著者
近泉 惣次郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.149-155, 2000-03-15
参考文献数
9
被引用文献数
1 8

'アンコール'果の果面に発現するコハン症の発現機構を明らかにした.1. コハン症の発現は果皮組織のエージングと密接な関係を有しており, 果径が4cm以上になる9月から10月の2ヶ月間に発現するが, その場合4月開花の果実に発現し, 7月開花の果実には発現しなかった.この症状は果実の陽光面に発現するが, 日陰面では発現が見られなかった.この陽光面の果面温度は38℃以上の高温となっており, この温度が4∿5時間続くとコハン症が発現した.そこでハウスのアーチ部を遮熱資材で被覆し, 果面温度を30℃以下に保ったところコハン症の発現はかなり軽減された.2. コハン症発現部をみると, 油胞組織の果皮表面部に小さな亀裂が生じており, この部分から精油成分の漏出が認められた.この漏出精油成分は果皮の柔細胞を破壊し緑色の斑点症状を誘起した.その後この緑色斑点は時間の経過につれ黄色ないしは褐色に変色しコルク化した.'アンコール'果実から抽出した1油胞相当量の精油成分を人為的に果皮に注入したところ, 自然に発現するコハン症と同様の斑点症状の発現が認められた.
著者
寺岸 明彦 神原 嘉男 小野 浩
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.386-390, 1998-05-15
参考文献数
8
被引用文献数
5 2

1. 非循環閉鎖型養液栽培システムにおける1株当たりの吸液量は, 培養液の濃度がEC 1.2 dS/mの区で5月中旬からEC 1.8 dS/mの区よりも多くなり, 7月下旬には約1.8 liter/株/日に達した.2. 穂木の低温貯蔵の有無および貯蔵日数は挿し木苗の成苗率には影響を及ぼしたが, 定植後の新梢伸長および最下段着果節には影響を及ぼさなかった.3. 挿し木に用いる穂木径が太い方が下位節からの着果が認められた.4. EC 2.4 dS/mとして育苗し, 栽培中のECも2.4 dS/mとした区では約2節目から着果した.5. ファイトトロン内の明期を10時間または14時間として育苗し, 最下段着果節を比較しても差はなかった.
著者
久保 達也 木原 武士 平林 利郎
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.305-310, 2002-05-15
参考文献数
23
被引用文献数
11

ヒ酸鉛処理がナツダイダイ(Citrus natsudaidai Hayata)砂じょうのクエン酸シンターゼ(CS), NAD依存性イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(NAD-IDH)およびホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)活性に及ぼす影響について調査した.6月4日および7月2日の2回, 樹全体にヒ酸鉛処理を行うことによって, 9月上旬から1月にかけて明らかに砂じょうにおけるクエン酸蓄積が抑制された.ヒ酸鉛処理によって, CS活性は7月下旬から11月にかけて増大し, またNAD-IDH活性は8月上旬以降増大した.しかしヒ酸鉛はPEPC活性には影響しなかった.これらのことから, ヒ酸鉛処理によってTCAサイクルの回転は促進されるが, TCAサイクルへの基質補充量は変化しないために.結果としてミトコンドリアから液胞へのクエン酸輸送量が低下し, クエン酸蓄積が抑制されると考えられた.
著者
山下 裕之 堀内 昭作 平 知明
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.249-255, 1993 (Released:2008-05-15)
参考文献数
16
被引用文献数
3 7

本研究は4倍性品種と2倍性品種を用いて交配を行い,その雑種個体獲得効率の低い原因を明らかにするとともに,3倍体作出の効率を高めるための胚培養を行った.交配親には4倍性品種の'巨峰と'マスカット•オブ•アレキサンドリア4倍体および2倍性品種の'マスカット•オブ•アレキサンドリア'と'ジュライ•マスカット'を用いた.1.交配により得られた種子の発芽率,胚形成率および胚乳の発育は自然受粉から得た種子と比べて著しく劣っていた.特に2倍体を種子親にしたものにおいて顕著であった.2.2倍体を種子親にした場合の種子の生育は,自然受粉の種子より勝り,逆に4倍体を種子親にした場合は劣っていた.一方,交配後9週間目における2倍体を種子親にした胚の大きさは,自然受粉の胚と比較してその発達程度に著しい差異は認められなかったが4倍体を種子親にした場合には自然受粉の胚に比べて著しく劣った.3.交配60~70日に胚を無菌的に摘出し,MSの基本培地に麦芽抽出物500mg•liter-1を添加した培地に植え付けた.3倍性胚を発芽させ,その後生長させることに成功した.4.実生個体の根端を観察したところ,57本の染色体が認められ,3倍体であることが確認された.5.ブドウの4倍体と2倍体を交配して3倍体を育成する場合,4倍体を種子親にする方が効率的である事が示唆された.
著者
杉浦 俊彦 黒田 治之 伊藤 大雄 本條 均
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.380-384, 2001-05-15
参考文献数
11
被引用文献数
1 4

特殊な形状から近赤外分光分析法による糖度測定の実用化が遅れているブドウ果実について, 比重と糖度との相関関係の有無を検討した.供試した果房の比重は, 水を使わずに体積が測定できる音響式体積計を利用して測定した.それぞれの果房の糖度は全果粒を採取して搾汁し, 屈折糖度計で求めた.1. '巨峰'の果房における比重と糖度の関係は収穫年次や産地が異なっても安定し, 同一直線上にのった.2. '巨峰'の比重と糖度の関係は16°Brix程度から23°Brix程度の広い範囲で高い相関係数(r=0.981<SUP>***</SUP>)が得られ, また回帰線の実測値と推定値の誤差(標準誤差)は0.35°Brixと低くかった.3. 'キャンベルアーリー', 'ネオマスカット'および'甲州'における果房の比重と糖度の間にも高い相関が認められた.4. 比重と糖度の間における回帰直線の傾きには品種間で有意な差はみられなかった.5. 以上の結果から, 比重測定によるブドウ果房の非破壊糖度測定の可能性が示唆され, また比重測定に音響式体積計が活用できる可能性が示唆された.
著者
山本 雅史 久保 達也 冨永 茂人
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.372-378, 2006 (Released:2006-09-25)
参考文献数
32
被引用文献数
14 52

カンキツにおける自家不和合性は結実不良の原因となることもあるが,単為結果性が備わった場合には無核果の生産につながる重要な形質である.そのため,本研究では主としてわが国原産のカンキツ類65種・品種(以下,品種と略)を供試して,その自家不和合性について解明するとともに,血縁関係のある自家不和合性品種間の交雑不和合性についても検定した.なお,不和合性は花柱内の花粉管伸長によって検定した.レモンは自家和合性であった.ブンタンでは 6 品種すべて,ブンタン類縁種では11品種中 7 品種,ダイダイおよびその類縁種では 6 品種中 2 品種,スイートオレンジおよびその類縁種では 5 品種中‘ありあけ’のみの 1 品種,ユズおよびその類縁種では 5 品種中ヒュウガナツのみの 1 品種,マンダリンおよびその類縁種では28品種中14品種が自家不和合性であった.キンカン類縁のシキキツおよび分類上の位置が不詳の辺塚ダイダイは自家和合性であった.すなわち,本研究で供試したカンキツ全65品種中31品種が自家不和合性であった.交雑不和合性はクレメンティンとその後代である‘ありあけ’との正逆交雑でのみ認められ,両者の不和合性に関する遺伝子型が一致していると推定できた.
著者
向井 啓雄 高木 敏彦 手島 洋二 鈴木 鐵男
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.479-485, 1996-12-15
被引用文献数
5 7

秋季にウンシュウミカン樹に強度と弱度の水ストレス処理(それぞれWS-s区およびWS-m区とする)を行い,果実各部位における糖含量を測定した.<BR>水ストレス処理により果皮と果汁の糖,特に還元糖が増加した.果皮においては特にフルクトースの増加が顕著であった.これらのことは水ストレスの程度が強い方が著しかった.<BR>WS-s区では果汁,果皮ともスクロースの増加の抑制が認められた.11月26日においてWS-s区の果皮の糖含量はWS-m区のそれよりも低い傾向であった.<BR>果梗部の方が果頂部に比べて糖含量は低いが,還元糖の比率が高かった.この傾向は水ストレス処理を行っても変化しなかった.<BR>果実部位やストレスの程度にかかわらず,水ストレス処理によって還元糖の増加が認められた.このことは蓄積部位でのスクロースの分解によるものなのか,あるいは転流段階での分解なのかについては今後の検討課題である.
著者
西沢 隆
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.559-564, 1992
被引用文献数
2

無加温のビニルハウス内で育てた一季成り性イチゴ'ダナー'を, 8月23日, 10月23日および11月23日に, 24°/22°C (昼/夜) •16時間日長のチェンバ内に移して育てた.<BR>1.8月23日に株をチェンバ内に移した場合, 葉柄長は上位葉ほど増加した. これは葉柄長当たりの表皮細胞数 (細胞数) が増加したためであった. しかし,葉柄の平均表皮細胞長 (細胞長) は上位葉ほど減少した.<BR>2.10月23日と11月23日に株をチェンバ内に移した揚合にも, 葉柄長は上位葉ほど増加したが, 8月23日に株を移した場合に比べると短かった.<BR>3.11月23日から3°C•暗黒条件下で42日間低温処理した後にチェンバ内に移した場合, 低温処理しなかった場合に比べてどの葉位でも葉柄長が増加した. この際, チェンバ内に移してから伸長する最初の3葉では,葉柄長の増加は, 主として細胞長が増加したことによるものであった. しかし, その後に伸長した葉では細胞数増加の関与もみられ, それは上位葉にいくにつれて大きくなった.<BR>4.以上の結果から, 栄養生長期から休眠期にかけてイチゴの株を高温•長日条件下で育てると, 展開する葉の葉柄の細胞長と細胞数は, 以下のように変化すると推察される.<BR>(1) 株が栄養生長期にある場合, 高温•長日条件下に移してから展開する葉の葉柄は, 上位葉ほど長くなる. この結果は葉柄の細胞数が増加することによるものである.<BR>(2) 秋には株がしだいに休眠状態になる. これと並行してクラウン内で生長中の葉柄の細胞分裂が短日•低温条件下で大きく抑制される.<BR>(3) 休眠期の株では, 葉が出葉期近くまで生長している場合, 低温処理は主として細胞長を増加させる.しかし, 葉柄が活発な細胞分裂期にある場合, 低温処理は主として細胞数を増加させる.
著者
鈴木 鉄男 金子 衛 鳥潟 博高 八田 洋章
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.37-44, 1968

温州ミカンの水分不足度をあらわす指標として, 葉の飽和水分不足度 (W.S.D.) をとりあげ, その日変化, 季節変化をほ場栽植と鉢植えミカンについて実測し, さらに気象要因, 土壌水分との関係について調査を行なつた。<br>1. 夏期における葉のW.S.D.の日変化は, 日の出とともに上昇し, 12時にピークを示し, 以後下降して18時に最低となつた。冬期の日変化は夏期とほぼ同様の傾向を示したが, その動きは小さかつた。<br>2. 葉のW.S.D.の季節変化は, 冬期は1月上旬以降の低温と寒風によつて急上昇し, 2月上旬にピークを作り, 以後3月下旬までは次第に下降した。春期は4月中は低い値で経過したが, 5月上旬は春先の乾燥と新しようほう出などの関係で急上昇して一つのピークを作り, その後は6月上旬にかけてやや下降した。夏期は高温, 乾燥とあいまつて7月上旬から8月下旬にかけて高い値を示し, とくに8月上旬は顕著で最高のピークを形成した。秋期は9月中は比較的高い値で経過したが, 10月上旬からは次第に下降した。<br>3. 冬半期と夏半期における葉のW.S.D.と各気象要因との相関関係をみたところ, 冬半期のW.S.D.は気温, 地温, 降水量, 飽差とそれぞれ高い負の相関を示し, 夏半期のW.S.D.は気温, 地温, 飽差と高い正の相関を示した。<br>4. 秋期から冬期にかけて, 風に当てた場合の葉のW.S.D.の変化をみたところ, 風速が増すにつれてW. S.D.は上昇し, また風に当てた時間が長いほどW.S.D. は上昇した。さらに枝しよう内の蒸騰流の速度は, 風に当てることによつて明らかに大となり, 土壌が乾燥するにつれて流速は低下した。<br>5. 土壌含水量の変化と葉のW.S.D.の関係をみた結果, 夏期は両者の間に高い負の相関があり, 曲線回帰方程式によつて葉のW.S.D.から土壌含水量が推測できた。なお, 土壌水分がほ場容水量~水分当量の間にある時はW.S.D.の変化は緩慢であつたが, 水分当量以上に土壌が乾燥するとW.S.D.は次第に上昇し, その後は乾燥にともなつて急上昇した。W.S.D.が8%になると葉に干害徴候があらわれ, 10%に達すると果実の外観にも干害徴候が出始めた。冬期においては土壌含水量とW.S.D.の相関は認められず, 冬期に葉のW.S.D.が上昇するのはむしろ気象要因によるところが大きいようである。
著者
立石 亮 井上 弘明 山木 昭平
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.586-592, 2001-09-15
被引用文献数
3 17

アボカド果実の軟化における各種グリコシダーゼの役割についてはほとんど知られていない.そこで, アボカド果実の軟化に伴う数種のグリコシダーゼ活性を測定した.β-ガラクトシダーゼ, α-L-アラビノフラノシダーゼおよびβ-グルコシダーゼ活性は果実の成熟に伴って上昇し, 特に, β-ガラクトシダーゼ活性の変動は果実の軟化と一致した.疎水性クロマトグラフィーおよび陽イオン交換クロマトグラフィーによってβ-ガラクトシダーゼは3つのアイソフォームに分画され, これらをAV-GALI, AV-GAL IIおよびAV-GAL IIIとした.AV-GALIおよびAV-GALII活性は, 果実の追熟中のどのステージからも検出され, また, ほとんど変化しなかったのに対して, AV-GAL III活性は, 採取後4日目の果実ではじめて検出され, 果実の軟化に伴って増大した.アボカド果実の細胞壁から調整した4つの多糖類画分に対しての各アイソフォームの反応特性を調べたところ, AV-GALIおよびAV-GAL IIと比較してAV-GAL IIIはグアニジンチオシアン酸塩(GTC)可溶性の多糖類から, D-ガラクトース単糖を効果的に遊離した.AV-GAL Iは4つの多糖類画分のどれからも, D-ガラクトースを遊離することはできなかった.従って, アボカド果実における3つのβ-ガラクトシダーゼアイソフォームのうち, AV-GAL IIIがアボカド果実の軟化に最も重要な役割を果たしていると考えられる.
著者
間苧谷 徹 町田 裕
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.41-48, 1980
被引用文献数
6 15

本実験は, 夏季の土壌乾燥が, ウンシュウミカンの果実品質に及ぼす影響を検討し, 更に, はち植え幼木の実験で示した既報(14)のかん水開始時の ψ<sub>max</sub> を, ほ場の樹で再検討した.<br>1. 9月1日の ψ<sub>max</sub> と1果重(果径), 屈折計示度及び遊離酸含量との間には, 9月7日及び12月6日の採取果とも高い相関関係が認められた. 9月と12月とで, ψ<sub>max</sub> と屈折計示度の直線は -14bar 前後で交差し, ψ<sub>max</sub> が -14bar より低下した樹では, 12月の屈折計示度の方が9月より低下した. これに対して, 9月と12月の遊離酸含量の間には, 平行移動に似た関係が存在した.<br>2. 9月1日の ψ<sub>max</sub> と12月6日の果実比重との間には, ψ<sub>max</sub> -11bar 前後を屈曲点に2種類の曲線関係が存在した. すなわち, ψ<sub>max</sub> が -11bar 前後までは,ψ<sub>max</sub> の低下に伴い果実比重は小さくなったが, ψ<sub>max</sub> がそれ以下になると, 逆に果実比重は増加していった.<br>3. 9月1日の ψ<sub>max</sub> と12月6日の果皮の着色程度との関係は余り密接でなく, 両者の間を直線関係とみなして相関係数を求めると, -0.7410であった.<br>4. 果実品質を余り低下させないですむ限界のかん水開始時の ψ<sub>max</sub> は -7bar 以上であり, ψ<sub>max</sub> をそれ以下にしない水管理が重要である. 出来れば, ψ<sub>max</sub> が-5.5bar 前後でかん水することが望ましい.<br>5. ψ<sub>max</sub> が -5.5bar に低下した後, 3mm/day のかん水で, ψ<sub>max</sub> を -5bar 前後に維持出来た. また, このかん水量で適湿区と近似した品質の果実が生産出来た.
著者
太田 勝巳 細木 高志 松本 献 大宅 政英 伊藤 憲弘 稲葉 久仁雄
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.753-759, 1997-03-01
被引用文献数
8 15

定植後から収穫終了まで園試処方標準濃度液で水耕栽培したミニトマトについて,完熟果実の裂果発生時刻と果実横径の日変化および植物体内の水分移動との関係を調査した.<BR>1.夏季に'サンチェリー'の完熟果実250果を対象として,1時間ごとに裂果発生の有無を調査した.その結果,裂果は早朝に多く発生し,とくに午前4時~6時には裂果したすべての果実の43%が裂果した.<BR>2.夏季には'サンチェリーエキストラ',秋季には'サンチェリーを供試して,完熟果実横径の日変化をレーザー式変位センサーを用いて測定した.その結果,両品種,両季節とも早朝(午前6時~8時)に果実横径が増加し,午前中には減少し,午後からふたたび増加した.果実横径の増加は裂果発生の直前か裂果発生直後に大きかった.<BR>3.'サンチェリーエキストラ'の植物体内の水分移動量を茎流センサーを用いて測定した結果,茎と葉柄においては昼間水分の流入が多く,夜間水分の流入は少なかった.果柄においては昼間に水分が果実から流出し,夜間から早朝にかけて果実へ流入していた.<BR>以上の結果から,夜間から早朝にかけて果実内に水分が移動することによって果実の膨張が引き起こされ,果皮が内圧に耐えられなくなり,その結果として裂果が発生していると推察される.
著者
板村 裕之 福嶋 忠昭 北村 利夫 原田 久 平 智 高橋 芳浩
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.867-875, 1994
被引用文献数
3 2

カキ平核無の果実の脱渋後の軟化と樹体条件, とくに葉との関連について調べた.<BR>1.樹勢が弱く落葉時期が早い樹と, 9月以降にビニール被覆を行って, 落葉時期を遅らせた樹と生育中庸な対照区の樹からそれぞれ果実を採取し, アルコール処理を行った後の20°C条件下における果実の軟化を比較した. その結果, 早期落葉樹からの果実は対照区の果実に比べて, 軟化が早く, 逆に落葉が遅れた区の果実は軟化するのが遅かった.<BR>2.7月21日に摘葉処理を行い, 9月11日, 9月30日, ならびに10月15日にそれぞれ果実を採取して, アルコール脱渋後の軟化を調べた. いずれの採取時期の果実でも, 摘葉処理は脱渋後の果実のエチレン生成を促進した. さらに, 9月30日および10月15日採取の果実では摘葉処理区の果実の軟化は無処理区(対照区) に比べて7~10日促進された.<BR>3.9月7日に50ppm GA散布処理を行い, 9月15日, 9月25日, ならびに10月12日に果実を採取して, 脱渋処理を行った. いずれの採取時期の果実でも, 脱渋後の果実のエチレン生成量はGA処理の影響をまったく受けなかった. しかし, 10月12日採取果ではGA処理は, 明らかに果実の軟化を抑制した.<BR>4.10月20日に摘葉処理を行った区と, 摘葉処理の4日前に50ppm GAを前処理した区の果実を, 11月2日に採取して脱渋処理した. 脱渋後の果実のエチレン生成量は, 摘葉処理やGA前処理の影響をほとんど受けなかったものの, 摘葉処理区は果実の軟化を促進した. また, この軟化促進効果はGA前処理によってほぼ完全に打ち消された.<BR>5.7月21日に摘葉した区と対照区の果実を11月15日に採取し, 内生のGA様活性を比較した. 対照区では, 比較的高いGA様活性が認められたのに対して, 摘葉区では抑制分画は認められたが, GA様活性はほとんど認められなかった.<BR>以上の結果から, 葉が樹体に着生していることが,採取脱渋後の果実のエチレン生成を抑制する効果があるものと考えられた. また, 葉のエチレン生成抑制効果はGA以外のものによっていると思われた. さらに,成熟果においてはエチレン生成から軟化にいたる一連の反応のどこかを葉由来のGAが阻害している可能性が示唆された.
著者
宍戸 良洋 尹 千鍾 湯橋 勤 施山 紀男 今田 成雄
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.771-779, 1991
被引用文献数
4 9

トマトにおける葉の光合成速度および転流•分配の経時的変化と葉の物質生産に対する寄与度について検討するため<sup>14</sup>CO<sub>2</sub>を用いて実験を行った.<br>1). 第3葉と第7葉 (花房直下葉) の光合成速度は若い葉で高く, 発育するに従って低下した. しかしながら, 1葉当たりの光合成量は葉面積の増加度の高い間は増加し, 葉面積の増加が鈍化すると減少し, 葉の完全展開直前に最大になった.<br>2). 各葉の基本的なソース•シンク関係はその葉の近くの非光合成器官 (根や果実) をメインのシンクとし, 作物の生育ステージごとに, シンク間の発育程度の違いによるシンク間の競合と位置関係によって光合成産物の分配パターンは決定されることが示唆された.<br>3). 全葉の全光合成量からシンクにおける物質生産に対する各葉の寄与度を計算し, 果実では2~4枚の葉で果実の物質生産の60~80%を賄っていることならびに1枚の葉の最大限の寄与度は30%前後であるものと推定した.<br>4). 葉はその葉齢や個体のステージによってその光合成能および各シンクに対する寄与度を変化させていくこと, その変化の最大の要因は果実の肥大量および速度とみられ, そのシンクのメインのソース葉の光合成量と転流率のピークもそのシンクの旺盛な生長時に一致するものと考えれる.
著者
小林 章
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.27-51, 1939

1. 京都帝大農學部附屬農場の室内葡萄ブラック•ハンブルグ種 (10年生)を使用し, 8, 9, 10, 11月の4ヶ月間に亘り, 室の東西兩側に於ける葉の一日の同化作用を2時間毎に測定比較し, 同時に各側に於ける葉の受光状態, 室温,葉温, 葉の含水量, 氣孔の開度を測定し, 前者との間に於ける相關關係の有無を觀察した。<br>2. 單位時間に於ける同化物質の集積並に消費は, 晴天日曇天日共に西側の樹が東側の樹に比し大であつた。但し, これは單に1日の環境差に基く結果のみでなく, 更に積年の環境差に由來する樹自體の現在の個體差が關與したものと思はれる。<br>3. 同化曲線は, 晴天日 (特に9月以降) には大體東側は午前8-10時と正午-午後2時に高値を有する双頂曲線となり, 西側は午前10時-正午にのみ高値を有する單頂曲線となつた。然るに雨天日には兩側共に午前10時-正午に高値を有する單頂曲線となり, 兩者の間に量的以外の顯著な相違は認められなかつた。<br>4. 葉の1日の受光状態 (9月中旬) は東側樹は午前7-11時に大體その全面に日光の直射を受け, 午後1時以後は日陰となつた。反對に西側樹は午前11時まで日陰であり, 午後1-5時に全面に直光を受けた。即ち室の東西兩側に於ける葉の受光状態は正午を中心として相反してなた。<br>5. 葉の受光状態と同化曲線を對比すると, 東側にては午前10時-正午即ち直光の強烈な時期が同化の不適期であり, 午前8-10時即ち直光の左程強烈ならざる時期, 及び正午-午後2時即ち散光の強き時期は適期であつた。西側にても東側同樣午前10時-正午の強き散光時は同化適期であり, 正午-午後2時の強き直光時は不適期であつた。要するに東西を通じて, 強き散光か, 或は左程強からざる直光は同化に好適であるが, 反對に強き直光は有害であつた。<br>6. 室温を比較するに, 晴天日には午前中は東側が高くその差の最も著しいのは午前8-10時で, 午後は反對に西側が高くその差の著しいのは午後1-2時であつた。室の中央部の氣温は, 午前7時-正午には東西兩側の中間に位し, 正午-午後2時には東西何れよりも低く, 午後2時以後には何れよりも高温を示した。曇天日には東西兩側に於ける差異は殆んどなかつた。<br>7. 東西兩側に於ける葉温を觀るに, 晴天日 (10月27日) には午前 (8-11時) は東側が高く, 例へばその平均温度は東側樹 (陽葉) 19.9°C, (西側樹 陰葉)16.9°Cであり, 午後 (1-4時) は反對に西側が高く丙側樹 (陽葉) 23.4°C, 東側樹 (陰葉) 21.9°Cであつた。即ち日光直射の有無に伴ひ, 正午を中心にして東西に於ける葉温は相反し, この場合東西の葉温差は午後よりも午前に著しく大であつた。曇天日 (10月29日) には葉温は主として氣温に一致し, 且つ東西に於ける差異は殆んどなかつた。而しで上述實驗の範圍内に於ては, 葉温と同化曲線との間には, 晴天日曇天日共に密接な關係を求めることは出來なかつた。<br>8. 單位葉面積當の平均含水量は, 西側の樹が東側の樹に比し常に大であり,且つその一日に於ける變化の状態は, 前者が後者に比し甚だ複雜であつた。併し, 含水率(含水量の生體重に對する百分比)は, 反對に東側が西側に比し大であつた。これは, 葉の含水率が, 主として同化量の多少に支配され變化した結果に依るものである。含水量と同化曲線との間には決定的な關係を認めることが出來なかつた。<br>9 氣孔の開度は晴天日 (9月21日) には, 1日の時間的變化が著しく,且つ東西兩側に於て明な差異を認めたが, 曇天日 (10月11日) には, 1日の變化が乏しく且つ東西に依る差異は殆んどなかつた。而して, 氣孔の開度と同化曲線との間には曇天日晴天日共に密接な關係を求めることは出來なかつた。<br>10. 斯くて, 日照の有無に伴ひ著しく變化する室温, 葉温, 葉の含水量, 氣孔の開度の何れもの一つが, 同化曲線を決定する主要制限要素とは認め難く, 結局一日中に於て, 午前8-10時の直光, 及び正午前後2時間の散光が同化に最も有效な條件を誘導し, 反對に正午前後2時間の直光が逆な條件を與へた事となる。<br>11. 而してこの事實は, 晩秋の晴天日に野外に於ける葡萄の葉の上表面をパラフイン紙を以て輕く覆ひ直光を遮ぎりたる場合に, 同化の機能が著しく促進された結果と稍通じてなて頗る興味がある。
著者
邨田 卓夫 山脇 和樹
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.723-729, 1989
被引用文献数
4

予措乾燥の効果について明らかにする目的で, 10種類のカンキツ果実を異なった湿度下で予措乾燥し, これらの果実を5°Cに貯蔵し, 予措乾燥中及び貯蔵中の果実の呼吸の変化を調べた.<br>1. 果実の目減りは, 低湿乾燥区 (64%RH) に比べて高湿区 (92%RH) は小さかったが, 同じ低湿乾燥区でもカンキツの種領によって目減りの程度が異なり, ハッサク, 川野なつだいだいでは目減りが小さく, ポンカン, イヨカン, マーコットでは大きかった.<br>2. 低湿乾燥区の果実の呼吸は高湿区に比べて予措乾燥期間を通じて下回る傾向を示した. 両区間の呼吸の差が統計的に明確なものはハッサク, 川野なつだいだい,サンボウカン, セミノール, 森田ネーブルオレンジ, 宮内イヨ, 太田ポンカンであった. これに対しマーコット, ミネオラ, 柳澄では両区間の差が有意でなかった.<br>3. 予措乾燥終了時の果実の乾燥の度合と呼吸量の間には相関関係が認められ, 一般に目減りが大きい果実ほど呼吸量が小さい傾向を示した. 果実重量の変化と呼吸量の間の相関係数 (r) は, セミノール;0.902, 川野なっだいだい; 0.819, 宮内イヨ; 0.748, ハッサク;0.555, 森田ネーブルオレンジ; 0.471, 太田ポンカン;0.430, サンボウカン; 0.420, マーコット; 0.362, であった. 柳橙とミネオラでは相関関係が認められなかった.<br>4. 5°C, 88±5% RHで本貯蔵中の果実の呼吸は太田ポンカン, 森田ネーブルオレンジ, ハッサク, 川野なつだいだい, サンボウカン, ミネオラ, 柳橙では予措乾燥効果が認められ, 低湿乾燥区の果実の呼吸は高湿区を下回った. 宮内イヨカン, マーコット, セミノールではその効果が明確でなかった.<br>以上の結果から, 中晩生カンキツの貯蔵に適当な予措乾燥が有効であると推論した.
著者
竹田 義
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.359-366, 1995-09-15
被引用文献数
9 5

1. 冷蔵庫を利用したロゼット苗の低温処理では, ロゼット打破の効果は10°Cが最も高く, 5~6週間処理した苗を用いることによって冬季に開花させることが可能であった.<BR>2. 暗黒条件では低温処理期間が3週間を超えると枯死苗の発生が増加したが, 白色蛍光灯を用いて低温処理中の苗に410lx程度の照明を行うことにより, 枯死苗の発生を防ぐことができた.<BR>3. 極早生品種の'若紫'と晩生品種の'フレッシュホワイト'では低温要求量にほとんど差がなかった.<BR>4. 10°Cで低温処理した本葉4枚, 6枚, 8枚苗は, 処理期間が5~6週間まで長いほど抽だいが早く, 苗齢による差はなかった. 抽だい時のロゼット節数は苗齢が小さいほど少なかったが, 開花時の節数と草丈および到花日数については一定の傾向は認められなかった.<BR>5. 低温処理によってロゼット打破された'福紫盃'を, 最低気温10°Cで栽培すると開花は促進されず, 最低気温15°Cでも生育は緩慢であった. 最低気温20 °C, 長日条件で開花が著しく促進されたが, 自然日長では抽だい後葉の分化を続けながら節間伸長し, 開花はそれほど促進されなかった.
著者
村松 昇 田中 敬一 朝倉 利員 立木 美保 土師 岳
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.541-545, 2004-11-15
被引用文献数
2 2

モモ果実由来の細胞壁中のアルカリ性溶液に可溶のペクチン性多糖類の単離及び分析を行った.モモ果実の粗細胞壁から,水とキレート剤(CDTA)によって溶出される多糖類を取り除いた後50mM Na_2CO_3, 1 M KOH及び4 M KOHを使って分画した.分画された多糖にイオン交換カラム・クロマトグラフィー(DEAE-Sepharose 5 cm×30 cm)を用いて,さらに分画を試みた.その結果,50mM Na_2C0_3画分の多糖類は更に分画できなかったが,1 M KOHでは3つ(1 M KOH-a, b, c), 4 M KOH (4 M KOH-a, b, c, d)では4つに,それぞれ分画できた.1 M KOH可溶性画分のうち酸性多糖類を含む分画(1 M KOH-b, c)についてさらに分析を行った.分画b及びcの主要な糖はそれぞれキシロースとアラビノースであった.分画bとcにゲルろ過(Sepharose CL 4B 1.5 × 30 cm)を行った結果,分画bの方が分画cよりも明らかに分子量が低かった.また,未熟果(8月7日収穫)から得られた細胞壁は過熱果(8月24日収穫)よりも分子量が両分画とも高かった.さらに,キシラナーゼ処理と糖分析の結果から,分画bはキシランとラムノガラクツロナンの複合糖鎖であると推定された.また,分画cは糖分析と加水分解の結果から,キシログルカンとラムノガラクツロナンの複合糖鎖であると推定された.
著者
山木 昭平 森口 卓哉
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.602-607, 1989
被引用文献数
12 33

ニホンナシ果実の糖の蓄積に重要な働きをするNAD<sup>+</sup>依存性ソルビトール脱水素酵素, ソルビトール酸化酵素, ソルビトール-6-P脱水素酵素, NADP<sup>+</sup>依存性ソルビトール脱水素酵素そしてインベルターゼ活性の季節変動と糖の蓄積との関係を検討した. ソルビトールをフルクトースに変換するNAD<sup>+</sup>依存性ソルビトール脱水素酵素がソルビトール関連酵素のなかで, 果実の生長, 成熟過程をとおして最も高い活性を示した. その活性は6月に上昇し, 果実の肥大に伴って減少し, 果実の成熟とともに再び増加した. この活性変動は未熟果でのフルクトースの蓄積に密接な関連を示し, この酵素はニホンナシ果実の糖の蓄積にたいして重要な役割を果していることが示唆された. ソルビトールをグルコースに変換するソルビトール酸化酵素はNDA<sup>+</sup>依存性ソルビトール脱水素酵素の約10分の1の活性を持ち, 幼果において高い活性を示し, 果実の肥大とともに減少し, その成熟に伴って再び増加した. しかしながらソルビトール-6-P脱水素酵素, NADP<sup>+</sup>ソルビトール脱水素酵素活性はほとんど検知出来なかった. これらのソルビトール関連酵素活性の季節変動に基づいて, 他のバラ科果実のソルビトール代謝と比較しながら, ニホンナシ果実のソルビトールの代謝機構及び糖の蓄積機構を論議した. また酸性インベルターゼ活性はソルビトール関連酵素活性よりもはるかに高く, 糖の転流, 蓄積に対する役割を論議した.
著者
島田 武彦 土師 岳 山口 正己 武田 敏秀 野村 啓一 吉田 雅夫
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.543-551, 1994
被引用文献数
14 20

95種類の10m erのオペロンプライマーを用いて, RAPD分析法により59品種•系統のウメの品種分類を行った. ウメを小梅•台湾梅品種群, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群に分け, 各々の品種群について分類を行った. 小梅と台湾梅のグループは遺伝的変異が小さく, アンズの形質をほとんど含んでいなかった. 台湾野生梅は中梅品種群とは遠縁で, 明らかに異なっていた. '室谷'と'藤之梅', '小向'と'古城', '鈴木白'と'太平'では相互の識別ができず, これらは異名同品種である可能性が高いと考えられる'豊後'はウメとアンズの雑種であることが証明された. '高田梅'はアンズにかなり近縁であることが確かめられた.RAPD分析法は近縁な品種問でもDNA多型を十分に検出できるので, 従来の方法では識別できなかった異名同品種や同名異品種を識別することも可能であると推察される.<BR>RAPD分析の結果, 実ウメは次の7つのグループに分類できた. 1) 台湾梅品種群, 2) 小梅品種群, 3) 中梅品種群, 4) 大梅 (白花) 品種群, 5) 大梅 (桃花) 品種群, 6) 杏梅品種群, 7) 李梅品種群. 花ウメは実ウメと遺伝的特性は近いものと考えられ, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群のいずれかに属するものと推察される.