著者
大谷 道輝 松元 美香 山村 喜一 内野 克喜 江藤 隆史
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.11, pp.2257-2264, 2011-10-20 (Released:2014-11-13)
被引用文献数
2

副腎皮質ステロイド外用薬4種類の先発医薬品に対する後発医薬品の同等性を簡便に評価することを目的として,基剤に溶けている主薬の濃度とin vitroでの皮膚透過性を指標にして検討した.基剤に溶けている主薬の濃度は先発医薬品と後発医薬品で大きく異なっていた.ヘアレスラットによるin vitroでの皮膚透過性は先発医薬品が後発医薬品に対し,有意に優れていた.基剤に溶けている主薬の濃度とin vitroでの皮膚透過性の関係は,基剤の組成が類似している場合にのみ,良い対応関係が認められた.実験結果から,副腎皮質ステロイド外用薬では先発医薬品と後発医薬品の間に製剤学的特性に大きな差が認められた.これらのことから臨床では先発医薬品から後発医薬品への切り替えには患者の経過観察が不可欠であることが示唆された.
著者
浜田 信行 ロイ E. ショア ローレンス T. ダウアー
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.47-64, 2018 (Released:2018-09-13)
参考文献数
60

For over four decades, a linear nonthreshold (LNT) model has been used for radiation protection purposes. In the United States of America, the National Council on Radiation Protection and Measurements (NCRP) established Scientific Committee 1-25 in 2015 to prepare a commentary to review recent epidemiologic data from studies with low doses or low dose rates and from the Life Span Study of atomic-bomb survivors to determine whether these epidemiologic studies broadly support the LNT model. In May 2018, NCRP published Commentary No. 27 “Implications of recent epidemiologic studies for the linear nonthreshold model and radiation protection”, noting that the ongoing development of science requires a constant reassessment of prior and emerging evidence to assure that the approach to radiation protection is optimal, even if not necessarily perfect. Based on the current epidemiological data, NCRP concluded that the LNT model (perhaps with excess risk estimates reduced by a dose and dose rate effectiveness factor) should continue to be utilized for radiation protection purposes. The Commentary will be used to support the work of NCRP Council Committee 1 who are charged to develop current radiation protection guidance for the United States, ultimately updating and expanding the basic radiation protection recommendations of NCRP Report No. 116 published in 1993. This review provides an outline and summary of the key points of NCRP Commentary No. 27.
著者
土井 賢治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.971-973, 2018-10-15

深層学習の画像識別分野への適用事例として,ラーメン二郎の画像から提供店舗を識別するモデルを作成した際の具体的な作業項目や勘所を紹介する.学習データの収集および分類工程においては, クローラーで収集した画像に対するクレンジング処理について重点的に解説する.モデルの学習においては, モデルの識別精度向上につながる各種手法(ファインチューニング, データ拡張,モデルアンサンブル)について重点的に解説する.学習したモデルの評価においては, モデルの各種評価指標の解説および, 作成したモデルの具体的な識別精度を提示する.
著者
内山田 康 O'DAY ROBIN O'DAY Robin
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25 (Released:2015-01-22)

From April 2016 to August 2016, Dr. O'Day did 4 months of ethnographic fieldwork and continued working with NG0s, Fukushima evacuees and activists working on the related issues. He worked with a group mothers who have evacuated from Fukushima to Tokyo with their children, a group of mothers who remained in Fukushima after the nuclear accident, a group of volunteers that identify themselves as “supporters” of those evacuees, a peace movement of women called “Mothers Against War”, and another student peace and pro-democracy movement called Student Emergency Action for Liberal Democracy (SEALDs). In addition, Dr. O'Day also engaged in participant observation research at political demonstrations, community events, and by volunteering in some disaster reconstruction projects.
著者
牟田 和恵 古久保 さくら 伊田 久美子 熱田 敬子 荒木 菜穂 北村 文 岡野 八代
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

・本研究課題の中心的目標の一つであった女性運動・研究の動画発信チュートリアルサイトを制作し、web上での公開に至った。 http://movie-tutorial.info/ これにより、ITやパソコンに疎い女性たちが、自らの手で簡易な機材と安価な手段で、容易に自分たちの活動や研究の成果を動画に撮影、簡単な編集を施してweb上で動画を発信し、より多くの人々に情報伝達することのできる可能性を提供した。なお、同サイトは、当初の研究計画では、ウィメンズアクションネットワーク(WAN)のサイト(https://wan.or.jp/)上に公開する予定で、WAN側の了解も得ていたのだが、研究費使用の公正性を確実に担保するため、自前独立のサーバーを用意し公開した。・「私のアソコには呼び名が無い」コロキウムを行った(12/19)。これは、アメリカのフェミニズム運動のVagina Monologue から始まり中国でVachina Monologue として発展した運動の中心人物であった柯倩テイ中山大学(広州)副教授をお招きし日本での展開の可能性を探ったものである。これにより、とくに若い世代のフェミニストの活動の支援を行うことができた。・中国海南島および山西省の日本軍戦時性暴力被害者の支援運動に関する調査を行うとともに、新たに発足した台湾「慰安婦」博物館(阿媽家・台北)の開館式に参加し現地活動家との交流を行った。これらにより、昨年度・一昨年度に続き、香港や中国のとりわけ慰安婦問題・性暴力に取り組む女性運動組織との連携をいっそう深めることができ、アジアの女性運動のネットワーキングが大いに達成された。
著者
柳川 堯
出版者
日本計量生物学会
雑誌
計量生物学 (ISSN:09184430)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.153-161, 2018-03-01 (Released:2018-05-18)
参考文献数
5

Many clinical studies are conducted in Japan with sample sizes that are not deter-mined statistically. Application of Neyman-Pearson type statistical tests to data from such studies is not justifiable and should be stopped. Also 5% significance level that is commonly employed in a clinical study without taking into account disease, drug and other factors is not justifiable. Alternatively, the use of p-value is recommended in this paper as a measure of showing the magnitude of difference of two treatments; it is the role of principal investigator to summarize the study results by considering disease, drug and other factors, sample sizes and p-value.
著者
野村 駿
出版者
東海社会学会
雑誌
東海社会学会年報 (ISSN:18839452)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.122-132, 2018-07

本稿の目的は,「音楽で成功する」といった夢を掲げ,その実現に向けて活動するロック系バンドのミュージシャン(以下,バンドマン)を事例に,夢を追う若者がフリーターを積極的に選択・維持するプロセスとその背景を,若者文化の側面に着目して明らかにすることである. 若者の学校から職業への移行を扱ったこれまでの研究が,フリーターを積極的に選択・維持する若者の移行過程を看過してきたという問題意識から,バンドマンを対象とした聞き取り調査のデータを分析し,次の3つの知見を導出した.第1に,バンドマンはバンド活動を「やりたいこと」だと見なしながら,それと同時にバンドメンバー同士の相互作用の中でフリーターを選択していた.第2に,バンドマンはライブ出演に向けてメンバー間で場所と時間を共有する必要があることからフリーターを選択・維持していた.第3に,フリーターであることによって生起する金銭的困難が,バンドという活動形態の集団性とバンド単位で支払いを求める音楽業界の料金システムによって緩和されていた. 以上の知見を踏まえ,バンドという活動形態の集団性と音楽業界の料金システムが若者文化の内部構造として存在するために,それに適応しなければ夢が追えないバンドマンは合理的な進路としてフリーターを積極的に選択・維持していると結論付けた.
著者
谷村 省吾
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.1-89, 1992-04-20 (Released:2017-10-02)

量子力学系の断熱変化に伴う位相因子-Berryの位相というものがある.それは断熱変化ののちに量子系が元の状態に戻っても,元に戻らない余分な位相因子である.これに似た現象が古典力学にもある.自力で変形可能な,宙に浮いた物体-例えば猫,名前はTomとい-は,変形して元の形に戻っても,その向きは元通りにならない,つまり宙返りすることがある.これらの現象はともに接続の微分幾何の言葉で捉えられることを解説する.また,接続の微分幾何はゲージ理論の一側面を担っているが,この幾何学の観点から見るとき,量子系・古典系・ゲージ理論に多くの類似点・対応物があることがわかる.これらの点について一般的に考察する.最後に具体例を構成する.とくにその例の中で,複素射影空間P^2(C)上の新しい型のインスタントン的な接続を示す.
著者
大谷 周平 坂東 慶太
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.513-519, 2018-10-01 (Released:2018-10-01)

Sci-Hubとは,6,450万件以上もの学術論文のフルテキスト(全文)を誰もが無料でダウンロードできる論文海賊サイトである。Sci-Hubからダウンロードできる論文には,学術雑誌に掲載された有料論文の約85%が含まれており,Sci-Hubは学術出版社の著作権を侵害する違法サイトである。大学図書館の契約する電子ジャーナル,OAジャーナル,機関リポジトリ,プレプリントサーバーなど法的に問題ない論文サイトが在る中で,世界中から1日に35万件以上の論文がSci-Hubを通じてダウンロードされている。本稿では先ずSci-Hubの概要・仕組み・世界的な動向について述べる。次いで2017年にSci-Hubからダウンロードされた論文のログデータを分析し,国内におけるSci-Hub利用実態の調査結果を報告する。栗山による2016年調査と比較すると,Sci-Hubの利用数やSci-Hubの利用が確認された都市数は増加していた。また,Sci-Hubでダウンロードされているのは有料論文だけではなくOA論文が約20%を占めていること,クッキーの情報から約80%のユーザーは1回のみSci-Hubを利用している状況も明らかになった。
著者
里宇 明元
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.465-470, 2016-06-18 (Released:2016-07-21)
参考文献数
29

革新的ニューロリハビリテーション技術を開発・実用化するには,神経科学研究の積み重ね,臨床的エビデンスの蓄積,知財マネジメント,医療機器としての製品化・薬機法承認・事業化が不可欠である.慶應義塾大学医工連携チームは,従来治療困難であった脳卒中後重度手指麻痺に対し,手指伸展企図時の運動野近傍の事象関連脱同期を頭皮電極で記録し,運動企図したと判断された際には,麻痺側手指を電動装具で伸展して体性感覚フィードバックを脳に返し,可塑性を誘導する治療システムを開発した.Proof of concept,first in man,症例シリーズ研究,効果機序解明を経て,企業と共同で製品化を進め,薬機法承認に向けた医師主導治験を計画中である.