著者
高橋 裕信 寺崎 肇 杉本 和英 富田 文明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.178-179, 1990-09-04

予想外の事象にも対処可能なロボット制御を行うため、視覚によってロボットの動作環境と対象物を認識するビジュアルフィードバックシステムについて検討している。その最も典型的なシステムであるハンドアイロボットの視覚装置には、精度、安定性、高速性などが要求される。一方、ハンドアイロボットは限定環境で用いられることが多く、この場合にはロボットや対象物に関するモデルや姿勢などが情報として与えられる。こうした情報を有効に利用することができる。例えば、ロボットハンドやすでにロボットが把握した物体については、そのモデルが既知でその位置と姿勢がほぼ予測できる。それからステレオの各画像中での見え方を予測し、モデルを当てはめることができる。この場合にはモデルを対応単位としたステレオ法が可能となる。位置が不明であっても各画像にモデルを当てはめる方法は可能である。しかし可能な組合せが多く、複雑な画像になるほど計算量が大きくなる問題がある。また通常のステレオ法では対応付けやその検証が難しい。それらの問題を解決するためにステレオ法における対応付けの検証の段階にモデルを利用し、認識を行なう方法について検討したので報告する。
著者
高橋 薫 福崎 篇 目時 利林也 折笠 精一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.806-812, 1986

経皮的腎結石摘出術後の腎瘻を有しIVP上正常尿管と考えられる10症例10尿管について,特別な水分負荷をすることなく,仰臥位,無麻酔下で腎瘻よりPressure-Flow Study(PFS)を行なった.腎瘻からの溶液注入量を低注入率(0.5ml/min)から高注入率(10ml/min)まで変化させ,各注入量時の腎盂内圧の変化を比較検討した.また注入液に色素を加えたものを0.5ml/minの定速で注入し,色素が膀胱に達するまでの時間(transit time, T)を測定した.さらに腎瘻から造影剤を注入して各注入率時の尿管の輸送形態をレ線学的に比較し,PFSの結果と比較した.生理的自尿排出時(注入率,F=0ml/min)の腎盂内圧は12〜22.5cmH_2O,平均16.2±3.0cmH_2Oであった.(2)3ml/min以下の低注入率では,腎盂内圧の上昇をみるが,4ml/min以上の高注入率では不変ないし下降した.(3)Transit time(T)は,350〜850sec,平均610±158secであった.腎盂の形態が正常の3例の平均は417secであり,transit time(T)は水腎症の程度に影響された.(4)尿管輸送形態のレ線学的観察により3ml/min以下の低注入率時には主に蠕動運動により,また4ml/min以上の高注入率時には主に尿管が管状となって尿を輸送することが判明した.(5)PFSの結果に基づき計算した尿管抵抗は,注入率が3ml/min以下と4ml/min以上でそれぞれの回帰直線は明らかに異なっていた.このことは(2)及び(4)の結果とよく一致していた.
著者
込山 敦司 橋本 都子 初見 学 高橋 鷹志
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.496, pp.119-124, 1997
被引用文献数
20 6

This study makes clear the effects of floor square and ceiling height on the sense of volume and impression of interior-space. Subjects experienced the experimental space (wider floor square and lower ceiling height), and experienced the compared space (the same volume of the experimental space, smaller floor square and higher ceiling height), and answered the sense of volume and which space was felt yuttari^*. The results were summarized as follows: 1) The volume of the space of high ceiling height was felt bigger than that of the space of wide square. 2) The results of the feeling of yuttari showed three tendencies. A) The feeling of yuttari was not felt in the space of lower ceiling height (under 2100mm). B) If the difference in floor square of two spaces was 30% or smaller, the feeling of yuttari was felt in the space of bigger volume. C) If the difference in floor square is bigger, the feeling of yuttari was felt in the space of wider floor square. *The Japanese word "yuttari" includes loose, spacious and feeling of easy.
著者
金田 隆志 星 宣次 毛 厚平 高橋 とし子 鈴木 謙一 佐藤 信 折笠 精一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.33-42, 1998-01-20
被引用文献数
2 1

(目的)健常者の抹消血液中にはケラチン19は存在せず、もし血液中から検出されれば上皮性癌細胞が存在しているものと考えられる。そこでnested RT-PCR法を用いて、種々の尿路性器悪性腫瘍患者の抹消血液からケラチン19 mRNAの発現の有無を検討し、転移との関連を検討した。(方法)ヒト尿路性器癌培養細胞12種類、泌尿生殖器担癌患者39例、健常者9例を対象とし、患者および健常者の抹消静脈から血液6mlを採血し、Ficillを用いてnested RT-PCRを行い、サザンブロッティングで確認した。(結果)用いた培養細胞は全て陽性で、検出率は健常者リンパ球1×10個に対して腎癌細胞TOS-1は1個の混入でもケラチン19 mRNAが検出され、膀胱癌細胞KK47では1×10^6個の混入ではじめてケラチン19 mRNAが検出された。健常者9例の抹消血は前例陰性であった。尿路性器悪性腫瘍患者の抹消血では転移のみられない症例よりも、転移を有する症例のほうがnested RT-PCRの陽性率が高く、またリンパ節のみの転移よりも他の遠隔転移を有する症例のほうが陽性率が高かった。また、短期間の観察であるが、転移の有する場合でもnested RT-PCR陽性のほうが予後不良であった。疾患例では、精巣腫瘍は検出されにくく陰茎癌は検出されやすい印象であった。(結論)RT-PCR法を用いたケラチン19 mRNAの抹消血よりの検出法は尿路性器腫瘍にも利用できる。
著者
高橋 秀俊 藤村 靖
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.9, no.5, pp.326-331, 1954-10-25
著者
江口 研二 足立 秀治 池田 徳彦 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 楠 洋子 佐川 元保 鈴木 隆一郎 早田 宏 祖父江 友孝 曽根 脩輔 高橋 里美 塚田 裕子 中川 徹 中林 武仁 中山 富雄 西井 研治 西山 祥行 原田 真雄 丸山 雄一郎 三澤 順
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.985-992, 2003-12-30
被引用文献数
1 1

・低線量CT肺癌検診を実施することにより,非受診者群に比較して,受診者群の肺癌による死亡を有意に減少させるという成績は現在まで証明されていない.・低線量CT肺癌検診は,高危険群および非高危険群に対して,胸部写真による検診よりも末梢小型肺癌(腺癌)をより多く発見し,発見肺癌の6〜8割は病期I期肺癌である.・低線量CT肺癌検診では,受診者の被曝リスクを低減させるために,撮影条件,画像描出条件など読影環境を整備することが必要である.・低線量CT肺癌検診は,他のがん検診と同様に,検診の運営に際して,精度管理とその維持が必要である.・低線量CT肺癌検診の受診者には,検診一般の説明だけでなく,現状でCT検診の有用性に関するエビデンスの内容および想定される有害事象を含めて,説明と同意(インフォームドコンセント)を行うべきである.・医療経済学的な面も併せて,低線量CT肺癌検診の至適なあり方を確立するためには,解析可能な精度の高い実績を集積する必要がある.・本稿の低線量CT肺癌検診のあり方については現行の自治体検診時のCT検診,職域検診のみならず,人間ドックでのCT検診も念頭に置いたものである.
著者
バスタンファルド アザム カラム ホッセン 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.64, pp.65-70, 2001-10-18

フェイシャルエージングは歳月の経過による顔の老化の様子をシミュレーションしたものであり, アニメーション, 自動顔認識, エンターテーメント, 失踪者の捜索, そして医療分野における顔の再構成など幅広い分野において応用される技術である.本論文ではリアルなフェイシャルエイジングを実現するために医療情報に基づく手法を提案する.そのため, 人体測定学に基づき, 顔の老化の様子を再現し, また顔のリアルな老化を表現するために照明を考慮した皺の表現手法を提案する.本提案手法では入力画像として一枚の画像のみを必要とし, また老化の様子を再現するための処理を局所的に施しているため, 計算時間を短縮することが可能である.
著者
大島 寛一 岡田 幸助 沼宮内 茂 米山 陽太郎 佐藤 繁 高橋 喜和夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.79-81, 1981-02-25
被引用文献数
2

実験には4-5ヵ月齢の子ヒツジ3頭と対照の1頭を用いた. BLV感染雌ウシから吸血途中のアブ(90%以上がTabanus nipponicus)を有孔透明プラスチックカップを用いて, 子ヒツジの皮膚に置き, 吸血を継続させた. この操作を4日間に131-140回/頭行なった. 1頭は寄生虫感染で斃死したが, 吸血後40日目の血清BLV_<gp>抗体は1:8と陽性を示した. 他の2頭は吸血後38日目以来抗体が検出され, はじめ1:16の力価が4-5ヵ月後には1:128あるいは1:256と上昇した. 対照では抗体は認められていない. 以上のことから, 感染したウシから吸血途中で追われたアブが, 別の宿主から吸血を継続する場合, BLVを伝播する可能性のあることが確かめられた.
著者
廣瀬 文哉 高橋 淳 阪田 史郎 柳原 健太郎 福永 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.47, pp.31-36, 2009-05-15
被引用文献数
1

センサネットワークにおいて,無線端末はバッテリ駆動のため消費電力を削減することが重要な課題となる.IEEE 802.15.4ビーコンモードでは,スリープ制御の実装により省電力を実現する.しかし,間欠動作を行うため,トラッフィクの増大に伴う輻輳が起こり,到達率低下,遅延増大,再送による消費電力の増大などを引き起こす.本稿では,IEEE 802.15.4ビーコンモードにおいて,複数ビーコンを利用することで各ノードにマルチパスを持たせ,輻輳を回避する方式を提案する.間欠動作から起こる輻輳を回避するReal-Multipath,シンクノード周辺の輻輳を回避するVirtual-Multipathの二種類のマルチパスを設定する.シミュレーションによる性能評価を行い,提案方式を用いることで低消費電力を維持しながら高配信率,低遅延,負荷分散を実現することを示す.
著者
中山 實 高橋 敏夫 笠井 浩
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.8-13, 1996
参考文献数
4

The Holly Resurrection Cathedral (Nikorai do), a designated important cultural property, is over 100 years old. Repairs and restorative construction were made following the Great Kanto Earthquake of 1923 but 70 years have passed with no further extensive maintenance. After surveying the weathering of Cathedral, repair work to preserve the cultural property is under way. Results of physical investigation and chemical analysis of nine 70 to 100 year old mortar samples to determine mix proportion, material composition and condition of deterioration are presented in this report.
著者
高橋 純 山西 潤一 佐々木 和男
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.127-134, 2003-09-20
被引用文献数
8

高齢者がWebページを利用する機会が増え,加齢により低下する視覚機能に対応し,アクセシビリティの高いWebページづくりが求められている.そこで,文字色や背景色の組み合わせによる文字配色や文字サイズについて,若年者,高齢者,高齢者のうち白内障患者を想定した群を対象に調査をし,見やすい配色,文字サイズを検討した.その結果,高齢者にも配慮した文字表示には,陽画表示が望ましく,輝度コントラスト比が5:1以上になる背景色と文字色の組み合わせを使うことや,文字サイズを10pt以上にする必要があるといった指標を得た.
著者
山岸 俊男 山岸 みどり 高橋 伸幸 結城 雅樹 石井 敬子
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

実験室に設定された「実験社会」を用いて、関係の固定化による「安心」の提供が不可能な状況を作り出し、関係の固定化を媒介しない形での自発的な社会秩序の形成を可能とする原理を明らかにすることをめざした。そしてこの最終目的を達成するために、一連の実験研究を通して、まず第1に、機会主義的関係の信頼関係への変換に際してリスクテイキングが不可欠の役割を果たすこと、そして更に、この変換のために必要とされる社会関係的および社会制度的な条件を明らかにすることを明らかにした。具体的には、以下の諸点を明らかにした。◆信頼関係の形成に際してはリスクテイキングが重要な役割を果たす。◆信頼関係形成においては、信頼行動と協力行動とを切り離し、信頼に伴うリスクを最小限に抑えつつ協力行動をとる戦略が極めて有効である。◆情報非対称性が生み出すエージェンシー問題の解決に際して評判が果たす役割は、社会ないし市場の開放性・閉鎖性に応じて異なってくる。閉鎖的社会ではネガティブ評判が、開放的社会ではポジティブ評判が有効である。◆相互協力を達成するための集団内での非協力者に対する罰行動と、他集団の成員に対する罰行動は、異なる心理メカニズムに基づいている。◆1回限りの囚人のジレンマにおける協力行動の説明原理としての効用変換モデルの限界を克服するためには、ヒューリスティック・モデルが有効である。◆内集団成員に対する協力行動は、集団内部での一般交換に対する期待が欠かせない。この証拠は、最小条件集団においても国籍集団においても存在する。ただし、集団内で相互作用が存在する場合には、この期待は内集団成員に対する協力行動にとって必要ではない。◆集団主義的社会制度の経験は、集団主義的(ないし相互協調的)自己観と原因帰属(すなわち集団主義的信念システム)を顕在化する。
著者
片山 裕之 北村 寿宏 高橋 一郎
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.122-126, 2005-01-01

Iron making by Tatara at Oku-Izumo developed from reopening in 1638 after prohibition of operation to becoming the center of iron production in Japan in the end of Edo era The history of its management was studied from the stand point of countermeasure to environmental and economic problems, and quality of the product, In order to get the hints for the future iron and steel making (1) Managers of tatara at Oku-Izumo held concurrently the manager of agriculture, forest and stock farming As the results of the all-round management, social system of circulation was established under cooperation with the administration (2)The change of Tatara operation from 4 to 3 d in the first half of 19th century was trial and error for economical production system, and fixing of 3 d operation was interpreted as the flexible production system (3) Superiority of Kera produced by Tatara process as the material for production of sword by forging was originated in un-uniformity This suggests that conception surpassing the optimum of partial process is valid for cost down of quality assurance and the creation added value of the product in modern iron and steel making