著者
高橋 康明
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.171-175, 2015-06-15 (Released:2015-11-16)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
伊藤 慶一郎 菅野 重樹 岩田 浩康
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.43-53, 2012 (Released:2017-02-15)
参考文献数
15

内出血を呈した高緊急度外傷患者の救命には, 出血性ショックの原因となる血液貯留を探索する迅速簡易超音波検査 (通称 : FAST) が重要となる. さらに救急搬送下あるいは現場において, 医師による遠隔操作のもと, FASTを施せる小型でポータブルな診断システムがあれば, 外傷患者の死亡率は飛躍的に低減できると考えられる. そこで本研究では, 内出血患者の早期診療を支援すべく, FASTが可能で, 患者の体幹に直接装着できるロボットシステムを開発したので報告する. 本稿で提案する新たな救急医療シナリオ, および体幹装着技術, 超音波プローブの駆動メカニズム, 小型・軽量化技術は, 場所を限定しない超音波診断の実現に寄与しえ, 救急医療の限界を大きく変革し得る新たな救命支援ツールとして普及する可能性を, 社会に強く訴えるものになると考えられる.
著者
谷口 正
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
群馬高専レビュー (ISSN:02886936)
巻号頁・発行日
no.31, pp.67-69, 2012

The purpose of this paper is to give a K-theory on the supermanifolds. K-theory was introduced by Alexander Grothendieck in the 50's in order to solve some difficult problems in Algebraic Geometry. This idea of K-theory has applied other parts of Mathematics, for example Number Theory, Topology, Noncommutative Geometry and Super String Theory. Among many successes of K-theory, one should mention the solution of supergeometric problems, its wide generalization to the new subject called Super Riemann-Roch Formula.
著者
尾田 成幸 上妻 智行 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 吉田 吾郎 菊池 則雄
出版者
福岡県水産海洋技術センター
雑誌
福岡県水産海洋技術センター研究報告 = Bulletin of Fukuoka Fisheries and Marine Technology Research Center (ISSN:09192468)
巻号頁・発行日
no.22, pp.77-81, 2012-03

海域環境に適合したノリ養殖対象種および育種素材を探索するため,2010年と2011年の3月に福岡県豊前海沿岸の16河川の河口域でアサクサノリPorphyra tenera Kjellmanの分布状況を調査した。その結果,奥畑川(北九州市門司区大積)と近衛川(京都郡苅田町新浜町),および長野間川(行橋市稲童浜)の3河川でアマノリ属の生育が確認された。3河川で採取されたアマノリ属の葉状体は,奥畑川で採取されたソメワケアマノリPorphyra katadae Miura等を除き,形態的特徴とDNA分析結果からアサクサノリと判断された。アサクサノリはアシ原などの自然環境が残る干潟付近で生育が認められることが多い。近衛川は工業団地を流れ両県を護岸に囲まれた人工的な小河川で、長野間川についても護岸に囲まれた小河川であったが,いずれの河川も共通して河口域に広い感潮域が形成されていた。福岡県内でアサクサノリの生育が発見されたのは初めてである。今後は養殖対象種および育種素材として利用できるか否かを評価する必要がある。
著者
栗脇 隆宏 西野 隆典 成瀬 央
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.48, pp.1-4, 2015-05-16

本研究では,様々な楽器音が混在した音楽信号を対象としてスネアドラムとバスドラムの自動採譜に取り組む.提案手法では,対象楽曲に使用されているスネアドラムとバスドラムの特徴を表す周波数成分をそれぞれ 1 箇所ずつ検出し,検出したピーク周辺の周波数帯域におけるスペクトログラムのパワーの立ち上がりに着目した認識対象楽器のスペクトルのモデルを作成する.その後各時刻においてモデルとスペクトルとの距離を計算し,閾値処理を行うことでドラムスの発音時刻検出を行う.RWC 音楽データベース中のポピュラー音楽 5 曲を対象とした評価実験より,F 値の平均がスネアドラムでは 0.95,バスドラムでは 0.93 という結果が得られた.
著者
先名 重樹 小澤 京子 杉本 純也
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.2_90-2_108, 2021

<p>2011年東北地方太平洋沖地震では大規模で甚大な被害をもたらした液状化が発生したが,それ以降も,2016年熊本地震や2018年北海道胆振東部地震など,最大震度7を観測し,広い範囲で震度5強以上の強い揺れに見舞われ多くの地域で液状化が発生した.本研究では,詳細な航空写真画像による液状化判定が可能で,震度6弱以上を観測した,2011年東北地方太平洋沖地震,2016年熊本地震,2016年鳥取県中部の地震,2018年大阪府北部の地震,2018年北海道胆振東部地震の5つの地震の液状化発生地点の情報に基づき,4分の1地域メッシュ(以下,250mメッシュと呼ぶ)単位に基づく液状化発生率や250mメッシュ内の液状化面積を考慮した液状化面積率を推定し,液状化発生率と面積率の積による液状化危険率の推定式を提案した.</p>
著者
中田 康隆 速水 将人 蓮井 聡 佐藤 創
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>2018年9月6日, 北海道胆振東部地方を震源とする最大震度7の地震が発生し, 約3200箇所の稠密な林地崩壊が確認され, 森林被害面積は約4300 haに及んだ.現在, 崩壊跡地の林業復旧や森林の公益的機能の回復を目的とした植生の早期回復が求められている. 崩壊跡地の植生の早期回復を図るには, 植物の生育基盤となる表層土壌の現況や動態を把握し, 安定性を正確に評価する必要がある.本研究では厚真町の高丘地区と東和地区の崩壊跡地の斜面を対象に, RTK(Real-Time Kinematic)-UAV(Unmanned Aerial Vehicle)とSfM(Structure-from-Motion)多視点ステレオ写真測量を用いて, 測位精度の実証試験と地形解析を行った. 実証試験の結果, 各検証点と数値表層モデルの平均位置精度は, 水平・垂直方向で0.060 m~0.064 mであることがわかった.2019年4月から10月までの地形変化の解析結果では, 高丘地区は東和地区よりも斜面表層の変化量が多かった. これは, 高丘地区の方が斜面表層を構成する土砂や植生が多く残っていることが要因であると考えられる. また, 崩壊斜面表層の変化の特徴としては, 雨裂に近いほど侵食量が多く, さらに崩壊地辺縁に近いほど侵食量が多いことが示された.</p>
著者
森 太郎 村松 昂樹 羽山 広文 石垣 祐里奈 濱田 靖弘
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.81-84, 2019

<p>2018/9/6に発生した北海道胆振東部地震は最大震度7を厚真町鹿沼で記録し,札幌市内でも多くの箇所で震度5強,6弱が記録されている.震源に近い厚真町では土砂崩れによって36名の方が亡くなっており,倒壊した家屋も多い.また,液状化現象が多数発生しており,液状化によって被害を受けた住戸は震源から距離のある札幌市において多い.さらに,北海道内のほぼ全域で電力供給がとまってしまう,ブラックアウトが発生した.本報告では北海道胆振東部地震における住宅に関する建築設備,環境性能の被害実態について報告する.</p>
著者
李开元著
出版者
中華書局
巻号頁・発行日
2007
著者
柳井 亮二 武田 篤信 吉村 武 園田 康平
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.74-82, 2014
被引用文献数
2

ぶどう膜炎とは,狭義には「ぶどう膜組織の炎症」であるが,臨床的には「眼内の全ての炎症」を指す.ぶどう膜炎は単一の疾患概念ではなく,自己免疫疾患,感染症,造血器悪性腫瘍など多種多様な原因や背景をもとに発症する.ぶどう膜炎の多くは再発する可能性のある慢性病であり,姑息的に眼炎症をコントロールするだけでなく,長期的観点から患者の視機能の維持を考える必要がある.Behçét病は,放置すれば中途失明に至る重篤な全身疾患である.コルヒチン・シクロスポリンを中心とした従来の治療法に抵抗性の患者が多く,視機能予後の悪いぶどう膜炎の代表格であった.しかしながら,2007年から始まった生物学的製剤である抗TNF-α療法はBehçét病の治療に大きな変革をもたらしている.眼発作回数が激減したことで,患者が失明の恐怖から解放されたと言っても過言ではない.現在,Behçét病以外のぶどう膜炎では生物学的製剤の使用が認められていない.しかし,遷延化したVogt-小柳-原田病やサルコイドーシスの患者では副腎皮質ステロイドでの治療が難しく,新たな治療が求められている.本稿ではぶどう膜炎の病態について概説し,生物学的製剤を用いた新規治療についての現況を報告する.
著者
マクレガー ローラ
出版者
学習院大学
雑誌
言語 文化 社会 (ISSN:13479105)
巻号頁・発行日
no.6, pp.1-39, 2008-03-31

この論文は日本における広告を調査し、40 年間(1960-2000)のその文化の傾向を分析する。TCC 年鑑(1963-2001)から10 年ごとにそれぞれ約300 の広告を集めた。期間が長いので、この論文では1960 年代と1990 年代の広告を比較した。人物を扱った広告をランダムに約300 集めたが、1960 年代は雑誌広告のみで、1990 年代は雑誌広告とテレビ広告がある。調査の目的は1. 広告では、どのような文化的価値観と信念が表現されているか。2. このような文化的価値観と信念がどのように表現されているか。3. 当時の日本のライフスタイルや信念について、どう述べているか。この後、各年代を比較し、日本の社会の出来事を学ぶため、当時の日本の社会についての資料を調査することが必要となった。
著者
堀江 典子 萩原 清子
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.82, pp.93-103, 2003

多基準分析とは、複数の基準で代替案を評価し選択を支援しようとする分析手法の総称である。費用便益分析が費用と便益を全て貨幣尺度で捉えて比較するのに対して、多基準分析では複数の基準をそのままの尺度で評価し、それらを何らかの方法で統合しようとする。コストや効率性だけでなく、環境問題や公平性の問題といった時として相反する複数の目的が意思決定において考慮されなければならない社会状況の中で、貨幣尺度での評価が困難な基準を含めて多基準として明示的に扱うことができる手法は時代の要請でもある。しかし、多基準分析の範疇には様々な手法が含まれており、分析手順も理論的根拠も同じではない。本稿では、多基準分析についての歴史的経緯を振り返り、理論的根拠を整理したうえで、多基準分析の特色と今日的意義を明らかにした。また、多基準分析のうち、公的な意思決定をはじめ様々な意思決定の場面で多くの適用が見られる多基準意思決定分析MCDA(多属性意思決定分析MADAとしても知られている)の手順に沿って問題点を考察し、意思決定支援における可能性を示すことを試みた。多くの多基準分析手法における最大の問題はウェイティングシステムの恣意性である。この懸念を克服するためには、社会の選好をより反映させることが可能なウェイテイング手法を開発することが求められる。合意形成と意思決定のためにプロセスの透明性とわかりやすさを高めることによって、'audit trail'を明らかにする。このように判断の責任の所在を示すことによって恣意性に歯止めをかけることが必要であると考えられる。