件として2つ挙げている。1つは地盤が官有地であること,もう1つは「群集遊観ノ場所」であること,この2つである。前者についていえば,すでに封建的土地所有形態の解体によって,社寺境内地や名勝地や城地を公園の候補地として具申することはきわめて容易であったとみてよい。一方,後者についても,江戸時代以来,庶民的戸外レクリェーション地のゆたかな蓄積が,とくに城下町を中心とする都市型にみられた。したがって,この布達は以上のような社会的歴史的趨勢をふまえたものであることは否定できない。しかし内外ともに多難な局面に立たされていた新政府の側に,こと民衆のレクリェーションにまで思いをめぐらすほどの政治的ゆとりがあったとは到底考えられない。とすれば,布達の背後に,何らかの形で,外国の強い影響の介在を認めざるを得ないと思う。ここに分達の本質を見出すことができる。すなわち,公園という新しい西欧的概念と,伝統的レクリェーション遺産という古い実在との癒着,これが布達の本質的性格であると規定することができる。ところで,外国の影響がどのような経路でこの布達に関与したかは判っていない。通説として,ボードウィンの建白説と,居留地外人の公園要求論があるが,いずれも具体性に乏しく,またいくつかの弱点も指摘できる。したがって,その実証に関しては今後の究明に残された課題である。太政官布達の反響は,当時の混沌とした社会情勢にもかかわらず,意外に早く全国的にあらわれた。西南の役が終結した明治10年までの僅か5年間の間に,開設公園数67ヵ所に達し,そのあとの10年間における開設数を遥かに上回る結果を示した。しかしながら,布達は「群集遊観ノ場所」としている以外に選定の規準を示していなかったため,さまざまの公園が輩出した。それらは立地条件によって,日常生活圏内にある真正の都市公園的タイプと,その圏外に出る郊外公園的タイプに分けることができる。前者は金沢兼六公園などに典型的にみられる如く,庶民の利用度も高く,公園の整備にもそれ相応の努力がみられた。それに反して,交通の便も悪い郊外公園的タイプとなると,人の足も遠く,ただ名称のみにとどまる公園も少なくなかったようである。これらの公園が脚光を浴びるようになるのは,都市化の進展が活発になる明治後期頃からである。このように,実体の伴わない公園が多数出現したのは,布達の本質とする「資源依存性(Resource-based)」に根ざしており,都市公園本来の「利用者指向性(User-oriented)」を明確に打ち出さなかったことによる。そこに太政官布達の歴史的限界があったと思う。それが永年にわたって,わが国の都市公園の在り方を規定しつづけてきたのである。
著者
高橋 裕信 新田 義貴 遠藤 隆 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.97, no.330, pp.41-47, 1997-10-17

本報告ではテキストを時系列データと考える大規模なテキストデータベースを対象として, 単語を空間に配置し, 空間の距離を利用した文章の検索方式を提案する. まず, 形態素解析によって分節した単語をノードとして, 単語bigramの作るネットワークを構築する. 次にこのネットワークのノードを有限次元の空間中に, ノード群のクラスタリングを伴なう配置問題を考える. この配置問題は, 時系列方向での近傍共起性から, ノード間の距離を定義し, 有限の小さい次元の空間で効率よく分類 (クラスタリング) するために, 最適化関数を導入した非線形化した手法で解かれている. 本手法を新聞データベースのリアルタイム検索に適用した実験結果について述べる.
著者
関本 信博 西村 拓一 高橋 裕信 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.747-757, 2001-05-01
被引用文献数
8

動画像や音声などの大規模な時系列データベースの中から、逐次入力される時系列クエリーと類似した時系列区間を検出する方式、「Rutic法」を提案する。従来、逐次入力される時系列クエリーを扱う方式としてRIFCDPやIPMがあったが、これらは比較的計算量が多く、検索対象のデータベースが大きくなった場合のリアルタイム検索に不向きであった。本方式は逐次入力される時系列クエリーに対してフレーム入力ごとに検索出力を可能とする。また、本方式は計算量が少ないため、リアルタイムでのスポッティング検索を実現する。本論文では、Rutic法のアルゴリズムを示し、動画像検索に用いた実験を行い他方式と比較することでその有効性を検証する。
著者
高橋 国士
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.19-26, 1998-03-30

現代のように多様なメディアがなかった時代, 音楽情報の流通は, 演奏や伝承によるほか, 楽譜というメディアに記され, 出版されることによってのみ行われた.そのため本研究では, 古典派を代表する音楽家の一人モーツアルトのを取り上げ, その音楽伝播に果たしたメディアとしての楽譜の役割を明確にすることを目的として, 文献研究を行った.音楽伝播における楽譜の役割は, 生存中と没後に分けて考察した結果, 次の知見が得られた.その生存中の音楽伝播(2次元的伝播)は, 18世紀末から音楽が宮廷, 貴族社会から, 市民社会へ浸透したことが大きな要因であったといえる.これによって新たな音楽市場が発生し, 音楽を介しての経済活動が, 作曲者から出版社などの手に移り, 販売された楽譜は出版地だけでなく, 遠隔地にまでおよぶことによって, 音楽情報の流通の範囲が拡大されるようになった.さらに, 没後の研究成果と, これを基にした系統的な作品全集の出版は, 時間経過を伴わせて音楽情報の流通(3次元的伝播)をいっそう加速させている.
著者
石寺 永記 荒井 祐之 土屋 雅彦 宮内 裕子 高橋 信一 栗田 正一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.873-880, 1993-04-25
被引用文献数
16

我々人間の視覚系は,点パターンのように離散的な対象でも仮想線を知覚でき,色や明るさの段差がなくてもそこに明りょうな主観的輪郭を知覚することがある.これは補間問題と考えることができる.そこで,本論文では生理学的データに基礎をおく階層的視覚情報処理モデルを提案し,仮想線と主観的輪郭の知覚といった補間問題に応用する.主観的輪郭を形成するためには,実際の輪郭,主観的輪郭の通る点,そしてその輪郭の伸びていく方向を決定することが重要であり,本モデルではこれらの処理を並列処理で実現する.このモデルは2種類のSimpleセル(S typeとL type)の出力から,大域的処理により輪郭の検出と点パターンの補間を行うComplexセルと,主観的輪郭が通ると考えられるエッジの端点や曲率の高い点を検出するHypercomplexセルをモデル化する.この処理はすべて並列処理で行われる.またこれらの情報が伝達されるときに重み付けをすることによって主観的輪郭の伸びる方向を決定する.こうした階層的な処理によって得られた情報を統合することによって実際のエッジと主観的輪郭が同様に検出されるようなモデルを構成した.