著者
大神 訓章 浅井 慶一 オオガ クニアキ アサイ ケイイチ Oga Kuniaki Asai Keiichi
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.69-83(163-177), 2003-02-17
被引用文献数
1

本研究は, 全日本女子バスケットボールチームを分析対象とし, バスケットボールゲームにおける時系列から捉えた攻撃形態について, 発現されたデータの数量的処理により, オフェンス力の分析を試みたものである。分析にあたり, ボール保持から攻撃が終了するまでのプレイ数により, 攻撃形態をファーストブレイク, アーリーオフェンス, セットオフェンスの3 局面に区分し, それぞれの起点別に, 成功率, 得点効率, 発生率, 得点率, 重要度を算出した。 その結果, 日本は, 対中国戦において, ファーストブレイク及びアーリーオフェンスの発生率が低く, その成功率は, 顕著に劣位であった。対韓国戦では, ファーストブレイク及びアーリーオフェンスにおいて, 優位であるが, セットオフェンスでは, 劣位を示し, 両チーム間には, 戦力的な差違は認められなかった。また, 重要度分析からは, ファーストブレイク及びアーリーオフェンスのゲームに及ぼす影響力の大きさを捉えることができた。そして, 算出された数値は, 全日本女子バスケットボールチームの競技レベルを把握できるとともに, 今後の練習内容の設定やコーチングに役立つものと考えられる。The purpose of this study is to analyze the basketball games, and offensive patterns by elapsed time on the Japan women basketball team in the Asian basketball championship for women. The results may be summarized as follows : 1. It was shown that Japan was remarkable low score on the ocurrence rate and the sucsess rate in the fastbreak and early offense against China. 2. It was shown that Japan was superior on numerical terms in the fastbreak and early offense to Korea, but was inferior in the set offense to that. Therefore, strength potential difference couldn't be recognized between both teams. 3. It was understood that the fastbreak and early offense influenced over games, in comparison with the importance rate in offensive patterns. 4. On the starting point of the fastbreak and early offense, the ocurrence rate of offense from the rebound was the highest. It seems that the difference of the rebound force causes the effect for offensive patterns of the team. 5. It is understood that quantitative figures the calculated data represent value which we can highly estimate the offensive ability of the Japan women basketball team, and this seemed to show an objective information in coaching and setting of practice.
著者
目良 和也 市村 匠 山下 利之 三木 睦明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.465-474, 2003-08-15

相手が発した文章の内容を,相手の好き嫌いの基準をもとに解析し,そこから相手の情緒を推測する手法として,情緒計算手法が提案されている.しかしこの手法では,連体修飾構造,特に節構造による連体修飾の際の好感度計算について有効であるとは言えず,これらの情緒空間に対して,例外処理となっていた.本研究ではこのような問題点を解決するため,連体修飾節の好感度計算に対して,ファジィ真理値限定を適用することによって,適切な計算と処理の統一を試みた.ファジィ真理値限定における真理値計算のうち,言語真理値による影響を修飾節の内容による影響と見なして計算を行う.その際,"好き"の度合を表す真理値と"嫌い"の度合を表す真理値を別々に用意し,被修飾語の持つ好感度に対して,修飾節の影響が打ち消す方向に大きければ,修飾構造全体の好感度を好きから嫌い,嫌いから好きへと変化させる.さらに,情緒計算手法の処理手順についても,効率化を図った.本手法を童話「かちかち山」に現れた連体修飾節に適用した結果を述べる.
著者
岸田 典子 小田 光子
出版者
県立広島大学
雑誌
県立広島大学人間文化学部紀要 (ISSN:13467816)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.31-45, 2006-03-03
被引用文献数
2

小児生活習慣病予備軍のスクリーニング手法を開発することを目的に、学童の保護者1,619人を対象とした生活習慣実態調査及び肥満児等107人を対象とした健康教室を行った。その結果、肥満度と動脈硬化初期病変の血液指標との関連が認められたことから、肥満度と関連があった好ましくない生活習慣等13項目(不健康、BMI、家族の肥満、睡眠時間、就寝時刻、戸外遊び、保護者の悩みの食べすぎ・早食べ・噛み方・間食夜食・テレビをみる時間、多脂肪食品や野菜の摂取)をスクリーニング項目とした。更に、先行研究における肥満度との関連が認められている3項目(ジュース、甘い及び塩辛いおやつの摂取)を追加し、計16項目について有意水準をもとに傾斜配点を行った。更に、生活リズム及び排便の2項目は、肥満度との関連に関する先行研究はなかったが生活指導上重要な項目であると考え、結果的には未配点として追加し、最終的なスクリーニング票は18項目とした。18項目を用い、スクリーニング得点と血液検査にもとづく異常者数が一致した得点によって、傾斜配点したスクリーニング票を完成した。今後、スクリーニング票の活用によって、検診や健康教育の必要な子ども達を選択するための負担の軽減や生活習慣病に関する経費を節減できることが示唆された。
著者
堀越 和夫
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.129-134, 2008-03

1982年調査で記録されたミナミトリシマヤモリPerochiryu ateles及びオガサワラトカゲCryptoblepharus boutonii nigropunctatusの生息を確認した。ミナミトリシマヤモリの生息場所が海岸部樹林であることが発見された。他種の爬虫類および両棲類は確認されなかった。
著者
朱宮 丈晴 高山 浩二 藤田 卓 加藤 英寿
出版者
首都大学東京
雑誌
小笠原研究 (ISSN:03868176)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.63-87, 2008-03

南硫黄島における垂直分布に沿った温度・湿度と上壌環境といった環境要因、群落組成と構造の変化および相互の対応関係を解析した。調査期間中(2007年6月19日〜25日)の気温の平均値から逓減率を求めたところ標高500m以上の3つの地点で湿潤断熱減率(0.47℃/100m)を示した。また、5%ごとの湿度の測定値頻度を求め、標高別にみてみると、標高500m以上の3つの地点で95%〜100%の頻度が最も高かった。ただし、山頂部は強風の影響で雲霧の発生が不安定であると考えられ747mと比較して湿度の変動係数が大きかった。12cm (45.8%)、20cm (40.8%)における表層土壌の土壌水分は山頂部で最も高かった。こうした環境に対応して木本層(胸高1.3m以上)、草本層(胸高1.3m未満)、着生層の群落組成と構造を解析した。クラスター分析によって木本層の群落はP1(911m)〜P3(521m)、P4(375m)、P5(59m)という3つのグループに区分され、雲霧林が一つのグループとして区分できた。ただし、P1、P2ではコブガシ、エダウチヘゴが共優占していたが、P3はコブガシだけが優占していた。これは雲霧林内では常緑広葉樹の成長が抑制されためシダ植物が林冠構成種として共存しているのかもしれない。また、着生層の種数は標高が減少するとともに急激に減少した。群落構造は山頂部で最大直径が大きく、最大樹高は減少しており、強風などの影響が考えられた。着生層種数/総種数(0.56〜0.40)、着生層種数/草本層種数(0.88〜0.55)から500m以上の雲霧林では、各着生層種数比が高かった。したがって、林床が暗く、空中湿度高い雲霧林では草本層より着生層の発達が著しいと考えられた。
著者
今石 元久 吉田 則夫 佐藤 亮一 桐谷 滋 江川 清 井上 史雄
出版者
広島女子大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1993

交付金により、研究会合を重ねるとともに、平成5年10月22日(金)10時〜15時10分広島市中区中電大ホールにて「新しい日本語社会」「日本語習得の基盤を考える」と題して公開講演とシンポジウムを開催した。全国から多数の参会者があって、盛会に行われた。シンポジウムではメンバーの江川清・土岐哲・佐藤亮一・吉田則夫・真田信治の各氏とNHKの西橋アナウンサーに登壇いただいた。「日本語の習得と話言葉」のテーマの下、それぞれの立場からの提言と討議が行われた。午後から演題「日本語習得の基盤と社会言語学」井上史雄、演題「日本語の習得基盤と音声言語情報処理」桐谷滋各氏の講演があった。その成果を受けて、研究課題「国際化する日本語社会における音声言語の実態とその教育に関する総合的研究」により平成6年度総合研究(A)の申請をした。その内容はつぎの通りである。(1)国際化の進行している日本語社会における音声言語の実態を把握し、有効な教育方策を提案すること。(2)言語理論並びに高度情報処理技術等により、日本語社会における音声言語の教育に効果的な科学的方法を導入すること。この研究目的を、次の6事項に絞って期間内に達成する。A【.encircled1.】日本語社会における音声言語の多様性と標準、【.encircled2.】日本語社会における談話行動の習得過程、B【.encircled1.】日本語教育における学習活動が音声言語の習得に及ぼす効果、【.encircled2.】日本語社会における帰国子女・外国人子弟等の音声言語の習得、C【.encircled1.】日本語社会における音声言語の習得支援システムの開発、【.encircled2.】日本語社会における音声言語の教育用データーベース今年度の成果として、公開シンポジウムと公開講演を冊子にまとめ、研究機関や日本語教育関係機関等に配布した。
著者
白田 由香利 橋本 隆子 飯沢 篤志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.10, pp.107-112, 2000-01-24
被引用文献数
3

放送のデジタル化に伴い、映像情報の補足情報をインデックスとして付加し、そのインデックスを用いて映像のダイジェスト版を作成する場合、切り出したシーンごとの説明文を生成する機能が重要となる。我々はシーンごとの説明文の接続関係に着目し、全体としてつながりのよい文章を生成する方式を検討した。また、従来検索結果の提示方式は中立的立場の表現をとっていたが、本方式では個人の嗜好を指標としてその人の感情表現、つまり嬉しさ度悲しさ度を加味した表現を生成する。Beyond program contents, digital data broadcasting can deliver additional data as indexes attached to the contents. Using these indexes, we can construct a digest of the program and generate an explanation for each extracted scene. We focus on the relationship between scenes to create conjunctive expressions. With conjunctives, the explanations become more natural for users. In addition, we also generate emotional expressions for the explanations. While the current method outputs neutral expressions, our new method generates an expression including the hapiness or sadness level based on the user preferences.
著者
戸塚 米太郎 大津 金光 中里 学 秋葉 智弘 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1652-1661, 1995-07-15

多くの大規模実用アプリケーションは、並列度の抽出が容易に可能な部分と困難な部分を含む。粗粒度により並列実行可能な部分はプロセッサの台数効果によりスピードアップが可能であるが、粗粒度並列化が困難な部分がボトルネックとなる。並列化が困難な部分にも高速化を達成するために細粒度の並列性の活用が不可欠である。しかし、従来のバス結合型マルチプロセッサでは低オーバヘッドの通信・同期機構が備わっていなかったため、命令レベルの並列性を利用する細粒度並列処理を効率良く行うことは不可能であった。我々が開発したお茶の水1号は市販の高性能マイクロプロセッサを用いた共有メモリ共有バス型のマルチプロセッサである。お茶の水1号は効率的な細粒度並列処理を達成するために、低オーバヘッドで通信・同期を実現するための細粒度支援機構を備えている。細粒度支援機構には共有バスを使用せず極めて小さいオーバヘッドで同期を実現する大域同期機構・メモリベースの通信・同期を融合したデータ駆動同期機構、大規模な配列データを効率的にフェッチする大域構造体先行フェッチ機構、および、最適なスヌープ・プロトコルに動的に切替え可能なスヌープキャッシュ制御機構、等を備えている。本論文ではお茶の水1号におけるこれらの細粒度支援機構の構成について述べ、並列アプリケーションを用いたシミュレーションによる性能を示す。また、お茶の水1号上でプログラムを実行した結果を述べる。
著者
鈴木 弘 今城 哲二 中鉢欣秀 大岩 元
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.102-102, 2000-11-15

我々は,日本人のためのプログラミング言語として,日本語による文章表現を基にしたプログラミング言語を設計し実装している.普段使用している日本語のほうが従来の英語的なプログラミング言語よりも書きやすく,読みやすいという考えに基づいている.日本語は英語のように単語を空白で区切ることなく,続けて書くのが一般的である.我々が設計しているプログラミング言語も一般的な日本語に合わせ,空白で区切ることをしない言語を前提にしている.これを分かち書きしないという意味で,非分かち書き日本語プログラミング言語とする.本論文では,非分かち書き日本語プログラミング言語,すなわちセパレータのないプログラミング言語に対しての字句解析について述べる.We design new programming language for Japanese. We think Japanese-based programming language is better than English-based programming language for Japanese. The feature of this language is that grammar are based on Japanese and tokens are not separated by space character like a sentence in Japanese. This paper discusses a lexical analysis method for non-separated Japanese-based programming language.
著者
山川 烈 内野 英治 平川 克己 松山 敏剛 渡辺 寿美子 野上 ナヲエ
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
Biomedical fuzzy and human sciences : the official journal of the Biomedical Fuzzy Systems Association
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.71-79, 1995-07-07
被引用文献数
1

ハフ変換はノイズに埋もれた画像から直線を検出する有効な手法である.しかし, 従来のハフ変換ではノイズが多くなると直線を検出するのが困難になる.本論文では, ノイズの多い画像中の, いわゆるぼやけた直線や, 有界な線分(始点と終点)をも検出できる組合せファジィハフ変換を提案する.さらに, この手法を拡張しノイズに埋もれた円の検出も可能にした.本手法の有効性は細胞診に用いる顕微鏡画像への適用により確認された.
著者
Rahman Asifur Ahmed Ashir 大杉 卓三
出版者
九州大学アジア総合政策センター
雑誌
九州大学アジア総合政策センター紀要 (ISSN:18814220)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.85-93, 2010-03

After the Nobel Peace Prize 2006 was jointly awarded to Grameen Bank and M Yunus for work on microfinance 2006 and with the recent global economic crisis, micro finance institutions (MFIs) have been receiving global attention from the media, academia, financial institutions and government organizations. In particular, interest has turned to Grameen, ASA, and BRAC―the three Bangladesh based MFI giants with long operational experience―for information on creating MFIs with similar operational methodologies in the developed world. The wide network of these MFIs and their knowledge about the BOP population is necessary for BOP business co-ventures with the developed world. Grameen with its micro finance experience recently initiated implementing business to solve social problems under the new concept of social business. This paper introduces three large MFIs, their characteristics, growth and expansion; their role in ICT implementation for the reduction of the operational expenses; recent movement towards building regulatory alliances and the challenges ahead.グラミン銀行とムハマド・ユヌス氏が2006年にノーベル平和賞を受賞し、またリーマンショック以降の世界的な経済危機の発生により、マイクロファイナンスは開発途上国の_-_層を対象とした貧困削減の手段としてだけではなく、先進国においても注目を集めるようになった。バングラデシュでは、グラミン銀行をはじめ多くのマイクロファイナンス機関が運用の実績をもっており、その経験は世界各国に応用され役立てられようとしている。本論文では、バングラデシュにおける主要マイクロファイナンス機関であるグラミン銀行、BRAC、ASAについて、これまでの成長過程に見る機関運営の課題と、今後の更なる発展にむけて'_,の導入による経費削減や経営改善の必要性について述べた後に、ソーシャル・ビジネスの支援につなげるための提言をおこなう。
著者
横田 修 林 明典 高橋 宏和
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.18, pp.2-3, 2009-07-30

In the batch type equipment, the results of the reforming examination for crude oil were indicated. Experimental conditions are "pressure 25MPa temperature 400 degrees Celsius and water-oil ratio 0-4". Concentrations of Asphaltene and Coke were investigated under the experimental conditions.
著者
野地 澄晴
出版者
歯科基礎医学会
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.189-201, 1997-06-20
被引用文献数
8
著者
中尾 憲司
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.101-104, 2001-03

白川英樹名誉教授が昨年の3月まで奉職されていたのが物質工学系というためであろうか、学系長の私に白川先生のノーベル化学賞受賞について何か書くようにとの依頼があった。既にこのことに関連した多くの文章が出ており、 …