- 著者
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原田 智也
- 出版者
- 東京大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2014-04-01
伊豆-小笠原海溝沿いの沈み込み帯は,プレート間巨大地震がほとんど発生しないと考えられてきた.しかしながら,石橋・原田(2013),原田・他(2013)は,史料の再検討と津波シミュレーションから,1605年慶長地震が伊豆-小笠原海溝の巨大地震だった可能性を示した.本研究では,この仮説を検討するために,伊豆小笠原諸島での津波痕跡調査を行った.その結果,父島の境浦において3つ以上の津波堆積物が確認された.さらに,父島の八瀬川河口付近においても,複数の津波堆積物が確認できた.年代測定から,これらは17~18世紀に堆積したことが分かった.しかし,1605年慶長地震よる津波堆積物は同定できなかった.