著者
赤澤 晃 勝沼 俊雄 飯倉 洋治
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.322-328, 1988-08-31 (Released:2009-01-22)
参考文献数
10

トランスファー・ファクターの抗原特異的細胞性免疫能の転嫁作用と非特異的免疫賦活作用については多くの臨床報告があり,その有効性が認められている.その中で,気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患にも有効例があることがわかってきた.今回われわれは,食餌アレルギーの関与する小児アトピー性皮膚炎児9名と反復性難治性口内炎患児2名に経口的にトランスファー・ファクターを投与したところ,アトピー性皮膚炎例では皮膚症状の著明な改善,特異的IgG抗体の低下,血清IgG, IgAグロブリンの増加と血清IgE-RISTの低下がみられた.反復性口内炎例では,投与開始後臨床症状の速やかな改善が認められた.厳密な対照をおいた検討成績ではないので確言はできないが,このことからトランスファー・ファクターが腸管リンパ組織系や口腔粘膜の炎症部位に直接作用する可能性を示唆するものと考えられた.
著者
遠藤 巌
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.485, pp.p1-18, 1988-10
著者
松本 誉之
出版者
日本癌病態治療研究会
雑誌
W'waves (ISSN:18810241)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.18-20, 2007-05-31 (Released:2009-10-16)
著者
金子 拓
出版者
秋田大学
雑誌
秋大史学 (ISSN:0386894X)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.42-59, 2007-03
著者
川崎 寧史
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement1, pp.175-178, 2006 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4

本研究では複雑系および画像処理の技術を利用して、景観画像の複雑さを計量的に計測し、景観評価に有用な情報としてこれを提示することを目的とする。具体的には、様々な都市や自然景観、夜景および風景絵画の画像を対象に、2次元フーリエ変換を利用してパワースペクトル曲線を導き出し、その傾き変化から被写体となる景観の性質とゆらぎ特徴の関係について考察する。その結果として、白色ノイズや1/f、1/f2ゆらぎを示す景観の類型や、夜景におけるゆらぎ特徴の傾向等の整理を行った。ただし本研究は実施途中であり、最終的な分析結果や一定の結論を得ているわけではない。そこで本稿では上述した研究の経緯や内容について報告する。
著者
菅沼 真由美 佐藤 みつ子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.5_41-5_49, 2011-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
45

本研究の目的は,認知症高齢者の家族介護者(以下介護者と略す)の支援への示唆を得るために,介護者の介護評価と対処方法の特性について検討した。介護施設に通所している認知症の症状のある高齢者と同居している主介護者401名に質問紙調査を行い,回収率は60.3%(242名)であった。その結果,認知症の症状に対応できる介護者は肯定的評価が高く(p=.000),否定的評価が低く(p=.001),さまざまな対処方法を活用していた(p=.000)。認知症の症状に対応できない介護者は,認知症の症状がわからない(p=.000),相談相手がいない(p=.032)介護者に多かった。介護評価と対処方法の関連は,肯定的評価と対処方法はやや強い正の相関(p<.01),否定的評価と対処方法は弱い負の相関(p<.01)が認められた。このことから,肯定的評価を高め否定的評価を軽減するためには,認知症の症状に対応できること,多様な対処方法がとれるように支援する必要性が示唆された。
著者
Adriana Cláudia Lapria Faria Renata Cristina Silveira Rodrigues Rossana Pereira de Almeida Antunes Maria da Gloria Chiarello de Mattos Ricardo Faria Ribeiro
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
Journal of Prosthodontic Research (ISSN:18831958)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.69-74, 2011 (Released:2011-03-30)
参考文献数
43
被引用文献数
83

The restoration of endodontically treated teeth is a topic that is extensively studied and yet remains controversial. This article emphasizes the characteristics of endodontically treated teeth and some principles to be observed when restorations of these teeth are planned. It was concluded that the amount of remaining coronal tooth structure and functional requirements determine the best way to restore these teeth, indicating the material to be used, direct or indirect restorations, associated or not to posts.
著者
遠藤 久美子 山本 真吾 大江 直美 天野 陽介
出版者
学校法人 敬心学園 職業教育研究開発センター
雑誌
敬心・研究ジャーナル (ISSN:24326240)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.83-88, 2022 (Released:2022-07-20)
参考文献数
13

【目的】鍼の刺鍼方向によって顔面部のシワに対する影響を調べることで、美容鍼灸の基礎的なアプローチ方法の開拓を行い、学校教育、鍼灸業界発展に寄与できると考え研究を行った。【方法】健康成人男女10名を対象とした。目尻のシワに対してレプリカ剤を用いて採取した。シワに対して平行方向で刺激を行う群と、シワに対して直角方向で刺激を行う群の2群とし鍼を行なった。統計処理はt検定分析を行い、有意判定は5%とした。【結果】施術前後の比較では有意差がみられたが、シワに対して平行方向で刺激を行う群と、シワに対して直角方向で刺激を行う群との比較では有意差はみられなかった。【考察】シワに対しての鍼刺激は、鍼の方向に関係なく減少傾向が認められた。ただし個人差も大きいため、今後さらなる研究が必要である。
著者
Katsumi SHIBATA Tsutomu FUKUWATARI Satoshi SASAKI Mitsue SANO Kahoru SUZUKI Chiaki HIRATSUKA Asami AOKI Chiharu NAGAI
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.178-186, 2013 (Released:2013-07-25)
参考文献数
69
被引用文献数
11 15

Recent studies have shown that the urinary excretion levels of water-soluble vitamins can be used as biomarkers for the nutritional status of these vitamins. To determine changes in the urinary excretion levels of water-soluble vitamins during pregnant and lactating stages, we surveyed and compared levels of nine water-soluble vitamins in control (non-pregnant and non-lactating women), pregnant and lactating women. Control women (n=37), women in the 2nd (16-27 wk, n=24) and 3rd trimester of pregnancy (over 28 wk, n=32), and early- (0-5 mo, n=54) and late-stage lactating (6-11 mo, n=49) women took part in the survey. The mean age of subjects was ~30 y, and mean height was ~160 cm. A single 24-h urine sample was collected 1 d after the completion of a validated, self-administered comprehensive diet history questionnaire to measure water-soluble vitamins or metabolites. The average intake of each water-soluble vitamin was ≈ the estimated average requirement value and adequate intake for the Japanese Dietary Reference Intakes in all life stages, except for vitamin B6 and folate intakes during pregnancy. No change was observed in the urinary excretion levels of vitamin B2, vitamin B6, vitamin B12, biotin or vitamin C among stages. Urine nicotinamide and folate levels were higher in pregnant women than in control women. Urine excretion level of vitamin B1 decreased during lactation and that of pantothenic acid decreased during pregnancy and lactation. These results provide valuable information for setting the Dietary Reference Intakes of water-soluble vitamins for pregnant and lactating women.
著者
高橋 喜博
出版者
松本歯科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

解剖学的に開口筋には筋紡錘が存在しないか,あるいはごく少数であることが明らかにされて以来,電気生理学的にも開口-閉口筋には四肢筋に見られる相反性抑制機構が認められていない.本講座の倉沢らは,咬筋ならびに舌骨下筋筋紡錘由来の求心性情報は,主として,それぞれ開口ならびに閉口運動時の顎位の制御に関与することが示唆されることを明らかにした.一般に,腕などにおける随意運動時の位置的制御にについては,運動により伸張される筋,すなわち拮抗筋由来の求心性情報の関与が有力視されている.これらのことから本研究は,咬筋ならびに舌骨下筋,特に胸骨舌骨筋との機能的相互作用(相反性抑制機構)の可能性について解析を行った.被験者は「説明と同意」を得た健常者とした.実験計画にしたがい,運動ニューロンの興奮性変化の指標はH反射応答を用いた.被験者に咬筋の筋電図波形をオシロスコープでモニターしながら中程度の強さの持続的咬みしめを行わせた後,今回購入した電気的刺激装置を用い,表面電極を通して咬筋神経の経皮的電気刺激によりH反射応答を誘発させた.咬筋のH反射は,潜時約6msで誘発された.これはFujii et al.の報告と同一のものと考えられる.しかしながら,短潜時であるため刺激のアーチファクトと現象がオーバーラップし,現象として正確に測定することは困難であった.そこでpost-stimulus time histograms(PSTH)を用い,被験者がモニターを観察しながら習得した約5%M.V.C程度の,咬筋針電極により記録した随意性のユニット活動に対する,舌骨下筋由来の求心性神経の電気的刺激の影響を解析した.その結果,咬筋の随意性ユニット活動は,潜時約12msで7〜8ms持続する抑制効果が観察され,舌骨下筋由来の求心性神経による咬筋運動ニューロンへの抑制性機構が示唆された.詳細についてさらに検討を行っている.
著者
佐藤 知己
出版者
日本北方言語学会
雑誌
北方言語研究 (ISSN:21857121)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.219-230, 2020-03-20

本稿は、アイヌ語の「合成名詞(複合名詞とも呼ばれる)」の分析において、動詞から名詞への品詞転換、句から語へのカテゴリー転換という二つの文法的カテゴリー転換が共に重要な役割を果たしていることを、これまでのアイヌ語の研究史 を概観することによって確認し、さらに、未解決問題として残されている、自動詞( 一項動詞)から名詞への品詞転換を可能にしている要因とは何かを論ずるものである。具体的には、形式意味論的要因が転換において重要な役割を果たしている可能性を、完全動詞(ゼロ項動詞)との対比を通して明らかにすることを試みる。

1 0 0 0 OA 宇宙服

著者
関口 千春
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.P175-P180, 1986-05-10 (Released:2008-11-28)
著者
オオニシ タクヤ
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第69回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.324, 2022 (Released:2022-08-30)

世界的な食糧問題、特に動物性タンパク質不足やその生産過程での環境負荷の解決策として、昆虫食が注目されている。本研究では、そのコオロギ養殖の環境的メリットに着目し、安全で安定した大量生産のための飼育システムの設計研究を行った。そこで、3Dプリンタを使用して、切頂八面体の空間充填構造フレームで構成された飼育モジュールを制作し、ヨーロッパイエコオロギを試験体として飼育観察実験を行った。この飼育モジュールにおいてコオロギのスムーズな斜め移動や安定した居住が観察された。また密度の異なった飼育モジュールを制作しコオロギの行動観察実験を行った結果、より目の細かいモジュールでは隠れて安住する様子がみられ、目の粗いモジュールでは、盛んな移動や偶発的な出会い、縄張り争い、コミュニケーション、共存などが観察された。また収穫という作業を考慮した場合、目が粗い方が簡便であることが予想される。このことから、目の細かさの調整によって、コオロギにとっての快適性や産業性の両立が見極められると期待できる。
著者
野地 澄晴 大内 淑代 三戸 太郎
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

コオロギの脚の再生に着目して、そのメカニズムを解明した。特に、基礎データとして、コオロギのゲノム解析を行った。研究方法の新規開発を行い、人工核酸分解酵素を用いたノックアウトコオロギを作製することに成功した。また、コオロギの再生芽の形成に Jak/Stat 系が関与していることを証明した。これらの結果から、新規ゲノムデータとノックアウト法を組み合わせて、さらに再生メカニズムを解明できることがわかった
著者
三戸 太郎
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

コオロギの初期胚発生メカニズムを,遺伝子機能解析により解明することを目的として研究を行った.昨年度確立した親導入RNAi法による遺伝子機能の系を用い,コオロギ初期胚発生に関与する遺伝子の機能解析を行った.その結果ショウジョウバエのギャップ遺伝子Kruppelのホモログがコオロギでもギャップ遺伝子として働くこと,ペア・ルール遺伝子even-skippedホモログがペア・ルール様の機能に加えてギャップ遺伝子の発現調節に関与することを見出した、また,コオロギのextradenticle遺伝子が,ショウジョウバエとは異なり顎領域の形成に必要であることを発見した.さらに,orthodenticle遺伝子がコオロギ胚の前方(頭部から胸部にかけて)の領域の形成に必要であることが明らかになった.加えて、これらの遺伝子の発現パターンについてもin situ hybridizationにより明らかにした.これらの成果と昨年度までの成果から,コオロギ前後軸パターン形成を司る遺伝子ネットワークのモデルを提唱するに至った.コオロギでは,ショウジョウバエのピコイドの代わりにcaudalとorthodenticleが前後軸パターン形成の初期に主要な役割を担っており,extradenticle, hunchback, Kruppelの順にギャップ遺伝子が活性化され,even-skippedもこの過程に関与していると考えられる.

1 0 0 0 OA 生分解性繊維

著者
中野 恵之
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.P_330-P_333, 2006 (Released:2006-12-10)