- 著者
-
柴田 篤
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2003
1,『天主実義』の諸版本を調査・検討することによって、本書の成立事情、諸版本の異同、文字の改竄などについて明らかにした。2,『天主実義』に見える西洋人と中国人との対話の背景について、引用文の典拠や前提となっている思想を具体的に明らかにした。3,『天主実義』の著者であるマテオ・リッチの中国思想に対する考え方を明らかにした4,マテオ・リッチが『天主実義』を著述した意図と目的を、本文に即して具体的に明らかにした。5,『天主実義』の重要概念である「天主」と「霊魂」に関して、原文(中国文)の使用方法を分析することによって、従来の誤読を修正した。6,『天主実義』全篇の現代語訳を完成させ、我が国ではじめて出版した。7,『天主実義』を正確に現代語訳することによって、本書の持つ思想史的意味が従来以上に明らかになった。8,『天主実義』本文に見える固有名詞(人名・書名・地名)の索引を作成した。9,明代末期から清代にかけて、『天主実義』がどのように読まれてきたかを具体的に明らかにした。10,朝鮮王朝において、『天主実義』がどのような影響を与えたかということを具体的に明らかにした。11,江戸時代において、『天主実義』がどのような影響を与えたかということを具体的に明らかにした。12,『天主実義』と関係深い『畸人十篇』の内容を検討することによって、今後の研究の方向性が明らかになった。