著者
高田 俊二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.76-82, 2014 (Released:2016-09-28)
参考文献数
26

欧州で興った写真術は,アメリカでフィルム産業として発展し,現在日本でデジタル産業として定着している.本技術史 では,写真産業の流れを導いたコンセプトとその技術革新のレビューを行う.その第一弾として,1870年代のイギリスにおける乳剤時代の幕開けに焦点を当てる.携帯可能な乳剤の提案に基づく乾燥乳剤ペリクルの開発中に見出された高感度技術オストワルド熟成によって新しい写真乾板産業が興った.
著者
井奈波 良一 鷲野 嘉映 高田 晴子 岩田 弘敏 森岡 郁晴 宮下 和久
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

埋蔵文化財発掘調査機関における労働安全衛生管理の実態と発掘作業の労働負担を明らかに、その対策を検討することを目的に、本研究を行った。都道府県教育委員会関連の発掘調査機関においては、「救急蘇生の講習会を開催している」および「定期健康診断を実施している」機関は25%以下であった。労働災害発生件数に関連する要因として、「独自に雇用している発掘作業員数が多いこと」および「安全衛生に関する規定がないこと」が抽出された。夏期に発掘現場の作業環境測定を行った結果、WBGT(湿球黒球温度指標)は中等度の労働強度における許容基準を超えている時間帯があった。鼓膜温は、発掘作業中上昇し、休憩によって下降するパターンを示した。体温の最大値は、午後の第1回目の休憩前に記録された。冬期に作業者の血圧等を経時的に測定した結果、収縮期血圧の最大値は発掘作業開始時点に記録された。これは主として発掘現場における寒冷曝露の結果と考えられる。ダブルプロダクトは、発掘作業中上昇し、休憩時に低下するパターンを示した。冬期における作業者に自覚症状を調査した結果、発掘作業中に防寒靴を使用する者の自覚症状の有症率は、使用しない者よりいくつかの項目について有意に低率であった。しかし、「足の冷え」については両者の間で有意差がなかった。これらの結果から、冬期の発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして防寒靴の使用が勧められる。寒冷紗の効果をみるため模擬発掘現場で炎天下と寒冷紗のWBGTを測定した結果、寒冷紗下では乾球温度、湿球温度、黒球温度が低く、その結果、寒冷紗下のWBGTは炎天下より低くなっていた。したがって、夏期の発掘現場における寒冷紗の使用は、夏期の埋蔵文化財発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして効果があることがわかった。しかし、寒冷紗下の風通しを悪くすると効果が低下することも明らかになった。
著者
高田 里惠子
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.15-28, 2018

<p>本稿では、漱石門下生のうちで、例えば安倍能成や和辻哲郎など、帝国大学文科大学に進み、「教授」となった者たちに注目する。彼らは、戸坂潤によって批判を込めて「漱石文化人」と名付けられたが、そのさい重要なのは、戸坂が「(「門下的漱石文化」は)もはや漱石自身の文化的伝統とは必ずしも関係のない現象」であると述べていることだ。「漱石文化人」たちは学歴エリートでありながら、あえて世間的栄達を捨てた「高等遊民」あるいは反骨の若者として出発するが、やがて帝大に職を得、現状肯定的な文化の守護者、体制側の「教授」と見なされるようになった。また、堅実な「学者」にも独創的な「作家」にもなれなかったどっちつかずのディレッタントと批判されもする。本稿は、こうした「漱石文化人」をめぐるさまざまな言説が近代日本における大学観や作家観などを図らずもあぶりだしてしまう様子を示す。</p>
著者
大下 誠一 川越 義則 安永 円理子 高田 大輔 中西 友子 田野井 慶太朗 牧野 義雄 佐々木 治人
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.329-333, 2011 (Released:2011-08-29)
参考文献数
11
被引用文献数
9 6

福島原子力発電所から約230km離れた,東京都西東京市における研究圃場において原発事故後に栽培された野菜及び土壌の,134Csと137Csの放射能を測定した。試料は植え付け47日後のジャガイモの葉,並びに,苗の定植40日後のキャベツの外葉を用いた。両者共,134Csと137Csの総量は9Bq/kg以下となり,摂取制限に関する指標値500Bq/kgより低い値であった。土壌は約130Bq/kgであり,天然の40Kの約290Bq/kgと比較しても低い値であった。キャベツの外葉を水で洗浄する前後の放射能像をイメージングプレートにより得たが変化は見られなかった。
著者
保崎 泰弘 芦田 耕三 濱田 全紀 藤井 誠 岩垣 尚史 高田 真吾 田吹 梢 光延 文裕
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.269-273, 2006 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

閉塞性動脈硬化症 (ASO)、糖尿病性末梢循環障害に合併する難治性下肢潰瘍、壊疽の治療、予防として人工炭酸泉浴は有用であると考えられている。今回、人工炭酸泉浴による足浴の末梢循環改善作用を定量的に明らかにする目的で健常成人6例 (年齢27~52歳、男性5例、女性1例) について検討した。右下肢腓骨外果より頭側10cmの背側にレーザードップラー血流計を固定し、さらに防水用のテープで覆った。42度の温水10lをバケツに入れ、バブ錠1個を投入し、対象患者の両足を膝下まで10分間浸水した。観察は、浴前、浴中、浴後5分、15分、25分、35分に行なった。次に、足浴の全身の末梢循環血流量に及ぼす影響を検討する目的で、右上肢手関節より頭側10cmにレーザードプラー血流計を固定し、足浴時と同時に上肢の末梢血流量を測定した。足浴前の血流量を100%とした時、足浴中10分では264±135 (%) (p<0.05)、足浴後5分では256±174、浴後15分では146±60、浴後25分では112±23、浴後35分では107±24と漸減し、足浴前値に低下した。上肢の血流量は、浴前の血流量を100%とした時に、浴中10分では119±49、浴後5分では120±66、浴後15分では113±28、浴後25分では109±16、浴後35分では95±14と漸減し、浴前値に低下した。人工炭酸泉浴を用いた足浴の末梢循環に及ぼす血流増加効果が数量的 (2.6倍) に認められた。しかし、その効果は浴後5分間は持続するものの15分後より低下する事が示された。簡易で効果的な人工炭酸泉浴を用いた足浴は、下肢の難治性潰瘍や壊疽の治療・予防に有効であることが示唆された。
著者
皆川 諒 高田 哲司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.726-736, 2020-03-15

セキュリティ警告はセキュリティ脅威への遭遇可能性をICT利用者に伝え,それを回避可能にするための仕組みである.しかし,利用者の多くはセキュリティ警告を有効活用していないという現状がある.そこで本研究では,セキュリティ警告の効果改善を目的とし,「かわいい」と感じる視覚的刺激による行動誘引効果をセキュリティ警告に応用することを提案する.このアイデアに基づき,セキュリティ警告内に「かわいい効果」をもたらしうる画像を導入したプロトタイプ警告を実装し,それを用いて実験参加者による評価実験を行った.その結果,かわいい効果を導入した警告は既存の“そうではない”警告と比較してセキュリティ警告内の警告文を理解するよう利用者を誘引できる,という結果を得た.
著者
高田 三枝子
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.48-62, 2008-10-01

本研究では日本語の語頭の有声閉鎖音/b,d,g/のVOT(Voice Onset Time)について,全国的に収集された音声資料を分析し,この音響的特徴の全国的な地理的,世代的分布パタンを明らかにするものである。分析の結果,祖父母世代の地理的分布から,北関東を移行地帯として間に挟み,大きく東北と関東以西という東西対立型の分布が見られることを指摘し,さらに関東以西の地域では近畿を中心とした周圏分布が見られることを提案した。すなわち古くは,東北は語頭有声閉鎖音のVOTがプラスの値となる音声すなわち半有声音として発音される地域,関東以西は逆にVOTがマイナスの値となる音声すなわち完全有声音として発音される地域として明確な地域差があったといえる。しかし同時に,世代的分布からこの地理的分布パタンが現在消えつつあることも指摘した。完全有声音が発音されていた地域では,現在全域的にVOTがより大きい値(プラス寄り)の音声に変わりつつあると言える。すなわち日本語の語頭有声閉鎖音は全国的に半有声音に統一される方向の音声変化の過程にあると考えられる。
著者
高田 明典
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.1-4, 2009-08-14

コミックやアニメーション,コンピューターゲームやコマーシャルフィルムや映画などの娯楽制作物は,今日では,私たちの生活に深く影響を及ぼしている.私たちはそれらをプレイもしくは視聴することによって価値観を形成し,その価値観とともに生きている.娯楽に関する分析的研究の主たる目的とは,したがって,それによってどのような価値観が,どのようにして形成されるかを知ることにあると言える.本研究の目的は,それらの娯楽制作物の訴求構造を知るために,物語構造分析の手法を適用可能であるように精緻化することにある.コミック 『DEATH NOTE』,『CHANEL No.5』 のコマーシャルフィルム,RPG 『テイルズ・ウィーバー』 についての分析結果を提示し,それらの訴求構造に関して検討した.Entertainment products such as comics, animations, video games, ad film and movies deeply influence our life nowadays. We form sense of values by playing or viewing them and also live by those values. Therefore the primary goal of analytical entertainment studies is to know what those values are and how they are formed. The purpose of this study was to improve the methods of structuralism's analysis of narrative so that we can apply them to know apealing structures of entertainment products. Three sample analysis - comic "DEATH NOTE", ad film "CHANEL No.5" and RPG "Tales Weaver"- were presented and resulted appealing structures were discussed.
著者
高田 瑞穂
出版者
成城大学文芸学部
雑誌
成城文芸 (ISSN:02865718)
巻号頁・発行日
no.9, 1957-04
著者
高田 祐一 昌子 喜信 矢田 貴史
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.99-102, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
参考文献数
5

文化財調査の現場においては、デジタル技術が浸透しつつある。デジタル機器によるデータ取得時の必要精度やファイル形式など、デジタルならではの留意すべき点がある。一方、デジタル技術の活用によって文化財に関する情報発信という点においては、広く周知するということが可能となった。特に発行部数に限りがあることから、閲覧環境の確保に課題のあった発掘調査報告書について、電子公開する事業が全国展開され、活発な利用がなされている。これらの動向に対応するため、文化庁はデジタル技術活用について、『埋蔵文化財保護行政におけるデジタル技術の導入について』にて対応指針を報告している。本稿では、行政における文化財情報の電子化と発信という点において、近年の動向を整理したうえで、課題と見通しを考察する。
著者
高田 博行
雑誌
学習院大学ドイツ文学会研究論集 (ISSN:18817351)
巻号頁・発行日
no.15, pp.89-159, 2011-03-20

Es ist in der einschlägigen Literatur unumstritten, daß die Reden von Hitler einen grundlegenden Anteil an seinem Erfolg in Partei und Politik hatten. Ausgehend von der Auffassung, daß signifikant häufiger auftretende sprachliche Muster (bestimmte Lexeme oder Lexemverbindungen) als Ausdruck der außersprachlichen gesellschaftlichen Organisation bzw. als Ausdruck rekurrenter Sprachhandlungen des Autors gedeutet werden können (vgl. Bubenhofer/Scharloth [im Druck]), untersucht die vorliegende Arbeit mit korpuslinguistischen Methoden ("semtracks semantic matrix engine") insgesamt 558 Hitlerreden mit ca. 1.500.000 Wörtern auf ihre lexikalischen Muster hin und versucht, auf diese Weise die Eigenschaften der Reden vor und nach der Machtergreifung herauszufinden. Zur präziseren Erfassung der Veränderungen wurden die beiden Zeitphasen jeweils in zwei weitere Teilphasen unterteilt: Phase 1 – aufgrund der Ernennung von Goebbels zum Reichspropagandaleiter der NSDAP im April 1930 – in die Teilphasen 1a und 1b, Phase 2 – aufgrund der Kriegseröffnung im September 1939 – in die Teilphasen 2a und 2b. Nach den Berechnungen von für die jeweiligen Zeitphasen typischen Lexemen und Lexemverbindungen mittels der Log-Likelihood-Ratio (LLR) und t-Score läßt sich Folgendes feststellen: Der größte Unterschied zwischen den Reden vor und nach der Machtergreifung, also zwischen Phase 1 und Phase 2, betrifft den Gebrauch der Pronomen man, ich und du. Statt des Pronomens man, das Hitler in Phase 1 im Vergleich mit Phase 2 sehr viel häufiger gebraucht (LLR: 1157,94), wird in Phase 2 das Personalpronomen ich signifikant häufiger benutzt (LLR: 406,89); dies ließe sich als Indikator dafür interpretieren, daß Hitler nun in Phase 2 die Indefinitheit bzw. die (scheinbare) Objektivität von man zugunsten der Definitheit bzw. der unabhängigen Subjektivität von ich weitgehend vermeidet. Den ebenso außerordentlich häufigeren Gebrauch von du in Phase 1 kann mit Parteigenossen und Nazi-Sympathisanten als überwiegender Zuhörerschaft in Zusammenhang gebracht werden. Den zweitauffälligsten Kontrast stellt die Verwendung der konditionalen Konjunktion wenn dar. In den Wahlkämpfen vor der Machtergreifung spricht Hitler in Phase 1 signifikant häufiger von wenn (LLR: 599,40), um den Zuhörern in appellativer Weise (oft fiktive) Sachinhalte vor Augen zu führen, die gewisse andere Sachverhalte voraussetzen (Wenn wir von Treue reden, die uns verlorenging, dann soll man nicht auf Treue hoffen, wenn wir selbst sie preisgeben; Rede vom 02.11.1932). Typisch für Phase 1 ist auch der Gebrauch des Modalverbs müssen (LLR: 216,77), mit dem Hitler die zwingende Notwendigkeit seiner jeweiligen Behauptungen signalisiert. Eine Reihe von Lemmata, die Hitler in seiner NS-Bewegung in Phase 1 zur Bezeichnung der zu verleumdenden Referenten braucht, wie z. B. Weimarer System (LLR: 236,27), Republik (LLR: 231,66), Volkspartei (220,05), Marxismus (LLR: 201,55), Jude (LLR: 186,63), Bürgertum (LLR: 181,60) und bürgerlich (LLR: 160,68), verlieren in Phase 2 – einschließlich der Lexeme Bewegung (LLR: 376,85), Idee (LLR: 150,48) und Begriff (LLR: 205,78) – ihre früheren Stellungen in den Hitlerreden. Nach der Machtergreifung gilt sowohl bei Triumphen als auch Niederlagen die göttliche Vorsehung (LLR: 239,88) jenseits des Menschenwerks als oberste Legitimationskategorie für Hitlers Projekte. Unter den Adjektiven in Phase 2 hat das Lemma nationalsozialistisch (LLR: 421,57) zusammen mit deutsch (LLR: 209,82), kulturell (LLR: 204,40) und geschichtlich (LLR: 168,05) eine zentrale Bedeutung. Bei staatlichen und öffentlichen Veranstaltungen einschließlich der Kunstausstellungen im Rahmen der Friedenspropaganda in Phase 2a (Ausstellung und Frieden gehören auch zu den typischen Lexemen in diesem Zeitabschnitt), also in der Zeit zwischen der Machtergreifung und der Kriegseröffnung, mußte Hitler in seinen Reden als "Führer" mehr oder weniger mit Wendungen offiziellen Charakters sprechen. Die Substantive Ausdruck (LLR: 57,54), Bekenntnis (LLR: 53,76), Verständnis (LLR: 36,60) und Aufgabe (LLR: 39,87) als signifikant häufigere Lemmata in Phase 2a im Vergleich mit Phase 2b stehen – nach der Berechnung der t-Score – dementsprechend mit bestimmten Verben in festen Verbindungen, die als Funktionsverbgefüge bezeichnet werden und auf konzeptionelle Schriftlichkeit verweisen: etwas zum Ausdruck bringen, Ausdruck finden, etwas Ausdruck verleihen/geben, Bekenntnis ablegen, Verständnis aufbringen, jemandem eine Aufgabe stellen. Auch schriftsprachlich klingende vorangestellte erweiterte Partizipialattribute in diesen und ähnlichen verbalen Fügungen finden sich in dieser Zeit: Das Entscheidende aber bleibt stets, daß er dem Gesamtzweck der gestellten Aufgabe eine entsprechende und ihn klar zum Ausdruck bringende Form gibt (Rede vom 11. 09. 1935). Die typischen Lemmata in Phase 2b, also nach der Kriegseröffnung, stammen (erwartungsgemäß) aus dem Wortfeld "Krieg" oder benennen die Kriegesgegner: Krieg (LLR: 244,43), Wehrmacht (LLR: 304,03), Luftwaffe (LLR: 163,67), Soldat (LLR: 288,72), polnisch (LLR: 163,67), britisch (LLR: 298,22), Churchill (LLR: 222,00) und Roosevelt (LLR: 220,63).
著者
高田 智和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.58, pp.45-52, 2004-05-28

大字典データベースの主な改善点として,収録範囲を『大字典』のすべての掲出字に拡大したこと,JIS漢字の範囲内で「異体字」を追加したこと,字種コードの設置の三点がある。異体字関係にある複数自体をひとつにまとめ,字体の上位概念として字種を設定してコード化する。字種コードは,大字典データベースに漢字シソーラスの機能を与えるとともに,漢字字体処理にとって有益である。字種コードを利用した漢字字体処理の事例として,「石塚漢字字体資料」のデータベース化について解説する。There are the three main improvements in Daijiten database. The first, all the characters of Daijiten are recorded Daijiten database. The second, it adds some kanji variants within JIS X 0208:1997. The third, it has JISHU-code. JISHU is put on a higher rank of every kanji variants having the same meaning and pronunciation. And JISHU-code gives Daijiten database the functions as "kanji Thesaurus". So it is expected that Daijiten database added JISHU-code processes kanji characters and kanji variants usefully. Also, this paper reports the example of using. Daijiten database for the graphic database of writing and printed kanji characters in East Asia by Prof. ISHIZUKA.