著者
西野 正彬 中村 幸博 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.73-78, 2010-02-25
被引用文献数
4

本報告では,GPSデータとスケジューラデータという異なる種類の行動ログを蓄積し,ユーザの行動を予測する手法を提案する.例えば内勤中心の会社員が出張に出かけるといったような普段と違う行動をとった場合であっても,スケジューラデータを活用することで行動の予測が可能となる.ユーザが自身で記入するスケジューラデータには,予測に必要な目的地に関する記述が含まれない,場所に関する記述があいまいであるといった問題がある.しかし,時間的な共起関係に基づいてGPSデータとスケジューラデータとの関連付けを行うことによって,記述内容があいまいな場合であっても行動予測を行える.長期的に獲得されたユーザの行動ログを用いた検証では,GPSデータのみを用いて行動予測を行った場合と比較し,予測正答率が上昇することを確認した.
著者
宮崎 明雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.95, pp.61-66, 2006-06-08
被引用文献数
6

筆者は,電子透かしに関する最近の研究で,電子透かし埋め込み/検出システムの解析を行い,電子透かしシステムのモデルを透かし情報の入出力関係に注目してコンボリューションモデルとして記述した.そして,透かし入り画像に対する画像処理や攻撃によって「透かし情報がどのように歪むのか?」,「透かし情報の検出誤りがなぜ起きるのか?」を明確にし,透かし情報の歪みモデルを与えた.本稿では,この歪みモデルを応用して,ベイズ推定に基づく電子透かしの検出法を提案し,透かし情報の歪みモデルが未知ではあるが,その平均や分散などの統計的性質が既知である場合について電子透かし検出アルゴリズムを導く.
著者
馬杉 正男 高木 国主男 佐藤 正治 井手口 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.496-505, 1994-09-25
被引用文献数
1

無線通信などに起因する電磁妨害波の多くは,放射電力,発生時間,発生位置等が必ずしも一定しない準定常的な変動特性を有し,これらに起因する電磁障害原因の特定は困難である.本論文は,電磁障害発生前後において,あらかじめ設定した周波数範囲内のレベル変動に基づいた条件により電磁妨害波を選択して検出・記録可能な測定システムの検討を通して,障害要因となる電磁妨害波を周波数領域において測定する方法の提案を目的とする.ここでは,電磁妨害波の周波数,電磁界強度,発生時刻等の把握に有効となる測定システムの構成ならびに制御方法について述べると共に,試作した測定システムの測定データの転送時間を含めた処理時間が2秒程度であるといった基本評価結果例を示している.続いて,都市部において,市民ラジオ電波帯を対象とした電磁環境測定を実施することにより,無線電波に起因する電磁妨害波の検出率は早朝から夕方にかけて増加し,その発生時間帯と人間の日常生活時間帯との間には相関関係があること等を定量的に明らかにした.以上の検討を通して,提案した測定システムが電磁障害原因の究明のみならず,今後の電磁障害対策を行っていく上で有効となることを検証した.
著者
天井 治 長岡 栄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.66, pp.9-15, 1993-05-26

我が国では、平成4年6月から評価用の3本のルートを用いて、広域航法(Area Navigation:RNAV)の運用評価が行われている。本論文では、その各ルートを飛行したRNAV機の航法精度を評価するために行った解析の方法およびその結果について述べる。航空路監視レーダで取得したレーダデータを用いてRNAV機の航跡を抽出した。RNAV機であることを確認するためには飛行計画情報を用い、この航跡データから横方向経路逸脱量を求めた。221日分のデータを用い、各ルートにおける横方向経路逸脱量の特徴を調べた。また、すべてのデータを一纏めにして、その累積度数分布を求めた。その結果、RNAV機の横方向経路逸脱量のデータの少なくとも95%は、±1NM以内にあることが分かった。
著者
古屋 雅宏 村上 肇 宮本 渉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.726, pp.53-56, 2003-03-10
被引用文献数
3

独居高齢者による日常生活における体調不良の発生を、少数の選択センサを使用することで検出する。まず前処理として、独居高齢者の7ケ月分のデータを見て被験者が外出をしていたか判別を行う。在宅していた日のデータには脱衣所・仏壇での反応、いいかえると更衣・信仰という日常的な習慣に関連する場所での反応がほぼ毎日午前中に生じている。そのような日常的な反応が生じていない日を異常、すなわち体調不良と推定して日付の検出を行う。その結果、体調不良である日を判断した。
著者
宮林 穎夫 船田 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.239, pp.25-32, 2000-07-20
被引用文献数
1

音声の基本的特徴であるピッチ周波数の検出は、音声分析合成を行う上で、最も重要な研究課題の一つである。本論文では、連続音声の有声/ 無声判定およびピッチ抽出に, 我々の提案する帯域フィルタ対(BPFP)バンクを利用する方法が、ピッチ周期の乱れやピッチごとの波形変動、雑音付加に対してどのような性能を示すかを, ケプストラム法や変形相関法と比較し検討する。実験の結果, BPFP法は他の代表的な手法であるケプストラム法や変形相関法と比べて, 性能が比較的安定し有効なピッチ抽出法であることと, BPFPバンク中心周波数間隔の対数化によって, 特に低周波数帯域で効果があらわれることがわかった。また, BPFPバンクと組み合わせたNN法は, 設定が困難なU/V判定のための閾値をいちいち決めなくても, NN学習により逐次U/V判定を行うことができる利点を明らかにした。
著者
白木 善尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.73, pp.53-60, 1999-05-20
被引用文献数
1

我々は音声信号のスペクトルに関する2話者間の補間の取り扱い方を調べた。その結果、自然性を保持可能な空間の構造に関して以下を主張する:(1)滑らかな補間という側面からヤン-ミルズ方程式の解空間(モジュライ:幾何学的な対象をパラメータづけている多様体)が利用できる。すなわち「接続のエネルギー最小化問題」として扱うことが可能である。(2)具体的な解のひとつとして平坦接続がある。(3)この平坦接続から時間軸方向の区分線形補間が導出される。(4)区分線形補間からスペクトルの動的尺度の相似変換が導出される。(5)平坦接続から周波数方向の尺度Laplacian Spectral Distance(LSD)が導出される。(6)区分線形補間の設計アルゴリズムを考案した。(7)LSDとIFISを(局所周波数領域で)組み合わせたアルゴリズムを考案した。(8)聴取実験の結果、考案アルゴリズムによる補間合成音声は比較的良好な自然性が確認された。
著者
白木 善尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.55, pp.1-6, 1999-05-17
被引用文献数
2

我々は音声信号のスペクトルに関する話者情報の取り扱い方を調べた。その結果、話者情報に関する空間の構造(話者構造)に関して以下を主張する : (1)話者情報と音韻情報を扱うためには、その空間に局所的な「計量の伸縮機構」が必要である。(2)計量を伸縮することが可能な枠組みは、接続の量子化を考察可能な空間である。このような空間の候補にはディラック作用素が作用する空間がある。従って、この空間が話者情報にとって適切な空間のひとつと考えられる。(3)ディラック作用素の二乗はラプラシアンである。従って、話者情報はラプラシアンで記述できるものと考えられる。(4)以上により、話者構造は統計構造(情報幾何 : 双対接続に沿って計量固定)とは異なる。
著者
宮本 修 長岡 英司 大武 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.89-92, 2009-02-28
参考文献数
11
被引用文献数
1

点字文書の光学的認識手法について示す。点字は、視覚障害者にとってなくてはならないものである。視覚障害者のうち、点字ができるのはおよそ10%程度、と言われている。点字を打つことよりも、読むことは難しいといえる。宮本は点字光学読み取りソフトを開発、1993年より市販してきたが、ユーザーとその用途はさまざまであった。点字の読めない視覚障害者が、来た点字の手紙を読むため、また点字が読める視覚障害者は、かさばる点字を電子ファイルとして保管しておくため、その他、視覚障害者をサポートする人にと、広くご購入いただいた。
著者
平岩 裕康 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 劉 詠梅 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.195-202, 2002-03-07
参考文献数
14

本報告では,ノートPCとCCDカメラを利用して,視覚障害者が周囲環境を理解するのを支援するシステムを提案する.視覚障害者が周囲環境を理解する上で必要な情報として,本研究では文字情報を扱うこととした.本手法は,ノートPCに取り付けたカメラから静止画像を撮影し,文字および文字列の有する一般的特徴を利用することにより,文字領域を画像内から抽出する.次に,抽出した画像をOCRに入力することによって音声化し,視覚障害者に画像内にある文字情報を伝える.実環境で撮影した400枚の画像に対して実験を行ったところ,全文字列の67.9%が完全に抽出された.また,25.7%の文字列は一部欠けていたが,文字認識されたときに,人間の知識で補うことができる程度の欠落であった.さらに,地下鉄の駅構内においてフィールド実験を行い,有効な情報が提供できることを確認した.
著者
水戸 成 有澤 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.95, no.475, pp.25-30, 1996-01-24

実用的なマルティメディアのタイトルとして、ハイパーテキストによる総合鉄道時刻表の電子版を研究開発した。モックアップを作成し、列車情報の取得可能性と、その変更を容易に実現し得るシステム橋造、および、従来の紙メディアを超える操作性の獲得について検討した。これは、市販されている汎用表計算ソフトウェアMicrosoft Exce1とその開発言語環境Visual Basic for Applications上で開発を行うものである。時刻表示や、列車間および異なる交通手段への乗り換え案内をはじめ、広告などのマルティメディアオブジェクトにもリンクできる機能を有している。
著者
入江 友紀 松原 茂樹 河口 信夫 山口 由紀子 稲垣 康善
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2169-2173, 2005-10-01
被引用文献数
6

発話意図タグの設計と評価について述べる. 設計した意図タグは, 詳細度に応じて階層化している. 名古屋大学CIAIR車内音声対話コーパスの約35, 000発話に意図タグを付与した. 信頼性を評価するため, コーパスの一部を用いてタグ付与実験を実施した.
著者
赤松 茂 佐々木 努 深町 映夫 末永 康仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.1363-1373, 1993-07-25
被引用文献数
48

本論文では,濃淡画像のマッチングによる画面顔画像の識別に関して,顔の造作を基準点として切り出された照合パターンを識別に有効な低次元の特徴ベクトルとして表現する方法について考察する.代表的な従来手法として,濃淡パターンのモザイク化と顔パターン集合のKL展開による次元圧縮の二つを取り上げ,各々の問題点を考察した.その結果を踏まえて,照合パターン抽出に不可避な位置ずれ変動に対してよりロバストな識別用特徴を得るために,幾何学的な不変変換の一つであるフーリエスペクトルへの変換の後にKL展開によって次元圧縮を行う方法を提案した.この3種類の特徴の識別における耐性を比較するために,種々の幾何学的変動を与えた照合パターンのテストサンプルに対して最小距離法による識別を行った.また多様な照明条件下で得られる多数の顔画像パターンを,3次元計測した頭部モデルからCGを用いて生成し,それらのパターンから得られる各特徴データのクラス間分離度によって特徴の識別能力を比較評価した.以上の結果から,新たに提案した特徴は従来法と比べて,顔の姿勢や照明条件の変動に対して安定した識別能力をもつことが確かめられた.
著者
粟野 皓光 清水 裕史 筒井 弘 越智 裕之 佐藤 高史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.324, pp.85-90, 2011-11-21

ランダムテレグラフノイズ(Random Telegraph Noise: RTN)は微細デバイスの信頼性や回路特性に関わる物理現象であり,様々なモデル化手法が提案されている.閾値電圧の変動幅と変動時定数は,種々のモデルに共通する特に重要なパラメータであるが,測定データからこれらを求めることは困難な課題となっている.本研究では,キャリアの捕獲と放出の過程を統計的モデルとして表現し,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)を用いて各パラメータをベイズ推定する手法を提案する.人工的に生成したRTN信号に提案手法を適用し,良好な結果が得られたが,実測信号については課題も見られた.
著者
大石 進一 高安 亮紀 久保 隆徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.166, pp.61-64, 2010-07-26

本報告では非線形楕円型偏微分方程式のDrichlet境界値問題の解に対する精度保証付き数値計算方法について述べる.提案手法は先行研究とは違うまったく新しい精度保証法法で,Newton-Kantorovichの定理に基づき,自然に精度保証条件が導かれる.さらにこの手法は近似解計算の数倍程度の手間で精度保証可能である.精度保証付き数値計算法の計算速度について効果的な結果を得ることができた.
著者
小山 聡 馬場 雪乃 大向 一輝 堂腰 裕明 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.182, pp.1-6, 2014-08-20

多くの国々においてオープンデータめ取組みが進んでおり,様々な統計データが行政等によって公開されている.しかしこれらのデータは画像やPDFの形式で与えられるものが少なくなく,分析やサービスの開発などでの再利用を妨げている.そこで,クラウドソーシングを用いて,画像として与えられたレガシーな統計データを機械可読な表形式に変換する枠組みを提案する.その際,作業者に表だけを作成させるのではなく,画像をスプレッドシート上でグラフとして視覚的に再現させるタスク設計を行った.このタスク設計により,データの誤りに気付き易くなる効果に加えて,再現されたグラフオブジェクトのプロパティとして項目名や系列といったデータの構造を容易に取り出し,作業結果の統合や品質管理に利用することが可能となる.国土交通省が公開している観光白書を対象に評価実験を行い,提案手法の有効性を検証した.
著者
三輪 進 斎藤 彰彦 幸谷 智 加来 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.285, pp.43-48, 2000-09-07
被引用文献数
1

本論文は、レーダにおける信号対クラッタ比(SCR)について、どう定義すれば視覚によって感じる値と一致するかを考察した第一報である.まず, 考え得る色々なSCRの算出式を定義する.ついて, 小型船舶用レーダにより取得した検波後のデータにおいて、信号部分を切り出して伸縮させ、任意のSCR状態を作り出す.これにSCR改善手法の一例として, ウェーブレット変換を施す.これら処理前, 処理後のデータの鳥瞰図を複数の人から成る2つのグループに見せて得たアンケート結果を示し, SCR定義との関連について考察する.第1グループの評価では, 「ターゲットの平均電力/クラッタの標準偏差」の定義が視覚結果に最も近かったが, 第2のグループの評価はどの定義式よりも低く, 評価方法を再検討する必要を感じた.
著者
山肩 洋子 木村 敏幸 勝本 道哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.166, pp.13-18, 2009-07-27
被引用文献数
1

我々はこれまで,球面上に26個の独立チャネルのスピーカを配した球形スピーカアレイを用いて,単体の楽器が中心から外に向かって放射する音を立体的に再現するシステムの研究を行ってきた.今回は,この立体音像に映像を付与する試みとして,スピーカアレイを多面体にし,その前後左右上の5面に,各方向から見た映像を投影するシステムを構築した.7名の被験者に体験してもらいインタビューした結果を分析したところ,ほぼ全被験者が楽器を実物大に投影した拡大映像のほうが音像と知覚的に一致すると答えたが,それにも関わらず半数は奏者全体が映っている広角映像の方が好ましいと回答するなど,投影する映像の画角や見方によって感じ方が変わることが分かった.
著者
秦 淑彦 塚田 晶宇 尾崎 稔 坊 覚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.234-246, 1999-01-25
被引用文献数
11

本論文では, 分散型履歴映像サーバにおける効果的な検索・再生方式とその実装について述べる. 分散型履歴映像サーバとは, 映像監視やスポーツ中継等において, 複数のカメラで撮影された履歴映像をディジタル化してカメラごとに分散蓄積し, 操作者の要求やイベントを引き金として映像の読出し・伝送・表示を行うものである. まず, カメラ, 撮影時刻, イベント等のメタデータを自動生成して蓄積・管理し, このメタデータを用いて映像を検索する方式を提案する. これにより, 履歴映像の本質であるいつ, どこで, なぜ撮影されたかという視点からの検索が可能となる. 次に検索した映像を効果的に提示する新たな再生方式を提案する. 一つは映像のディジタル化による方式であり, 緊急時でも見落とさない, 詳細な状況分析ができる等の効果を発揮する. もう一つは建物や設備の3次元モデルを映像と連動させる方式であり, 多数のカメラが設置された場合どこを撮影しているのかわからない, 霧や煙等でよく見えないといった問題を解決する. 更に, これら再生方式を実現するための映像配信や撮影範囲データの蓄積・伝送方式を考案する. そして, 提案方式をプロトタイプにより評価する.