著者
前川 玲子
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2006-03

平成16-17年度科学研究費補助金(基盤研究(C2))研究成果報告書 課題番号:16520146 研究代表者:前川玲子(京都大学環境学研究科助教授)
著者
赤枝 香奈子
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.10, pp.83-100, 2002-12-25

Recent studies on sexuality have deconstructed `Seiai' (or romantic love) on an analytical basis that treats sexuality and love separately, focusing mainly on the former. Homosexuality has also become a common subject in contemporary sexuality studies. In this paper, I investigate intimate relationships between women of modern Japan, including those containing lesbianism. However I do not discuss such relationships as a matter of general sexuality, as the reality of the relationships shared among women of the day is not yet well known. IVIale homosexuality in modern Japan has been made considerably clear. On the other hand, we do not yet know how the concept of lesbianism in modern Japan was formed, how it functioned, and what types of relationships were associated with it. In this paper, I examine discourses about intimate relationships between women from the end of the Meiji era to the beginning of the Taisho era. I discuss what types of relationships are indicated and that the discourses between these women are really over sexuality. At the beginning of the investigation, I look at some close relationships between women described in the journal Safuran. Safuran was founded by I~azue Otake, a member of an earlier journal called Seito. Seito and its leading figure Raicho Hiratsuka were oriented towards heterosexuality. We cannot define the close relationships found in Safuran simply as the same as the homosexual relationships found today. I argue that the process of building relationships was understood as something sexual in accordance to their reference to western sexology. The discourses in the period mentioned above pay much attention to intimate relationships between women. A double suicide committed by two graduates of a girl's school pulled the trigger. People came to call such relationships `Dousei-no Ai' (love between two people of the same gender), and tended to recognize it as a matter of sexual desire. Nevertheless, it was `excessively-radical friendships' that gained more attention within the discourses. In other words, when criticizing women's homosexuality, authorized commentators were eager to classify friendship under the dichotomy of normaUabnormal, while the topic of sexuality was disregarded. What they then put stress on was to mould women in socially acceptable oriented affection.
著者
増田 玲一郎
出版者
京都大学
雑誌
京都大学文学部哲学研究室紀要 : Prospectus
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-12, 1998-12-01

長い間,指図されなくても自分で判断し行動する,気の利いたコンピュータが求められている。人間のように思考する人工知能は,まだ夢の世界の存在である。他方,最近のソフトウェア製品は,その多機能を簡単に利用できるような工夫がなされていて,気を利かしているつもりらしい。しかし,私見ながら,この工夫は上手く行っていないように思われる。困難は技術的な問題ではなく,'気を利かす'という働きそれ自体にあると思われる。気を利かせるべき状況で,人間はどのように振る舞っていて,コンピュータはどのように振る舞うべきか,それらに関する問題をこの論文で考察する。気を利かせる働きの重要な部分は予断に基づく。コンピュータは予断するべきではないであろう。あくまで人間が主体的に判断し,コンピュータは,人間の判断行為を支援することに専念すべきであろう。
著者
吉藤 元
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

IgG4関連疾患は、血清IgG4濃度上昇を特徴とする疾患であり、進行すると臓器障害をきたす。ステロイドが有効であるが、中止困難であり副作用が問題となるため、抗CD20抗体などの新薬の開発による脱・ステロイドが望まれている。申請者らは「ヒトIgG4ノックインマウス」を作成した。本研究では、本モデルのさらなる改良を行った上で、in vitroでのIgG4の機能解析実験と、in vivoでの本モデルを用いた新薬(抗CD20抗体など)投与実験を行い、血清IgG4濃度や病理所見の改善を検討し、将来の治験につながる基礎データを得る。
著者
岡本 正明
出版者
京都大学
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.97-99, 2006-06-30

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
安冨 歩
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1997

論経博第198号
著者
澁谷 拓郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、南海トラフ巨大地震の発生や強震動の予測を高度化するために、巨大地震の震源域であり、破壊開始点であり、強い地震波の経路である紀伊半島の3 次元地震波速度構造を正確に推定することを試みた。沈み込むスラブが深さ30~40 kmに達するあたりの深部低周波イベント発生域は、低速度異常を示した。和歌山県北部の地震活動が活発な地域の下部地殻にも強い低速度異常域が存在することがわかった。これらは、スラブ内の含水鉱物が深部低周波イベント発生域付近で脱水分解して、その結果放出された流体がマントルウェッジや下部地殻に移動して、低速度域を作り出し、地震発生に関与していることを示している。
著者
杉浦 和子 水野 一晴 松田 素二 木津 祐子 池田 巧
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

1.白須淨眞氏を講師として招き、20世紀初頭のチベットをめぐる緊迫した国際情勢と大谷光瑞とヘディンの関係についての研究会を開催した。ヘディンのチベット探検に対して、大谷光瑞が政治的・財政的な支援を行ったこと、ヘディンの日本訪問には大谷光瑞へ謝意を伝える意味があったことを確認できた。2.チベットでの撮影を写真家に委託した。第3回探検でヘディンが踏査したルートの文物、風俗、風景、建造物等を撮影してもらった写真家を講師として招き、画像上映と現地の状況説明を聴くための研究会を開催した。1世紀の時間を隔てて、変化したチベットと変わらないチベットの諸要素を確認した。3.公開国際シンポジウム「近代日本における学術と芸術の邂逅―ヘディンのチベット探検と京都帝国大学訪問―」(京都大学大学院文学研究科主催)を開催した。6人による報告を通じて、ヘディンの多面的な才能、チベットという地への好奇心、絵という視覚的な媒体といった要素が相まって、学術や芸術のさまざまな分野を超えた出会いと活発な交流を刺激したことが明らかにされた。シンポジウムには学内外から80名を超える参加があった。4.展覧会『20世紀初頭、京都における科学と人文学と芸術の邂逅―スウェン・ヘディンがチベットで描いた絵と京都帝国大学文科大学に残された遺産』(文学研究科主催、スウェーデン大使館後援)を開催し、2週間の会期中、2100名を超える来場者があった。新聞4紙でも紹介され、近代日本におけるヘディン来訪の意義を伝えることができた。会期中、関連の講演会を開催し、40名を超える聴衆が参加した。5.報告書と図録の刊行に向けて、論文執筆や解説等、準備を進めた。
著者
高嶋 航 藤田 大誠 中嶋 哲也 金 誠 束原 文郎 浜田 幸絵 菅野 敦志 佐々木 浩雄 新 雅史
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は、20世紀前半の帝国日本におけるスポーツの全体像を実証的に解明することを最終目的とし、本年度は上記の課題を遂行する上でミッシングリンクとなっている満洲のスポーツについて、関連資料を調査収集しつつ、研究テーマを探ることを主たる活動目標とした。資料収集においてとりわけ重点を置いたのは、1907年から1943年まで刊行された『満洲日日新聞/満洲日報』である。満洲スポーツの全体像を窺うには、まずこの資料を十分に踏まえておかねばならない。しかしながら、『満洲日日新聞』は大連(のち奉天)に拠点を置いているため、満洲国の首都である新京や、いわゆる「北満」と呼ばれた地域に関する情報は決して多くない。そのため、新京で刊行されていた『新京日日新聞』(1933~1940年)の収集も並行して進め、収集した記事を年表の形に整理している。研究会は五月、八月、一二月と三回開催し、満洲や帝国日本のスポーツに関わる研究発表を行った。資料から明らかになった満洲スポーツのいくつかの側面について、日本や朝鮮の事例と比較しながら、考察を進め智識を共有した。海外調査は三月に大連、丹東、瀋陽で実施し、戦前のスポーツ関連施設の現状を調査した。繰越分については、中国での再調査に使用する予定であったが、中国での図書館利用が見込めなくなったため、IOCオリンピックセンター(スイス)での調査に変更した。この調査では、日本と満洲国のオリンピックおよび極東大会参加に関する資料を収集した。
著者
有薗 真代
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.12, pp.109-127, 2004-12-25

This paper is written about experiences of Hansen's disease sufferers by using life-history method. Especially it is focused on residents' life that has been hardly talked about due to the difficulty of contacting with them. What they have told is engraved with many traces of struggle to take back their own lives. Looking carefully into it, actually they have rarely talked about the sufferings from the disease itself. They have not fought against the disease. They have fought against an outside pressure to try to determine their lives by naming them as "Hansen's disease sufferer." For that very reason, they now talk about themselves as "former Hansen's disease sufferer." They make their sayings vivid by going back to the point when they were labeled and reviving memories from there. The voices from there should keep retaining a power to criticize in recognizing historical facts of the unreasonable quarantine.
著者
戸部 良一
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1992

博士論文
著者
楠見 孝 子安 増生 道田 泰司 MANALO Emmanuel 林 創 平山 るみ 信原 幸弘 坂上 雅道 原 塑 三浦 麻子 小倉 加奈代 乾 健太郎 田中 優子 沖林 洋平 小口 峰樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は,課題1-1「市民リテラシーと批判的思考のアセスメント」では市民リテラシーを支える批判的思考態度を検討し,評価ツールを開発した。課題1-2「批判的思考育成のための教育プログラム作成と授業実践」では,学習者間相互作用を重視した教育実践を高校・大学において行い,効果を分析した。課題2「神経科学リテラシーと科学コミュニケーション」では,哲学と神経生理学に基づいて推論と情動を検討した。さらに市民主体の科学コミュニケーション活動を検討した。課題3「ネットリテラシーと情報信頼性評価」では,放射能リスクに関する情報源信頼性評価とリテラシーの関連を調査によって解明し,情報信頼性判断支援技術を開発した。