著者
松井 うみ 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.327-333, 2019-10-25 (Released:2019-11-13)
参考文献数
14

スズメPasser montanusがサクラPrunus sp.の花を盗蜜する際,花托筒を噛み切る.その結果,花が地面に落ち花見に影響する可能性がある.そこで本研究では,花見の名所である北海道函館市五稜郭公園において,花見期間中スズメの盗蜜によってどれだけのサクラの花が落とされているのかを定量化する調査を行った.調査の結果,公園内全体の花の少なくとも0.19%,多くとも0.49%が落とされていると推定され,被害はそれほど大きいとは言えないことが明らかになった.
著者
小田 佳代子 森 英高 陳 鶴 谷口 守
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.138-142, 2014-03-10 (Released:2022-07-01)
参考文献数
13

地域活性化には祭りなどのイベントが欠かせない。イベントには日常生活と異なる非日常的な消費がある。その消費の傾向には地域差がある可能性がある。本稿では花火大会の開催傾向から、その特別な消費の地域差を把握した。ハレ消費における費用便益的な評価の視点からの離れ方に地域差が有るということは、本分析から明らかにすることができた。
著者
荻島 和真 福安 真奈 浦田 真由 遠藤 守 安田 孝美
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.1-16, 2016-02-29 (Released:2017-01-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3

オープンデータを推進する方法として,開発イベントやアプリコンテストが各地で開催され,一定の効果を示している。基礎自治体によるオープンデータ推進のためには,これらの取り組みを短期集中的に実施するだけでなく,自治体の受容性を考慮した上で,日常的な自治業務にオープンデータを取り入れていく必要がある。しかし,多くの自治体は,膨大な業務の中,限られた人員やコストでオープンデータを推進している。そこで,本研究では従来の自治業務におけるオープンデータ推進の確立を目的とし,自治体が主催する観光イベントを対象にオープンデータ化の試行とアプリ開発を実践した。観光イベントについて,自治体が発信しているリーフレットの情報を整理し,オープンデータ化を試行した。これを活用して,観光イベントをガイドするモバイル端末向けアプリを開発し,アプリを利用した実証実験を,名古屋市東区で行われる「第15回 歩こう!文化のみち」にて実施した。実証実験からはアプリの有用性が明らかになり,試行した観光イベント情報のオープンデータが有用であることを示すことができた。また,本研究の成果として,「第16回 歩こう!文化のみち」の観光イベント情報が名古屋市のオープンデータとして公開されることになった。以上を踏まえ,自治体の受容性を考慮した,従来の自治業務におけるオープンデータ推進について考察した。
著者
勝川 路子 中田 理恵子 井上 裕康
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.18, 2009 (Released:2009-09-02)

目的 機能性食品成分による生活習慣病予防の分子機構解明を目指して、我々はプロスタグランジン産生の律速酵素である誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)の発現抑制、そしてその発現抑制に関与する核内受容体PPAR活性化を指標にした研究を続けている。今までに赤ワインに含まれるポリフェノール・レスベラトロールがPPARα活性化を介して脳保護効果を持つことを報告してきた。また、種々の植物油の機能性を評価したところ、タイム油等の精油においてCOX-2の発現抑制が見出され(1)、さらにCOX-2発現抑制およびPPAR活性化の効果をもつタイム油の成分を同定した。今回は、タイム油以外の精油およびその成分について、両効果を検討したので報告する。 方法 COX-2発現抑制は、ウシ血管内皮細胞にCOX-2レポーターベクター・PPARγ発現ベクターを共導入した後、種々の精油及びその成分を添加し、LPS刺激によるCOX-2発現誘導に対する抑制効果を測定した。3種類のPPAR(α, β/δ, γ)の活性化は、同細胞にPPREレポーターベクターとそれぞれのPPAR発現ベクターを共導入して測定した。 結果 バラ油においてCOX-2発現抑制、PPARα,γの活性化が認められ、その効果にはバラ油の2種類の成分が主に関与することを見出した。 (1) 堀田真理子、中田理恵子、井上裕康 日本家政学会誌 59, 373-378 (2008)
著者
安田 誠宏 間瀬 肇 小西 秀誉 松下 紘資 徳永 誠之
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.519-524, 2008 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
6 6

A set of experiments was conducted to examine the stability of new type of wave dissipating blocks. It was confirmed from the experimental results that offshore wave steepness influences the stability of blocks. The parameters of stability number formula were derived with classification of wave steepness. Required weight of new block against a design wave can be reduced to 90 percent compared to a typical standard block because the stability is being improved. The wave steepness relates deeply to the breaker type, and wave steepness' effect should not be neglected in the stability estimation of blocks. In order to separate the effects of wave steepness and wave breaking, it had better to conduct the experiments with flat bottom condition for further investigation of blocks' stability.
著者
砂川 正隆
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

①まずは,健常ラットに漢方薬(抑肝散,加味帰脾湯)を投与することによって,中枢あるいは末梢におけるオキシトシン分泌の変化を調べる。②ストレスモデルラットを用い,漢方薬の抗ストレス作用を検討し,この効果がオキシトシンの分泌を介したものであるか検討する。③オキシトシンの分泌異常が関与する他の疾患モデル動物に対して,漢方薬が有効であるかを検討する。
著者
中林 敏郎 児島 裕二郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.108-111, 1980-03-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
7
被引用文献数
3

コーヒーの褐色色素の形成機構を解明する一つとして,シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて,コーヒー豆焙煎中のキナ酸含量の変化を検討し,あわせて酒石酸,クロン酸およびリンゴ酸含量の変化も調べた結果,(1) 市販のコーヒー生豆と焙煎豆中の上記4有機酸の含量は表2の通りで,特にキナ酸はフレンチローストで著しく少なかった。(2) 焙煎中,酒石酸,クエン酸,リンゴ酸は豆の重量減に伴い,メディアムローストまで相対的に増加した後,熱分解により減少した。キナ酸もメディアムローストまで相対的に増加した後,熱分解により減少を始めるが,フレンチロース以降に再び増加した。(3) 以上の結果から,コーヒー豆焙煎中,フレンチロースト以降の段階の熱反応で,褐色色素よりキナ酸が遊離するものと推定した。
著者
櫻谷 美貴子 樋口 格 中馬 基博 鷲尾 真理愛 新原 正大 山下 継史 比企 直樹
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.27-29, 2023-02-15 (Released:2023-03-15)
参考文献数
17

胃癌術後の筋肉量の減少は補助化学療法の継続性に負の影響を及ぼし予後を悪化させる.さまざまな経口栄養剤での筋肉量減少を予防する試みがなされたが,コンプライアンスの問題があり効果に乏しい.胃癌周術期におけるアミノ酸投与の問題点について考察し,周術期にアミノ酸を有効に投与する方法を検討する.
著者
真銅 正宏
出版者
同志社大学
雑誌
人文學 (ISSN:04477340)
巻号頁・発行日
vol.184, pp.1-23, 2009-03
著者
札埜 和男
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

研究代表者(札埜和男)は、社会科の模擬裁判実践が法的な考え方の育成に傾き人間不在になりがちなのに対して、「人間を深く知り、想像力を駆使して様々な角度から論理と言葉を紡ぐ」国語科で行う模擬裁判の特性を生かし、「国語科」の視点を取り入れた、新科目「公共」の模擬裁判の実践方法を開発したいと考える。具体的には与えられたシナリオを改良する型、与えられたシナリオ通りに演じる型、「公共」担当の教員でも対応可能な国語科定番の文学作品(『羅生門』、『高瀬舟』、『こころ』等)を教材とした型の、3つの実践方法を確立することで、どの学力層の学校でも教員単独でできる模擬裁判の実施方法を開発する。
著者
奥田 典生
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.57-61, 2002 (Released:2005-05-21)
参考文献数
1

Medical fields are not exempted from the effects of waves of deregulation and structural changes. The minus revision of medical fees has been implemented from this April, and all hospitals, public and private, are facing the need to search for significant management strategies to survive. But quite a few hospitals depend on administrative organizations for their management practice, and to meet the needs of the age, a change to independent hospital management is expected. It is necessary to recognize highly precise management analyses and diagnoses of hospital management as the means of providing better, appropriate medical services to the patients, and that securing a stable medical business profit is not the prime purpose. When hospital management analysis is carried out, lowering personnel expenses, which is the core of total cost, is an important point. It is necessary to reconsider wages based on seniority, and to adopt a system based on ability and further to introduce meritocracy in the future. In this paper the author speculates upon various problems arising from recent medical fee revision, focusing particularly on the personnel wage system from the hospital management viewpoint.