著者
寺田 和憲 岩瀬 寛 伊藤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.95, no.1, pp.117-127, 2012-01-01
被引用文献数
2

哲学者Dennettは人間が他者の振舞いを理解し予測するために意図,設計,物理の三つのスタンスを使い分けているとし,哲学的論考によってその妥当性を示した.しかし,人間が本当にそのようなスタンスを使い分けているかどうかは定かではなく心理学的研究によってその存在が証明されているわけではない.そこで,本研究では,スタンスを科学的に定義し,実際に振舞い理解において用いられているかどうかを検証するために三つの心理実験を行った.まず,Dennettのスタンスをアニメーション化し,アニメーションに対する被験者の印象記述を分析することで,振舞い理解のための四つの言語的概念カテゴリーを明らかにした.次に,60個の様々な対象の振舞いを参照基準として用いることで,四つのうち三つの言語的概念カテゴリーがDennettのスタンスと近いものであることが分かった.しかし,Dennettの主張のような原理帰属による理解がなされているという直接的証拠は得られなかった.議論から,実際の振舞い理解においては振舞いの性質が注目され,意図,決定,受動,複雑の四つの概念的カテゴリー化が行われていると結論づけた.
著者
川西 哲也 佐々木 雅英 及川 哲 井筒 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.639, pp.7-12, 2001-02-16

往復動作逓倍変調の原理確認と、光周波数変換への応用を目指して、往復動作逓倍変調による光周波数変換を提案し、光変調器に供給する電気信号の周波数の6倍分の光周波数シフトの実験結果を報告する。周波数30GHzの高周波電気信号による180GHzの光周波数シフトの場合で、従来の光変調器の非線形性による高調波発生に比べ、約250倍の強度の光出力が得られた。
著者
藤川 知樹 甲藤 二郎 泉川 晴紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.525, pp.241-246, 2008-02-28
被引用文献数
1

近年リアルタイム系サービスの普及に伴い,TFRCやVTPといった,リアルタイム性を必要とするIP通信の輻輳制御手法が新たに提案されている.それらの輻輳制御方式は,TCP-RenoのAIMDアルゴリズムや平衡状態のレート式に基づいて設計されている.しかしRenoでは,単位時間あたりの輻輳ウィンドウの増加量がRTTによって異なるので,RTTの異なるフローが競合する場合,帯域が不公平に分配されてしまうという問題がある.コンピュータシミュレーションの結果,Renoを元にしたこれらの方式でも同様の問題を抱えていることが分かった.そこで本稿では,特にVTPに着目し,増加係数をRTTに比例するパラメータに設定することで,RTTの異なるフロー間での公平性を実現する輻輳制御方式を提案する.また,コンピュータシミュレーションによって評価を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
倉島 健 岩田 具治 入江 豪 藤村 考
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.55-60, 2010-02-25
被引用文献数
4

写真共有サイトのジオタグ情報を人々の旅行履歴として利用したトラベルルート推薦手法を提案する.提案法においては,現在地からアクセスしやすい場所と自分の興味に合致した場所に旅行者は移動しやすいと仮定し,写真共有サイトのジオタグ情報からフォトグラファーの行動モデルを生成する.この行動モデルを用いて,現在地,空き時間,個人の興味に合うトラベルルート推薦を実現する.写真共有サイトFlickrの71,718人に関するジオタグ情報に基づく実験により,行動予測における提案法の有効性を示す.
著者
上村 佳嗣 小島 勝哉 山田 芳文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.706-714, 2002-05-01
被引用文献数
9

日常,我々が使っている電気機器にはかなり大きな磁束密度を生じているものがある.特に,交流式の電気シェーバの場合,局所的に10mT(100ガウス)を超える.それらから発生する磁界による人体への誘導電流を評価するには,電気シェーバ内にある磁界の発生源を特定しなければならない.本研究では,交流式電気シェーバの内部にある磁流源の向きと位置の同定をSPM(Sampled Pattern Matching)法を用いて行った.その結果,磁流源は一つの磁気ダイポールで近似でき,それは電気シェーバの中心に位置し,使用時の向きは体表と平行に置かれることがわかった.また,人体頭部を平板モデル,均質球モデル,多層球モデルで模擬し,磁流源から発生する磁界による内部の誘導電流密度を解析的に計算した.更に,SPFD法,インピーダンス法の計算結果と比較し,相互の妥当性を検証した.その結果,通常の使用状態ではICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)ガイドラインの一般人に対する限界値である2mA/m^2を超えないが,ワーストケースでは職業人に対する限界値を超える可能性があることもわかった.
著者
川崎 真弘 山口 陽子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.9, pp.1570-1578, 2011-09-01

我々の日常生活における行動の多くは好きまたは嫌いなどの「主観的な好み」に左右されることが多いが,その神経機構については不明な点が多い.そこで本研究では,主観的な好みがワーキングメモリ容量に与える影響とそれに関わる脳波リズムの特定を試みた.19名の被験者に対して,好きな色と好きではない色に塗られた視覚刺激を用いて遅延見本合せ課題を行い,そのパフォーマンスと脳波の変化を調べた.その結果,好きな色を使った図形に対するパフォーマンスは好きではない色に比べて高いことが分かった.また記憶期間中の脳波データの周波数解析は,前頭連合野と頭頂連合野のシータ波(3〜6Hz)とアルファ波(9〜14Hz)が増加する結果を示した.興味深いことに,前頭連合野シータ波は記憶量が増えるにつれて増加するのに対して,頭頂連合野アルファ波は減少した.特に好きな色の記憶期間中にはこの前頭連合野のシータ波に加えて,ベータ波(15〜20Hz)も増加し,好きな色を用いたワーキングメモリ容量増加分と相関することが分かった.以上の結果より,前頭連合野シータ波は負荷が大きい能動的なワーキングメモリ保持に関わること,このシータ波に加えベータ波が主観的な好みに影響を受けることで保持容量が増加することが示唆された.
著者
小村 政則 樋口 正嗣 程 イ涛 大嶋 一郎 寺本 章伸 平山 昌樹 須川 成人 大見 忠弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.373, pp.39-41, 2003-10-13

マイクロ波励起高密度プラズマで形成した100nm世代以下向けの直接シリコン窒化ゲート絶縁談の電気的特性を示す。プラズマ中の電子温度を低く抑え、プラズマダメージを極小にすることにより、TDDB特性がドライ酸化膜と比較して30000倍向上した。また400Kの温皮下において、C-V特性においてヒステリシスは観測されない。
著者
冬木 真吾 小林 幸夫 石川 智冶 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.602, pp.9-16, 1998-03-13
被引用文献数
22

高度感性情報の再現に重点をおき、ディジタル音響機器を見直した結果、CD Playerの電源極性が"空気感"の再現に影響を与えることを発見した。この事実を定量的に解析するために、CD Playerの電源極性の違いのみによる差分信号を測定した。その結果、CD Player出力信号(アナログ)に時間軸方向の伸び縮み歪みが140ns(以内)〜700nsec存在し、この歪みが大きいと"空気感"の再現が悪いことを明らかにした。
著者
久万 善広 梅比良 正弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.239-244, 2008-02-27
被引用文献数
4

周波数領域等化を用いるシングルキャリア伝送(SC-FDE)方式はOFDMに比べてPAPRが小さく、周波数選択性フェージング下においてOFDMと同等の特性が得られるが、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入が必要であり、周波数利用効率が低下するという問題がある。本文では、オーバーラップFDEを用いたゼロCPシングルキャリア方式(ZCP-SCFDE)を提案し、計算機シミュレーションにより特性評価を行ったので報告する。
著者
森 昌之 加納 正雄 首藤 晃一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.98, no.546, pp.1-6, 1999-01-22

地域のホームユーザ, 中小ビジネスユーザにコンピュータ通信サービスを経済的に提供する地域情報ネットワークシステムは, センタ側装置である多重化ブルータ(MBR)とグループ管理サーバ(GMS), そしてユーザ宅に設置されるローエンドカード(LECard)により構成される.LECardは, ユーザ宅にイーサネットインタフェースを提供するとともに, グループ通信サービスに必要なPC末端MACアドレスの検出・通知機能を有している.本稿では, LECardのマルチプロセッサ対応を目的とした装置構成ならびに制御ソフト(CW)遠隔ダウンロード方式について述べる.さらに, LECardの低コスト・小型化に向け, CAM機能を内蔵したMPUを適用する装置構成法について提案する.
著者
瀬之口 敦 福田 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.169, pp.19-22, 2008-07-18

コンフリクト警報は,管制間隔未満となる航空機の接近に対し,航空管制官へ注意喚起を促すものである。近年,航空機の動態情報を地上側で利用するデータリンク環境が検討されており,不要なコンフリクト警報の低減等が期待されている。この効果を示すためには,コンフリクト警報を必要と不要とに分類することが欠かせない。電子航法研究所では,コンフリクト警報を分類することが容易となる解析ツールを開発した。本ツールは,現状を模擬した航空交通シナリオによるコンフリクト警報の表示記録等を入力として,警報表示記録の集約,個々の警報発生状況の詳細表示,それらの動画再生が実行可能である。
著者
村上 英典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.610, pp.17-24, 1999-02-18

"楽曲を聴いて評価する"過程をニューラルネットワークで再現して、"楽曲のイメージ"に与える音楽要素の影響を結合値によって示そうと試みた。階層型ネットワークを採用し、バックプロパケーションアルゴリズムで学習をおこなう。入力信号は、Standard MIDI Fileを元に作成した楽曲情報、教師信号は、"簡単なイメージ"に対しての5段階評価とした。楽曲中の音楽要素からの興奮と抑制の作用によってイメージは発生すると仮定し、その作用に反応するニューロンが、音楽要素として考えられるものに対応して中間層を構成する。楽曲の評価を行い学習して、その結果得られた結合について考察する。
著者
王 旗 仲谷 美江 西田 正吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.29, pp.25-32, 2002-04-12

CGの適用によりアニメーションの動画作成コストは省力化されるが、振り付けば人間が考えなければならない。すでに単体ダンサーを音楽に合わせて動かす研究が始まっているが、グループダンスの振り付けを生成する研究はまだ見られない。本稿では、音楽の感情に合わせて複数オブジェクトの動きを生成する。音楽からの感情の抽出は、まず標準MIDIファイルで入力した曲を1拍ごとに分割して楽曲構造要素を抽出し、8つの感情語群についてそれぞれ感情価を測定する。動作で感情を表すには、数秒から数十秒を要するため、感情のまとまりができるように、分割した区間を再統合する。各区間の感情値に合わせてオブジェクト全体の形とその変化形を決め、個々のオブジェクトの移動動作を生成する。今回はオブジェクトの動線に焦点をあてた。今後は、個々のオブジェクトの動作に芸術性を高めることが課題である。
著者
河村 真吾 竹内 勇剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.59, pp.95-100, 2007-05-17

This study inspects the influence of visual effect of non-symbolic expression upon human selective decision. In this experiment, we showed subjects an arrow with two typed of non-symbolic expression. One type is to remind subjects of the same meaning of a direction of the arrow, another is to remind them of the opposite meaning. Then, we inspected the influence of non-symbolic expression upon subjects selective decision. The experimental results indicate when the arrow with non-symbolic expression that to be reminded of the opposite meaning of the arrow is shown, necessary time to select a direction became longer and a probability of the correct selection came down.
著者
山崎 俊太郎 持丸 正明 金出 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.27, pp.73-78, 2010-05-06
被引用文献数
3

一人称ビジョンシステムの一つである,頭部装着型の単眼カメラを用いて,画像から自己位置を推定する方法を提案する.本報告では,移動環境が既知であると仮定し,オフライン処理で環境地図を作成し,地図中での位置の推定をオンラインで行う,2ステップの手法について述べる.地図作成ステップでは,未校正の画像集合から,Structure-from-Motion法を用いてカメラ位置を復元する.続いて,多視点ステレオ法を用いて密な3次元点集合を生成する.復元した3次元点の座標,対応する画像特徴,その観測方向の3つ組からなる画像特徴データベースを作成し,画像特徴をキーとして検索可能な木構造に格納する.位置推定ステップでは,単眼カメラの計測画像から抽出した画像特徴を利用して木構造を探索し,環境中の3次元点との対応を取得する.得られた対応点を元に,ロバスト推定によってカメラの姿勢を復元する.実験では,500以上の画像から大規模な環境地図を生成さし,頭部に装着したカメラの位置をオンラインで,cm精度で求められることを示す.本手法を用いることにより,利用者に負担を与えない単純な計測装置で,人間の日常生活行動を長期間にわたり観測することが可能になる.
著者
原田 勇治 西尾 正則 坂本 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.256, pp.131-134, 2010-10-21
参考文献数
3

ハヤト(KSAT)は2010年5月21日に、HIIA17号機の相乗り衛星として打ち上げられ、高度300kmの円軌道に投入された。衛星は1辺10cmの立方体の形状で、重量は1.43kgである。軌道投入当初、衛星からの信号を捉えることができなかったが、6月1日より6月7日までの7日間、信号受信に成功した。その後、再び信号を捕らえることが困難となり、7月14日に大気圏に突入・消滅したと思われる。衛星の地上管制システムの概要と追跡方法および追跡結果について報告する。また、受信結果から想定される衛星の動作状態の解析結果についても報告する。
著者
松田 耕史 山本 悠二 酒井 浩之 増山 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.595, pp.13-18, 2006-01-27

Web上の情報量の増加とWeblogなどの簡易な情報発信手段の普及によって、Web上のリンクを単に「リンク先ページへの信頼」と解釈することはできなくなってきた。Web上のリンクに込められた感情を知ることによって、より密に連携したWebコミュニティを発見することが可能になると考えられる。そこで本研究では、Weblog内のリンクに対して、教師付き学習によって感情スコアを推定することを試みた。肯定的文書、否定的文書間の表現の偏りや、Weblog特有の文書構造を考慮した結果、ピアソンの相関係数で0.45程度と、かなりの相関をもって推測可能であることがわかった。
著者
高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.193, pp.45-50, 2006-07-21

平成18年(2006)6月6日(火)から9日(金)まで、仙台国際センターにおいて第23回電気接点国際会議(略称ICEC2006/Sendai)が開催された。本報告はその会議報告である。
著者
山崎 勝弘 松田 浩一 安藤 彰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.96, no.34, pp.1-6, 1996-05-16

類似した並列プログラムの構造を極力再利用して並列プログラミングの負担を軽減させる方法について述べる。並列アルゴリズムは一般的に、分割統治法、プロセッサファーム、プロセスネツトワーク、繰り返し変換に分類される。各クラス毎に並列プログラムを作成して、並列プログラミング用事例ベースを作成する。事例はインデックス、スケレトン、プログラム、並列効果、及び履歴から成る。スケレトンにはタスク分割、同期、相互排除、並列化手法、スレッド使用法など並列プログラムの最も重要な部分が含まれる。インデックスは並列プログラムの特徴を示し、並列効果は速度向上を示す。新たな問題に対して、類似したスケレトンを事例べースから検索し、それを自動/手動で修正して並列プログラムを生成する。
著者
堀田 浩平 坂本 眞一 塚本 大地 渡辺 好章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.411, pp.85-90, 2009-01-22

本研究では,熱音響冷却システムの小型化について検討を行った.熱音響冷却システムの一つであるループ管では,管内に発生する音波の周波数が全長と逆比例の関係を成すため,小型化すると周波数が高くなる.周波数が高くなると,ヒートポンプで効率良く冷却を行うための最適条件が変わる.本研究では,ヒートポンプの冷却効率に関係するパラメータであるωτと設置位置に着目し,これらのパラメータに関する冷却温度特性の測定を行った.実験結果から,ヒートポンプスタックのωτや設置位置を調整することで,100mm程度まで小型化したとき,わずかではあるが温度低下が確認された.また,スタックのωτによって,冷却温度が最大となる設置位置が異なる結果が得られた.この結果から,ωτや管内の音場は,ヒートポンプの設計指針として適用できると考えられる.