著者
大伴昌司編
出版者
毎日新聞社
巻号頁・発行日
1969
著者
加藤 陽子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1201-1206, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
25

小児の鉄欠乏性貧血は,急激な発育による鉄の需要が増大する離乳期と思春期が好発年齢である.頻度の高さ,発達や精神神経活動に及ぼす影響の大きさ,日々の栄養/食育の観点からも,多角的に捉え医学的に対応する必要がある.
著者
香川 秀太
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.604-623, 2011 (Released:2013-04-09)
参考文献数
73
被引用文献数
10

This paper discusses some fundamental ideas of situated learning, activity theory, cross-contextual learning and a new field of situational boundary work. Firstly, I take up five questions or misunderstandings often had about situated learning theory and respond to these: 1) does it deny mental processing?, 2) does it consider that external circumstances determine learning?, 3) does it regard internalization of knowledge in a situation as learning?, 4) which does it focus on, individual transformation in a situation or whole collective transformation?, 5) does it consider that transfer doesn't occur? Secondly, I discuss cross-contextual learning or boundary crossing, a main subject in recent activity theory. Thirdly, I interrogate organization or states of boundary itself and our ways of recognition or ethnomethods of its use. This paper constructs some concepts of boundary transformation, multi-boundary, and distantiation.
著者
平井 利明 木村 俊介
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.159-163, 2004-12-25 (Released:2017-05-26)
参考文献数
22
被引用文献数
1

We conducted fecal analysis of the common bat, Pipistrellus abramus, foraging above rice fields in Kyotanabe City, Kyoto, Japan. Two classes and eight orders of arthropods were identified. Most of the prey arthropods were flying insects such as Diptera, Hemiptera, and Hymenoptera. The diet composition varied seasonally, and the principal prey taxon changed from Diptera in June to Hemiptera in September.
著者
Kittipong Srivatanakul
出版者
The Japanese Society for Neuroendovascular Therapy
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
pp.ra.2020-0051, (Released:2020-04-22)
参考文献数
24

The arterial anatomy of the parasellar area is complex in that it deals with extracranial–intracranial anastomosis and supply to various cranial nerves in a small area. Pathologies such as hypervascular tumors and shunts are not uncommon and require good knowledge of anatomy in planning the treatment. In this article, the basic anatomy of the arterial supply in this region is discussed, covering the origins, territories, relation to the cranial nerves, and the connections among different systems.
著者
植阪 友理
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.80-94, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
41
被引用文献数
27 17

自己学習力の育成には, 学習方略の指導が有効である。中でも, 複数の教科で利用できる教科横断的な方略は, 指導した教科以外でも活用できるため有用である。指導された学習方略を他の教科や内容の学習に生かすことは「方略の転移」と呼べる。しかし, 方略の転移については, 従来, ほとんど検討されてきていない。そこで本研究では, 方略の転移が生じた認知カウンセリングの事例を分析し, 方略の転移が生じるプロセスを考察する。クライエントは中学2年生の女子である。非認知主義的学習観が不適切な学習方法を引き起こし, 学習成果が長期間にわたって得られないことから, 学習意欲が低くなっていた。このクライエントに対して教訓帰納と呼ばれる学習方略を, 数学を題材として指導し, さらに, 本人の学習観を意識化させる働きかけを行った。学習方法の改善によって学習成果が実感できるようになると, 非認知主義的学習観から認知主義的学習観へと変容が見られ, その後, 数学の異なる単元や理科へ方略が転移したことが確認された。学習方略を規定する学習観が変容したことによって, 教科間で方略が転移したと考えられた。また, 学習者同士の教え合いが多いというクライエントの学習環境の特徴も影響したと考えられた。
著者
櫛原 克哉
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.574-591, 2015 (Released:2016-03-31)
参考文献数
20

本稿は, 社会生活への適応に困難を感じたために, 精神医療機関を利用した経験のある人々の語りを考察した. 近年の精神薬理学や臨床心理学的治療の拡充を受け, 精神医学においては従来の心理的・内面的な要因を対象とした治療に代わり, 患者の脳を中心とする生物学的要因や可視的な行動の矯正といった「フラット」な領域の治療が推進されている. N. Roseは, このような管理技術の浸透を, 精神医学の統治の「フラット化」の現象として指摘する.統治のフラット化を被治療者の観点から考察すべく, 筆者は医療機関への通院経験がある6名を対象にインタビュー調査を実施した. その結果, 「全人格型の語り」と「場面型の語り」の2類型が導出された. 「全人格型の語り」は心理学的な因果関係の文脈から過去との連続性を有する自己を導出するのに対し, 「場面型の語り」は現在属する社会環境内で問題となる思考や行動を限局的に調整しようと試みる断片的な自己という性質を有した.2つの語りは, 精神医学の治療構造の分裂を反映し, 医学のフラット化が不均質に浸透したことにより, 治療対象となる自己も分裂して生起することが確認された. このことから, 精神医療における統治により, 社会環境に適合的な自己が「フラットに」産出される一方で, 心理学的な主題に回帰して「精神の深部」を参照するような自己が, フラットな統治を下支えし治療の求心力として作用していることが示唆された.
著者
青木 隆浩
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.197, pp.321-361, 2016-02-29

本稿では,明治時代から1980年代までの長期にわたり,日本における美容観の変遷とその原因をおもに化粧品産業の動向から明らかにしたものである。そのおもな論点は,明治時代以降の美容観が欧米化の影響を受けながらも,実際に変化するには長い時間がかかっており,欧米化が進んだ後でも揺り戻しがあって,日本独自の美容観が形成されたということであった。まず,明治時代といえば,白粉による白塗りと化粧品の工業製品化による一般家庭への普及がイメージされるが,実際には石鹸や化粧水,クリームといった基礎化粧の方がまず発達していったのであり,メイク方法は白粉をさらっと薄く伸ばす程度のシンプルなものだった。口紅やアイメイクに対する抵抗感は,現在から考えられないほど強かったため,欧米の美容観はなかなか受容されなかった。1930年代に入ってから,クリームや歯磨,香油などの出荷額が伸びていくが,第二次世界大戦による節制と物品税の大増税によって,すぐに化粧をしない時代に戻っていった。その後,1960年前後までの日本の女性は,クリームや化粧水による基礎化粧はするものの,メイクはほとんどしなかった。欧米型のメイク方法は,1959(昭和34)年におけるマックスファクターの「ローマンピンク」キャンペーンと1960(昭和35)年におけるカラーテレビの放送開始を契機として,普及し始めたと考えてよい。とくに1966(昭和41)年からそのキャンペーンにハーフモデルを起用して成功を収めたことが,ハーフモデルの日焼けした肌と大きな目に憧れる結果となって,欧米型のメイクが普及する大きな要因となった。ところが,1970年代の初めにハーフモデルを起用した日焼けの提唱がいったん終わり,その後,日本の美が見直されていくことになる。さらに,1980年代に入ると自然派志向やソフト志向が顕著となり,その中でアイドルタレントが化粧品のプロモーションに起用されるようになると,日本独自の自然でソフトな女性像,つまり1980年代の「かわいらしさ」のイメージが形成されていった。