著者
河合 敦夫 村林 篤 椎野 努
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, 1997-09-24

画像処理ソフトウェアの蓄積や, ハードウェアの低価格化, 高速化により, 各種画像処理応用システムが作られている。我々は, 現在, 菓子パンの種別(クロワッサン, メロンパン, ...)を認識する画像処理系を試作している。
著者
島津 裕子 関村 照吉 大澤 純也
出版者
岩手県工業技術センター
雑誌
岩手県工業技術センター研究報告 = Research bulletin of the Iwate Industrial Research Institute (ISSN:13410776)
巻号頁・発行日
no.11, pp.27-32, 2004-07

ナンブコムギの需要拡大のためには、パンヘの利用も望まれるところである。しかし、ナンブコムギの製パン適性は、グルテンの量や質などで強力粉に及ばないことから、パン加工には一工夫が必要である。そこで、ナンブコムギの特性に応じた製パン法について検討したところ、ミキシングは、低速5分、油脂添加後さらに低速2分程度が良好であった。また、リーンなパンには数%の砂糖や卵を配合することによって、官能評価を良くすることができた。さらに、モルトエキスの使用も食感、風味等を向上させることがわかった。これらの加工法により、ナンブコムギの個性あるパンの開発に取り組んだ。その結果、ナンブコムギの素朴な風味を活かしたパンとしてマフィン、べーグル、クルミパン、メロンパンの4種類を県内加工業者へ提案することができた。
著者
香川 裕之 岩崎 雄一 木村 啓 犬飼 博信 佐々木 圭一 安田 類 保高 徹生 山縣 三郎 河村 裕二
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.115-124, 2021 (Released:2021-07-10)
参考文献数
50
被引用文献数
1

飛騨川上流の支流に設定した, 鉱山廃水の流入前後の計11地点で金属等の水質と底生動物, 付着藻類の流程に沿った変化を調べ, 金属濃度が低い別の支流に設定した対照地点との比較により鉱山廃水流入による生態影響を評価した。鉱山廃水流入直後の調査地点では, 亜鉛等の金属濃度が高くなり (亜鉛は最大0.94 mg L-1) , 底生動物及び付着藻類の種数等は大きく減少し, 金属濃度が高い河川でも出現する分類群 (底生動物はコカゲロウ科等, 付着藻類は珪藻類のAchnanthidium属) が優占した。金属濃度は流程に沿って減少し, 当該調査の最下流地点で底生動物群集は対照地点と類似していた。底生動物と付着藻類の種数や群集組成の流程変化は類似していたが, 付着藻類では鉱山廃水流入直後に総細胞数が顕著に増加していた。金属類に対する水生生物の変化を包括的に理解するためには, 複数の生物グループを調査する必要がある。
著者
今井 直 太原 英生 河村 章人
出版者
三重大学生物資源学部
雑誌
三重大学生物資源学部紀要 (ISSN:09150471)
巻号頁・発行日
no.23, pp.1-12, 1999-12
被引用文献数
2

1996年7月から1997年9月にかけて的矢湾の低次生産環境要因(水温,塩分,透明度,溶存酸素量,クロロフィルa濃度,硝酸態窒素,亜硝酸態窒素,ケイ酸態ケイ素及びリン酸態リン)の観測調査を行った。その結果,塩分,クロロフィルa濃度及び硝酸態窒素は上層でより大きな季節変動を示したが,溶存酸素量,亜硝酸態窒素及びケイ酸態ケイ素は下層でより大きな変動を示した。また,表層において硝酸態窒素とケイ酸態ケイ素は低塩分時に高濃度を示すことから,河川水の影響を強く受けていることがわかった。これに対し,亜硝酸態窒素とリン酸態リンは,溶存酸素量が少なくなる夏季の下層で高濃度を示すことから,底土表層のバクテリアによる再生が寄与していることが示唆された。クロロフィルa濃度は,河口に近く栄養塩濃度が高い湾奥部よりも河川水の影響が比較的弱い水道部において高濃度を示した。また,本研究の調査結果と既知のカキとアコヤガイの生息環境の好適・不適条件を比較すると,的矢湾の湾奥部はカキと真珠の養殖漁場としては不適環境になる可能性のあることが示唆された。
著者
山浦 直人 小西 純一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究論文集 (ISSN:13495712)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.95-111, 2008-06-15 (Released:2010-06-04)
参考文献数
30

During the first half of the Meiji Era, the raw silk industry developed in Naganoand the newly wheeled vehicles such as horse carriages increased gradually. To accommodate such wheeledvehicle traffic, the construction of new main roads were proposed., namely the construction plan of the seven new main highway lines were started in 1882 and the construction of another four main highways were started form 1888.At that time these were most important large scale undertaking in the road administration of Nagano prefecture in Meiji Era. The various documents including route survey maps, drawings of bridges and specifications were made before construction works started. The private enterprise contracted to construct these works by competitive bidding.In addition to this, the technical report of De Reijke on roads and bridges affected these construction works.As new highway roads were constructed, the traffic density of horse carriages increased largely and the raw silk industry developed rapidly. There is a close connection between these two events.
著者
倉元 綾子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, 2015

【目的】子どもの貧困,虐待,殺人など,個人・家族・社会において生活をめぐる多様な問題・課題が発生している。このような状況において,個人・家族の生活に関する教育の必要性が認識され,米国,韓国,台湾,シンガポールをはじめ,諸外国では家族生活教育が様々な形態で提供されるようになっている。日本においても家庭科・家政学を基礎にした家族生活教育を展開しようとしてきている。その方法論については従来の講義を中心とした授業の形態を発展させ,ワークショップなど理論と実際の生活を結びつける実践的な教育方法が求められている。ここでは家族生活教育をいち早く確立し発展させてきた米国の家族生活教育における方法論に関する言説を検討する。<br>【方法】『家族生活教育 人の一生と家族 第2版』(パウエル,キャシディ著,倉元,黒川監訳,南方新社,2013),Family Life Education Working with Families across the Lifespan 3rd ed. (Darling & Cassidy with Powell, Waveland Press, 2014),米国家族関係学会(NCFR)などの文献を用いた。<br>【結果】米国における家族生活教育方法論に関して検討した結果,以下のようなことが明らかになった。<br>(1)米国家族関係学会では,2011年に「生涯にわたる家族生活教育のための枠組み」(The Family Life Education Framework)を改訂し,家族生活教育方法論を新たに加えている。 <br>(2)同枠組みのまえがきは,「幅広い,生涯にわたる家族生活教育プログラムのための主要な内容を特定することによって、家族生活教育の定義について詳述する。 これは、それぞれの内容領域における最近の概念の発達や経験的知識を反映しており、関連知識、態度、スキルに注意を払っている。枠組みは,カリキュラムではなく、プログラム開発、普及、調査のためのガイドを目的としている。実践者は特定の対象者のニーズを満たすために,最も適切な概念組織と最も適切な種類の方法論を選択することが望ましい。コミュニケーション、意思決定、問題解決は、個別の概念としては取り扱っていない。しかし,それぞれの内容領域に組み入れなければならない。」と記されている。<br>(3)提示された枠組みのなかの,家族生活教育方法論のうち,「FLEプログラムを計画し実行しなさい。」では「プログラムを設計して、対象者のニーズを満たしなさい。/FLEの材料、関与している進歩、およびプログラムの有効性を評価しなさい。/さまざまな教育技術を使用しなさい。/教育学と成人教育学の原則を適用しなさい。/関係者と利害関係者を関係させ、教育的有効性を高めなさい。/すべてのフォームの多様性を尊重して、敏感にコミュニティ関心と価値に応じなさい。/奉仕活動と広報戦略を実行しなさい。/個人的な値/信念とFLE領域との関係を理解しなさい。」としている。また,「ベスト・プラクティスを利用しなさい。」では,「さまざまな習慣と戦略を使いなさい。/基本規則を使用するか、または集団規範を特定しなさい。/教育の年齢に適した原則を適用しなさい。/(あなたの対象者にとって適切)で段階ごとの認識的な内容を構造化しなさい。/学習スタイルの好みを尊重しなさい。/特定のグループの過程を支持して、管理できるグループサイズを使用しなさい。」<br>(4)さらに,家族生活教育方法論では,プログラム計画の循環的ステップが示されている。<br>(5)Family Life Education&nbsp; 3rd ed.&nbsp;では,新たにワークショップに関する記述が追加され,家族生活教育におけるワークショップの定義が提案されている。<i></i><br>&nbsp; 以上のことから,米国では家族生活教育方法論に関する認識の高まりが見られ,優れたプログラムの実践に高い関心がはらわれていることが分かる。家族生活教育の実際を分析検討が今後の課題である。

1 0 0 0 OA 鑑草 6巻

著者
中江藤樹
出版者
巻号頁・発行日
vol.[5],
著者
大村道郎 瀬能 浩史 上田 真琴
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.756-765, 2011-02-15

近年の大規模集積回路における製造技術の進歩にともない,MCMに加えて,回路素子自体を3次元に集積化するものや,複数のダイを貼り合わせて3次元化する3次元VLSIに関する研究が発表されるようになってきている.これらのLSIでは,3次元の配線が重要になってくる.格子スタイナー木は,LSI概略配線設計等にも応用される重要な問題の1つであり,ナノCMOS時代の配線に関しては,折れ曲がり(ビア)が増えると,配線遅延が増え回路の性能を落とす等,様々な悪影響を及ぼす.しかし,最小限の折れ曲がりを持つ格子スタイナー木では障害物を柔軟に避けることができない.本論文では,空間上に3次元座標を持つ点Sの集合,それらを結ぶユークリッド最小全域木,障害物が与えられたとき,木の枝をX軸,Y軸,およびZ軸に平行な線分に置き換え,最小+1の折れ曲がりを使うことにより,配線長が短く,障害物がある場合は柔軟に避ける,3次元最小格子スタイナー木を求める並列遺伝的アルゴリズムを提案する.本手法では評価基準に,層を積み重ねるZ軸方向の長さに重みを付けた木の長さの合計と木の直径の線形和を用いた.本論文では提案する手法と性能評価のために行った実験結果について述べ,手法の有効性を示す.As manufacturing technology has advanced in recent years, 3-D VLSI in which circuits or dies are piled on top of each other, MCM and so on have been the focus of attention. A rectilinear Steiner tree is one of the most important problems that are applied to the global routing in LSI or other designs. In the routing design, wire bends (vias) had various bad influences such as propagation delay and therefore degrade circuit performance. However, rectilinear Steiner trees with the minimum number of bends cannot avoid obstacles flexibly. In this paper, we propose a parallel genetic algorithm which can obtain a rectilinear Steiner tree with short wire length and can avoid obstacles flexibly by using minimum+1 bends. In our method, given a set of points S in the space, a Euclidean minimum spanning tree for S, and obstacles, each edge of the Euclidean spanning tree is replaced by the segments which are parallel to the X-axis, the Y-axis, or the Z-axis. For the evaluation criteria, a linear sum of the wire length and diameter of the rectilinear Steiner tree is used. The experimental results to show the effectiveness of the proposed method are also shown.
著者
田口 茂春
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.63, pp.218-222, 2012

<p>ヒメボクトウ幼虫に対する天敵線虫殺虫剤(スタイナーネマ・カーポカプサエ剤)の改良樹幹注入処理法を考案し,2010 年秋期と2011 年初夏期および秋期に,本種の発生がみられる現地ニホンナシ園にて防除効果を検討した.幼虫が寄生している枝に人工的な直線状穿孔を作成し,シリンジを用いて薬液を注入した(以降改良樹幹注入処理と略)ところ,2010 年,2011 年とも秋期処理で高い防除効果が得られたが,2011年の初夏期処理では効果が劣った.これは幼虫の発育ステージの差に基づくものであると予想されるが,今後も検証が必要と考えられた.また本種の加害を本剤のみで制御するのは困難と考えられ,他の剤と組み合わせた総合的な防除法を構築する必要がある.</p>
著者
糀谷 斉 大泉 賢吾
出版者
システム農学会
雑誌
システム農学 (ISSN:09137548)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.111-120, 2009-04-10
参考文献数
13

シクラメンの品質保持期間である日持ちと栽培方法の関係を解析した。従来の研究とは異なり、栽培方法に関しては単一要因ではなく体系的に捉えた要因を分析対象とした。また、日持ちは消費者が観賞価値を有すると考える期間とし、同一環境下に複数の生産者のシクラメンを設置して日持ちを比較した。日持ちと栽培方法の関係を解析するための分析方法は数量化Ⅰ類を用いた。分析の結果、品質保持期間に影響した栽培要因は、鉢培養土の種類、出荷1 ヶ月前の温度設定、夏期の遮光率であった。しかし、贈答用を想定した初期の品質が維持された期間と、家庭用を想定した全観賞期間では、日持ちに影響した栽培方法の組み合わせは異なった。この結果から、生産者が日持ちの特性に応じた栽培方法を選択することで、贈答用向きや家庭用向きのような日持ちに特徴のあるシクラメンを生産できる可能性が示唆された。