出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.637, pp.34-37, 1999-04-05

トヨタ自動車が売り出した世界初の量産ハイブリッドカー,プリウスは,一般ユーザーでも手が届く価格だったこともあり,予想を超えるヒットとなった。これに見られるように1998年は環境問題への取り組みが,広く一般レベルで形となって表れた年だった。 建築の分野でもそうした傾向が見て取れる。
著者
一木 博
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.162-163, 2019-04-20 (Released:2020-04-01)
参考文献数
2

化学教育に携わる中で,「過マンガン酸カリウムの方が過酸化水素より強い酸化剤である」がかなり広く認識されていることを不安に感じ,なぜそのような認識になるのかについて,2017年度京都理化学協会研究会で発表した探究活動の授業実践例を紹介する。生徒自身がわからないことや疑問に思うこと,資料から読み取ったことに対しての探究活動を行い,段階的に仮説の検証を行った。実践内容,授業での考察および生徒の感想を記すことで,正しい「酸化力の決定」についての認識を広く伝えたいと考えている。
著者
Erina Ota-Tsukada
出版者
Keio University Faculty of Letters, Department of Asian History
雑誌
Al-Madaniyya (ISSN:24360678)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.41-61, 2021 (Released:2021-09-22)

Zayn al-Dīn Abū Bakr ibn Muzhir was one of the most prominent bureaucrats of the late Mamlūk period. It is worth noting that during the financial crisis of the fifteenth century, Zayn al-Dīn maintained the highest authority as an administrator for a considerably long time. In this paper, we focus on the relationship between Zayn al-Dīn and his contemporary scholars, who were an important part of his horizontal networks. Most of them described Zayn al-Dīn as a virtuous, ideal bureaucrat; however, historical facts reconstructed by al-Biqāʻī’s chronicle are in great discord with the image of Zayn al-Dīn narrated by many historians. Zayn al-Dīn’s charitable projects for scholars not only extended his influence by gaining the scholars’ support and controlling them at the same time but also functioned as an investment from a long-term perspective, to pass down his positions, wealth, and human networks to the next generation. Al-Biqāʻī’s letter to Zayn al-Dīn, written after the controversy of Ibn al-Fāriḍ, reflects his wide authority over personnel affairs. His acquisition of an exceptionally long period of service could be attributed to his vertical and horizontal networks, based on the exceptional scale of his patronage as a civilian bureaucrat of his time.
著者
Kazuhiro Iwama
出版者
Keio University Faculty of Letters, Department of Asian History
雑誌
Al-Madaniyya (ISSN:24360678)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-20, 2021 (Released:2021-09-22)

This article considers the characteristics of the Japanese Empire’s food culture among the colonial empires of world history. It points out that Japanese people have a strong interest in colonial cuisines, such as “Taiwanese cuisine,” “Korean cuisine,” and “Manchurian cuisine.” While Korean cuisine sometimes became an expression of nationalism in the colony, Taiwanese cuisine and Manchurian cuisine were mainly promoted by Japanese colonists. This article considers the whole picture of Manchurian cuisine, in particular, for the first time. In addition, Crown Prince Hirohito (later Emperor Shōwa) tasted Taiwanese cuisine in Taipei in 1923 and food from the Chinese continent in Tokyo on New Year’s Day in 1940. These meals are interpreted as political ceremonies symbolizing the integration of the Japanese Empire.
著者
田中 裕子 久保 裕史
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.160-172, 2018

我が国では、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少、働き方の多様化などの状況に直面し、生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を発揮できる環境作りといった「働き方改革」が進められている。そのような中、人材流動化を実現する人材紹介業の役割はますます重要になると考える。しかし、人材紹介業においては、十分な経験とスキルを有する専門家が少なく、人材育成を急速に進めたとしても不足分を補えない状況であると認識している。そこで、本論文では、人材紹介業における専門家不足の状況に対して人工知能技術を適用した事例を用い、その取組みにおけるP2M理論の有効性を示すととともに、P2M理論にもとづきノウハウ共有における人工知能技術の有効性について論じる。
著者
土川 信男
出版者
埼玉大学経済学会
雑誌
社会科学論集 = SHAKAIKAGAKU-RONSHU (The Social Science Review) (ISSN:05597056)
巻号頁・発行日
vol.142, pp.99-110, 2014

This paper examines the attitudes of the Minseito Party towards issues concerning the emperor and the imperial household at the time of the TANAKA Giichi Cabinet when the party was an opposition party. The paper takes this theme as part of the study of party politics during the period of party cabinets, and intends to rebalance the evaluation of the Seiyukai Party and the Minseito Party.At the beginning of the TANAKA Cabinet, the Minseito Party advocated the parliamentary government and the party cabinet, and it maintained that the emperor should not take practical part in politics. The party also criticized the political influence of the house of peers and the privy council.Later, the Minseito Party took issues concerning the emperor and the imperial household to attack the TANAKA Cabinet. The basic logic used by the party coincided with the attitude of the party at the beginning, though the manner of arguments was rather restrained. The party also sided with the house of peers and the privy council when they blamed the cabinet with issues concerning the emperor and the imperial household.
著者
西野 廣貴 富山 栄子
出版者
事業創造大学院大学
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.143-160, 2019-04

日本の水辺の新しい活用の可能性を創造していくためにミズベリングプロジェ クトが注目されている。市民や企業、そして行政が三位一体となって、水辺とま ちが一体となった美しい景観と、新しい賑わいを生み出すムーブメントが、 2014年のミズベリング東京会議を皮切りに、全国各地で次々と起きている。 新潟市の中心市街地を流れる信濃川の緩傾斜堤防である「やすらぎ堤」では、 行政主導のイベント等による水辺空間の利用から、2016年の都市・地域再生等 利用区域の指定により、企業活動の可能性が大きく拡がったことから、民間事業 者の活動促進による水辺空間の賑わい創出が進められている。本稿では「ミズベ リング信濃川やすらぎ堤」に着目し、企業活動を行う上での条件となる都市・地 域再生等利用区域指定までの道のりや、2016年度から2018年度までの実施状況 を調査し、さらなる魅力的な水辺空間を創造するための方策を検討した。
著者
松尾 聡 合志 和洋 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.46, pp.85-92, 1996
参考文献数
7
被引用文献数
2

我々は、歩行者の追尾手段としてディジタル携帯電話を用いた歩行者追尾システムについて検討している.これは万歩計, 地磁気センサからの情報を基に歩行者側携帯システム内で計算された位置情報をディジタル携帯電話を用いて基地局へ伝送することにより, 歩行者の追尾を行なうものである.本システムを用いて, GPSによる測位が難しいとされるビルの谷間や地下街, また, 道路の入り組んだ住宅地や山間部などで評価実験を行なった.その結果, いずれの場所においてもかなりの精度で追尾が可能であることを確認できた.また, 歩行者がバスや電車等の交通機関を利用した場合についても、有益な情報を得られることが明らかになった.さらに, 本システムの徘徊老人追尾への適用について検討した結果, 歩行者側システムの小型, 軽量化という課題が挙げられたが、徘徊老人の事故防止のために本システムが有用であることが確認できた.
著者
春日 飛鳥 清水 惠子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.63-74, 2018-06-30 (Released:2019-06-30)
参考文献数
21

研究目的は地域で生活する統合失調症患者の生活の見通しを立てる体験を明らかにすることで,デイケア通所者8名に対し,半構成的面接法を用いて質的記述的に分析を行った.地域で生活する統合失調症患者の生活の見通しの立て方には,〈生活の目標やイメージ〉に向かって,“志向の段階”“試行の段階”“行動の段階”があり,それらの各段階には〈生活の見通しに影響していることがら〉が存在していた.すなわち【精神障害に対する前向きさ】【家族や仲間の支え】【社会資源の活用】が生活の見通しを明るくし,【病気とつきあう困難さ】【厳しい現実の壁】【周囲の人との折り合いの悪さ】【日々の生活における自信のなさ】が見通しを遮り,【一日の充実感の有無】が明るくも暗くもしていた.生活の見通しを立てる支援として,支援者自身がリカバリー志向をもって当事者とともに目標達成の可能性を探り,〈生活の見通しに影響していることがら〉に介入した支援が求められた.
著者
利根 一郎[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1951-07
著者
山元 得江 清野 紘典 岸本 康誉 西垣 正男 美馬 純一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;ニホンザルの保護管理計画を策定・運用するにあたり,群れの生息状況は基礎的な情報として必要である.限られた予算のなかで費用対効果が高い群れ生息分布調査を実現するため,サル出没カレンダー調査(日誌形式アンケート調査)から,低コストで広域的に群れの生息分布を推定するプログラムを開発し,その実用性が検証されている(清野 他,2011).サル出没カレンダー調査は,既存の分布のみを把握するアンケート等と比較し,行動圏・個体数・加害レベル等が群れごとに推定できるため,群れ管理が必要とされるサルのモニタリングとしては得られる情報が多く,広域に群れが生息している地域では汎用性が高い方法と考えられる.<br>&nbsp;福井県は,特定計画の策定に向け,サルの生息状況をモニタリングするため嶺南地域においてサル出没カレンダー調査を実施した.嶺南地域の 2市 5町約 850名に 1ヶ月間一斉にサルの出没を記録してもらい 1825件のサル出没情報を収集した.サル出没情報のうち,群れ情報のみを群れ判別プログラムで分析した後,一部の群れで実施したテレメトリー調査の結果で補正し, 36群の行動圏を推定した.推定された各群れの情報から,群れごとの加害レベルと個体数を推定した.加害レベルを 10段階で評価したところ,大半の群れは 6~ 8レベルにおさまり,個体数は約 1200~ 1600頭と推定された.<br>&nbsp;福井県嶺南地域は,連続的な群れの生息分布が確認されている地域ではあったが,群れごとの行動圏と特性がはじめて体系的に明らかにされ,本法が管理計画に資する基礎情報の収集に適していることが示された.また,サル出没カレンダー調査から得られた情報を各地域スケールで GIS解析し,サルの出没や被害状況を可視化した.これらの情報は,被害対策を優先的・重点的に取り組む際の意思決定を支援する資料して活用されることが期待される.

1 0 0 0 木津町史

著者
木津町史編さん委員会 編
出版者
木津町
巻号頁・発行日
vol.史料篇 1, 1984
著者
辻本 裕一 藤田 昌弘 波多野 浩士 新井 康之 高田 剛 高田 晋吾 本多 正人 松宮 清美 藤岡 秀樹 布施 貴司 山吉 滋 安藤 正憲 西田 義記
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.407-410, 2008-06

12歳男。自転車走行中にバイクと接触し, 左側腹部痛を来たした。検査所見で白血球増加, 貧血, LDH・CK上昇を, CTで左腎上極の断裂と周囲の血腫形成を認めた。血管造影を施行し, 左腎上極へ分枝した動脈からの出血を認め, コイルによる選択的動脈塞栓術(TAE)を行った。しかし受傷後2日目に左側腹部痛増強と肉眼的血尿が出現し, 血管造影で同じ動脈からの出血を認め, 再度TAEを行った。受傷4日目も炎症所見と発熱が続き, 貧血が進行したためCTを施行した。血腫は縮小傾向であったが, 左上断裂腎からの尿漏を認め, 感染症の併発を考えて断裂腎に対するTAEを試みた。左腎上極へ分枝した動脈をスポンジセルを用いて塞栓したところ, 徐々に解熱, 炎症反応改善が得られ, 23日目のCTでは血腫縮小傾向を認めた。受傷5ヵ月目のCTでは断裂腎は萎縮し残存していたが造影効果は認めず, 血腫は完全に吸収され, 残存腎の機能は十分に温存されていた。尿漏や水腎症などもなく経過順調である。