著者
後藤 太一郎 西岡 正泰 富野 孝生
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.101-109, 2003-03

三重大学教育学部理科教育講座において、2002年度にフレンドシップ事業として「夏休み・子ども科学教室」を津市内の小学校5・6年生46名を対象に行った。児童には、2日間で物理・化学・生物・地学の4分野の実験を体験させるプログラムを作成し、理科教育コースの学生1・2年生が指導に当たった。アンケート結果から、児童には好評であり、実験は児童の今後の学習に役立つと考えられる。学生の多くは、この教室が子どもへの理解、教員への自覚、および他者との関係につながったと回答していたが、企画・運営に関する取り組みは低かった。理科に強い学生を育てるための一環として、フレンドシップ事業を進めるための今後のあり方について考察した。
著者
椎橋 武史 小林 克弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.612, pp.169-175, 2007

The purpose of this paper is to make an analysis of Louis Sullivan's architectural thought focusing on his idea of 'mobile equilibrium.' We made clear that for him the idea is the law of all things in nature, and the principle which must be expressed in man's work of art. In the end, we explained how he expressed the idea of 'mobile equilibrium' in his work through analyzing his last work of architectural ornament.
著者
椎橋 武史 小林 克弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.619, pp.223-230, 2007

The purpose of this paper is to make clear how the "mobile equilibrium", which is essential concept in Louis Sullivan's architectural thought, is expressed in his building design. We analyzed his facades focusing on the vertical elements (pier, mullion, etc.) which have the most primitive meaning for Sullivan, from two points of view; the composition method of facade, and the ornamental motifs. As to the former, he gradually made the composition synthesized to visualize the "mobile equilibrium" of moving force in structure. As to the latter, he used botanical ornament accompanied with the vertical elements, to represent whole facade as one growing organism.
著者
椎橋 武史 小林 克弘
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.628, pp.1387-1393, 2008-06-30

The purpose of this paper is to study how the idea of "mobile equilibrium" is expressed in building design of Louis Sullivan, following our former papers. In this paper, we analyzed the relationship between the idea and the contrasting composition on the facade of his buildings. In many of his facades, "the mass" which is static rigid and massive and "the detail" which is dynamic, organic and delicate are clearly contrasted. By this contrasting composition, Sullivan expressed in his facade the idea of "mobile equilibrium", both "emotional and intellectual", both "subjective and objective".
著者
中村宏 小野智司 中山茂
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.22, pp.1-2, 2013-02-20

本研究では対話的な進化計算を用いて利用者の嗜好を反映した映像のダイジェスト生成手法を提案する.ダイジェストの適切さは質的評価と量的評価の 2 つの指標から評価する.質的評価はユーザの嗜好の反映度である.量的評価は再生時間の適切さと冗長性の少なさである.冗長性の評価やユーザ評価の推定に,Bag of Visual Words を使用した.提案手法ではユーザ評価の推定に特定のジャンルの映像に依存した特徴量を用いないため,ホームビデオ等の映像にも適用可能である.This paper proposes a video digest generation method based on interactive evolutionary computation. The proposed method evaluates solution candidates from the viewpoints of qualitative and quantitative criteria. As a qualitative evaluation, the proposed method maximizes user preference, and as quantitative evaluation, the method minimizes the redundancy and the inappropriateness of video length. The method uses features based on Bag of Visual Words, which are not depend on video categories and users, enabling even to summarize home videos.
著者
米倉 裕希子 作田 はるみ 尾ノ井 美由紀
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.77-84, 2013-03

これまでの障害児の家族研究は親の障害受容が中心的課題であり,親は子どもの障害にショックを受けながらも,再起に向かうというプロセスを踏むといわれてきた.しかし,受容の定義が曖昧で,科学的な検証がなされないまま一方的に家族に受容を押し付けてきた.このような問題意識にたち,すでに統合失調症患者の家族研究で確立されている家族の感情表出(Expressed Emotion,以下EE)研究に着目し,科学的かつ客観的手法を用いた家族研究を行ってきた.本研究では,幼児と学齢児の子どもの家族のEEおよびQOL の違いについて比較し,発達段階における家族支援のあり方について示唆を得る.【方法】EE評価には,簡便な質問紙であるFamily Attitude Scale(FAS)を,QOL 評価にはSF-36v2 を使用した.【結果】分析対象者は,幼児の家族8名,学齢児の家族32 名だった.幼児および学齢児の家族の2群で,FASおよびSF-36v2 の下位尺度それぞれにおいて,独立したサンプルのt検定をおこなった.FAS では有意な差はなかったが幼児の家族は学齢児の家族より低い傾向がみられた.一方で,QOL は全般的に学齢児のほうが幼児より高く,下位尺度の「全体的健康感」では有意に低かった.【考察】先行研究では,EE と子どもの行動上の問題との関連が示唆されている.幼児期では,子どもの行動特性や行動上の問題があまり表出されておらず,EE が低い傾向にあると思われる.一方で,QOL の全ての項目で学齢児の家族は幼児の家族より高く,「全体的健康感」では明らかに高かった.これは,幼児期より継続的にサービスを利用してきたことが影響していると推察される.以上の結果から,これまで言われていたようなショックから再起へという一方向的なプロセスを踏むのではないことが示唆された.しかし,対象者数が少ないため,一般化は難しく今後追試調査が必要である.
著者
山根 宏彰 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.671-679, 2012-04-15 (Released:2012-04-26)
参考文献数
40

本論文では,ことわざすかしの自動生成システムを提案する.提案システムでは,身近であることわざを「すかし」と呼ばれるオチに利用することにより,面白い文章を生成する.すなわち,ことわざの文末を変更して,ユーザの予想を裏切ることで笑いを生む短文を出力する.提案システムには以下の3つの特徴がある.まず第1に,前述のような笑いに関する新しいフレームワークである「すかし」の利用である.第2に,2,550億単語から構築された膨大な情報量を有するGoogle N-gramを活用した大量で多様な候補の生成である.第3に,これまでの駄洒落研究などにおいて扱われてきた,音の長さ,単語間音韻類似度,単語間意味類似度に加えて,さらにイメージのし易さ,具象度の考慮である.これによりファジィルールの構築と面白さの自動評価を行い,優れた候補の選択が可能となった.評価実験により,人手作成に近いレベルで意外性が高く面白いすかしの生成が可能であることなどが確認された.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1920年08月27日, 1920-08-27
著者
茂木 明奈
出版者
慶應義塾大学大学院法学研究科
雑誌
法学政治学論究 : 法律・政治・社会 (ISSN:0916278X)
巻号頁・発行日
no.93, pp.69-99, 2012

一 はじめに二 AGGの立法経緯と概要・特色 (一) 立法経緯 (二) 規定内容 1 総 則 2 契約一般に関する規定 3 総則(2) (三) 特色とそれを取り巻く問題 1 禁止される不当な別異処遇のリスト 2 適用領域と正当化 3 救済のあり方 (四) 小 括三 禁止される不当な別異処遇の根拠―根拠ごとの特徴と運用 (一) 人種・民族的出自 (二) 性別 (三) 宗教 (四) 障害 (五) 年齢 (六) 性的アイデンティティ (七) 小括四 AGGによる平等処遇の要請の評価 (一) 私的自治の保障の観点からの批判 (二) 平等処遇を通じた私的自治の保障 (三) 平等処遇を通じた社会参加の保障五 おわりに
著者
塚本 勝巳 大竹 二雄 金子 豊二 井尻 成保 青山 潤
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11

天然の生理生態情報を基に親魚の催熟・採卵技術と仔魚の飼育法を改善した。卵巣遺伝子の網羅的解析の結果、天然魚ではアンドロゲン受容体タイプA(ara)とアクアポリン-0および-3パラログ遺伝子が大量に発現していることを見出し、良質卵産生のための重要な指標を得た。仔魚の浸透圧調節能と栄養吸収機構の発達を調べたところ、イオン輸送体のNKCC2bとNCCbはふ化後2-3日目に消化管に発現し、水飲みの亢進と同期すること、ペプチド輸送体PEPT1は腸管上皮細胞の頂端部に局在することが分かり、飼育プロトコルが改善された。天然仔魚の体成分アミノ酸窒素同位対比分析から餌はマリンスノーと判明し、新規飼料を開発した。
著者
遠藤 三郎
出版者
東京工芸大学
雑誌
東京工芸大学芸術学部紀要 (ISSN:13418696)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-18, 1996-03-31

人は言う, 何故に作者はその人物を匈牙利に行かしめたのかと。それは, 作者が匈牙利風の主旋律による器楽の一曲を聴かせたいと思ったからである。率直に作者は告白する。仮に僅かなりとも, かくすべき音楽的理由を見出したとすれば, 作者は他の何処なりとも登場人物を導いたであろう。
著者
内田 あゆみ 陶 慧 荻原 淳 松藤 寛 太田 惠教 櫻井 英敏
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.549-558, 2008-11-15 (Released:2008-12-31)
参考文献数
23
被引用文献数
4

イヌリン含量の高いジャンボリーキの生理学的機能を調べるため,ストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病ラットの血糖値および血液生化学的指標とアセトアミノフェン(AAP)投与により発生する肝障害に対するジャンボリーキの凍結乾燥粉末(イヌリン含量60%)(PSII)の影響を検討した.最初の実験ではPSIIをラットのSTZ(60mg/kgbw)処理の1週間後から,2週間投与した.糖負荷試験は7日目と14日目に行った.血液の生化学的指標は14日目に測定した.2番目の実験では2週間,PSIIを投与した後にAAP(500mg/kgbw)を投与し肝障害を発生させた.投与24時間後に肝障害の指標である血中ASTとALTの活性を測定し,また摘出した肝臓の病理組織学的検査を実施した.最初の実験の糖負荷試験において,1日あたり8.3g/kg(イヌリンとして5.0g/kg)のPSIIの投与により食後血糖値の上昇は抑制されることが確認された.血液の生化学的指標において,総コレステロールとトリグリセリドはSTZ処理により上昇したが,PSIIの投与によりSTZ無処理の値以下に低下した.またASTとALTの活性に低下傾向が観察された.第二の実験において,ASTとALTの活性は低下し,肝臓の壊死と空腔は抑制され,PSIIの肝障害保護作用が確認された.