著者
一森 哲男 加藤 直樹
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.389-404, 1998-09-15 (Released:2017-04-08)
参考文献数
10

This paper treats an allocation of a fixed amount of discrete resources to a set of activities so that the performances of activities resulted from the allocation are balanced as much as possible. However, the perfect balanced allocation is not possible, in general, due to the discreteness of resources. So, our aim is to minimize imbalance among the performances. We consider the variance of the performances among activities as a measure of the imbalance. Thus, our problem is formulated as a minimum-variance resource allocation problem. We propose a branch-and-bound algorithm whose experimental computer program was run on 12, 000 examples.
著者
Shinya Inoue Yasufumi Oshima Kentaro Kogure
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.1635-1638, 2023-11-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
9

Hyaluronic acid (HA) is a hydrophilic supra-macromolecule, with a molecular weight (MW) 1000000<. HA is recognized as a biomaterial for skin moisturization. HA solution is typically injected into the skin using a needle. However, needle injection is invasive and does not result in homogeneous distribution of HA over a large area of skin. Therefore, non-invasive and effective technologies for homogenous intradermal delivery of HA are needed. Recently, we demonstrated the use of iontophoresis (ItP) for non-invasive intradermal delivery of various macromolecules, such as small interfering RNA (siRNA) (MW: 12000) and antibodies (MW: 150000). Based on our previous studies, we hypothesized that HA can also be delivered non-invasively into the skin by ItP. In this study, we applied ItP to fluorescence-labeled HA (MW: 600000–1120000 and 1200000–1600000) on rat dorsal skin. Following treatment, fluorescence was observed to be widely distributed in the skin, demonstrating successful intradermal delivery of HA via ItP. In addition, the relative moisture content and elasticity of skin treated with ItP/HA was temporarily higher than that of control skin. This is the first report demonstrating successful non-invasive intradermal delivery of HA and improvement of skin conditions by high-molecular weight HA delivered by ItP. In conclusion, ItP would be a useful technology for non-invasive intradermal delivery of high-molecular weight HA for treatment of skin diseases and cosmetology applications.
著者
桑折 道済 野々村 美宗 豊田 成人 宮島 亜佐美 井上 亮 川端 庸平
出版者
公益社団法人 日本化学会 コロイドおよび界面化学部会
雑誌
Colloid & Interface Communications (ISSN:27585379)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.3-18, 2023-12-10 (Released:2023-12-10)

C&I48-2の特集では、学生会員を対象として「本誌で読んでみたい記事・企画」のアンケートを実施した。その結果、「コロイド・界面化学分野が企業・技術・製品にどう活かされているか」知りたいという意見をいただいた。そこで本特集では、コロイド界面化学が世の中にどのように活かされているのか、その中でも我々が常日頃使っている「五感(視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚)」に関連する取り組みを紹介したい。企業とのつながりが強い本部会において、コロイド界面化学の知見が日常生活に活かされていることをなんとなく感じているかもしれない。しかしながら、具体的にどういったサイエンスによって実現しているかと問われると、明確には説明できないように思われる。本特集では5名の先生方に、「◯覚とコロイド界面科学」というテーマで特集記事を寄稿いただいた。◯の部分には、視・聴・味・触・嗅が入り、それぞれを5名の先生に担当いただいた。本特集を通じて、五感に響く「コロイド界面科学」の世界を味わってもらえれば嬉しく思う。 〔1〕視覚とコロイド界面科学 千葉大学 大学院工学研究院 桑折 道済印象派の画家クロード・モネは、同じ風景を、時間帯や季節を変えて何枚も描いた。当たる光の違いにより、1枚として同じ絵はない。色は、物体にぶつかって反射、あるいは透過した光が眼に入った際に、光の情報をもとに脳が作り出す感覚である。視覚と色は密接に関わっている。本稿では、コロイド界面科学的な手法で作製して、はじめてヒトが認識することができる色に焦点をあてて、最近の研究事例を紹介する。 〔2〕ヒトが感じる触覚と界面化学 山形大学 学術研究院 野々村 美宗ヒトはモノに触れた時、さまざまな触感を感じ取る。われわれは、柔らかい皮膚の表面でさまざまな摩擦現象が起こることがこの多彩さと繊細さの一因なのではないかと考えた。本稿では、フォースプレートで皮膚表面に加わる力学的刺激を見積もるとともに、指モデル接触子が正弦運動で摺動する触覚センシングシステムを用いてモデリングし、しっとり・さらさら感や保湿した皮膚の触感を解析した成果を紹介する。 〔3〕肌特徴の可聴化によるインタラクションシステム 株式会社資生堂 みらい開発研究所 豊田 成人肌の画像から特徴を抽出して、聴覚情報である音楽に変換するインタラクションシステムを開発した。本システムはマイクロスコープによって肌の拡大画像を取得し、画像解析によって特徴量を取得する。その特徴量を用いて音楽データを制御することで、その肌の状態にあった楽曲を生成することができる。本システムを展示会にてデモンストレーションした結果、肌の評価をより実感してもらうことができた。 〔4〕衣料用柔軟剤におけるカプセル化香料の分散安定化技術 ライオン株式会社 研究開発本部 宮島 亜佐美・井上 亮近年、ドラッグストア等で見かける衣料用柔軟剤には、柔軟効果のみならず香りの持続や消臭機能を訴求したものが多くなっている。これらの機能発現にはカプセル化香料が活用されているが、製剤化においては分散安定化が課題となる。そこでレオロジー特性評価に基づき種々検討した結果、カプセル化香料の分散安定性および良好な使用性を両立する基材を見出した。ここでは、検討した基材のうち特定のデキストリン誘導体に着目し、衣料用柔軟剤における分散安定化のメカニズムに関して、レオロジー特性および溶存状態の両面から解析した結果について紹介する[1]。 〔5〕コロイド分散系としての食品とトライボロジー 酪農学園大学 川端 庸平
著者
川副 みちる 前山 忠嗣 和田 繁 進 武幹
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.93-95, 1989-12-01 (Released:2012-09-24)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

Noradrenergic nerve fibers contribute to the sympathetic control of blood flow and glandsecretion. Distribution of noradrenergic nerve fibers in and around canine vocal folds was investigated by means of the fluorescence method. In addition, the spatial relationship of noradrenergic nerve fibers to the blood vessels and glands was determined with the use of the peroxidase anti-peroxidase method. Noradrenergic nerve fibers were found around arteries and arterioles whose diameter was 15μm or greater. No noradrenergic fibers, however, were observed around capillaries and veins. In the laryngeal glands, noradrenergic nerve fibers were observed adjacent to the arteries which entered the glands and near the basement membrane of acinous cells. The results suggest that noradrenergic nerve fibers regulate the blood flow in the arteries and arterioles and gland secretion in the larynx.
著者
佐藤 公則
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.432-437, 2002-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
18
被引用文献数
11 8

声帯萎縮の病理組織を解説した.1) 声帯萎縮とはいったん正常の大きさまで発育した成人・小児声帯の容積, あるいは声帯の層構造を構成する各組織の容積が単独にあるいは重複して減少し, 発声機能が低下する変化と定義できる.2) 各疾患・病態における声帯組織の萎縮部位は異なっている.3) 反回神経麻痺では, 声帯筋層の容積が単独に減少し, 声帯に萎縮が起こる.4) 声帯溝症では, 声帯粘膜固有層浅層の容積が単独に減少し, 声帯に萎縮が起こる.5) レーザーあるいは放射線照射後の声帯組織では, 被照射声帯組織の容積が単独あるいは重複して減少し, 声帯に萎縮が起こる.6) 加齢に伴う声帯の萎縮は, 声帯の粘膜固有層と筋層の容積が重複して減少するが, 特に粘膜固有層浅層の容積の減少が大きく関与している.7) 声帯の組織学的構造および萎縮声帯の病理組織像を理解することは, 声帯萎縮をきたす各疾患あるいは病態に対する治療理念を理解するために必要である.
著者
矢野 円郁 藤岡 茉央 仁科 健
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.201-206, 2023-10-15 (Released:2023-11-03)
参考文献数
17

日本では,接客業の女性従業員は化粧を義務づけられることが多い.本研究では,飲食店の女性店員が化粧をしていない場合,客が不快に思うのかどうかを実験的に検証した.実験参加者に女性店員が接客をしている動画を見せ,その印象を評価させた.真の研究目的を悟られにくくするため,表情条件(笑顔/無表情)も追加し,複数の店員に対する評価を求めた.実験の結果,参加者の性別によらず,笑顔が印象を良くする効果は明確に示されたが,化粧の効果はほとんどみられなかった.また,化粧の実験操作に気づいた人(13名)においても,気づかなかった人(29名)と同様に,印象評価に化粧の効果はみられなかった.本研究結果が今後,女性に対する化粧義務の是非を議論するための材料の一つになると考える.
著者
千明 政好 片貝 智恵 原田 竜三 濱元 淳子 山勢 博彰
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.23-30, 2013 (Released:2017-04-05)
参考文献数
17
被引用文献数
2

本研究は、救急看護の基礎教育や現場教育および専門教育に生かすことを目的に、多くの看護技術や能力の質問紙調査から重要な項目を抽出することで、「ここ1~2年救急看護の現場で重要性が高まっていると思われる技術・能力」および、「救急看護に携わる救急看護師に現在不足している(今後強化したい)技術・能力」を具体的に明らかにすることである。 全国の500床以上の救急科標榜病院200施設の救急看護経験が3年目以上の看護師400名に、独自作成した質問紙調査をした。その結果、ここ1~2年救急看護の現場で重要性が高まっていると思われる技術・能力は、「JNTECの実践」 、「災害時のトリアージ能力」 、 「災害や外傷者のストレスマネージメント能力」の順に重要と認識しており上位は「救急関連技術」であった。救急看護に携わる看護師に現在不足している(今後強化したい)技術・能力では、 「災害や外傷者のストレスマネージメント能力」 、 「災害時のトリアージ能力」、「インフォームドコンセントを確実に実施する脳死患者・家族」、「災害訓練時のリーダーシップ」、「フィジカルアセスメント能力がある」であった。災害看護関連や救急看護関連の技術や能力ばかりではなく、フィジカルアセスメント、家族ケアなどの技術・能力が不足していると認識していた。
著者
鍬崎 美和 藤村 望 森 悟子
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.29-36, 2018 (Released:2018-02-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1

目的:救命救急センターで働く中堅看護師の困難な状況を乗り越えさせる認知を明らかにすること。 方法:質的記述的研究デザインにより、A病院救命救急センターに新卒採用で入職した看護師経験年数4~7年目の看護師5名に半構成的面接調査を行い、得られたデータから6つの認知的変数に該当するデータを演繹的にコード化し、それらを帰納的に分析して、サブカテゴリー、カテゴリーへと統合した。 結果:〔対処可能性〕は【過去の体験を将来に活かす】【適切な対処を取れる】、〔信念〕は【逃げたくないというプライド】【やっぱり救急看護がしたい】等の4カテゴリー、〔期待〕は【能力を高めたい】【組織全体を見据えた目標】等の4カテゴリー、〔自己効力感〕は【自分自身の成長を実感】【同期の存在で頑張れる】【患者や家族との関わりが原動力】、〔考え方〕は【割り切りながら仕事をする】【腹をくくって仕事をする】【振り返ると悪いことばかりではなかった】等の7カテゴリー、〔構え〕は【リーダーとしての責任】【自分がやりたい所だから頑張れる】等の6カテゴリーで構成された。 結論:救命救急センターで働く中堅看護師は困難な状況に直面した時、誇りを持ち逃げずに立ち向かいたいと思いを持っていた。また、明確な目標を持ち柔軟な考えを持つことで自らの健康管理を行い、救急看護師としての自分を見失わないようにしていた。
著者
古川 智之 高谷 亜加里 中川 季子 坂口 生夫 西 克治
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.47-52, 2011 (Released:2022-07-30)
参考文献数
16

中心静脈カテーテルの挿入を目的とした右内頸静脈穿刺に関する報告は古くよりなされており,超音波診断装置を用いた走行や径についても数多く報告されている.今回左右の内頸静脈の血管径を剖検時30例について測定し検討した.左右の内頸静脈径については剖検で検討した結果,右側が優位であった.径の左右差から内頸静脈穿刺は右側からのアプローチが成功率は高いと思われるが,左側優位の例も10%存在した.次に,内頸静脈弁について40例検討した.逆流防止としての静脈弁は内頸静脈にも存在し,その存在率は高い.また弁尖数は個人によって異なり1~3尖,あるいは存在しないものもあったが,70.5%は2尖弁であった.内頸静脈には一般的に静脈弁が存在し,内頸静脈弁はどの程度役割を果たしているか,また中心静脈カテーテル留置の際内頸静脈弁がどの程度障害され血流動態に影響を及ぼしているかについて今後評価する必要がある.
著者
三田村 仰
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

日本人夫婦の「1/3」が離婚する。北米においては、かねてより離婚の問題が深刻視されており、有効性が実証されたカップルセラピーの普及段階に入っている。翻って、わが国では夫婦/カップル関係に関して、有効な支援策が確立されていない。カップルセラピーは通常8-20セッションを要し、カップル側と支援者側双方にかなりのコストを要する。とりわけカップルにとって、二人で面接に参加することの敷居は高い。本研究計画では、現代日本の文脈に即した2セッションのみからなる「超短期カップルセラピー」のプログラム開発およびその効果検証をおこなう。
著者
Midori ISOBE Hiroyuki MORI Narufumi OKADA Yuriko MANNAMI Hiroaki TERATO
出版者
Japanese Society of Radiation Safety Management
雑誌
Radiation Safety Management (ISSN:13471511)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-6, 2023 (Released:2023-12-09)
参考文献数
6

Radiation shielding is one of the necessary procedures in radiation protection. The lead blocks are commonly used to shield against gamma- and X-rays. However, due to lead's biotoxicity, the development of alternative materials is required. We developed a novel ceramic product as a non-biotoxic shielding material composed mainly of iron (III) oxide. In this study, the radiation shielding performance against gamma-rays was evaluated and its potential as a radiation shielding material was investigated. We measured the gamma-ray amount transmitted through the ceramic specimens using a NaI scintillation counter with three different gamma sources (133Ba, 137Cs, and 60Co). The order of shielding ability of the sample with the same volume was lead > iron > the ceramics. The effects of piling the blocks and the type of jointing agent used in the gaps on the shielding ability were also observed for considering actual use.
著者
志水 茂 高橋 洋二
出版者
日本物流学会
雑誌
日本物流学会誌 (ISSN:13493345)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.141-148, 2006-05-28 (Released:2011-08-16)
参考文献数
12
被引用文献数
1

本研究では広域貨物流動を対象に高速道路の利用選択が所要時間に料金・燃費を加えた一般化費用でどの程度説明できるかを確認すること目的とした。このため、道路距離、輸送時間、費用、輸送品類・品目、地域条件等を盛り込んだ高速道路利用分担モデルを作成した。モデルにより、一般化費用の変化による高速道路利用率への影響は自家用よりも営業用のほうが大きいこと、自家用では道路距離、流動量の品類・品目が高速道路利用選択に寄与することが示された。また、高速道路料金の割引は、自家用トラックに比べ営業用トラックで高速道路利用率の増加が大きいことがモデルを使用した試算により明らかにされた。
著者
関谷 浩孝 上坂 克巳 小林 正憲 南部 浩之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.67_I_769-67_I_777, 2011 (Released:2012-12-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

貨物車の経路選択行動についての既往研究では,所要時間及び費用に加え,道路構造,出発時刻,予測所要時間情報提供の有無等を説明変数とした研究は見られるものの,輸送品の特性に着目した研究は少ない.そこで,本研究では「要冷蔵の有無」及び「到着時間指定の有無」といった輸送品の特性を表す指標と,貨物車の経路選択行動との間に関係があることを実証データを用いて明らかにした.具体的には,物流センサスデータを用い,上記2つの指標それぞれと「高速道路利用の有無」の関係を分析し,冷蔵が必要な品物及び到着時間を指定された品物は,高速道路を利用して輸送される割合が大きいことを示した.
著者
山川 結衣
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.291-294, 2023-12-09 (Released:2023-12-07)
参考文献数
3

本研究では,沖縄の生徒が理科の授業で学ぶものは身近ではないという潜在意識があることが課題であるとし,沖縄の文化に関連した理科の授業を行うことで,生徒の学習意欲に変化がみられるのではないかと考えた.授業づくりにおいて,沖縄の自然や文化に関する題材を用いることで,生徒の興味・関心を引き,理科と日常生活との関連性への気づきが得られることや,実践意欲が高まることが分かった.また,生徒自身で学習内容を応用し,科学的な根拠に基づき,新しい考え方へと発展させることができると実感できた.
著者
呉人 惠
出版者
新潟大学人文学部
雑誌
北方言語研究 (ISSN:21857121)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-21, 2018-03-10

Koryak copula sentences are formed by either personal copulas, which are derived from independent personal pronouns, or the copula verbs it'be'or tva'exist'with the predicate nominal marked in the essive case. The present paper examines the conditionality of the switch between the two types of copulas. According to Stassen (2003), this is a type of nominal and locational switching and can be interpreted as a case of'Permanency Parameter', which induces an opposition between'essence'and contingence. However, in Koryak, even the personal copula, which is not expected to co-occur with temporal adverbs such as'now','temporarily','yet','for three years', and'in this year', can co-occur with such adverbs. Furthermore, predicate nominals that refer to the subject of inherent and unchangeable character can coexist with the copula verb, in some contrastive context such as'not A but B'. The present examination reveals that, judging from these facts, the switch is conditioned by how the subject is perceived by the speaker rather than by the physical duration of the subject. Through this examination, this paper also demonstrates that Koryak shows idiosyncrasy in that it exhibits switching in all semantic classes, including'Event', 'Property','Class', and'Locational'. Clarification of the factors behind this idiosyncrasy remains to be sought through future research.
著者
高島 響子 浦出 美緒 中田 亜希子 中澤 栄輔 伊吹 友秀
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.4-36, 2019-09-26 (Released:2020-08-01)
参考文献数
50

第30回日本生命倫理学会( 2018年12月、京都) にて著者らは、本学会の30年間の歩みを振り返る3 つのポスター展示—1 ) 30年間の国内の生命倫理に関わるトピックス、2 ) 30年間の日本生命倫理学会の活動の概要、3 ) 30年間の学会誌『生命倫理』の変遷—を行った。本稿はその発表内容を再編集しまとめたものである。30年の間に生命倫理に関わる多くの社会的な問題が生じ、さまざまな法や倫理指針が施行されてきた一方で、法規制の必要性が指摘されながら制定に至っていない領域もある。社会的な流れと呼応するように、本学会自体も様々な変化を経験し、また学会誌『生命倫理』においても時代ごとに多様なトピックスが取り上げら れてきた。本論文を通じてここまでの30年間の歩みに敬意を表すとともに、本学会員、ひいては本邦の生命倫理学にとって有用な資料の提供、並びに、これからの生命倫理学会の発展につながる契機となることを願う。