著者
近藤 諒一郎 戸石 七生 松本 武祝
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.322-327, 2022 (Released:2022-03-31)
参考文献数
29

Regarding beef consumption in early modern Japan, only a few previous studies have discussed the quality of beef as an ingredient. In this paper, we focus on the variation in the quality of beef from the perspective of the social classes consuming it. We find that beef consumption was polarized, with good-quality beef being consumed by the upper class and poor-quality beef being consumed by the lower class. This difference was due to the different slaughtering techniques used; good-quality beef was fresh meat produced by slaughtering living cattle, and poor-quality beef was taken from cattle that had previously died.
著者
小幡谷 英一
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

木材の物理・化学加工技術を組み合わせ、枯渇が危惧されるグラナディラ材の代替材を、持続可能な汎用木材や天然樹脂を用いて製造する技術を開発する。具体的には、化学処理(寸法安定化)と樹脂含浸圧密(緻密化)を複合することで、グラナディラ材に匹敵する高い力学性能と寸法安定性を達成する。グラナディラ材のストックが払底する数年以内の実用化が求められることから、第1段階として、薬品を用いた化学処理と合成樹脂を用いた樹脂含浸圧密を組み合わせ、速やかに実用化できる材料を開発し、第2段階として、天然化合物や天然樹脂を用いた、持続可能な加工法を検討する。
著者
長谷川 豊祐
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.311-316, 2011-08-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

設置母体における経営環境の悪化に伴い,図書館でも「管理」が注目されている。はじめに,外部環境と内部環境の変化と,図書館に求められる機能と能力について以下の2点を明らかにする。1)図書館は,経営資源が縮小しているにもかかわらず,利用対象と機能を拡大したサービスを迫られている,2)図書館全体としては,経費と職員は減少傾向にあるが,増減の多少は個々の館で大きな差がある。従って,図書館には,場当たり的な彌縫策ではない業務改革や業務管理が求められる。そこで,業務管理の手法として,SWOT分析とバランスト・スコアカードの概要について解説する。
著者
小黒 亮史 茂木 雅臣 松下 豊 豊川 怜子 渡邊 統星 飯田 誠 山本 裕 小島 博己
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.221-227, 2020-10-15 (Released:2021-10-15)
参考文献数
34

Gradenigo 症候群とは中耳炎, 三叉神経痛, 外転神経麻痺を3主徴とする疾患概念である。 症例は10歳の女児。 側頭部痛と耳後部痛で発症するも近医耳鼻咽喉科・小児科診察で異常所見はなく, 鎮痛薬のみで経過観察したところ約1ヵ月後に外転神経麻痺を来した。 当院受診時に中耳炎所見を認め, 本症と診断した。 抗菌薬およびステロイド投与による保存的加療が奏功し, 症状・所見の改善を得た。 画像検査や治療経過より, 原発性錐体尖炎や中耳炎による続発性錐体尖炎が原因と推測された。 退院後6ヵ月時点で再燃を認めず経過良好である。
著者
鈴木 昭広
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.310-318, 2008 (Released:2008-04-16)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

エアウェイスコープ® (AWS) とエアトラック® (ATQ) は, ともにチューブ誘導機能を有する間接声門視認型の硬性喉頭鏡である. 両者とも, 喉頭所見を劇的に改善し, ガイド溝を経由したチューブを高い確率で気管に安全・確実に留置することを可能とし, 現行の気管挿管器具のなかで最も進化した喉頭鏡と考えられる. 両者は外見上の構造は類似しており, 共通のコンセプトを有してはいるが, 喉頭蓋の挙上法や声門に至るアプローチなどに相違がある. これら新しい気道確保器具はマッキントッシュ型喉頭鏡の後継者としてきわめて有望であり, 今後の気道管理に重要な役割を果たすと考えられる.
著者
大塚 敏之 石谷 雅宏
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.66, no.652, pp.3962-3969, 2000-12-25 (Released:2008-02-26)
参考文献数
9
被引用文献数
1

This study applies differential game theory to simplified four-wheeled vehicle models. We describe the motions of two four-wheeled vehicles on plane as nonlinear systems and formulate receding-horizon differential game problems. Performance indexes of the differential games have a moving performance interval. The game optimal solution (minimax solution) is calculated by applying a real-time algorithm without successive approximation. Numerical results of pursuit-evasion and overtaking are reported and discussed.
著者
Kentaro Mori Yu Iida Akira Tamase Motohiro Nomura Yoshihisa Kitamura Yuichi Kawabata Tatsu Nakano
出版者
The Japanese Society for Neuroendovascular Therapy
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
pp.ai.2017-0087, (Released:2018-01-18)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

This study describes hyperintensity of dural venous sinuses due to jugular venous reflux (JVR) and their respiration- and position-induced changes, and discusses the significance of this phenomenon in endovascular treatment.
著者
曽根 正輔
出版者
曽根正輔
巻号頁・発行日
2005-03-19

航空輸送は現代社会を支える重要な要素であり、それを支える空港建設は巨大な公共資本投下である。これを適切に行うためには、需要予測に基づく政策決定が不可欠であるが、日本の空港整備では問題が指摘されている。北九州市は2006 年3 月、新北九州空港の開港により待望の本格的空港を都市基盤の一つとして獲得するが、その活用を通じ、更なる北九州市の発展を図る為の都市政策を策定し、かつ北部九州の空港能力問題改善に貢献していくためには空港利用の予測とその正しい解釈、適切な政策化が必要である。新空港は北九州市の航空事情を一変させるに留まらず、北部九州に日本では例外的な空港選択状況を現出させる。特に、経済情勢の変化から航空需要が必ずしも単調増加ではなくなった現在、増加の予測に留まらず旅客の選択について正しく予測する事が今後の空港政策策定の上で重要である。本研究では既往研究の検討と現在までに公表された諸予測の問題点をそれぞれの予測モデルと使われたデータに立ち帰り明らかにし、次に問題の解決の方向としての集計ロジットモデルの合理的な適用への基礎検討として、わが国における航空と新幹線の選択状況を集計ロジットモデルで解析した。次に空港選択を大きく左右する空港アクセス条件の影響を北九州都市圏の特性を併せ、非集計ロジットモデルにより解析した。また、2000 年に北部九州の空港能力問題に対し、福岡空港を中心にした需要予測に関する研究が発表されており、予測手法として集計ロジットモデルが提案されていることから、詳細な検証を行った。更に空港に関する旅客の選好要因を、既存の交通統計データの限界を超えて解析するため、消費者性向の解析に使われるコンジョイント分析手法を空港選好要因調査に適用した調査を行った。本研究で取り上げたモデルはいずれもロジットモデルを基礎として旅客の選択を解析し、結果として選択要因である旅行の所要時間、総費用などの要因に関する旅客の定量的な反応を表すパラメータを得るが、各々の解析からのパラメータ間には互いに斉合性が見られ、旅客は合理的な基準によって選択を行っていることが示された。この事実は本論文の主題である、旅客の空港選択の定量的な解析が空港の有効活用に向けての都市政策に有効であることを示す。これらの結果から現在、北九州都市圏では福岡空港へのアクセスにかなりの割合で新幹線が使われる地域がある反面、自家用車が最も有利な手段として主に使われる地域も存在するなどの現状が定量的に把握され、都市圏が広範囲に広がる北九州市では新空港に対する活用促進の都市政策は地域による調整が必要である事が示された。また北部九州の航空事情については福岡空港の能力問題があり、一部で利用者の意識構造データによる空港選択モデルなどから、福岡空港を中心とした利用者の動きを恒常的とする主張がされ、これを福岡市の都市構造問題と絡めた新福岡空港構想が提出された。しかし過去に行われた福岡空港についての需要予測は航空事情の変化により、現状から既に乖離しており、空港利用者は条件の変化に対応して選択している事を示した。また本論文での解析から利用者は合理的に選択をしている事から、航空利用者は新北九州空港に対しても実現する利便性を正しく評価・選択することが予測された。本論文では解析方法の比較検討及び独自に行った各種の解析から空港選択予測のあり方として、情報公開と解析の再現性の面から、集計ロジットモデルを適切に用いる方向を推奨すると共に、現状の交通統計データによる非集計ロジットモデルの限界を示した。また、空港利用者の空港選択要因を見出し、定量的な比較検討を可能とする手段としてChoice-Based Conjoint 解析が有効である事を示した。以上の結論から、北部九州に関する空港政策として、空港事情に大きな影響を与える新北九州空港開港の結果生まれる北部九州の空港利用状況を正しく予測し、適切な空港間の機能分担を実現する都市政策を採るためには、適切な選択行動の解析と理解が不可欠であり、これらをもとに中期的計画が策定され、直ちに実行されなければならない。中期計画は直面する問題を部分的ながら解決し、長期計画の前提となるべきものであり、本論文では、その策定への具体的な手順と内容を示すとともに現在の空港政策の検討は長期に偏り、中期的視野に欠けている事を指摘した。
著者
梶木 剛
出版者
法政大学国文学会
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.2-14, 2002-03-24
著者
望月 新一
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2001

14年度は、「Hodge-Arakelov理論」のDiophantus幾何への応用に向けて理論を具体的に定式化する上で大きな進展を見た。主な発見および新しく得た視点は次の通りである:(1)以前は、この応用を妨げている技術的な障害を取り除くための手段として、遠アーベル幾何によるアプローチを考えていたが、様々な理由により、13年度に検討していたアプローチでは不十分であることが判明した。しかし、遠アーベル幾何の精神を受け継ぎながら、Galois圏だけでなく、もっと一般的な圏や圏論によるアプローチが有効になる可能性が高いことが分かった。(2)この圏論的アプローチを実現するための技術ないしは「言語」として、圏論や、集合論における「宇宙」の概念を活用した宇宙際幾何(inter-universal geometry)を開発した。(3)圏論的なアプローチでは、遠アーベル幾何におけるGrothendieck予想に対応する様々な結果を証明した。その中で代表的なのは、log schemeの圏に関するものである。なお、最近では、このような結果を、archimedeanな構造が付いているlog schemeの場合に拡張し、またこの結果の延長線上にある理論の中で、数体上の大域的な数論的Frobenius射(=正標数の関数体上のp乗写像の類似物)という興味深い対象も構成している。(4)Hodge-Arakelov理論との関係でいえば、以前考えていたHodge-Arakelov理論の基本定理である「比較同型」よりも、theta convolutionという対象による定式化の方が、圏論的なアプローチとの相性がよいことが分かり、そのような観点による、圏論とHodge-Arakelov理論との「融合」を推進することにした。また、Diophantus幾何への応用と直接は関係ないが、正標数のコンパクト双曲型代数曲線のGrothendieck予想の証明の完成に向けて様々な技術的な進歩があった。
著者
竹田 仁一
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.94-100, 1984-04-15 (Released:2018-01-31)

爆発または衝撃をうけても大破することなく,その後もある程度継続して使用することのでぎる(耐爆,耐衝撃性をもつ)鉄筋コソクリート構造物の設計方法が各国において鋭意研究されている.これは筆 者等が1982年6月西独ベルリンBAMで開かれた耐衝撃設計に関する国際シソポジウムに提出した論 文の概要である. 爆発,衝撃をうける鉄筋コンクリート構造物には静的載荷の場合と異なり,二種の変形,破壊(応答)が発生する,第1次応答(応力波応答),第2次応答(動的弾塑性応答)である、耐爆,耐衝撃設計では対象とする爆発,衝撃によって発生するこれらの応答の大ぎさを定量的に求め,それらがそれぞれの許容値の範聞内に留るかどうかを検討するという手順をとる.
著者
竹中 修
出版者
Primate Society of Japan
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.21-24, 1986 (Released:2009-09-07)
参考文献数
5