著者
久保田 正和 木下 彩栄 保利 美也子
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2007

在宅認知症患者とその家族を対象に、患者の認知症悪化予防と家族の介護負担軽減を目的に研究を行った。介入群には、スカイプ(テレビ電話)を通して主に看護師が相談に応じた。認知機能検査の結果は、介入群の得点に改善傾向が見られた。ADL機能評価は変化がみられず、記憶が少し改善されたとしても、それが身体の活動性に影響を与えるまでには至らなかったといえる。介護者の自記式アンケートでは「性格が明るくなった」「活動的になった」など患者同様に介入を良い印象として捉えていたようである。
著者
大森敏行
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.602, pp.138-143, 2004-06-14
被引用文献数
1

システムへの不正侵入が相次ぐなか、「セキュアOS」と呼ばれるセキュリティ強化型OSが注目を集めている。システム管理者にも万能の権限を与えないなど、アクセス権の制御を強化することで、「たとえ侵入されても何もさせない」環境を実現する。商用UNIXやLinux、WindowsをベースにしてOSのセキュリティを高める。既存のアプリケーションも利用可能だ。

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1916年01月12日, 1916-01-12
著者
辻本 弘明
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.15, pp.p18-35, 1986-12

荘園制における「職」と「知行」の在り方は、中世の土地領有にかかわる法律関係を示す重要な指標であるといわれる。中田薫博士は比較法史の方法によって、「知行」をGewereに相当するものとした。これは事実関係としての占有を、法律関係として認定したものと解されているのである。そして、「職」は荘園制の構造の下では、荘園付属的下級領主特権とみられるものであり、その職の対象である土地の商品化に伴い、私的移譲が頻行する事態になると、かゝる土地を知行している制度上の標識であった「職」は法史の上では、不動産物権と理解されるようになった。さらに、知行の効力の面からみても、その発展過程をたどると、これは占有としての事実関係が法律関係即ち、知行となったから、当然のこととして、権利の推定性を受けることになり、また、知行不可侵の原則的効力の発生乃至強化をもたらす。かかる関係から、「職」も単なる標識であったものが、知行制度の発展の過程の中で独立した権利=不動産物権となったのである。かくて知行の対象である土地の自由移譲の盛行は知行制度の発展を斎らし、ひいては、在地領主の自立を促がし、同時に、それは土地の封土化を斎たらす結果となる。武家法における「年紀制」(時効)は、知行の内容が荘園領主との間で、競合するに及んで、在地領主権の権原(由緒)として成立してきたものである。しかし、鎌倉期の「当知行」は、年紀制を媒介としてしか本権に準ずる権原(由緒)として承認されてこなかったという点は見逃せない。しかし、「年紀制」は、「当知行が在地領主制の中に生成してきた慣行の中で成立させて来た在地領主権の存在を合法化する法慣行的規範として認知された法意識である。」という意味において領主制の歴史の中で、一つの劃期を形成するものであった。かくて、知行が自由移譲性(相伝性) を帯びてくるにつれて、「職」との関わりの中で、改変されてゆく面と、知行の事実関係的性質が法律関係化して、知行保護の発展史の究極である「当知行」の法制化してゆく動向との二つは、知行制研究の中では重要な検討事項であるのは多言を要しない。以下先学諸氏の研究を再吟味し、これらの諸点に考察を加えたい。
著者
佐野 静代
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.352-374, 1999

The purpose of this paper is to clarify the actual situation of land reclamation caused by the local landlord in Medieval Japan, focusing on the relationship between his residence and the evolution of irrigation systems. This paper lends weight to studies of village landscapes in Medieval Japan, consisting of settlement, landlord's residence, irrigation canals and paddy fields. It seems reasonable to suppose that the social structure of the seigneurial regime is reflected in the spatial structure of Medieval landscapes.Considering irrigation systems from a spatial point of view, the author demonstrates that the location of the landlord's residence is closely related to the structure of paddy field irrigation in the Medieval Period. It followed that the local landlord constructed irrigation systems, and reclaimed waste land such as terrace surfaces and alluvial fans. Particularly in the early Medieval Period, the local landlord was concerned with the formation of the manorial system, being in complete control of Kannou-with rights being mainly based on water supply.The case study of the Ane River basin made it clear that the local landlord-Kokujin-Ryoushu-strengthened his control over irrigation in the 14th century. It has been generally considered that the developing village community, So-son, was responsible for the construction of irrigation systems and the reorganization of villages in the latter Middle Ages. However, the author demonstrates that the role of the local landlord in such situations was much more important than had been expected since it is obvious that some nucleated settlements were formed under his leadership. The spatial structure of such nucleated settlements reflects the process of Kokujin-Ryoushu expanding his territory by making his branch families invade the villages.The author considers that the purpose of studying landscape is not only to restore the different components of landscape to their original state, but also to clarify the driving forces behind its formation. Therefore, in future, it will be more important to emphasize the formation process of landscape in any historical geographical inquiry.
著者
下向井 龍彦
出版者
広島史学研究会
雑誌
史学研究 (ISSN:03869342)
巻号頁・発行日
no.148, pp.p1-22, 1980-07

The purpose of this study is to reconstruct the legal procedure of the land troubles between Kenmons, which I think belongs to one of the most basic works to solve the characteristics of Ocho-Kokka.In the first stage of Ocho-Kokka, Kokuga (国衙) tried troubles through the work of checking up Kugen (公験) which the parties concerned exhibited and Kokuzu (国図) which is a land resister. This procedure corresponds to the Kokuga's power of controling Shoen (荘園), which is remarkably found in Menjoryodensei (免除領田制).In the lattar stage of Ocho-Kokka, Kokuga lost the trial power over land troubles. Instead of them, Dajokan (太政官)--mainly Jin-no-sadame (陣定) and Benkan (弁官)--came to take the trial power over land troubles. The decisions about the troubles between Kenmons which increased suddenly in this period, became the grounds for the teritorial dominion of Shoen-Ryoshzi (荘園領主), and played a part of promoting the development of Shoen-Koryosei (荘園公領制) in the middle age.
著者
MIAH Mohammad Noor Hossain 吉田 徹志 山本 由徳 新田 洋司
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.672-685, 1996-12-05
参考文献数
31
被引用文献数
5

多収性の半矮性インド型水稲品種(桂朝2号, IR36; SDI)と日印交雑型水稲品種(アケノホシ, 水原258号; JI)の乾物生産特性と穂重に対する出穂期前後に生産された乾物の分配率などについて, 日本型水稲品種[農林22号, コガネマサリ; 穂重型(JP), 金南風, 中生新千本; 穂数型(JN)]を対照品種として, 作期を2回[移植日1992年5月15日(ET), 6月9日(LT)]設けて圃場試験を行い検討した. 多収性品種(JI, SDI)の穂揃期の葉面積指数(LAI)は両作期ともJP, JNより高かったが, 登熟期間での減少割合が大きく, 収穫期には低い値を示した. SDIとJIの穂揃期地上部乾物重は, LTのアケノホシを除いて, 両作期ともJP, JNより高かったが, 登熟期間の乾物重の増加量に有意差はみられなかった. 特にSDIでは登熟期間のLAIの減少割合が大きく, また, 登熟期後半のSPAD値が大きく低下したことと相まって, 登熟期間の個体群生長速度は最も低くなった. SDIおよびJIの収穫期の穂重はJP, JNと比較してETでは20〜30%, LTでは18〜20%高かった. また, 両作期のSDIとJIの収穫期の地上部乾物重に対する穂重の割合は, JP, JNと比較して有意に高く, この差が穂重差に反映されたものと考えられた. 穂重に対する出穂期までに茎葉に蓄積された乾物の分配率をみると, ETではJPとJNの平均値よりSDIとJIが約2倍, LTではSDIが約4倍それぞれ高い値を示した. 穂揃期の穂重(シンク容量)は収穫期の穂重と有意な相関関係を示し, シンク容量の大きい品種は登熟期間の地上部乾物重増加量が少なくなる傾向がみられた. また, 茎葉に蓄積された同化産物の穂重への分配率はシンク容量と関係が深いことが認められた.
著者
林 信太郎 井門 正美 林 良雄
出版者
秋田大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

自治体の防災担当者などの噴火危機管理訓練用ゲーミングシミュレーションサーバ開発のため,今年度は訓練用ゲーミングシミュレーションの開発を行った。主な研究・開発事項は、1)火山警戒避難シミュレーション「リブラ」「リブラ2」のルールの洗練化およびオンラインゲーム化、2)訓練用シナリオ「コスモス島の噴火」の開発、3)火山版クロスロードの制作である。1)については、何度かの試行の結果、リアリティの追及を行わないと良い訓練結果が得られないことが明らかになってきた。そのため、仮想世界の火山の噴火史、研究論文、確率樹などを作成した。また、「リブラ2」のオンラインゲーム化を行い、試行を繰り返した。2)については桜島をモデル火山とした訓練シナリオである。過去の噴火史を参考に架空の噴火をつくり、様々な事件が発生する中、適切な対処を行う訓練シナリオである。3)については、噴火の際に発生する様々なジレンマについて資料収集を行い、およそ20のクロスロードゲームを作成した。そのうち、10の問題を完成版に収録した。林信太郎・赤塚彩・伊藤英之(2006)では、「リブラ2」について発表を行い、ポスターセッションの場で「リブラ2」の実演をすると共にその場での議論に基づいてルールの改善を行った。これらの研究を行った成果と、研究の過程で得られた副産物的知見について学会発表や論文化を行った。林ほか(2006)、伊藤ほか(2006)では、ゲーミング制作過程で調査した火山災害史について述べている。また、林の著書「世界一おいしい火山の本」にも研究の過程で得られた火山噴火サバイバル法について述べられている。
著者
佐藤 正人 石原 美弥 荒井 恒憲 菊地 眞 持田 讓治
出版者
特定非営利活動法人 日本レーザー医学会
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.146-151, 2010-07-30 (Released:2010-11-14)
参考文献数
20

本研究の目的はレーザー照射後の椎間板細胞の影響を3次元培養法を用いて明らかにし,同時にHo: YAGレーザーのPLDDにおいて光音響効果,光熱効果の関与を確認することである.椎間板細胞の反応を細胞代謝の点から,これらの影響を同定するため,日本白色家兎30羽を用いて,椎間板細胞の3次元培養を行った.Ho: YAGは石英ガラスファイバーへ導光し,PVdFトランスデユ-サ-と音響アブソーバーから応力波を検出した.同時にサーモグラフィーによりレーザー照射による光熱効果を同定した.この計測システムを使って,光音響効果を同定したところLDH放出率,プロテオグリカン合成との関係に何れも線形相関が得られ,光音響効果が細胞に与える影響を捉えることが可能であった.一方,光熱効果は,サーモグラフィー上は温度上昇を認め細胞への影響が示唆されるが,線形の相関関係は認めなかった.本計測システムは,レーザーと椎間板細胞との相互作用を細胞代謝と物理的因子-照射による光熱,光音響両者の効果-の観点から計測評価でき,レーザー照射条件の最適化に有用である.
著者
李 知恩 林 美都子 野坂 政司
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.53-62, 2011

本研究では、キネティック・タイポグラフィの感性に着目し、キネティック・タイポグラフィの感性を理解するために一つの方法としてその感性値を統制する尺度が必要であると考え、音楽用感性評定尺度(AVSM)によるキネティック・タイポグラフィ測定を試みることで、キネティック・タイポグラフィ用感性評定尺度としての使用可能性を検討した。本調査では、音楽用感性評定尺度の24項目の形容語によるキネティック・タイポグラフィの印象評価を行った。キネティック・タイポグラフィの調査は2010年5月から8月まで、北海道教育大学函館校の大学生1〜2年生を中心とした。1分の長さに統制した音楽を添えた場合(4種)・音楽を添えない場合(4種)の8種、ユーチューブにアップロードされている既存2種のキネティック・タイポグラフィの音楽を添えた場合(2種)・音楽を添えない場合(2種)の4種、総12種類(総736件)のデータを収集した。キネティック・タイポグラフィのKMOの測度とBartlettの検定を行った結果、総736件の独立変数の要因分析結果に対する解析KMOの標本妥当性の測度は0.862,Bartlettの球面性検定有意確率は0.01以下であった。また、因子数に5を指定して主因子法・プロマックス回転による因子分析を行ったところ、固有値は、6.88,3.78,2.82,2.26,1.56,0.97…というものであり、固有値1以上を採用して5因子構造による分析が妥当であると考えられた。因子負荷パターンはAVSMの24項目の因子分析結果と一致する明確な5つの因子と因子間相関が得られた。なお、回転前の5因子で24項目の全分散を説明する割合は、65.10%であった。また、各尺度の内的整合性を検討した結果、「高揚」下位尺度でα=.92、「強さ」下位尺度でα=.89、「荘重」下位尺度でα=.90、「親和」下位尺度でα=.80、「軽さ」下位尺度でα=.79といずれの尺度においても高い内的整合性を有していることが確認された。さらに、キネティック・タイポグラフィの音楽有無及び、時間の長さ(1分、2分)による相違を分析した結果、いずれもAVSMの24項目の因子分析結果と一致する明確な5つの因子が得られ、いずれの尺度においても比較的高い内的整合性を有していることが確認された。したがって以降の研究において、キネティック・タイポグラフィの感性評価をAVSMで行うことに大きな問題はないと考えられる。
出版者
近八郎右衛門
巻号頁・発行日
vol.10 草紙洗, 1886

2 0 0 0 OA 宝生流謡本

著者
宝生九郎 著
出版者
江島伊兵衛
巻号頁・発行日
no.28, 1911
著者
別所 遊子 長谷川 美香 細谷 たき子 出口 洋二 安井 裕子 吉田 幸代
出版者
福井医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

目的 在宅痴呆症高齢者の,基礎調査後10年間の死亡率,死因および死亡の場所を調査し,また存命者とその介護者に対して生活の状況の調査を行い,痴呆症高齢者に対する地域看護援助のための基礎データを得る。対象と方法 1992年に福井県K市において,在宅高齢者全員を対象に実施した生活基礎調査,および二次調査により,精神科医が痴呆症と診断した201名について,死亡の状況を人口動態調査死亡標等により調査した。また,存命者とその介護者に面接し,ADL等の状態を調査した。結果 (1)痴呆症コホート201人のうち,10年後の死亡者は170人,転出者は3人であった。(2)痴呆症コホートの実死亡数は,K市の同年齢層の高齢者について算出した期待死亡数(年齢補正)の,1.42倍であった。(3)Kaplan-Meier生存曲線による平均生存時間は4.32年で,死亡関連要因として,男性,後期高齢者,鑑別不能型,中等症・重症,寝たきり,歩行障害,食事障害,等が,またCox比例ハザードモデルによる分析では,性別,年齢階級,寝たきり,歩行障害が抽出された。(4)痴呆症高齢者は脳血管疾患で死亡する割合が高く,脳血管性痴呆では全死因の約半数であった。(5)在宅者は入所者よりもADLの自立度が高かった。(6)在宅継続の要因として,痴呆症高齢者のADLが高く,寝たきり度が低い,介護代行者がいる,介護者に被介護者に対する愛情があり,介護継続意思が強い,などがあげられた。考察 本研究の対象者は,一市における全数調査において医師により診断された集団であり、死亡状況を人口動態調査票から把握したので,データの信頼性が高いといえる。本研究の結果から,痴呆症の発症および予後のために脳血管疾患の予防が重要であり,痴呆症高齢者の生活の質と生命予後のためには,歩行能力の維持,寝たきり予防が重要であるといえる。

2 0 0 0 法政理論

著者
新潟大学法学会
出版者
新潟大学人文学部
巻号頁・発行日
1968