著者
柘植 郁哉
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

安全な経口免疫療法の確立を目指して、加水分解乳を用いた牛乳アレルギーの免疫療法における、アレルゲン特異的T細胞と好塩基球の活性化を解析した。牛乳アレルゲン特異的T細胞は、活性化マーカーCD154 陽性細胞として同定し、同時に細胞質内サイトカインを多重染色して解析した。その結果、牛乳アレルギー患者では、非牛乳アレルギー患者に比し、牛乳アレルゲン特異的Th2サイトカイン産生細胞が有意に増加しており、また、牛乳アレルゲン特異的IL-4産生細胞数は牛乳特異的IgEと正の相関を示した。一方、好塩基球の解析では、症例数は少ないが、免疫療法後にSykの低下が認められた。現在症例数を増やして検討中である。
著者
冨永 茂人 山本 雅史 久保 達也
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

(1) 南九州~奄美大島のタンカンでは、植え付け後数年間は樹体発育を主体にするカラタチ台苗木と若木から結実させるシトレンジおよびシトルメロ台苗木を組み合わせた植栽が望ましい。(2)(1)摘果技術によって、葉数 4~5 枚の有葉果の適正結果で高品質果実の安定生産が可能である。(2)直径 5mm 程度の中根のデンプン含量を適正着果の指標として用いることが可能である(3)(1)奄美大島では、高品質果実の安定生産のための最終摘果時期は10 月中下旬であり、それ以前では果実が大きく、品質がやや低下すること、それ以降では翌年の着花が不良になる。
著者
今本 喜久子 喜多 義邦 高田 政彦 日浦 美保 大町 弥生
出版者
滋賀医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

我々は、科研補助金・基盤研究(C)を受けて平成13年から16年にわたって大学の近隣に在住の高齢ボランティア29名(男10名:女19名)と施設入所者15名(男3名:女12名)を対象に、身体的基礎データを4年間8回継続的に採取した。これらの測定は、身長、体重、BMI,体脂肪率、バイタルサインなどの身体的基礎データの他、握力と下肢筋力、ドプラーERによる足背動脈の血流速度、超音波測定装置Achillesによる踵骨の骨指標、Stabilo-101による重心動揺を含む。また、転倒・骨折についてのアンケート調査、食事と運動についての生活習慣調査も行った。調査期間中の転倒者は8名、骨折者は11名であった。身体的基礎データについては、4年間に大きな変化は認められなかったが、高齢者ほど身長の短縮が目立ち、加齢にともない体脂肪率が高くなる傾向がうかがえた。1.骨量については、第109回日本解剖学会(福岡2003)、第1回コメディカル形態機能学研究会(福岡2003)第16回日本看護研究学会地方会(神戸2003)で口頭発表した。良い運動習慣を維持することで骨指標を高めることができた高齢者がいる事実は、骨量減少に生活習慣の弊害が深く関与することを裏付けた。骨粗鬆症の予防対策は、後期高齢者にまで対象を広げて効果を上げるべきである。2.重心動揺と下肢筋力は骨量への影響が明らかで、これらの関係については滋賀医科大学看護学ジャーナル3巻1号(2005)に論文として発表した。重心動揺計による総軌跡長をパラメーターとしたバランス感覚の変化に注目すると、男性では閉眼時に動揺が高まる傾向が著明であり、加齢にともなう視力の低下がバランス感覚に影響することが推測された。3.下肢の足背動脈の血流速度については、第17回日本看護研究学会近畿地方会(京都2004)、第2回コメディカル形態機能学研究会(大津2004)に口頭発表した。対象者の加齢に伴う明朗な変化は認められなかった。著しく血流の流速波形が変化した数例で、動脈硬化の進行が推測され、その例では骨量の低下が認められた。
著者
神園 幸郎
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

高機能広汎性発達障害児に見られるファンタジーの没入現象について、その特性を明らかにした。第一に、高機能広汎性発達障害児のファンタジーは、対象児に固有なこだわり行動に起源を持つことが明らかになった。第二に、彼らのファンタジーは実体験の再現もしくはそれを基に再構成されたものであり、想像上の存在や架空の物語展開といった虚構性は極めて薄く、その点で定型発達児のファンタジーとは大きく異なることがわかった。
著者
納口 恭明 下川 信也 栢原 孝浩 鈴木 真一 小林 俊市
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

災害を引き起こすような自然現象を科学教育・防災教育を目的にコンパクトに再現できる装置をまとめた手で持ち運べるハンディータイプの科学館と車1台で運べるポータブル科学館を開発した。このなかには雪崩、落石、地盤液状化現象、固有振動によるビルの倒壊、台風、突風などが含まれる。これらを用いた実践例は合計で数百件を越える。
著者
小嶋 英夫
出版者
文教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

教育学部在籍の英語教員志望生を主な研究対象として、彼らの専門職能と自律的成長を促す省察的ポートフォリオを開発するために、理論と実践の統合を通して継続的に研究した。文部科学省から「グローバル化に対応した英語教育改革」が提唱され、小・中・高を通じた一貫生のある新しい英語教育の推進に貢献できる英語教員の養成・研修が求められている。学習指導要領が全面的に改訂される2020年に向けて、学校教育全体が大きく見直され、すべてのキャリアステージにおける教師教育も改善されることになる。これらの動向を見据え、国内外の研究大会での発表、学術誌への投稿、図書の刊行等により、本研究の成果を結実させることができた。
著者
早川 清 鍋島 康之 太井子 宏和 庄司 正弘
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

表層軟弱地盤における振動伝播挙動の正確な把握および振動増幅現象の予測手法についての検討と検証解析課題に関して、平面道路・高架道路などにおける振動実側調査および数値解析を行った。長野県内の地盤が軟弱な幹線平面道路での振動調査およびボーリング調査・貫入抵抗調査などの詳細な地盤調査結果より、表層軟弱地盤の固有振動数が5Hz付近にあり、家屋の固有振動数と一致して共振現象を生じていることを解明した。ISO規準に基づいた路面凹凸条件を入力し、数値シュミレーションでもこの現象を解析している。大阪府内幹線高架道路の構造体の固有振動数は5Hz付近にあり、沿道家屋との共振現象を励起して苦情に繋がっていた。橋体本体の床版たわみを制御する縦増桁による対策効果を固有値解析から検討したが、低域振動数では顕著な効果の期待できないことが理解された。高架道路交通振動を対象とした地盤振動の伝播特性に関しては、上下方向だけではなく、橋軸方向および橋軸直角方向の3方向加振の影響も大きく、現行振動予測法の不備を指摘した。京都南部の幹線平面道路は、表層が軟弱な沖積粘土層で構成されている。道路交通振動調査および表面波探査から、地盤の固有振動数が3Hz付近の低域にあることを確認した。地中防振壁を用いる振動低減対策工に関する研究課題に関しては、大きな中空部を有するPC壁体および矢板の振動低減効果を、現地振動実験。模型振動実験およひ数値シュミレーション解析から考察した。高架道路でのPC壁体の振動低減効果量は5dB程度であり、2次元FEM手法で橋体の動的応答を再現できることを確認した。PC壁体周辺部の剛性を3種類に変化させた模型壁体を作成し、中規模振動実験から壁体重量の影響を検討した。この結果、軽量壁体の効果が大きく生じたが、さらに数値解析からもこの点を解明する必要性を感じている。剛矢板地中壁の振動遮断効果は、既に現地振動実験結果から確認している。しかしながら、矢板が2次的な振動源となって矢板の背後で振動増幅される問題点を改善するために、矢板の打設深度、打設枚数およひ軌道下地盤改良などの対策効果を、数値解析から検討している。
著者
冨田 裕彦
出版者
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

培養細胞のミトコンドリア遺伝子発現パターンが血清添付培養と無血清培養とで異なるのではないかとの仮説のもとに検討を行った。In situ hybridizationやPCR法を用いて検討した結果、明らかな違いを見出せなかった。転移と密接に関与するValosin containing protein (VCP)と結合するubiquitin like 4A (UBL4A)が細胞増殖の重要なシグナルであるSTAT3シグナルに対し核内で抑制的に働くことを見出した。膵癌発生母地として膵臓の線維化、炎症細胞浸潤があることを見出した。
著者
佐藤 美理 山縣 然太朗 鈴木 孝太
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、小児における抑うつ症状の罹患率が上がっている。我々は、コミュニティベースのコホート研究により、思春期における抑うつ症状と他のメンタルヘルスに関する要因の検討を行った。起立性調節障害は思春期特有の症状である。我々は、女子において、抑うつ症状とこの起立性調節障害に因果関係があることを明らかにした。また、歪んだボディイメージは抑うつ症状と関連があることが示唆されており、検討した結果、思春期の早い段階で体型に関する不満足があることが後の抑うつ症状の増加に関連していた。
著者
村上 武則 SCHELLER Andreas
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究成果の第1として、2003年9月29日、ドイツのバヅーラ教授を大阪大学に迎え、「公益企業による生存配慮」と題して、講演会を開催することができた。そこで、教授は、民営化の時代においても、公行政による最低限度の保障の責任として生存配慮概念を維持されようとされる。さらに欧州連合においても、加盟国は、一般的経済的利益の給付は、市場関連的給付として、許容されうると主張されるのが注目されうる。そして、公益企業による生存配慮は、社会的法治国の本質的メルクマールであると結ばれている。研究成果の第2として、日本の近距離旅客輸送の法律問題に関し、ドイツのシュパイア大学で行われた国際シンポジウムにおいて報告したこと、およびその内容を、シュパイア大学法学論叢に公表できた(2004年)ことである。その中では、とくに日本では、ドイツやヨーロッパと異なり、東京圏や大阪圏および中部圏においては、きわめて人口密度が高く、その意味で近距離旅客輸送は、住民の生活と極めて密接な関連を有していることを指摘するとともに、我が国においては明治期以来、近距離旅客輸送は、民間企業によって担われていたこと、しかし同時に行政主体によっても近距離旅客輸送が担われていたことを指摘した。研究成果の第3として、欧州連合、イギリス、ドイツ等における近距離旅客輸送の民営化に関する理論と実態を考察できた。とりわけ、フェーリング(Professor Dr.Fehling)「公的な近距離旅客輸送を例にした生存配慮の改革の考察」(Die Verwaltung 34.Bd,2001)を参考に、様々なモデルについて考察できたことである。このように、近年は世界的に、行政の規制緩和と並んで、民営化が大胆に推進されることになった。国鉄も民営化され、近距離旅客輸送は、いっそうの民営化が迫られている。しかし、どうだろうか。2005年4月25日午前9時20分に発生したJR福知山線の尼崎での大事故は、民営化の落とし穴の如実な例である。人命を預かる近距離旅客輸送として、安全性は効率性以上に尊重されなければならない価値である。この度の事件において、安全性軽視の実態が明白になったが、一日も早く、その原因が解明され、利用者の安全性の保障がなされなければならない。このため、生存配慮としての公益企業、たとえば近距離旅客輸送において、国家は、最低限の保障を担うべきであろう。
著者
土川 洋子 関谷 栄子 森山 千賀子 杉本 豊和 西方 規恵
出版者
白梅学園短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

介護は、わが国に定着している家庭生活技術ではあるものの、学問としての介護教育は、未だ明確に確立しているとは言いがたい。その中で、精神障害者は、長期入院と社会的入院という処遇の長い歴史を経て、平成18(2006)年4月に、障害者自立支援法が施行され地域での自立生活支援がすすめられ始めている。本研究では、精神障害者に対する介護を学問として構築していくために必要な根拠を当事者、家族会、介護従事者、海外の現状、病院、教育機関に求め、幅広い現状を把握し、必要な介護技術を抽出しようと試みた。
著者
林 雅彦 腮尾 尚子 西岡 亜紀
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

三年間の研究活動を通して、中世・近世期を中心に、日本から東アジア・ヨーロッパまでを広く視野に入れながら、名も無き大衆の生と死にかかわる真摯な信仰・俗信を反映した、多種多様な図像を発掘し、その意味を解読・分析してきた。3人の研究者が、それぞれの分野の資料を集めたうえで、同時代の宗教的なテキストや民衆文学などを用いながら、図像の起源や来歴や社会的な役割などを分析した。そして、そうした研究内容を研究者だけでなく、広く一般社会に向けて発信するため、三年目に、明治大学博物館において、企画展「民衆の図像展」を開催し、貴重な実物資料を展示・解説し、多くの観覧者を動員した。また、これ以外にも、多くの一般向け講座での講演、国際図像解読研究会、国際熊野学会他の学術会議、『国文学解釈と観賞』における数回の特集の他の出版物などによる社会還元を果たした。
著者
板橋 久雄 撫 年浩 木村 信熙
出版者
日本獣医生命科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

牛用飼料のマイコトキシンがルーメン発酵に及ぼす影響とプロバイオテックスなどによるその制御について培養実験により検討した。添加したデオキシニバレノール(DON)またはゼアラレノン(ZEN)はルーメン内の揮発性脂肪酸(VFA)濃度などを低下させ、ルーメン発酵を抑制したが、その影響はZENの方がDONよりも大きかった。DONとZENの一部はルーメン微生物により代謝され、培養20時間では約50%が分解された。この分解には、ルーメン細菌よりもプロトゾアの方が大きく関わっていた。二糖類や酵母などの生菌剤はDONとZENの分解を促進することが明らかとなり、畜産現場で実用可能なことが示された。
著者
石田 功 池本 守
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

Alfimeprase(A)は血中のα-2マクログロブリン(α-2M)と速やかに複合体を形成して活性が阻害されるため、臨床第2相でドロップした。Aにハブ毒HRlaのC末ドメインを結合させた融合体(AH)遺伝子に、フィブリンへの標的化ヒトプラスミノーゲンのクリングルドメイン1を融合させたAHP遺伝子を化学合成して大腸菌ベクター(pE-SUMO)で発現させた。これによって、Aのフィブリノゲン切断活性、ヒト血餅溶解活性のα-2Mによる阻害を回避することはできなかった。それはN末のSUMOペプチドの有無とは関係なかった。
著者
渡辺 勧持 薬師寺 明子 島田 博祐
出版者
美作大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

知的障害者に対するダイレクト・ペイメントを支援する制度として望まれるサークル・オブ・フレンズ(障害者本人を中心にして作られる家族、友人、知人、専門家等による支援の輪)の現状について英国を中心に聞き取り調査を実施した。ダイレクト・ペイメントの支援制度の多様化に伴い、本人への支援は、取り巻く地域社会の人々よりも行政の関与が多くなる傾向がある。サークル・オブ・フレンズは、現在でも、理想として求められるが、より定着するには、ソーシャルワーカーが幅広く地域社会へ関与できること、当事者団体の活動への支援、半市民的な役割をもつ支援ブローカーなどの活動への支援などの制度の発展が必要と思われる。
著者
出川 洋介 勝山 輝男 田中 徳久 山岡 裕一 細矢 剛 佐久間 大輔 廣瀬 大 升屋 勇人 大坪 奏 城川 四郎 小林 享夫 原田 幸雄 松本 淳 勝本 謙 稲葉 重樹 佐藤 豊三 川上 新一 WALTER Gams
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

労力と時間を要すために研究が遅れてきた菌類のインベントリー調査を、博物館を介して専門研究者と市民とを繋ぐ3者連携体制を構築して実施した。多様な世代の70名以上の市民により5千点を超す標本が収蔵された10年に及ぶ事前調査を踏まえ、約50種の菌類を選定し、研究者の指導のもとに市民が正確な記載、図版を作成し菌類誌を刊行、デジタルデータを公表した。本研究事例は今後の生物相調査の推進に有効な指針を示すと期待される。
著者
渡邊 利雄
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

『真のクラスリン依存性の細胞内小胞輸送の姿』を提示することを目指し、ノックアウトマウスを用いてArf1, CALM, SMAPの詳しい解析を行った。Arf1 KOマウスは胚性致死で、従来の他のファミリーによる相補は見られなかった。詳しい解析のためにArf1 KO MEF細胞を樹立した。CALM KOマウスの目の色の薄さを発見し、メラニンの蓄積にCALMが関与している可能性を見出した。取り込まれたc-kitチロシンキナーゼ型受容体の分解にCALMが必要なことを発見した。SMAP1,SMAP2二重が胚性致死である原因を探り、E7.5日胚でアポトーシスが起きていることを発見した。
著者
石村 真一 林原 泰子
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦後の映画930本を対象とし、家庭用電化製品である電気炊飯器、電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビ、食卓を事例に生活の変化について考察した。その結果、家電製品の普及する1950年代は、食卓も含め、伝統的な床坐による生活が未だ定着している。 1960年代になると椅子坐の生活様式が増加する傾向を示す。しかしながら、1980年代後半から、洋室床坐という新たな生活様式が出現し、若い世代に普及する。
著者
長浜 正巳 石田 洋一
出版者
明治薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

真核細胞のリボソーム生合成において機能するシャペロン様AAA ATPase NVL2は、RNAヘリカーゼDOB1との相互作用を介してリボソーム前駆体に作用し、分子複合体の構造変換に寄与する。本研究では、NVL2の作用標的となるDOB1、エキソソーム、およびその他の相互作用因子からなるrRNA代謝複合体について解析を行った。その結果、DOB1の他に、ポリAポリメラーゼPAPD5およびRNA結合タンパク質ZCCHC7を含む複合体(TRAMP様複合体)の存在を動物細胞において確認した。さらにこの複合体が、rRNA前駆体を含む核内RNAの3’末端ポリアデニル化において機能している可能性を示した。
著者
石川 文也
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

フランス語の教師養成の現場―特に、「外国語としてのフランス語」研究の先進国、フランスでおこなわれている研修の現場―で発せられる「ことば」を言語インタアクション・ディスクール分析、教育人間工学、現象学的社会学の視点から学際的に分析した。「教師の思考」は教員養成者との振り返りインタヴューにおいて、授業中に学習者とおこなった言語相互行為の中で発した自己のことば、およびそれを通じておこなった思考の客体化を誘発する教員養成者の発話によって形成されていくことが明らかになった。