著者
山田 純子
出版者
植草学園大学
雑誌
植草学園短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-29, 2008-03

発達障害児者・親の会が障害理解・受容、子育て、進路選択、こどもへの障害の説明にどのような影響を与えたのかを明らかにすることを目的に、A県親の会会員53人を調査し、43人から回答を得た。多くの人が入会によって障害の理解が深まり、子どもの理解ができるようになり、対応が望ましい方向に変わってきていること、進路選択、就労準備についても見学会や先輩の話が役に立ったことを挙げている。子どもが障害の説明を受けたときに示した反応のうち対照的な受け止め方をした2群「受容群」と「動揺群」を取り出し、その背景を比較をした。「受容群」は知的障害を診断名に入れた人が多く、療育手帳所持者が多い傾向がある。普通高校出身者は「受容群」で4割であるが、「動揺群」では9割と多い。「子どもの活動」の参加は、「受容群」で7割に対し「動揺群」では4割と低い。障害の説明の是非や説明の時期は「受容群」では両方とも「よかった」が大多数であるが、「動揺群」では、「わからない」や「遅かった」など説明に迷いがあった。両群は親の障害観、教育環境、子どもの仲間の有無などの環境に違う傾向があった。
著者
小野 泱
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.334-361, 1970-11-25

1963〜1968年に十勝地方の平野部から高山部までの特に音更川水域のブユ相を調査した結果は次の通りである。1.十勝地方には2属3亜属10種のブユを産する。調査の中心となった糠平地方には10種がすべて棲息する。2.成虫の出現期:各種ブユ類の出現期とその最盛期はオオブユ4,5,6月(5月中旬) キアシオオブユ5,6,7月(6月上旬) ウチダツノマブユ平地高地6,7月(6月下旬) 7,8月(7月下旬) オタルツノマブユ5〜9月(6,8月) アオキツメトゲブユ5〜9月(6月中旬) アシマダラブユ5〜9月(6月中旬) オオアシマダラブユ5〜9月クロアシマダラブユ5〜9月(6,8月) ァカクラアシマダラブユ5〜9月ヒメアシマダラブユ8,9,10月(8月下旬) 3.棲息場所:一定面積当り集中的に個体数が多くなる場所を河川型によって分けると源流型ウチダツノマブユ上流型アシマダラブユ,オタルツノマブユ,アカクラアシマダラブユ中流・下流型オオブユ,キアシオオブユ,アオキツメトゲブユ,オオアシマダラブユ,クロアシマダラブユ,ヒメアシマダラブユ河川の形質(川幅,流速,水深,底質など)によって棲息場所が規定されており,海抜高,水温,気温などはあまり関係がない。4.個体数:発生源となる好適河川のRiver densityが発生量を左右し,一定面積当りの個体数の多寡を比較すると,ウチダッノマブユーアシマダラブユーアオキツメトゲブユーオオブユーキアシオオブユの順に少なくなりいずれも普通種であるが,オオァシマダラブユ,クロァシマダラブユ,アカクラアシマダラブユ,ヒメアシマダラブユ,オタルツノマブユは稀少種である。5.高山部雪渓直下の原始河川の細流に大量発生するウチダッノマブユは氷河期のRelicであると推察される。6.吸血源:各種ブユ類の刺咬動物嗜好性はオオブユ,キアシオォブユ,アシマダラブユ人,豚その他牛馬 ウチダツノマブユ鳥類 アオキツメトゲブユ人畜,鳥類 ヒメアシマダラブユ人畜 オオアシマダラブユ馬,その他人,牛 クロアシマダラブユ,アカクラアシマダラブユ反芻獣,その他人 オタルツノマブユ鳥類 7.人体に特に被害を与える種:アシマダラブユ,オオブユ,キアシオオブユ,アオキツメトゲブユ。他の人体から吸血するブユ類はいずれも個体数が少なく被害はほとんどない。8.東大雪高山部で7,8月にウチダツノマブユが大量発生するが,人体から吸血するのはこれに混じている小数のアシマダラブユとヌカカの1種である。
著者
兼吉 昭雄 村上 志緒 西田 時次 岩崎 博信 萱嶋 信介 荒井 恒憲 菊地 眞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料
巻号頁・発行日
vol.95, no.138, pp.49-54, 1995-07-07

皮膚表面を減圧吸引することにより採取される吸引浸出液の糖濃度は血糖値と良好な相関を示す。この浸出液の糖濃度を測定する小型装置の開発を行い、採血せずに血糖値を連続モニタすることを可能とした。本装置は本体と吸引装着部で構成され、糖濃度の測定には微小なISFETグルコースセンサを使用した。このセンサは微量検体中の糖濃度の測定ができ、しかも繰り返し使用が可能である。自動・小型装置を実現するために、微量の検体を採取する秤量バルブ、ISFETグルコースセンサを内蔵したセンサ装置、低消費電力の小型ポンプ等を独自に開発した。本装置による動物での評価はすでに良好な測定精度を得ている。今回これをヒトに適用し、吸引浸出液中の糖濃度を連続測定した。同じ被検者の別の部位から用手的に採取した吸引浸出液の糖濃度を測定し、両者を比較した結果、良好な相関を示した。
著者
王 大慶 福井 幸夫 伊藤 哲也 中島 員洋 加藤 四郎 内貴 正治 栗村 敬 若宮 伸隆
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.567-572, 1990-06-15

ハムガニツウ・ダイハー(HD)抗原は, Nーグリコリルノイラミン酸を抗原決定基とする異好抗原であり, ヒト・ニワトリ以外の動物血清に存在することが知られている. 今回, 我々は, 9種の動物血清(牛胎児, 子牛, 馬, 山羊, 猿, 家兎, モルモット, ラット, マウス)を用いて, SDS-PAGE, Western blottingを行い, アビジン・ビオチン・アルカリホスファターゼ法を用いた高感度免疫染色により, HD抗原糖蛋白を検出した. HD抗原は, 血清蛋白中では, 銀染色の感度限界程度の微量蛋白であり, 動物によって, その分子量に多様性が認められた. 又, 牛血清では, 加齢による新しいHD蛋白の出現が, 認められた. これらの動物血清におけるHD抗原糖蛋白は, 糖脂質同様, "血清病"を惹起する可能性のあることが示唆された.
著者
丸尾 孟
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会誌 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.562, pp.159-161, 1976-04-25
著者
柴田 英司
出版者
自動車技術会
雑誌
自動車技術 (ISSN:03857298)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.93-98, 2009-02-01
被引用文献数
4
著者
立田 健太 佐藤 紘昭 大谷 良光
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.102, pp.105-114, 2009-10

青森ねぶた祭への「ハネト若者離れ問題」を焦点とし、若者に当たる高校2年生1140人を対象として祭の観覧・参加状況と祭への意識(思い)を調査した。大型ねぶたの観覧・参加率は2008年59.3%・36.7% で、「ハネト」での参加率は2007年72.8%、2008年64.6% で8.2% 減じており「ハネト若者離れ」の一端が立証された。また、「ねぶた祭は世界に誇れる」や「伝統の継承」には高い意識(約8割)をしめしたが、この数値は参加率とかけ離れており、それを裏付ける「参加しなかった理由」として「特に興味がなく、参加する意義や必要性は感じない」が約4割で、その格差の克服が新たな課題として明確になった。それに対して我々は、学校教育との関わり、社会教育の充実、伝統文化の継承と観光化のバランスの3視点を提起した。
著者
諸岡 孟 西本 卓也 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.77-82, 2008-02-09

我々は,自動作編曲に向けた音楽の生成モデルの構築を目的とし,人間が和声学を習得して作曲編曲を行うのと同様に,「コンピュータのための和声学」の確立を目指して,確率文脈自由文法に基づく手法を検討中である.本稿では,前挿入音と後挿入音の組み合わせで非和声音を表現した手法の改良の一つとして,非和声音を和音と和声内音との関係性によって分類した結果を利用し,より音楽的な非和声音の扱いが可能となるような確率文脈自由文法に基づく音楽生成モデルおよびその解析手法を考案したので,報告する.今回は音楽生成モデルを自動和声解析問題に適用し,音楽生成モデルから和声と楽譜が同時に生成され,楽譜のみが観測される場合に,隠れている和声を求める逆問題を解く.We are investigating the harmony theory for computers based on PCFG (Probabilistic Context Free Grammar) to model the music generation process toward automatic music composition and arrangement, simulating humans composing and arranging music using knowledge of harmony theory. We pay special attention on non-harmonic notes, and propose a PCFG-based method for musicological treatment of various non-harmonic notes by classifying relations between the chord and non-harmonic notes to improve the former approach to represent non-harmonic notes as inserted notes before and after harmonic tones. We apply the music generation model to automatic harmony analysis by solving the inverse problem to find the hidden chord sequence that has generated the given music score through the music generation model.