著者
香川 雅春
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.235-245, 2018 (Released:2018-04-28)
参考文献数
79
被引用文献数
1

Anthropometry is a simple, easy, and cost-effective technique to measure size, shape, and proportion of human body. Because of its versatile nature, anthropometry has been utilized in diverse disciplines to assess growth and development, nutritional status, health risks and physical performance. On the other hand, there is a concern about a lack of understanding on ways to utilize the results obtained from anthropometry. In the present review, a brief history of anthropometry and common techniques to report results obtained from anthropometry were described. The review also suggested current considerations on application of anthropometry and its future prospects in Japan.
著者
北條 暉幸 中島 民治 平尾 登美
出版者
The University of Occupational and Environmental Health, Japan
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.355-357, 1984-12-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
3 3

北九州市在住の17才の女子高生, 318名の身長,座高および比座高(身長に対する座高の百分率)を対象に研究した, 計測は, Martin-Saller法に基づいて行われた. 計測値は1973年, 1980年および1984年に計測された3群に分けられ, これら3群間に身長, 座高および比座高の各値に統計的に有意な差がなかった. 比座高は約54%で, この値は3群に共通であるばかりでなく, 若干の中国人, エスキモー人, アメリカ・インディアンおよび北海道アイヌ人に共通である.
著者
藤村 淑子 大野 静枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.210-215, 1981-04-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
6

衣服のゆとり量を求めるために, 体操によって生じた体表面の最大変化量を, できるだけ正確にかつ迅速に, また被験者に疲労を与えずに測定する方法として, 伸縮性P. S.を全身に着用させ, 動作の変化量をP.S.に縫い込んだ未延伸糸から求める方法を考え, 以下の結果を得た.1) 皮膚の伸びと未延伸糸の伸びとの間には, γ=0.996の有意な相関性があり, 測定法としてきわめて有効であった.2) 体表面の面積変化量は, 部位によって異なり, 大きく変化する部位, 少ない部位, 微小に変化する部位に区分された.体幹前面では胸部より腹部の変化量が大で, 側方に向かうに従ってさらに大きく変化する. 後面は肩甲骨上, 胸囲線付近の変化が大きく, 肩関節の移動が大きく影響していることがわかる. また, 股関節部では臀溝上のみに限られた. 下肢部は膝関節部を除き一般には変化量は少ない.3) Vervaeck Indexと各基準線の変化量との関係は, 指数の大きいものほど大きくなり, 脂肪が沈着する腰部では顕著にあらわれた.4) 本実験から得られた体幹部の平面展開図と静止時体表面展開図との間には, 面積変化がよこ方向よりたて方向に顕著にあらわれた. 両者の面積差は, 363.2cm2であり, この値は体操に必要な最低面積ゆとり量といえる. また, 文化式パターンと比較すると, その差は25.9cm2できわめて少なく, 運動に要する最低ゆとり量の必要量からみて, わずかに7%しか満たしていないことがわかった.以上, ゆとり量を体表面との面積変化量から求め, 着衣実験を通して, 各部位に必要なゆとり量について考察してきたが, その結果から, 被服設計上, 次のようなことがいえる. すなわち, 下着など伸縮性布地に対して動作時に要求される変形量は, 面積変化量の最大値を容易にとりうるような材質であることが望ましく, また織物を素材に設計する場合は, 面積拡大率の大きな部位にゆとりを配置するように工夫する必要があろう. 一般に, 人間の動作から生じる体表面の変化量は, よこ方向よりたて方向に多くあらわれることが確認され, それに追従するためには図6に示すようなたて方向のゆとりが必要になる. このたて方向のゆとりを, よこ方向のゆとりにどこまで置換できるかを問題にするのが被服デザインということになる. この解決法として, 従来から, ゆるみ量がよこ方向にとられているわけである. なお, 本研究は, 皮膚の表面積の変化量そのものに限ったゆとり量として求めたものであり, 実際の着衣時における衣服地と皮膚とのずれがゆとり量の許容を排除することについては考慮しておらず, この点は今後の問題として考えていく予定である.
著者
加瀬沢 信彦 鈴木 啓吾
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
日本自動化健診学会々誌 (ISSN:0386135X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.125-135, 1981-12-20 (Released:2010-09-09)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

成人健診における実用的な肥満判別法について検討を行ない, 次の知見が得られた。1.身長別に標準体重を推定する従来の各種方法 (算出式や表) は, 性, 年齢, 異常データの混入状態など標本集団の不均質に基づく要因によって常に一定の指標が得られないという欠点があり, 肥満指数として普遍妥当性に乏しい。2.三種の体格指数 (W/H比, W/H2, W/H3) を健常成人データを用いてその実用性を比較すると, W/H比が体重との相関が最も強く, 年齢や身長の影響を受けにくく, かつ算出が容易であるという点において, 肥満度指標として最適であった。3.W/H比の健常成人のヒストグラムは男女とも正規分布とみなし得るので, パラメトリックな統計処理が可能である。すなわち, 著者らは平均値を中心として, 1S.D.間隔ごとにW/H値を区分し, 7段階の肥痩判定を行う方法を考案したが, これは統計学上, 利便を有するものである。4.W/H比の基準分布は“健常者集団”から容易に算出される。著者らは最近5年間のデータから, 20~75歳の人間ドック健常者を対象として男子33~41, 女子30~38のW/H基準値 (平均値土1S.D.) を得たが, 実用的な基準値の設定にあたっては, 性, 年齢, 地域, 時代, 種族等を考慮して決められることが望ましい。その場合, W/H値自体は共通の指標として相互比較が可能である。5.W/H判定法に皮下脂肪厚測定を組合せることにより, 成人肥満のスクリーニングとしての信頼性がさらに向上する可能性が示唆された。(本論文の要旨の一部は, 第8回および第9回日本自動化健診学会学術大会, 並びにExcerpta Medica-ICS 539 (1981) に報告した。)
著者
佐藤 徳子
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.153-158, 1958 (Released:2010-10-29)
参考文献数
7

Similarly the part 1, comparative studies are made on the girth of the chest ratio, the sitting height ratio, Rohrer's index, Kaup's index and the girth of the upper arm of blind and normal school-children (6-19 year) in four prefectures of Tohoku district, and the following characteristics are found.(1) In the weight and the girth of the chest, blinds are not so inferior to normals as in the height, therefore the girth of the chest ratio and Rohrer's index of blinds are somewhat greater than normals'.(2) The sitting height ratio of blinds are greater than normals' in spite of the height of blinds are inferior to normals' so it seems that blinds have shorter legs than normals.(3) Kaup's index of blinds are inferior to normals'.(4) The girth of the upper arm of blinds are greater than normals' at the young ages, but the elder ages in school-life are inferior to normals.
著者
小沢 利男 半田 昇 氏井 重幸 岸城 幸雄
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.513-521, 1979-11-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1

体重身長指数は身長との相関が少なく, 体重と相関が大であることを要する. この点について四つの指数I1=W/H (比体重, Wは体重, Hは身長), I2=W/H2 (Body Mass Index, BMI) PI=H/3√W (Ponderal Index), BK=W/(H-100)×0.9 (Broca-桂の指数) を検討した. 対象は10歳代から70歳代に及ぶ健常男子6,272名, 女子7,230名, 計13,502名である. その結果男女各年代層を通じてBMIが身長との相関が最も小さく, 体重との相関は比体重についで大であった. 又20歳代を対象として5cm毎に区分した各身長に対する各指数の変化をみると, BMIが最も一定した値を示した. 加齢に伴うBMIの変化をヒストグラムからみると, 男子では30歳代で20歳代より右に偏るが, その後60歳代に至るまでほぼ同じ分布を示した. 女子では20歳代から加齢と共に漸次右方に偏る傾向がみられた. 血圧との関係ではBMIの高いものに高血圧の出現頻度が高く, 特に男子でこの傾向が顕著であった. 男子における喫煙量とBMIとの間には一定の関係がみられなかった.
著者
川崎 創 渡邉 周平 藤澤 由佳 平井 俊行 金井 大輔 西願 まどか 隈元 宣行 原 明子 瀧口 梨愛 西 慎一
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.263-270, 2023 (Released:2023-07-28)
参考文献数
35

症例1は58歳女性.血液透析歴は8年.入院5日前からの発熱と右肩痛を主訴に受診しメチシリン感受性黄色ブドウ球菌菌血症および右胸鎖関節炎を認めた.抗菌薬治療を開始したが肩痛は増悪し,第37病日に実施したMRIで右鎖骨骨髄炎と診断した.第66病日に手術目的に高次医療機関へ転院となった.症例2は83歳男性.血液透析歴は6年.入院3か月前に内シャント感染ならびにメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)菌血症を認め,内シャント感染巣除去術ならびに血液培養陰性化確認後から4週間の抗菌薬治療により症状の改善を得たが,抗菌薬終了2週間後より炎症反応の上昇あり,血液培養で再度MRSAの発育あり,造影CTで縦隔膿瘍を認めた.縦隔ドレナージおよび抗菌薬治療を行うも改善に乏しく,第17病日に永眠した.透析患者の黄色ブドウ球菌菌血症では,非典型的な部位への播種性感染を念頭に置く必要がある.
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, 2023-08-15

情報処理64巻9号を1つのファイルにまとめました.
著者
安田 武 奥野 温子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.81-86, 1981-02-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19

寒天ゲルの凝固が果汁の添加によって妨げられる事実について, 主としてX線的に研究して, クエン酸が単位胞内に入って結晶生成を妨げネットワークが不完全となるものと推定した.
著者
安原 昭博 吉田 由香 堀 あいこ
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.165-167, 2003-03-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
4
被引用文献数
2

注意欠陥/多動性障害 (AD/HD) 診断用テストのコンピュータ・ソフトを制作し, 臨床応用を試みた. 対象は6~13歳のAD/HD男児20名と, 6~12歳のnon-AD/HD対照男児10名である. NoruPro Light Systems, Incと共同作成したコンピュータ・ソフト「もぐらーず」は, 2種類の異なる画像を提示する視覚性課題弁別検査であり, 被検者は1つの決まった画像に対してキーボードを押すことを義務づけられている. AD/HD群の正解率は84~86%であり, non-AD/HD群の96~98%よりも有意に低値であった, 正解率の低さは衝動性を反映すると考えられ, AD/HD児には行動を抑制する機能の障害があるのではないかと考えられた. 反応潜時のばらつきはAD/HD群で有意に大きく, これは注意集中の持続性の欠如を示していると考えられた.「もぐらーず」はAD/HDの症状を客観的に評価でき, 診断に有用な検査であると考えられる.
著者
滑川 静海 手塚 太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回 (2018) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.3Pin134, 2018 (Released:2018-07-30)

ゲームを作成することはAI研究の進歩に大きく貢献している。これは実世界における問題と共通するものが多く存在しているからである。つまりそれらに取り組むことで、AIは現実での問題に応用することができる。AIがチェスや囲碁などの高度な戦略が必要とされるボードゲームで人間を上回った今、次の目標の一つはビデオゲームをプレイするためのトレーニングが挙げられる。この論文では、シューティングゲームに焦点を当て、敵機が展開した弾幕を避けるためのプログラムを最適化する。遺伝的アルゴリズムを使用して、AIプレイヤーは敵の攻撃に被弾することなく動き回るように最適化された。実験には多くの時間を必要とするものの、学習に成功することを示した。
著者
藤森 新
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.458-463, 2018-03-10 (Released:2019-03-10)
参考文献数
10
著者
橋田 光代 片寄 晴弘 保科 洋
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111(2003-HI-106), pp.103-109, 2003-11-07

与えられた楽譜からフレーズ頂点を推定(or 付与)する手法のひとつに保科理論がある.頂点選択や演奏表現のための条件がよく整理されており,理解しやすい.ただし,保科理論では,グループ境界に関しては人間の直感的な思考を前提にしており,直接,計算機処理に用いることはできなかった.本稿では,保科理論をもとに,スラーの始点と終点に関する制約を利用し,頂点推定の根拠からのvotingによって各グループの頂点を推定するモデルを提案する.ベートーベンのピアノソナタ「悲愴」第2楽章では,概ね正しい頂点を導き,他曲における推定でも約80%を超える正答率を得た.