著者
青島 亘佐 宮内 芳維
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.274-284, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
34

今後の生産年齢人口の減少が進行する社会情勢の中で,社会インフラの維持管理においては,構造物点検の省力化および効率化を図ることが喫緊の課題の一つとなっている.近年,その課題の対応策の一つとしてAIの活用が注目を集めており,画像データ,波形データ等を中心に多くの研究が進められている.しかし,自然言語データに関する研究はまだ少ないのが現状である.そこで,本稿では,昨今の対話型AIの普及を踏まえて,大規模言語モデルを活用した橋梁点検調書作成の省力化について検討を行った.検討の結果,大規模言語モデルの活用が,橋梁点検調書作成の省力化に有効であることを確認した.
著者
杉本 和宏
出版者
金沢大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

エピジェネティック制御と男性不妊症との関係に関するエビデンスは増えている。今回我々は、プロモーター領域にTDMR(組織特異的メチル化可変領域)をもつGTF2A1L遺伝子に注目して研究を行った。86症例の非閉塞性無精子症の中で17症例がhypospermatogenesisの組織型であった。この中で、5例がTDMRの高メチル化群、12例が低メチル化群であった。TDMRの高メチル化は、GTF2A1L遺伝子発現の低下と関連していた。しかし、両群とも精子回収率、受精率、妊娠率、出生率に関して比較的好成績であり、GTF2A1L遺伝子発現の異常は妊娠率へは影響を与えていなかった。
著者
KUNIO ANDO SEIKICHI SUZUKI TETSUJI SAEKI GAKUZO TAMURA KEI ARIMA
出版者
JAPAN ANTIBIOTICS RESEARCH ASSOCIATION
雑誌
The Journal of Antibiotics (ISSN:00218820)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.189-194, 1969-05-25 (Released:2006-04-12)
参考文献数
11
被引用文献数
31 36

A new antibiotic, funiculosin, C27H41NO7, was isolated from the filter cake of the fermented broth of Penicillium funiculosum THOM. Funiculosin is a neutral lipophilic substance which inhibits both DNA and RNA viruses as tested in infected primary chick embryo fibroblast cell monolayer and also some pathogenic fungi such as Tricophyton mentagrophytes and Candida albicans.
著者
K. ECKARDT H. THRUM G. BRADLER E. TONEW M. TONEW
出版者
JAPAN ANTIBIOTICS RESEARCH ASSOCIATION
雑誌
The Journal of Antibiotics (ISSN:00218820)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.274-279, 1975 (Released:2006-04-12)
参考文献数
5
被引用文献数
25 33

Streptovirudin is a complex of antibiotics isolated from fermentation of a Streptomyces strain. Eight components have been isolated as pure substances, designated as streptovirudins A1, A2, B1, B2, C1, C2, D1 and D2. The streptovirudins are chemically and biologically related to each other and appear to be a new family of antibiotics exhibiting activity against a variety of Gram-positive bacteria, mycobacteria, and various DNA- and RNA-viruses. According to their physico-chemical properties these antibiotics have been classified in series I and II. The streptovirudins of series II (A2, B2, C2, D2) are related to the reported antibiotics tunicamycin, mycospocidin and 24010.
著者
AKIKO KATO TETSUJI SAEKI SEIKICHI SUZUKI KUNIO ANDO GAKUZO TAMURA KEI ARIMA
出版者
JAPAN ANTIBIOTICS RESEARCH ASSOCIATION
雑誌
The Journal of Antibiotics (ISSN:00218820)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.322-326, 1969-07-25 (Released:2006-04-12)
参考文献数
4
被引用文献数
16 19

A new antibiotic, oryzachlorin, C26H31O8N2S2Cl(λmax 298mμ in ethanol) has been isolated from Aspergillus oryzae. It strongly inhibits the growth of many yeasts but has no effect on bacteria or filamentous fungi. It also has antiviral activity in vitro.
著者
藤井 純一郎 大久保 順一 緒方 陸 天方 匡純
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.779-785, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
17

ChatGPTをはじめとして,大規模言語モデル (Large Language Model, 以下 LLM) を用いた文章生成モデルの発展が目覚ましい.土木分野においても,LLMを活用した業務効率化が期待されるが,LLMの学習は主にWebで集めた文書を中心としているため,土木分野の専門知識に対しての学習不足が予測され,正確な文章を生成できない懸念がある.そこで,土木分野において正確な文章生成を実現するための基礎的な研究として,本研究ではLLMを土木ドメインに適応することを試みた.正確性の評価手法を提案した上で,LLMの事前学習済み公開モデルと,ファインチューニングによるドメイン適応を行ったモデルで,土木分野に関する文章生成の正確性を評価し,LLMを土木ドメインに適応するための課題について論じた.
著者
森山 学
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.625, pp.709-714, 2008-03-30 (Released:2008-10-31)

The purpose of this study is to clarify the theories of body culture for Le Corbusier and Pierre Winter, his collaborator, and the relation between them and their architectural theories. This paper deals with Le Corbusier's theory in the 1930's. He proposed a daily exercise for health in the Radiant City (1930) and a solution to a problem of a spectator sports in the 100,000-seat stadium (1936). Furthermore he expressed his profound understanding about life. This is an underlying thought of his projects for the space of body culture.
著者
伊東 祐郎
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.168, pp.3-15, 2017 (Released:2019-12-26)

本稿は,新生日本語教育学会が誕生するまでの取り組みと今後の活動内容についてまとめたものである。日本語教育学会は2013年4月1日に公益社団法人に移行した。その後4年かけて,学会の理念を問い直し,学会の事業・組織・財政のあり方について精力的な議論を重ねてきた。学会員の拠り所であり続けるとともに,日本の社会づくり,また日本と海外諸国・地域との関係づくりにおいて,社会的役割を果たす学会の基盤構築をめざしてきた。4年間の集大成としての「理念体系-使命・学会像・全体目標・2015-2019年度事業計画-」は,学会の進むべき方向性を明確にした上で,組織・財政の基盤を整備するとともに,事業の再編成を行い,中期的展望をもって事業計画を策定したものである。事業主体となる各委員会がそれぞれの目的を達成し,その役割を担えるよう,また横断的視野をもって,関連する委員会間で積極的に連携し,効率的に相乗効果が上げられるよう有 機的に機能する組織として今後の活動が期待される。 なお,本稿は『公益社団法人日本語教育学会の理念体系』(2017年3月発行版)の第1章~第3章に加筆したものであることをお断りしておく。
著者
鷹野 一朗 中村 勲 沢田 芳夫
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.214-218, 2002-06-05 (Released:2011-08-05)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3
著者
村松 公美子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.544-553, 2019 (Released:2019-09-01)
参考文献数
22

DSM-5に新たなカテゴリーとして再構成された身体症状症および関連症群の特徴や歴史的変遷について述べた. 身体的愁訴 (機能性身体症状・心気症状) をもつ患者は一般科を受診し, 治療的介入が難しい. Biopsychosocial modelにおいて, Barskyが提唱した身体感覚増幅は, 表出される身体的愁訴 (機能性身体症状・心気症状) の認知的要因の一つとして俯瞰される. 身体感覚増幅をターゲットにして, 機能性身体症状・心気症状を自己管理するためのアプローチとして, Barskyが開発し, 筆者らが翻訳をした認知行動療法プログラムについて紹介した. 身体症状症の 「身体化症状」 に悩まされる患者群の治療は, 国内外で医療経済的観点からも, 今後も大きな課題となっていくものと思われる. 心身医学領域においてこそ, 「身体化症状」 への心身両面からの探求が可能であり, 多職種連携による包括的なアプローチの開発が可能である.
著者
田中 大輔
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
MEDCHEM NEWS (ISSN:24328618)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.171-176, 2020-11-01 (Released:2021-05-01)
参考文献数
5

2012年英国で誕生したExscientiaは、人工知能(AI)創薬における世界のフロントランナーである。本年1月には大日本住友製薬との共同研究で生み出された化合物が臨床試験入りし、世界で最初のAIがデザインした治験薬として多くのメディアに採り上げられるなど、その実力と実績を「成果物」として世に知らしめた。その結果、ExscientiaはAIによるドラッグデザインをする企業であると理解されがちであるが、それは主要であるものの一部に過ぎない。Exscientiaではドラッグデザインに止まらず、これから注目される新規標的分子の提案にもAIを活用している。筆者らのAI創薬プラットフォームを紹介するとともに、世界のAI創薬の最前線に身を置く立場からこれからの創薬化学者のあり方についても私見を述べてみたい。
著者
澁谷 正俊 富澤 正樹 高橋 道康 谷口 孝彦 小笠原 國郎 岩渕 好治
出版者
日本薬学会化学系薬学部会
雑誌
反応と合成の進歩シンポジウム 発表要旨概要 第29回反応と合成の進歩シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.212-213, 2003-09-24 (Released:2004-03-16)

ダイヤモンドの基本構成単位に相当する高度な対称性を有する三環性脂環式炭化水素:アダマンタンは医薬品素材として極めて重要な位置を占めている。例えば、パーキンソン病治療薬ならびにA 型インフルエンザ予防薬であるアマンタジンを始め、合成レチノイド、NMDA 型グルタミン酸受容体アンタゴニスト、抗腫瘍剤など多様な薬剤分子の生理活性発現に関与している。アダマンタンは創薬化学における有用素子として、その官能基化と誘導体化に関する研究が盛んに行われているが、意外にもその分子上へのキラルな要素の導入に関しては、広瀬らの豚肝臓アルコールデヒドロゲナーゼを用いた置換2-アダマンタノンの不斉還元ただ一例が知られるのみであった。我々は、アダマンタンの創薬資源としてのさらなる可能性に興味を抱き、その母核上へのエナンチオ制御下の効率的官能基導入法を開発すべく検討を開始した。その結果、入手容易なσ-対称性7-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンのエナンチオ特異的修飾と、その生成物のアダマンタン核への閉環という2つの工程を鍵として、アダマンタンの不斉修飾への途を拓くことができた(Scheme 1)。本シンポジウムでは、その経緯とともに本手法のキラルα-アダマンチル-α-アミノ酸合成への活用について報告したい。【7-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンのエナンチオ選択的修飾】村岡らの報告に従って合成した7-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オンのケトン部周辺へのエナンチオ選択的な官能基の導入を検討した。キラルリチウムエノラートを生成後、ベンズアルデヒドとの不斉アルドール反応を行ったところ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離可能な2 種のジアステレオマー混合物(生成比10:1)が得られた。収率79%、89% ee で得られる主成績体は一回の再結晶によって、光学的に純粋とすることができた。一方、エキソメチレン部を足場とするエナンチオ非対称化については未だ良好な結果を得るには至ってないが、エキソメチレン体から4 工程を経て導かれるラセミアリルアルコールが香月–Sharpless 不斉エポキシ化反応下に速度論的分割を受け、高光学純度(96%ee)のアリルアルコールを与えることを見いだした(Scheme 2 )。【7-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン誘導体のアダマンタンへの閉環反応】上述のようにして得た7-メチレンビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン誘導体を基質として、Olah らの条件に準じてアダマンタンへの閉環反応を検討した。その結果、いずれの場合も0.35 当量の四塩化チタン存在下、塩化メチレン中、–30℃で速やかに閉環反応は進行し、光学活性なアダマンタン誘導体を与えた(Scheme 3 )。ここで、アダマンタン核への多様な官能基導入法の開発という観点から、オキシムエーテルへと導き、このものの閉環反応を検討した。その結果、オキシムエーテルもケトン体と同様にルイス酸条件下、種々のヘテロ原子求核剤と速やかに反応して良好な収率で1,3-置換アダマンタン誘導体を与えることを見いだした。【キラルα-アダマンチル-α-アミノ酸の合成】アルドール成績体を光延条件下アジドへと変換した後、閉環条件に付し、高収率でアダマンタンを得た。アミノ基への還元、保護、ベンゼン環の酸化を経てキラルα-アダマンチル-α-アミノ酸を合成した(Scheme 5)。また、キラルシリルエノールエーテルとイミンとのMannich 反応と閉環反応の組み合わせによる短工程合成も達成した(Scheme 6)。
著者
山﨑 有美 河野 愛未 松本 朋子 大島 達也 山﨑 正夫
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00084, (Released:2023-11-22)

きんかんを加工し機能性成分である-クリプトキサンチンの含有量を比較したところ, ペーストにより多くのβ-クリプトキサンチンが含まれ, ペーストと麹菌発酵乳飲料を混合しても, -クリプトキサンチン含有量は変化しなかった. また, きんかんペースト添加麹菌発酵乳飲料を65°C 及び 85°Cで殺菌処理したところ, 65°C試験区において多くのβ-クリプトキサンチンが残存することが示された. きんかん由来β-クリプトキサンチン-麹菌発酵乳飲料混合物のβ-クリプトキサンチン腸管吸収能を評価した結果, β-クリプトキサンチン単独区と比較し, 麹菌発酵乳飲料混合区の腸管吸収量は約14倍に上昇することが明らかとなった.