著者
川端 弘治
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

広島大学1. 5m望遠鏡と可視広視野偏光観測装置HOWPolを即時観測可能となるように整備し、ガンマ線バーストに対して世界的にも稀な可視残光の明るい初期フェーズの偏光測光観測を行うことにより相対論的ジェットの磁場構造に関する新たな知見を得ることが出来た。併せて、超新星や古典新星などの恒星の爆発現象に対してその初期観測を行い、爆発の機構について議論した。
著者
町 博光
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

消滅の危機に直面している奄美諸島方言の方言敬語法の調査をおこない、統一的な記録法で保存活用するのが本研究の目的であった。奄美諸島10地点で調査をおこなうことができた。奄美諸島の敬語法のおおよそが把握できた。奄美大島本島での北部の方言敬語法の簡素化、南部での古態性などが指摘できた。徳之島方言が奄美方言での南北の特徴を持っていること、与論・沖永良部方言が沖縄方言的であることなどが明かにできた。
著者
笹谷 めぐみ
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

放射線発がんにおける点突然変異誘発機構を明らかにするために、損傷乗り越えDNA合成機構で中心的役割をもつRev1に着目をした。Rev1 の機能を欠失させた遺伝子改変マウスを用いることで、損傷乗り越え DNA 合成機構による突然変異誘発が発がんに及ぼす寄与について検討を行った。
著者
星 正治 ズマジーロフ カシム 遠藤 暁 石川 正純 高田 真志 佐藤 斉
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

加速器を使ったホウ素中性子捕捉療法のシステムを開発するため、水流によるターゲット冷却システムを新規に開発した。放射線医学総合研究所の3MeVの陽子を照射し目的とする単位面積あたりの必要な冷却能力を達成した。これにより実機の設計に入る事が可能となった。加速器を使った試験は6回行った。線量評価のための測定器として新しくボロン入りのポリエチレンとボロンの入っていないポリエチレン使用した電離箱を作成し実用可能な事を証明した。
著者
岡田 守人 伊藤 彰彦
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

がん浸潤部において高発現が確認されたNotch2とSix1について機能解析を行い、Notch2-Six1転写カスケードとして2分子が協調的に一連の遺伝子群の発現を活性化し、肺上皮細胞においてepithelial-mesenchymal transition, EMTや核の腫大を促進させることにより肺腺癌の悪性化が進展する可能性を明らかにした。新たにGGO/ Solid混在の肺腺癌症例において2分子の免疫組織染色による発現パターンと臨床データとの関連性の検討を行い、2分子が浸潤部で高発現を認める肺腺癌症例は浸潤部で高発現を認めない症例よりも悪性度が高い可能性が示唆された
著者
神谷 研二 笹谷 めぐみ 飯塚 大輔 増田 雄二
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

最新の突然変異誘発機構の研究成果を応用して、低線量放射線被ばくに対する分子レベルの生物線量計の開発を試みた。生物線量計として、突然変異を誘発する Rev1 トランスジェニックマウスとヒト家族性大腸腺腫症のモデルマウスを交配した F1 マウスを使用した。その結果、F1 マウスは、自然誘発がんのみならず、放射線誘発がんを高頻度に発症した。このマウスを使うことで放射線発がんリスクを評価できる可能性があると考える。
著者
由井 義通 若林 芳樹 神谷 浩夫 古賀 慎二 宮内 久光 加茂 浩靖 中澤 高志 久木元 美琴 久保 倫子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

労働の女性化の実態を把握するために,労働市場,就業先における労働状況,終業後の生活時間,家族状況などの相互の側面を関連づけながら,労働力の女性化の実態について多面的な解明を試みることによって,経済のサービス化とグローバル化を原因とした労働の女性化について明らかにした。研究の意義としては,労働力の女性化に対して多様な女性就業の実態を捉えるとともに,住宅問題や保育問題を関連させて分析した点である。
著者
吉野 正史 滝本 和広 滝本 和広
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ベクトル場の標準形理論にあらわれる形式変換の発散現象をDiophantine条件を用いることなく,解析的に扱う方法をしめした.方法は,漸近解析の考え方に沿い,ボレル総和法を拡張して発散級数を適当な部分領域で意味づけて行った.さらに.解析的非可積分性と滑らかな可積分性が同時におこるようなハミルトン系で,発散する第一積分をボレル総和法の観点から意味づけた
著者
森信 繁 宮本 和明 福田 浩
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

1) 難治性うつ病の病態解明に関するBDNF遺伝子メチル化の解析対象は電気けいれん治療を受けた難治性うつ病群15例であり、治療前後での解析を行った。解析方法は、MassARRAYシステム(SEQUENOM)を用いた定量的メチル化解析法である。Exon 1のプロモーター領域にあるCpGアイランド内のメチル化の解析では、特に本治療によって特徴的に変化する部位は検出されなかった。Exon 4プロモーター及びexon 4内のCpGメチル化の解析でも、特に本治療によって特徴的に変化する部位は検出されなかった。Exon 1プロモーター領域のCpGアイランド内のメチル化の解析結果から、難治性うつ病群と未治療うつ病群を比較すると、難治群で低メチル化であるCpG32や難治群で高メチル化であるCpG4, 71などでのメチル化の程度の違いから、難治性うつ病群と未治療うつ病群は、異なったクラスターに分類される可能性が示唆された。2) 難治性うつ病の病態解明に関する拡散テンソル画像を用いた研究対象は難治性うつ患者8例・健康対照者6例であり、3テスラMRI装置(GE社製Signa Excite HD3.0T)を用い、頭部の拡散テンソル画像を撮像した。得られたデータからfractional anisotropy(以下FA)画像の作成を行った。患者群の前頭前野白質のFA値は健康対照群と比較して、AC-PC線20mm頭側の断面で、有意な減少が見られた。難治性うつ病群で前頭前野白質のFA低値がみられたことから、同部での微細脳構造の異常が示唆され、うつ病症状との関連が考えられる。今回の研究結果は、うつ病の難治化にBDNF遺伝子のメチル化の変化や前頭前野の白質構造の変化が関与していることを示唆していると思われる。
著者
小林 京子 高橋 美与子
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.111-118, 2002-03-18

「食」の果たす役割は,健康な体の維持,成長発育の増進,活力の源のみならず,人と人とのつながりを深め心の豊かさを育むなど,心身両面の健全な発達に深く関わっている。しかし,今日は,生活諸般で利便性を求め,食生活も例外ではない。社会情勢の変化,家族形態の多様化等も相伴って,食生活の社会化・多様化・味の画一化が進んでいる。こうした食生活が一要因となり,「食」に関わる諸問題が生じ,「食育」の必要性が警鐘されている。成長期であると共に,食習慣・価値観の形成期でもある青少年が,栄養や食品に関する基礎的知識,調理の基礎的技術,バランスのとれた食事の整え方,会食の楽しさ,食事のマナー等の一連の学習をする中で,夏休みの課題として,家族の協力を得ながら食事作りに取り組む課題を課した。本研究は,この体験学習から学んでいる成果の一端を述べる。
著者
志々田 まなみ
出版者
広島大学
雑誌
広島大学大学院教育学研究科紀要. 第三部, 教育人間科学関連領域 (ISSN:13465562)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.91-98, 2003-03-28

This paper analyses the theory of philanthropy by F. P. Keppel and the historical role of the private foundation ""Carnegie Corporation of New York"" in American adult education. Keppel who is the 5th president of Carnegie Corporation suggested the national association of adult education ""American Association for Adult Education"". His idea also held the plan of reform of his cooperation. Carnegie cooperation was looked critically with American society, because the big powers of the cooperation were a threat to the powers of the states. He had to sweep away the criticisms of cooperation and be trusted in American society that the cooperation had the social mission to work for the public good. For that reason, he made his theory of philanthropy. And he decided to support for adult education for the social mission of the corporation. The examination of his theory of philanthropy is highly suggestive for investigate of idea of national association of adult education organized by private foundation.
著者
阪田 正大
出版者
広島大学
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.49-67, 2004-03-19

本稿は, 地方公共団体が経営参加する第三セクター法人に注目し, フェニックスリゾート株式会社の第1期から第12期(1988年12月から2000年3月)を例にとり, 貸借対照表および損益計算書からキャッシュ・フロー計算書を間接法により作成し, キャッシュ・フロー分析を行う。そして, 同社の有形固定資産とキャッシュ・フロー産出能力に注目しながら, 効率性および有効性について検討する。その結果, 同社の設備投資が過大であり, 営業活動においてはキャッシュ・フローを産出しない一方で, 借入金によって事業を存続させていたことから, 経営悪化が進展するとともに, 地方公共団体が出資以外にも補助金を投入することになったことがわかった。このことから, 地方公共団体が第三セクター法人を設立または支援する際には, 当該法人のキャッシュ・フロー分析を実施し, 適切な設備投資をするべきであり, 経営改善が見込めないことが判明した場合には, 補助金を交付すべきではなく, 早期に倒産処理を模索するべきであることを論じる。
著者
伊藤 彰浩
出版者
広島大学
雑誌
大学論集 (ISSN:03020142)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.149-168, 2006-03
著者
小川 泰生
出版者
広島大学
雑誌
広島外国語教育研究 (ISSN:13470892)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.117-129, 2003-03-31

前回,中国語聴取法教材資料集《〓〓和他〓》(1)を発表して,中国語聴取法演習の授業では,これを教材として使っている。前稿でも述べたが,発音が標準的であり,会話の速度も適当で,話されている言葉も日常会話が多く,言葉がはっきりと明瞭に発音されており,聞き取りやすい。また,政治的な宣伝臭さ,教訓臭さはあるものの,若者の恋愛,仕事,生活がコメディタッチでテンポよく描かれているので,学生達の評判もよい。NHK教育テレビで放映された際,字幕はあったが,字幕の性質上,省略された箇所や意訳が多く見られる。本稿では,学習者が構文を理解しやすいように,日本語としては生硬かもしれないが,敢えて直訳的な訳を付した。