著者
鈴木 剛
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教科教育センター研究報告 (ISSN:02881853)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.93-99, 1997-03-29

There are now widespread concerns about human rights issues and human rights education. In this paper, the author has attempted to clarify the concept of human right and to point out a new issue of human rights education by analyzing a historical development of the concept of human rights. The following are several theoretical-practical topics, for example, the right of the child as a new human right, the real significance of the civil right as the natural right, the human dignity as a fundamental element of human rights, and so on.
著者
漆原 尚巳 杉山 大典 佐藤 泉美 橋本 梓 岩上 将夫 米倉 寛
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

医療分野におけるICTの急速な進展により、近年大規模健康情報データベースの疫学的研究への利用が可能になったが、データベースに含まれるデータは、評価したい事象を必ずしもそのまま示すものではない。そのため、各々の研究で評価すべき項目である重要なアウトカム(疾病診断や診療内容、医薬品の使用など)は、診療報酬請求上用いられる単一又は複数のコードなどを組み合わせて規定されており、この定義をアウトカム定義という。本研究では各々の研究で用いられたアウトカム定義に関する情報を蓄積し、研究者間および利害関係者にて共有し研究の透明性を高めるためのレポジトリを構築し、恒常的な運営に繋げることを狙いとする。
著者
大島 千佳 西本 一志 鈴木 雅実
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.157-171, 2005-01-15

本論文では,演奏初心者の親が,初級者の子どもと容易にピアノ連弾できるようにするシステム“Family Ensemble” を提案する.近年,ピアノ・レッスンに連弾が取り入れられ,連弾を通じて生徒の練習意欲が高まったという報告がある.さらに連弾には,パートナーと呼吸を合わせることで,音楽性を育てるという効果がある.しかし子どもが,家庭内で演奏経験の乏しい家族と連弾を行うことは難しい.そこで,本研究で提案するFamily Ensemble では,子どもの親が担当する連弾のパートを,正確な音高列を出力する機能と,子供の演奏位置を追従する機能により支援することで,まったくの初心者の親が,演奏誤りの多い初級者の子どもとでも連弾できるようにした.Family Ensemble を使用する場合としない場合の両方について,合同練習を5 組の被験者ペアに行ってもらったところ,使用した合同練習では,連弾の回数とFamily Ensemble に支援されていない子供の独奏による練習回数が大幅に増加した.この結果から,Family Ensemble によりまったくの初心者と初級者によるピアノ連弾が可能になることだけでなく,支援されていない子どもの練習意欲が増すことが示された.さらに,初心者と初級者のペアでありながら,お互いに音楽的なアイデアや演奏技術について意見をかわしている様子が見られた.
著者
金窪 敏知
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.27-32, 2009 (Released:2014-11-28)
参考文献数
1
著者
酒井 雄希
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.101-105, 2013 (Released:2017-02-16)
参考文献数
17

小さな即時報酬と大きな遅延報酬の選択(異時点間の選択問題)において,前者を過度に頻繁に選ぶ「衝動的選択」は衝動性をとらえる指標の1つとされ,前頭葉や線条体といった脳領域の障害やセロトニン機能低下で引き起こされることが知られている。近年,計算モデルを用いた機能的MRI解析によって,線条体・島皮質において,腹側が衝動的な短期報酬予測に関与し背側が長期報酬予測に関与すること,セロトニン濃度が低いときは短期報酬予測に関連した腹側の活動が優位となることが明らかとなり,衝動的選択の神経基盤として注目されてきた。 一方で,様々な精神疾患において前頭葉─線条体回路の障害・セロトニン機能障害の関与を示唆する知見が集積してきているが,その包括的理解は進んでいない。本稿ではセロトニン機能障害を背景とした前頭葉─線条体回路の機能変化と衝動的行動選択といった観点から,様々な精神疾患の理解が深まる可能性を示す。
著者
三浦 雅展 江村 伯夫 秋永 晴子 柳田 益造
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.203-212, 2010-05-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
17

ピアノを用いた1オクターブの上下行長音階演奏に対する自動評価について述べている。音階演奏の客観的な評価基準を求めるために,種々の音階演奏の5名の専門家による適切性の主観評価とその演奏のMIDI記録の関係を求めている。記録されたピアノ演奏に含まれる打鍵タイミング,打鍵強度(ヴェロシティ),及び押鍵時間長について,音階演奏に含まれる逸脱のスプライン補間曲線を求め,得られた曲線の特徴から,当該演奏の特徴を15のパラメータで表している。補間曲線は鍵盤に対する奏者の手指交差に基づいて求められている。得られた主観評価スコアはその適切性をLeave-one-out法によってオープンテストするために用いられている。評価データに対する評価スコアは,KL展開によって次元縮小を行った後にk近傍法によって求められている。音楽の専門家による評価値に基づいて,提案手法が音階演奏の適切性に関する主観スコアを適切に予測していることを確認している。
著者
Amber Young Anna Davies Carmen Tsang Jamie Kirkham Tom Potokar Nicole Gibran Zephanie Tyack Jill Meirte Teruichi Harada Baljit Dheansa Jo Dumville Chris Metcalfe Rajeev Ahuja Fiona Wood Sarah Gaskell Sara Brookes Sarah Smailes Marc Jeschke Murat Ali Cinar Nukhba Zia Amr Moghazy Jonathan Mathers Sian Falder Dale Edgar Jane Mary Blazeby 訳者: 原田 輝一
出版者
一般社団法人 日本熱傷学会
雑誌
熱傷 (ISSN:0285113X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-20, 2023-03-15 (Released:2023-03-15)
参考文献数
52

【目的】国際的に使用可能な熱傷治療研究のためのコア・アウトカム・セット (Core Outcome Set: COS) の選定. 【デザイン】国際的コンセンサスの合意 (作成期間: 2017年4月~2019年11月). 【方法】システマティック・レビューおよび関連文献から, 検討候補となるアウトカム (臨床評価項目) を抽出した. デルファイ調査方法による共同意思決定作業を通じて, 各国の臨床家と研究者およびイギリス圏の患者と介護者が, アウトカムの優先順位決定作業に参加した. 匿名化されたフィードバック作業を通じて, コンセンサスの達成が目指された. まずアウトカム選定のための定義基準が事前に合意され, それに基づいた投票を行うためのコンセンサス会議が開催され, 最終的にCOSが決定された. 【結果】データソースの調査から1,021のアウトカムが抽出され, ついでその中から88のアウトカム候補が特定された. 1回目のデルファイ調査には, 77ヵ国の医療従事者668名 (18%が低・中低所得国) とイギリス圏の患者または介護者126名が参加した. 1回目終了後, 1つのアウトカムが破棄され, 13の新しいアウトカムが追加された. 2回目の調査では69項目が破棄され, 31項目のアウトカムが最終のコンセンサス会議へと残された. 最終会議では, 事前に設定した選択基準 (閾値) に基づいて2回の検討と投票が行われ, 最終的に7つのコア・アウトカムが合意された (死亡, 特定の合併症, 日常生活動作能力, 創傷治癒, 神経障害性疼痛および掻痒感, 心理的ウェルビーイング, 学校または職場への復帰). 【結論】このCOSには国際的に通用する普遍性があり, 熱傷領域で行われる介入試験において, プロトコル作成の前提になるものである. 今後の介入試験研究には, このCOSに準じた測定値または評価を含めることを推奨する.
著者
細谷 律子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.773-781, 2004-10-01 (Released:2017-08-01)

'かゆみは掻破を引き起こす不快な感覚であり, かゆみの程度(自覚症状)は掻破を介して皮膚症状(他覚所見)に反映される. かゆみは掻破を引き起こし, 皮膚症状を悪化させる. しかし, 両者は必ずしも相関関係にはない. 慢性, 難治化したアトピー性皮膚炎の患者は掻破が習慣行動となっており, ストレスを強化因子として強迫的あるいは儀式的に行われていることが少なくない. 皮膚の状態に比してかゆみが強くないことも多い. 一方, 皮膚の状態に比して強いかゆみを訴えていることがある. かゆみに対する強迫観念が強い場合や, 皮膚炎の存在が, 現実の課題から逃避する理由になっている場合(疾病利得)などである. 自覚的な訴えと他覚的皮膚症状の解離現象は, 治療における心理的介入の必要性を示唆していることが多い. 森田療法的アブローチにより, 不全感の強いライフスタイルをあるがままのライフスタイルに変換することををめざす. ライフスタイルの変換はおのずと皮膚に執着した(とらわれた)感覚, 行動の解放を促し, 解離を減少させるとともに皮膚症状の改善につながる.
著者
藤枝 正輝 野中 琢哉 林 愛子 長谷川 佳孝 月岡 良太 森澤 あずさ 大石 美也 佐藤 宏樹 澤田 康文
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.192-200, 2016 (Released:2017-02-14)
参考文献数
12
被引用文献数
5

Objective: Prescription check and inquiry is one of the most important operations of pharmacists to provide optimal drug therapy to the patient.  Although a number of studies related to inquiries of prescriptions have already been reported, there is little report about requests for doctor and hospital based on the examples.  Therefore, this study aimed to clarify the current problems revealed by inquiries about prescriptions by not only analyzing these inquiries but also investigating requests for doctors and hospitals.Methods: We investigated 6,255 inquiries about prescriptions and requests for doctors and hospitals at 584 insurance pharmacies from August 4 to 10, 2014.  Then, the inquiries about prescriptions and requests for doctors and hospitals were categorized.Results: The most frequent category of inquiries about prescriptions was “Questions about administration and dosage” (21.5%).  On the contrary, the most frequent request for doctors was “Efficiency in gathering information from and providing information to a patient” (2,067 cases).Conclusions: The present study clarified current problems revealed by inquiries about prescriptions by investigating requests for doctors and hospitals that were based on examples.  Furthermore, the problems were classified into ten categories, and these should be noted by doctors and hospitals at the time the prescription was issued.