著者
北尾 真梨 津田 聡子 山口 智子 高田 哲
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.83-90, 2018 (Released:2018-07-31)
参考文献数
16

医学上の倫理的意思決定の実態と、看護師の参加実態と参加に関連する要因を明らかにするために質問紙調査を行った。1. 対象疾患として超低出生体重児、18トリソミー、重症新生児仮死を含む29疾患があげられた。また、家族は意思決定の場に参加しないことや、決定の主体となっていないこともあることが明らかになった。2. 看護師が意思決定の際に 「よく理解していた」 ものは 「子どもの現在の状態」 であったが、子どもの治療の決定に最も影響を与えるものとしては 「両親の希望」 であった。3. 意思決定に参加した経験のある看護師は26.1%であった。参加に関連する要因は、 「東京女子医大のクラス分け」 と 「淀川キリスト教病院のガイドライン」 への認知度であった。以上の結果から看護師に求められる役割として、1. 家族が決定の主体となるために情報を提供し、思いを傾聴することで意思決定の過程をサポートすること、2. 子どもの立場に立った意思決定を行うこと、3. 看護師自身が意思決定に参加していくために、組織として学習システムを構築すること、があげられた。

4 0 0 0 OA 松屋筆記

著者
小山田与清 (高田) 著
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第2 巻之68−92, 1908
著者
高田 亮
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.110, no.2, pp.245-256, 2001-04-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
39
被引用文献数
3 2

Basaltic volcanoes above oceanic crust or island-arc crusts develop calderas. Upon the formation of this caldera, the collapsed volume was generally far larger than erupted volume. Caldera width, its depth, and caldera horizontal width (CR) / volcano size (VR) depend on the physical properties of an oceanic crust. The CR/VR ratio decreases away from the ridge. At Fernandina volcano, Galapagos, the elongated caldera of 3.5 km × 2.5 km was formed in 1968 during a phase dominated by circumferential fissure eruptions after a phase dominated by radial fissure eruptions. At Kilauea volcano, Hawaii, during a phase dominated by central eruptions, several drain backs of lava lake ccurred from 1800, and, finally, a caldera of 1 km in diameter collapsed in 1924. Caldera collapse seems to be inevitable because accumulated crystals and solidified magma under a volcano increases gravitational instability. According to the gravitational collapse model proposed in this paper, it is difficult to determine when, how wide, and how deep a caldera collapse will occur. The magma plumbing system expands horizontally and vertically during long-term growth. Caldera collapse should contribute to vertical growth. Horizontal growth and vertical growth are governed by physical properties of the crust beneath the volcano; the former process is dominant in Hawaii, and the latter in Galapagos. In the case of Miyakejima volcano, the caldera collapse may be triggered by dike intrusions into a region with a low probability of intrusions or by an increase in the magma supply beneath the magma chamber. At the Miyakejima eruption in 2000, the caldera of 1.5 km in diameter formed in the shallow crust; ductile mass or dense magma with crystal mush may have moved downward or northwestward in the deep crust.
著者
高田 靖司 植松 康 酒井 英一 立石 隆
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.89-94, 2014-06-30 (Released:2014-06-30)
参考文献数
24

隠岐諸島をはじめ,本州から九州におけるカヤネズミ(Micromys minutus)の12集団について,下顎骨の計測値にもとづき,多変量解析(主成分分析,正準判別分析)をおこない,地理的変異を分析した.その結果,下顎骨について,全体的な大きさ(第1主成分)には集団間で差は認められなかったが,形(第2–第3主成分)には集団間で有意な差が認められた.特に,第2主成分は島の面積との間に有意な相関が認められたので,何らかの要因が形態変異に作用した可能性がある.正準判別分析では,隠岐諸島の集団間で形態変異が認められた.この変異には島の隔離に伴う遺伝的浮動が働いたと考えられた.しかし,下顎骨の大きさ(第1主成分)について集団間で差がみられず,また,遠く離れた地域の集団間で形態的な違いがみられなかった.これは,Yasuda et al.(2005)が明らかにしたように,日本列島におけるカヤネズミの低い遺伝的多様性を反映しているかもしれない.

4 0 0 0 OA 波多野盛衰記

著者
高田紅濤 (彰) 著
出版者
篠山印刷会社
巻号頁・発行日
vol.巻之1, 1910
著者
木浦 勝行 瀧川 奈義夫 市原 英基 中村 栄三 吉野 正 高田 穣
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

健常雄性 Slc: Wistar ラット 10 匹に鉄およびキレート剤を腹腔内へ反復投与し,5 匹で悪性腹膜中皮腫を認めたが,コントロール群,キレート剤投与群では認めなった。免疫染色(Calretinin, CEA 染色),電子顕微鏡による観察を行い,いずれも上皮型中皮腫であることを確認した。また,DNA 酸化損傷マーカーである 8-hydroxy-2-deoxyguanosine による免疫染色は陽性であり,従来の学説は確認された。ラジウムを含む微量元素を最終解析中である。
著者
藤本 灯 韓 一 高田 智和 Akari FUJIMOTO Yi HAN Tomokazu TAKADA
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 = NINJAL Research Papers (ISSN:21861358)
巻号頁・発行日
no.21, pp.85-94, 2021-07

京都府立大学韓国国立釜慶大学 大学院生国立国語研究所 研究系 言語変化研究領域古代の日本の辞書には,様々な構造を持つものがあり,各辞書の構成や仕様を理解していなければ解読が困難な面があった。また注文から必要な情報を抽出するためには,隈なく目視で捜索する必要があった。順不同に入り組んだ注文の情報から,効率的に目的の情報に到達するためには,注文に存在する要素の属性が,それぞれ可能な限り定義づけられているべきである。本稿では,平安時代の代表的な漢和辞書である『和名類聚抄』を例として,いかにその構造を記述することが可能か,検討し,『和名類聚抄』の内容に適したタグを設計した。There were many kinds of dictionaries in ancient Japan. Therefore, without highly specialized knowledge, it is quite difficult for users to interpret their contents. Furthermore, users have been compelled to seek the necessary information based on visual observation of the dictionaries. To effectively find the required information within a complex description, a strict definition of the contents is required.This paper thus proposes a model for such a structured description and discloses the tagged data by using Wamyō-Ruijushō, a representative dictionary of the Heian Era in Japan.
著者
高田 陽 倉本 宣
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1915, (Released:2021-04-20)
参考文献数
30

市民科学プロジェクトの関係者の中で、プロジェクトの主催者の利益については明瞭であるが、ボランティアとして参加する市民の利益は多様で分かりにくい。このため、市民の参加動機(期待する利益)を調査することで市民にとっての利益を明らかにし、十分な利益を市民に与えることができるようなプロジェクトの設計を行う必要がある。本研究では東京都鳥類繁殖分布調査島嶼部において島外から伊豆諸島での鳥類ラインセンサス調査に参加した市民を対象に、遠隔地で専門家が市民に帯同する市民科学プロジェクトに対する参加動機の特徴を明らかにすることを目的とした。対象とした市民科学プロジェクトでは、伊豆諸島外に在住する一般市民からの参加者と東京都鳥類繁殖分布調査島嶼部の主催者が調査地に同行し、最長で 4日間共同生活を送りながら調査が実施された。本研究では市民参加者に対する参加動機のアンケート調査、とそれを補完する聞き取り調査を行った。最も多い参加動機はツーリズムに関する「島の自然の魅力」と社会貢献に関する「調査目的への共感」であり、市民が自主的に自然科学を行う「学び」と「調査の楽しさ」や「科学への貢献」が続いた。「友人づくり」や「家族・友人による紹介」などの一般的な人間関係に関する項目は動機として重要でなかった。既往研究と比較し、「調査目的への共感」が高い傾向は一致したが、本調査結果の特徴として「島の自然への関心」と「学び」に関する関心が高い傾向があった。聞き取り調査から「島の自然への関心」が選ばれた理由として、観光的な動機の他に、生物多様性保全上の意義をあげる意見も見られた。「学び」については、聞き取り調査から市民参加者は調査方法の学習に対する関心が高いことが推測された。それぞれ遠隔地という要素と専門家の帯同という要因が影響していると推察された。この結果をもとに生物多様性保全に関わる市民科学プロジェクトの効果的な企画が可能になると考えられる。
著者
高田 治樹
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.71-89, 2018-03-02 (Released:2018-04-11)
参考文献数
57
被引用文献数
4

Psychological outcomes achieved by university students as a result of club activities were investigated, and club activities were classified in relation to organizational traits. University students (n=459) participated in Study 1 and (n=193) participated in Study 2. The results indicated that psychological outcomes could be classified into three categories: adjusting to the group, practicing, and growth through events. Adjusting to the group was related to events that cultivated personal exchanges, practicing was related to events that completed practice, and growth through events was related to events associated with facing the self. Moreover, psychological outcomes were related to organizational traits of openness and group formality. Based on these findings, suggestions for achieving efficient group management are discussed.
著者
市橋 透 西埜植 規秀 高田 康二 武藤 孝司
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.1-8, 2015 (Released:2015-02-16)
参考文献数
38
被引用文献数
3 1

目的:成人期に増加する歯周病は細菌感染による慢性疾患であるが,生活習慣とも関連が深い.したがって,歯周病と健康行動との関連を明らかにしていくことは,歯周病予防に重点を置いた保健指導を効果的に推進していく上で重要と考える.そこで,本研究は歯周病が進行した状態にある歯周ポケットに着目し,その有無に関連する健康行動を明らかにすることを目的とした.対象と方法:対象は歯科保健プログラムを全員参加方式で実施した某企業の従業員3,850人で,同時に実施した質問紙調査に回答し,本研究への協力に同意の得られた者3,142人(男性2,429人,女性713人,42.4±10.5歳,範囲20–59歳)とした.歯周組織の状態はCommunity Periodontal Index(CPI)の個人コードで評価し,歯周ポケット無し群(CPI個人コード2以下)と歯周ポケット有り群(CPI個人コード3以上)に分類して健康行動(歯みがき習慣,デンタルフロスおよび歯間ブラシの使用状況,歯科受療状況,ブレスローの健康習慣など)との関連性について比較検討を行った.さらに,歯周ポケットの有無に関連する健康行動を明らかにするため,歯周ポケットの有無を目的変数,説明変数に健康行動の項目を用い,性別,年齢階級,職種を調整変数としてロジスティック回帰分析を行った.結果:ロジスティック回帰分析結果から,歯周ポケット「有り」に関連する好ましくない健康行動は,デンタルフロスを使用しない(OR=1.95(95%CI: 1.57–2.41))が最も高く,タバコを吸う(OR=1.71(95%CI: 1.44–2.03)),1日の歯みがき1回以下(OR=1.33(95%CI: 1.10–1.61))であった.考察:歯周病予防対策が中心となる職域での歯科保健プログラムにおいては,デンタルフロスの使用率の向上と1日2回以上の歯みがき習慣の定着化,歯周病のリスク因子である喫煙対策に向けた健康教育や保健指導が重要であることが示唆された.
著者
夏秋 優 高田 伸弘 川端 寛樹 佐藤 梢 高野 愛
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.47-49, 2013-03-15 (Released:2013-07-06)
参考文献数
12
被引用文献数
5 8

We report a case of tick bite caused by Amblyomma testudinarium with a clinical feature of erythema migrans. The patient, a 60-year-old female, went hiking in the Rokko mountains in Hyogo prefecture on June 30. An erythematous macule with mild itching and a biting tick was found on the right side of her abdomen on July 2. On the first visit (July 4), an annular erythema of 10 cm in size was recognized on the abdomen. She had no systemic symptoms and laboratory data were within normal limits. The tick was identified as a nymph of Amblyomma testudinarium. The skin rash was successfully treated with topical corticosteroids and had almost disappeared 2 weeks later without antibiotics. Serum antibody titers against Borrelia afzelii , B. burgdorferi, and B. garinii on the first visit and 1 month later were negative. These results indicate that the skin rash in this case, erythema migrans, was not associated with Lyme disease but an allergic reaction to salivary gland substances of the tick. Similarities between southern tick-associated rash illness and our case (tick-associated rash illness) are also discussed in this report.
著者
高田 宏史
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2010

制度:新 ; 報告番号:甲3168号 ; 学位の種類:博士(政治学) ; 授与年月日:2010/7/21 ; 早大学位記番号:新5457
著者
高田 光康 樋口 進 中野 武
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.245, 2010 (Released:2010-11-07)

残留性有機汚染物質として注目されている有機フッ素化合物類の浸出水処理工程における除去特性について調査した。これら物質は、生物処理及び凝集沈殿処理工程では除去されず、活性炭吸着処理工程で良く除去されていることがわかった。活性炭による有機フッ素化合物類の除去能は、CODの除去能を上回っており、特に新炭及び入替直後の再生炭では高い除去率であった。
著者
相川 博 榎日 出夫 友田 靖子 高田 弘幸 山内 俊雄
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.195-203, 2000-10-31 (Released:2012-07-17)
参考文献数
12

TVアニメ「ポケットモンスター」視聴時に発作性症状を呈して医療機関を受診した175名 (平成9年度厚生科学特別研究対象症例) のうち、98名について、その後の経過について追跡調査を行い、発作性症状の出現と脳波所見との関連について検討することができた。脳波所見をもとに一般脳波で突発性異常波を示し、かっ光突発反応がみられたI型、一般脳波で突発性異常波がなく光突発反応がみられたII型、脳波異常のみられなかったIII型に分類した。その結果、I型に分類された35名のうち4名に光感受性発作、7名に自発発作の出現がみられた。自発発作のみられたもののうち3名は「ボケモン視聴時」以前にはてんかんの既往はなかった。II型に分類された18名のうち自発発作は1名のみで、4名に光感受性発作の出現がみられた。III型に分類された23名では、てんかんの既往のある1例のみに自発発作がみられた。追跡調査期間中に光感受性発作のみられたものは、すべて未服薬者か、たまたま怠薬していた者であった。