著者
高橋 洋成 池田 潤 和氣 愛仁 永井 正勝
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、前二千年紀から前一千年紀にかけて、古代オリエント地方で広く親しまれたギルガメシュ叙事詩のデジタル・アーカイブを構築するものである。ギルガメシュ叙事詩は、前二千年紀初頭に成立した古バビロニア語版と、前二千年紀末に成立した標準版が、ある程度現存している。そこで、古バビロニア語版と標準版の異同をデジタル処理可能なかたちでアーカイブ化することで、テクストの対応関係ならびに発展段階をある程度まで可視化することができた。本研究で開発されたデジタル化の枠組みは、言語研究や文学研究に広く応用することが可能である。
著者
千葉 華月
出版者
北海学園大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

北欧5カ国では、医療事故が生じた場合に、医療者の過失を問わず、「損害がさけられたか否か」という基準に基づき、被害者への給付の有無や補償額が決定される。医療事故に関する補償制度は、医療者の責任を問うための制度と分離されており、医療者と被害者との信頼関係を損なわない形での被害者への救済が行われている。本研究では、北欧における医療事故に関する補償制度を検討することにより、我が国における医療事故の被害者に対する救済の在り方について考察した。
著者
岡村 文子
出版者
愛知県がんセンター(研究所)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

がんに対する免疫療法において細胞傷害性T リンパ球(CTL)を利用する治療ではCTLががんを認識する時の目印である細胞表面上のHLA+ペプチド複合体の情報が必要である。そこで、より広くエピトープの同定を行うことが可能なマススペクトメトリーによるCTLエピトープの検討を行った。また腫瘍特異的な抗原提示装置の違いによるCTLエピトープの解析を行うために、抗原提示装置の異なる細胞を作製し、がん遺伝子であるK-ras遺伝子の活性型変異を有する細胞では高活性状態になったオートファゴソームによるエピトープの産生に関与していることを明らかにした。
著者
木下 千花
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

映画を中心とした日本の視覚文化にける妊娠の表象を発掘し、法、政治、社会、医療をめぐる同時代の言説を参照して、身体に対する女性の自己決定権と女性嫌いを軸として分析した。1930年代後半における映画女優の堕胎スキャンダルと望まない妊娠を題材にしたメロドラマの流行、連合国占領下の優生保護法施行による事実上の妊娠中絶の合法化にともなって浮上した、妻の選択として中絶を捉える戦後民主主義的な映画群について、学会発表を行い、研究論文を出版した。1970年代の「胎児」の表象について北米の妊娠ホラーを題材に研究論文を発表し、現代日本の出産ドキュメンタリーについては上映会を開催し、単著に向けての地歩を築いた。
著者
小柳津 誠
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

トリチウム水によるSUS304ステンレス鋼の自己不動態化阻害により、腐食が大きく促進されることが明らかとなった。また、この効果はpH、溶存酸素濃度、トリチウム濃度に依存しており、pHは低いほど、トリチウム濃度は高いほど影響が大きいが、溶存酸素無しには有意な影響が現れないことが明らかとなった。そして溶存酸素濃度はトリチウム濃度の増加とともに影響を強く及ぼす濃度が高くなり、また腐食促進効果が高くなることが明らかとなった。
著者
濱西 伸治 青木 良浩 和田 仁
出版者
宮城工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

まず,ヒトから計測可能な三種類の聴覚由来の生体反応を剣道の練習前後で測定した.その結果,DPOAEレベルは剣道の練習前後では有意な変化は見られなかった一方で,剣道の練習は,感覚細胞よりも脳の中枢により大きな影響を及ぼしていることが示唆された.また,FEM解析ソフトを用いて,面の打突部に打撃を与えたときの応力分布を解析した.その結果,打撃によって耳部よりも,頭頂部でのダメージが大きくなることが示唆された.
著者
藤野 裕子
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、1920~1930年代を対象に、土建請負業者と政党との癒着の実態とそれを必然化させた背景を明らかにするものである。大正赤心団・大日本国粋会・大和民労会といった土建請負業者からなる政党の院外団体に関する分析を行った政治的なアプローチと、土木建築業の労資関係や日雇い労働者の労働・生活文化に関する分析を行った社会的アプローチとにより、資本主義と民主主義の進展過程と不可分に癒着が形成されたことを明示した。
著者
木村 草太
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

アメリカ法とドイツ法の研究から、平等権と平等原則の内容を整理した。また、アメリカの最高裁判所、ドイツの憲法裁判所の判例研究からこの分野の訴訟における道具立てを整理した。これらを前提に、非嫡出子の法定相続分、ムスリム情報収集事件、公務員の政治活動、憲法における外国人の地位、アメリカ憲法第14修正の最新判例、自治体間の平等、一票の格差、同性婚、夫婦別姓について研究し、その成果を論文まとめた。
著者
藤原 英司
出版者
独立行政法人農業環境技術研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

核実験等由来の人工放射性核種のうち代表的なものとしてCs-137が挙げられる。日本におけるCs-137降下量は1990年代を通して低水準で推移したが、2000年代に入ると増大し、2002年には北日本や日本海側地域において顕著な降下が認められた。この現象は黄砂飛来と関係があるとみられているが、Cs-137を含む砂塵の起源は不明である。そこで地上気象観測データにもとづいて近年の砂塵発生範囲を推定したところ、2002年には中国北部の草原域において砂塵発生が顕著であったと示された。しかし当該地域について核実験や原子力関連施設の立地に関する情報が存在せず、Cs-137の放出源を特定できなかった。このため現地調査を実施し表土試料を採取してCs-137の分析をおこなった。その結果、草原表土からCs-137が検出され、その放射能濃度は6.5〜83.5mBq/gと高かった。しかし砂漠表土では不検出となり、畑地表土では不検出〜13.4mBq/gと低かった。Cs-137が検出された試料について、さらにSr-90も測定し、これら核種の放射能濃度比を求めたところ、表土のCs/Sr濃度比は草原で8.3±2.0と高く、畑地では3.7±0.8と低くなり、明瞭な傾向が認められた。一方、Cs-137およびSr-90の日本における降下量データから、近年の降下物のCs/Sr比は、Cs-137降下量の多い北日本や日本海側地域において高く、それ以外の地域で低いことが明らかになった。このことから飛来する砂塵のCs/Sr比は高いと認められ、その起源として大陸の草原が考えられた。これまで大陸の草原表土にはグローバルフォールアウトに由来するCs-137が保持されていたが、近年の砂漠化進行とともに砂塵が飛散しやすい状況になったとみられ、この草原におけるCs-137の再浮遊が日本でのCs-137降下量増大の原因として考えられた。
著者
高木 潤野
出版者
長野大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

場面緘黙は、話す力があるにも関わらず学校や職場等の社会的状況において話せないことを主たる症状とする。適切な介入により緘黙症状を改善させることが可能であるが、本人の治療への参加が消極的であると介入が困難となる。本研究の仮説として、治療への参加が消極的な場面緘黙当事者は「治療によって緘黙症状を改善させることができる」という期待(自己効力感=セルフ・エフィカシー、SE)が低いのではないかと考えた。そこで、場面緘黙当事者を対象としたセルフ・エフィカシーを高めるための心理教育を試みた。10代~30代の場面緘黙当事者10名(女性7名、男性3名)を対象に、各6回のカウンセリングを行った。初回と最終回を除く2~5回目では、個別のカウンセリングに先立ち「治療によって緘黙症状を改善させることができる」という期待を高めるための心理教育を実施した。各回において、1)治療への参加意欲、2)「緘黙症状を改善させることができる」という特定の課題に特異的な期待(SSE)、3)一般的な個人の行動傾向としての自己効力感(GSE)、4)緘黙症状を自己記入式の質問紙を用いて測定した。初回の参加意欲とSSE(緘黙症状の改善への期待)には相関がみられた。治療により緘黙症状が改善するという期待が高い者ほど、参加意欲が高い傾向があることが示された。一方、初回の参加意欲とGSEには相関がみられなかった。6回の介入を通じて、SSEについては10名中6名に上昇がみられた。GSEについてもわずかな上昇を示した者がいた。緘黙症状については10名中4名が顕著な改善を示し、その他の6名についても改善傾向がみられた。SEと緘黙症状の改善との関係をみると、緘黙症状の改善が大きい者の方がSSE及びGSEの上昇率が高い傾向がみられた。以上の結果から、「治療によって緘黙症状が改善すること」への期待を高める心理教育は有効性がある可能性が示された。
著者
三代川 寛子
出版者
上智大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

19世紀末から20世紀初頭にかけての時期、エジプトのコプト・キリスト教徒が主体となって推進された文化ナショナリズムの思想、運動を3つの事例から検討した。(1)コプト暦の元日祭の復興運動、(2)コプト語の復興運動、(3)コプト博物館の設立とその国有化がその3事例であり、それぞれの事例から、コプト・キリスト教徒の間では、宗教的アイデンティティがエジプト民族としてのアイデンティティ構築に重要な役割を果たしていたことを明らかにした。
著者
原田 智也
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

伊豆-小笠原海溝沿いの沈み込み帯は,プレート間巨大地震がほとんど発生しないと考えられてきた.しかしながら,石橋・原田(2013),原田・他(2013)は,史料の再検討と津波シミュレーションから,1605年慶長地震が伊豆-小笠原海溝の巨大地震だった可能性を示した.本研究では,この仮説を検討するために,伊豆小笠原諸島での津波痕跡調査を行った.その結果,父島の境浦において3つ以上の津波堆積物が確認された.さらに,父島の八瀬川河口付近においても,複数の津波堆積物が確認できた.年代測定から,これらは17~18世紀に堆積したことが分かった.しかし,1605年慶長地震よる津波堆積物は同定できなかった.
著者
冨田 祥一
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

刺青に用いられる色素は金属(酸化鉄)を含むことがあるため、MRI検査時の熱傷が危惧されている。本研究では刺青に用いられる代表的な8種類の色素顔料の9.4TMRI検査における温度変化、色調変化そして組織学的変化を動物実験により検証した。いずれの検体も、水疱や発赤といった熱傷を来すことはなく、最大0.4度の温度上昇を認めた。色調変化はマンセル表色系で特徴的な変化はなく、色差ΔE00はいずれの検体も3.0以下であった組織学的検証でもMRI前後に著変を認めなかった。
著者
田浦 太志
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本年度は昨年度に引き続き、アグロバクテリウム法による大麻への遺伝子導入システムの確立を検討した。まず大麻成分生合成酵素であるTHCA synthase及びOLA synthaseのセンス及びアンチセンス遺伝子を有するアグロバクテリウムを大麻幼植物および培養細胞に感染させ、各種ホルモン添加によりカルスあるいは不定胚の形成を検討した。この結果、不定胚は得られなかったものの組み換えカルスを安定的に得る方法を確立した。しかしながら得られた組み換えカルスの成長速度が極めて遅く、多くがサブカルチャー中に枯死したため組み換え体を植物体として得るには至らなかった。そこで新たな方法として、細胞培養を必要としない形質転換法として近年注目を集めているFloral Dip法について検討を行った。材料として本学薬用植物園で栽培した開花時期の大麻雌株を用い、その地上部を上記アグロバクテリウムの培養液に数秒間浸すことにより感染させ、次いで、グロースチャンバー中で短日処理を行うことにより種子の成熟を検討した。しかしながら、アグロバクテリウム処理した植物体はダメージが大きく、種子を成熟させるに至らないことが判明した。Floral Dip法を行う際に、植物体をSilwet L-77などの薬剤で処理することで損傷を免れた例が報告されていることから、現在それらを含め、Floral Dip法の各種条件検討を行っており、今後、遺伝子導入を確認した種子について植物の栽培を行い、植物形態やカンナビノイド含量の変化について検討する計画である。本研究は遺伝子工学による組み換え大麻の作出とカンナビノイド含量のコントロールを目的としたが、本年度までにこれを達成するには至らなかった。しかしながら、本研究では細胞レベルで大麻を形質転換する方法の確立に成功しており、これは組み換え大麻作出に向けた重要な成果であると考えられる。
著者
松尾 充啓
出版者
京都府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

貝殻を持たない貝の仲間であるウミウシにおいては、餌である藻類から葉緑体を盗みとり、自身の細胞に埋め込んで光合成を行う変わりものがいる。本研究では、この光合成ウミウシの盗葉緑体現象を詳細に解析するため、ウミウシの餌である多核緑藻類ハネモのオルガネラ(核、葉緑体、ミトコンドリア)を蛍光標識して、それらが光合成ウミウシに摂取された後、ウミウシ体内でどのような挙動を示すのかをライブイメージングにより観察・解析できる実験系を、世界に先駆け開発・構築した。
著者
和田 成一
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

低線量放射線の細胞応答は高線量域のデータから推察されてきた。しかし、この高線量域から低線量域への外挿データでは説明のつかない現象、放射線超感受性現象が広く知られてきた。この現象のメカニズムはバイスタンダー効果と生物学的機能不全によると考えられているが詳細は明らかにされていない。本研究では、この現象を誘導する引き金は放射線による細胞膜応答であり、細胞膜応答から細胞外に細胞膜応答分子のスフィンゴミエリナーゼが分泌され、この分子によって細胞はDNA修復不全に陥るため、放射線超感受性が誘導されることを明らかにした。つまり、放射線超感受性現象は細胞膜応答によりバイスタンダー効果と生物学的機能不全が連動していることを明らかにした。
著者
笹澤 吉明
出版者
高崎健康福祉大学短期大学部
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

著者はこれまで、小中高生を対象にいじめと精神保健指標との関連を、質問紙調査で検討し、いじめる、いじめられる両経験群の自尊感情、登校意欲、希死念慮等の精神保健指標が他群(加害、被害、傍観、無関係)に比べ最もネガティブであることを明らかとした。それを踏まえ、本研究は、中学生男女を対象に、縦断的な疫学研究の手法を用い、両経験群の加害者から被害者になるパターン(加害-被害移行型)と、被害者から加害者になるパターン(被害-加害移行型)の分布を明らかにすることと、加害-被害型と被害-加害型の精神保健指標およびいじめる理由・方法に差があるのかどうかを検討することを最終目的とする。群馬県内の公立中学校7校の平成16年度の2年生男女1,533名を対象に、自記式の質問紙調査を、平成16年7月、平成17年3月、平成18年3月の3度に亘り実施した。2次調査までの結果1,329名(86.7%)の有効回答(率)を得、基礎調査時にいじめを受けておらず、2次調査時にいじめを受けた者は、男子では希死念慮、不登校気分が高くなり、女子では孤独感、不登校気分が高くなり、社会的支援が低くなることが明らかとなった。また、いじめ被害の変遷、被-無群(基礎調査時は被害群で2次調査時は被害を受けない群、以下同様)、無-被群、被-被群の無-無群を基準とした各精神保健指標への相対危険度は、男子の無-被群の希死念慮への相対危険度(13.3)、男女の無-被群の不登校気分への相対危険度(それぞれ10.9、11.0)、男子の無-被群、被-被群の孤独感への相対危険度(それぞれ10.1、10.5)であり、縦断的な解析においても、いじめは精神保健指標をネガティブにさせることが明らかとなった。3回目の調査では1,269名(82.8%)の有効回答を得、このデータをリンケージさせ、上記の最終目的につき解析を進めているところである。
著者
吉光 喜太郎
出版者
東京女子医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

内側に黒色アルマイトを施したアルミ製筐体内に固定した10インチタブレット端末の映像をAIプレートにて空中投影し、Intel RealSenseを用いて非接触ジェスチャー操作可能な空間投影装置の試作機を製作した。空間投影性能は、水平・垂直方向にそれぞれ+/-36 deg、+/- 38 degに画像認識性能を有する画像出力を可能であった。動作種は1)モデルをつまんで回転させる動作、2)モデルの拡大縮小をする2種類とした。本ジェスチャーインタフェースは脳神経外科血管内治療時に執刀医が未破裂脳動脈瘤に塞栓コイルを誘導する際に3次元的にモデルを観察する際に使用し、2名の執刀医より有用な評価を得た。
著者
権 学俊
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は近現代日本におけるスポーツ・ナショナリズムの解明を目的とし3年間スポーツ・ナショナリズムを「支配・管理」「統制」「同和」「排除」「抵抗」という側面から検討した。本研究を通して、戦前スポーツイベントが天皇制と国家的な秩序への同意を強化し、国家との一体感を推し進める装置として巧妙に機能した点、戦後天皇・皇族が様々なスポーツ大会と関わりながら、「象徴天皇制」「大衆天皇制」の基盤強化を図るとともに、国民との距離を縮め新しい皇室像をアピールしていったことが明らかになった。
著者
金 友子
出版者
立命館大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、日本に居住する在日朝鮮人のうち、韓国を自らの国とする学生団体の、1960年代から70年代における思想と行動を考察することを目的とした。研究期間内には、第一に資料収集とその保存のための電子化、第二に収集した資料を読み込み彼ら・彼女らの思想と行動を記述・分析をおこなった。さらに当時活動していた人物への聞き取り作業も実施した。資料は約500点の存在が確認され、そのうち貸与可能なものは電子化した。分析の結果、彼ら・彼女らは無条件の「祖国」に同一化していたのではないこと、また、祖国意識形成の装置として母国訪問団や翻訳資料など、「祖国」との物理的・時間的距離を埋める装置の存在が確認された。