著者
吉村 作治
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
1999-03

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1463号 ; 学位の種類:博士(工学) ; 授与年月日:1999-03-4 ; 早大学位記番号:新2837 ; 理工学図書館請求番号:2375
著者
中村 純夫
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.57-66, 1997-03-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

1.大阪府高槻市でハシボソガラスについて,1990年から1992年まで親子関係の変化を調べた。変化の過程は,4つの段階に分けることができた。2.第1段階:巣立ちから,幼鳥が独自に餌を取るようになるまで。親は子の接近を受容し,攻撃的反応を示さなかった。3.第2段階:まず雄親が幼鳥の接近に対して,牽制や威嚇で応じるようになり,親子の間合いが広がった。雌親は始めは受容的だったが,後に雄親と同じ反応を示した。幼鳥は親のなわばりの外での活動時間を増やしてゆき独立に向った。4.第3段階:両親ともに幼鳥に対してにわかに攻撃的になり,幼鳥は家族ねぐらから出て,生活の中心を親のなわばりの外に移した。その後,同腹の幼鳥は別々に行動するようになった。5.第4段階:親のなわばりへの滞在は更に減少し不規則になり,接近時には必ず牽制や威嚇を受けた。次の繁殖開始までには,親のなわばりに寄り付かなくなった。6.雄親は第2段階と第3段階で雌親より攻撃性が高かった。第2段階の始めに雌親が受容的であったのは,急激な変化を避ける効果があった。第3段階で両親がそろって厳しい態度になったことが,幼鳥の独立を決定づけた。7.幼鳥の発達に応じて親は次の段階への移行を調節している可能性がある。また幼鳥が独立してゆく節目である,親のなわばり内での観察時間が減少し始めた時期と同腹の幼鳥が別行動を取るようになった時期が両年で一致していた。独立を決定する要因が親子間の対立だけではないことを示唆している。8.幼鳥が第2段階以降のどこで独立するかを決める要因としては,親のなわばりの餌条件や親がなわばりを保持する期間などが考えられる。
著者
川口 文夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.531, pp.58-60, 2001-09-24

末席常務から16人を抜いて社長に昇格。情報システム部門の出身で,業務システムの設計やプログラミングの経験も豊富—。異例の大抜擢で今年6月に中部電力社長に就任した川口文夫氏は,規制緩和による競争を勝ち抜くための絶対条件として,「変化への挑戦」を掲げる。その決め手の一つは,徹底した顧客志向に基づくITサービス。
著者
藤沢 烈
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.855-859, 2018-11-01

●少子高齢化,財源不足,ライフスタイルの変化が進む中で,自助を前提に真に困っている方を助ける医療を目指して,医師自身の働き方改革に注目が集まっている.●医師の働き方改革として「テクノロジーの活用」「女性の働き方改革」「多様なキャリア形成」の3つのポイントがある.●医師の働き方改革により,医師の役割はコミュニケーション重視となり,他業種と連携した医療業界への関わりなどが進むと考えられる.
著者
沖 大樹 山本 祥輝 奥村 宏征
出版者
三重県科学技術振興センター水産研究部
巻号頁・発行日
no.11, pp.15-21, 2004 (Released:2011-03-05)

平成13年6月から平成14年2月にかけて熊野灘北部沿岸で増加傾向にあるガンガゼについて生物学的知見を収集するとともに試食による評価を行い、食材としての可能性を検討した。また、鹿児島県におけるガンガゼ流通の現状を把握し、三重県における本種の利用の可能性ついても考察を試みた。1.贄浦地先に生息する個体群と宿浦地区の個体群の平均殻長はそれぞれ46.3mm、54.3mmで、贄浦産が平均殻長で8mm大きかった。2.生殖腺熟度指数の月変化より産卵期は、両地区とも7-8月に盛期を迎えると推察された。3.食材として利用可能と判断された7g以上の生殖腺を持つ個体の月別の殻長サイズ別出現率から、殻長が50mm以上の個体は両地区とも利用可能と考えられ、同殻長サイズにおける利用可能な期間は宿浦に比べ贄浦が長かった。4.試食の結果、熊野灘北部沿岸に生息するガンガゼは食用ウニ類に比べ生殖腺の色彩、味覚は劣るが、食材としての可能性はあると評価された。5.鹿児島市内でガンガゼが流通するウニ類の35%と多くを占めた要因として、他の県内産食用ウニ類の水揚量が少ないことに加え、我が国におけるウニ類の主要産地と距離的に隔たりがあったことが考えられた。以上の結果より、三重県熊野灘北部沿岸に生息するガンガゼについては地域差があるものの食材として利用の可能性があると考えられた。また、三重県におけるウニ類の流通事情は鹿児島県とほぼ同様であると考えられることから、県内においてもガンガゼを市場流通させる可能性はあると推察された。
著者
川添 和人
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会研究会講演予稿
巻号頁・発行日
vol.7, pp.27-28, 2008

今日の映像はコンピューターの画像処理や表現技術により、豊かな情報文化をもたらしています。一方、見る人の目も進み、臨場感や違和感選別の能力ももちあわせています。メディアの違いや、技術的な進化の中で、作り手として、時代感覚・表現と感性に葛藤している先端の方の考えを伺い聞く機会としました。特別招待講演者 川添和人氏は、1959年生まれ。早稲田大学卒業後、特撮工房アニメーションスタッフルームに12年ほど在籍し、この間アニメーションからミニチュア製作、モーションコントロールカメラの開発、特殊美術デザイン、コンピューターグラフィックスに至るまで様々な特撮技術を駆使し、TVCMを中心に数多くの映像制作に携わりました。95年"有限会社スペイシィ"を設立以降、映画「スパイ・ゾルゲ」「海は見ていた」「梟の城」『プライド"運命の瞬間"』などのVFXスーパーバイザーや、ミュージックプロモーション、ゲーム開発、WEBコンテンツ制作、イベントの企画などに映像のジャンルを広げながら、現在、株式会社スペイシィプロダクツを有しての、CG業界の先駆者としてご活躍されています。
著者
神崎 正人
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.8-15, 2012-02

1990年頃から胸腔鏡下手術が始まった.当初、VATS=Video-assisted thoracic surgeryで、胸腔鏡補助手術であったが、現在VATSは、Video-assisted thoracoscopic surgeryになっている. 大別すると、1.完全胸腔鏡下手術、2.ポートアクセスVATS、3.小開胸直視併用の従来のVATSとなる.当科では、 1992年より胸腔鏡を導入した.主として肺部分切除には「2;ポートアクセスVATS」、肺亜区域切除以上では「1;完全胸腔鏡下手術」でおこなっている.,VATSでは、視野の展開に制限があり、開胸手術のように、多方向から肺門部を観察し、肺動静脈の分岐パターンを学習・習得する機会がなくなっている.しかし、 VATSは必須の手術手技であり、胸部CTから症例ごとの血管・気管支の走行、分岐を同定し、胸部CTから得られた情報をもとに、仮想の手術を組み立てなくてはならない.,当科では、個々の症例でCT画像から肺の3Dを再構築し、視野制限を補填し、安全なVATSに努めている.3D再構築の手順は、術前に胸部単純CTを肺門から腫瘍まで1mm(以前は2mm)幅で、高分解能CTを最低12cm撮影する.CT画像をDICOMデータに変換し、パーソナルコンピューター(以下PC)で3D画像を作製する.用いるソフトは、フリーソフトのCTTRYとシェアウェアのMetaseqoiaである.作製した3D画像は、着色、切断、変形、接合、透明化などの3Dワークス機能により、切除範囲、手術の手順を明確化でき、術前のシミュレーションが可能となる. PCで作製するので、簡単に持ち運べ、術中ナビゲーションに使用している.3D画像作製過程で、CTの読影、肺の局所解剖の教育的側面があり、PCがあれば3D構築画像の学習が可能である.現在、呼吸器外科手術におけるVATSは様々な疾患に適応され、その手術適応も拡大され、主流となっている.,
著者
永田 和宏 後藤 和弘 須佐 匡裕 丸山 俊夫 永田 和宏
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1988

高温材料の耐酸化性の向上はAl_2O_3、SiO_2またはCr_2O_3などの酸化物皮膜を表面に形成することにより達成される。まず、高温材料表面に生成するSio_2膜の形成に関してそのモデルとしてSiの高温酸化を行い、酸化速度と生成するSiO_2の性質について研究した。また、薄い膜の熱伝導率を測定する新しい手法を開発した。(1)Siの熱酸化機構に関する研究:Siの熱酸化速度からSiO_2中の酸素の拡散係数を求めた。さらに、酸化速度の酸素分圧依存性はSiO_2中の酸素の溶解度の変化によることを明らかにした。また、臭素ガスの酸化速度に及ぼす効果を明らかにした。(2)薄膜材料の熱伝導率測定法の開発:昭和63年度で開発したスポット加熱法を改良したパルススポット加熱法を完成した。この方法はレ-ザ-ビ-ムを試料表面にパルス状に照射し、表面の温度変化を測定する方法である。これにより、25μm以上の膜厚のSiO_2の熱伝導率を測定できることを明らかにした。次に、金属材料の超高温使用を目的として高融点金属のモリブデン(Mo)の表面にパックセメンテ-ション法によりAlを拡散処理して、その耐酸化性の向上に関する研究を行った。(3)パックセメンテ-ション法によるMo表面のAlコ-ティング:Moに塩化アンモニウムを活性剤としてAlをパックセメンテ-ション法によりコ-ティングした。コ-ティング層は冷却時に導入された多数の亀裂を有するMo_3Al_8から成っている。Mo_3Al_8自身は高い耐酸化性を有しているが、高温酸化時にコ-ティング層中の亀裂が進展してMo基板にまで達する事により、耐酸化性が失われることを明らかにした。これは、小量のSiを予めコ-ティングした後、Alコ-ティングすることで解決できることを見いだした。さらに、コ-ティング層の生成過程を、新たに作成したMoーAlーSi系の状態図を用いて、解明した。さらに、薄膜中の陽イオン拡散のモデルとしてWO_3中のLiの拡散について調べた。また、超高温材料として有望な炭素材料のAlによる耐酸化性コ-ティングに関する基礎研究にも着手した。
著者
酒井 達郎 川合 弘志
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, pp.385-387, 1966-09-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
5

(1) 本実験は千歳飴の曲り防止のため行なったもので,製造後どのような保管温度に置かれても粘度が1010Poise以上あれば曲りは防止できる。(2) 濃縮温度140℃と145°~150℃では飴内部の結合状態が異なり,140℃の場合は145℃に比較すれば非常に曲りやすい。(3) 濃縮温度140°~150℃における見掛け活性化エネルギーは測定温度領域25°~40℃で85.4~63.2kcal/molである。
著者
虫明 眞砂子 村尾 明子 髙野 敦
出版者
岡山大学大学院教育学研究科
雑誌
岡山大学大学院教育学研究科研究集録 (ISSN:18832423)
巻号頁・発行日
no.140, pp.65-75, 2009-02-25

谷川俊太郎の詩が合唱曲の歌詞として,なぜ多くの作曲家によって取り上げられているのか,また,その詩は音楽とどのようなつながりを持つのかについて検討した。その結果,前者については,谷川の詩が,一文が簡潔であること,ことばにリズム感があること,誰もが体験する内容をわかりやすい言葉を用いていることで共感を得やすいことがその原因であることがわかった。後者については,谷川の同一の詩に異なる作曲家が作曲した合唱曲を試聴することにより調べた。その結果,作曲者が異なっても,試聴者は詩に対して共通のイメージを持つこと,それぞれの作品の特徴を的確に捉えていること,更に,作曲者は,時代による音楽環境の変化を捉えた表現方法をとっていることがわかった。
著者
香山 はるの
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.36, pp.35-42, 2003-03

この論文はAnthony Trollopeの後期の作品The American Senatorを'condition-of-England' novelとして読む試みである。アメリカからイギリス見聞にやってきたElias Gotobed(以下Senator)は,好奇心旺盛で見るもの聞くもの全てについて,愚直なまでに正直なコメントをし,しばしば周りの者を苛立たせる。その様子は読者の笑いを誘うが,小説中の彼の役割はそういった喜劇的なものにとどまらない。たとえばSenatorは,国教会や陸軍,選挙区等,イギリスの諸制度に潜む不平等や矛盾を指摘するが,実際彼の見方は間題の核心をつくものが多い。また,彼はイギリス社会の腐敗を階級の問題と結びつけ,貴族の金権支配や上流階級に蔓延るマテリアリズムなどを,痛烈に批判する。Trollopeは究極的には,Senatorの示唆するようなイギリスの社会構造の変革までは考えていないようだが,その内部にある(上に言及したような)様々な間題についてはしばしば,このキャラクターの声を借りて自分の見解を主張している。この小説が出版された当時はSenatorの辛辣なイギリス批判に反感を抱く批評家も多く,評判は概して芳しくなかった。しかし,この小説を今後のイギリスのあるべき姿を探った'condition-of-England' novelとして捉えると,Senatorこそがその要となる人物であることがわかる。Senatorは外国人訪問者という立場から,イギリスの「常識」を外から眺め,(イギリス人自身が気づかない,或いは認めたくない)その非合理性を暴いてみせる。小説の後半,Senatorの講演は中断され,彼は再び'New World'に戻るが,彼の残したメッセージは,ヒロインMary Mastersの幸せな結婚といったコンヴェンショナルなエンディングに完全にかき消されることなく,その余韻を残している。The American Senatorには,それまでアメリカをはじめ,様々な国を旅してきたTrollopeが体得した2つの視点-内なる母国と外から眺めたイギリス-が興味深く交錯し,深いアイロニーを生み出しているのである。
著者
村上 朋彦 田中 繁治 笘野 稔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.G2S2033, 2009

【目的】<BR> 性格や考え方の違いが学業成績に差を生むのか.例えば好奇心旺盛で物事を前向きに捉える活発な人と,いつも退屈そうで不満が多く悲観的な人との間に差はあるのか.もし差を生むのなら性格的傾向に合わせた対策が必要となる.<BR> そこで,Farmerら(1986)が考案したThe Boredom Proneness Scale(退屈傾向スケール,以下BPスケール;28の設問からなる質問票で『1人で楽しむのが得意だ』等の設問に対し『はい,どちらでもない,いいえ』から回答,採点は1・4・7点の3段階,高い点ほど退屈を感じやすい傾向にある)を用い,『退屈』という心理状態に陥り易いか否かという視点で性格的傾向を点数化し,学業成績との関連を調査した.<BR>【方法】<BR> 対象は3年制の某理学療法士(以下PT)・作業療法士(以下OT)養成校の学生170名(男性73名;女性97名,平均年齢22.2±4.5)である.専攻・学年別の内訳は,PT専攻1年(以下PT1)37名・2年(以下PT2)30名・3年(以下PT3)39名,OT専攻1年(以下OT1)23名・2年(以下OT2)22名・3年(以下OT3)19名であった.<BR> BPスケールの点数(以下BP値)の平均点を,学年別に分けた3群間と専攻・学年別に分けた6群間にてKruskal-Wallis検定を用い多群比較した.<BR> 次に,BP値と学業成績の関連をみるため,専攻・学年別にSpearmanの順位相関係数の検定を行った.検定対象の成績は調査時点で履修済みである全科目の平均点である.但し,2・3年生の場合,1年次と2年次の成績を分け,2つの代表値を対象とした.更に,2・3年生は専攻・学年別の4群内で各々BP値の高値群と低値群に二分し,2群間の成績を比較した.最後に,全対象者を原級留置の経験の有無により2群に分け平均BP値を比較した.上記の2群間比較にはMann-WhitneyのU検定を用いた.<BR> 検定は統計ソフトStatView 5.0を用い,有意水準を5%以下とした.尚,本研究は倫理委員会の承認を受け,対象者の同意を書面にて得た上で実施した.<BR>【結果】<BR>1)対象集団の平均BP値<BR> 全学生の平均は99.2±21.9,中央値100であった.学年別の3群間,専攻・学年別の6群間に有意差は無かった.<BR>2)学業成績との相関<BR> OT1の成績,PT3の2年次成績にのみBP値との間に相関係数-0.49と-0.43の負の相関を認めた(p<0.05).<BR>3)BP高値群と低値群の成績推移<BR> PT3の1年次成績はBP高値群で平均79.8点,BP低値群で平均81.7点,2群間に有意差は無かった.しかし2年次成績はBP高値群の平均75.8点よりBP低値群の平均78.1点が有意に高かった(p<0.05).他3群に同じ傾向はなかった.<BR>4)原級留置の有無の差<BR> 原級留置を経験した群(n=30)の平均BP値は109.0で経験のない群(n=140)の97.2より有意に高値であった(p<0.01).<BR>【考察】<BR> BP値と学業成績に強い相関関係を認めなかったが,BP高値者は低値者に比べ成績不振や原級留置となるリスクを持つのかも知れない.従い,BP値を1つの指標として活用し,高値者への支援をその方法論と伴に考える必要がある.