著者
Kiyoshi NAKAUCHI
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.63-65, 1999-01-25 (Released:2000-04-12)
参考文献数
28
被引用文献数
34 56

A total of 375 fecal samples of 56 mammalian species belonging to 17 families of 4 orders were examined for the detection of Balantidium coli from December 1994 to August 1995. As a result, B. coli was found from 6 species belonging to 4 families of 2 orders (Primates and Artiodactyla) of host animals examined. White-handed gibbon (Hylobates lar), squirrel monkey (Saimiri sciurea) and Japanese macaque (Macaca fuscata) were new hosts for B. coli. All the wild boar (Sus scrofa) and chimpanzee (Pan troglodytes) examined were positive. The highest number of B. coli was obtained from a chimpanzee (1, 230/g feces). No B. coli was detected from the animals of orders Rodentia and Carnivora including dogs and cats. The rarity of B. coli infection in breeding animals in Japan suggests that there is no serious problem in controlling infections.
著者
中村 誠宏 吉川 雅之 松田 久司 藤本 勝好 田邉 元三 中嶋 聡一 松本 崇宏 太田 智絵 小川 慶子 村岡 修
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.PosterP-6, 2013

<p>1.序論</p><p> 花は古くから観賞用のほかに食用や薬用にも供されてきた.中国伝統医学 (中医学) や漢方医学では,紅花,槐花,菊花,金銀花などの花部由来の生薬が処方中に配剤されている.西洋ハーブとしても,マリーゴールド,カモミール,デージー,エバーラスティングなどの薬用花が数多く知られている.欧州においては,アロマセラピーなどにおいて花の精油がしばしば用いられてきた.また,1930年頃にイギリス人医師のエドワード バッチによって花エキスを用いた"フラワーレメディ"の考え方が提唱され,今日でも信奉する人も多い.しかし,花の成分レベルでの薬効解明研究はまだ十分ではない.そこで著者は,伝統医学で用いられる重要な薬用花である椿花 (Camellia japonica, 花部) および蓮花 (Nelumbo nucifera, 花部) の生体機能性成分の探索を行った.</p><p> </p><p>2. 中国産椿花 (Camellia japonica, 花部) の新規サポニン成分とメラニン生成抑制作用</p><p> ツバキ科植物ツバキ (C. japonica) は日本を原産とする常緑広葉樹の一種で, 台湾, 朝鮮, 中国,インドネシア等アジア各地に広く分布する. その花部である椿花は中国では「山茶花」と記載され,古来より抗炎症薬,健胃薬,止血薬および打撲傷の治療 (外用薬) 等に用いられてきた.我々はこれまでに,日本産椿花からノルオレアナン型トリテルペンサポニン camellioside A–D を得て,胃粘膜保護および血小板凝集作用を有することを明らかにした.<sup>1,2</sup> 今回,椿花の生体機能性成分の探索研究の一環として,中国産 (雲南省) 椿花の抽出エキスの生物活性評価を行ったところ,マウスのメラノサイト由来 B16 melanoma 4A5 へのテオフィリン刺激によるメラニン生成抑制作用を示すことを見出したことから,含有成分の探索研究に着手した.すなわち,中国産椿花のメタノール抽出エキスを,酢酸エチル,n-ブタノールおよび水にて分配抽出し,n-ブタノール移行部を各種カラムクロマトグラフィーおよび HPLC を用いて繰り返し分離精製した.その結果,8 種の新規サポニン sanchakasaponin A–H (1–8) および 8 種の既知サポニン 9−16を単離した (図 1).得られたサポニン成分のメラニン生成抑制作用について検討を行ったところ,サポニン 2–6, 8, 10, 12−14, 16 は強い抑制作用 [IC<sub>50</sub>: 1.7−4.7 mM] を示すことが明らかとなり,その作用は positive controlであるアルブチン [IC<sub>50</sub>: 174 mM] よりも強いことが明らかとなった.一方,サポニン 3–6, 8, 10, 16 にはメラノーマ細胞に対する細胞毒性 [10 mM による細胞増殖抑制率: 78.7–88.3%] が認められた.以上の結果から,16位,21位および22位に結合したアシル基の存在は,メラニンの生成抑制や細胞毒性において重要であることが示された.<sup>3,4</sup></p><p>図 1. 中国産椿花の新規サポニン成分</p><p>3. 韓国産椿花 (Camellia japonica, 花部) の新規サポニン成分とメラニン生成抑制および繊維芽細胞増殖促進作用</p><p> 中国産椿花の成分探索と同様の方法を用い,韓国産 (済州島) 椿花のサポニン成分の探索を行った.その結果,2 種の既知サポニン [camellioside A (17), D (19)] とともに2 種の新規サポニン camellioside E</p><p>(View PDFfor the rest of the abstract.)</p>
著者
池谷 裕二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.473, 2015 (Released:2018-08-26)

小山隆太博士は酒に酔うと人柄が一変します.シラフのときでも自身の考えをテキパキと話すタイプですが,アルコールが回ると更に遠慮なく本音を語ります.言うまでもないことですが,とめどもなくクドく,そして,アツいです.そんな彼が昨年の酒席でこぼしていた言葉が「日本薬学会には足を向けて寝られない.私は薬学に育ててもらったようなものだ」です.小山博士が学部学生だった頃から14年間にわたって交流してきた私には,この発言が口からの出まかせでなく,本心からのものであることがよく分かります.それほどまでに日本薬学会を愛する小山博士が,この度,同会の奨励賞を受賞されました.どれほど喜んでおられることか.心より「おめでとう」とお祝い申し上げます.
著者
斉藤 邦史
出版者
総務省情報通信政策研究所
雑誌
情報通信政策研究 (ISSN:24336254)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.73-90, 2019-11-29 (Released:2019-12-23)
被引用文献数
1

憲法学説における人格的自律権説を背景として提唱された自己情報コントロール権説では、本来、プライバシーの対象となる情報について、道徳的自律の存在としての個人の実存にかかわる情報(プライバシー固有情報)と、それに直接かかわらない外的事項に関する個別的情報(プライバシー外延情報)が区別されていた。公法における自己情報のコントロールについて、プライバシー外延情報に対するコントロールの正当化を試みる近時の有力説には、人格的自律権の本体とは質的に異なる、公権力の統制に固有の根拠を挙げる傾向がある。そこでは、私人間を含む全方位に主張し得る人格権としての構成からの離陸が生じている。私法における自己情報のコントロールでも、コントロールの自己決定は終局的な目的ではなく、不利益を予防するための手段であることが指摘されている。「信頼としてのプライバシー」という理念は、人格的自律権説では自己情報コントロール権の枠外とされてきたプライバシー外延情報について、私人間における手段的・予防的な保護法益を補完的に提供する指針として有益と考えられる。本稿は、プライバシーの中核にあたる私生活の平穏や、親密な人間関係の構築に対する侵害について、「自律としてのプライバシー」を根拠とする構成を否定するものではない。むしろ、核心としての「自律」の侵害を予防するため、その外延において「信頼」の保護を充実することが望ましい。

1 0 0 0 OA 町方書上

出版者
巻号頁・発行日
vol.[132] 深川町方書上 十三,
著者
成松 美枝 和久屋 寛
出版者
佐賀大学教育学部
雑誌
佐賀大学教育学部研究論文集 (ISSN:24322644)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.43-61, 2022-02

本論文では,佐賀県内の公立学校でICT を活用した教育の方法がどのように導入され,発展してきたのかを明らかにすることを課題とした。佐賀県では県教育委員会により,2011年度から佐賀県ICT 利活用教育推進事業を開始したが,2015年度までの5年間に約42億円を投じて県立学校の全教室に電子黒板を設置し,全生徒に1人1台の学習用パソコンを配備した。ICT 活用の目的は,情報化・グローバル化への対応だけでなく児童・生徒の学力テスト結果の向上と,災害時と感染症流行時の遠隔授業による家庭学習を支援するための手段とすることであった。また,2017年度からは全市町立学校でも事業を拡大し,2021年度には全市町立学校で全教室での電子黒板設置と1人1台学習用パソコンの配備が実現した。ICT を活用の利点としては,実証研究校である致遠館中学校と高等学校の授業に見られるように,①電子黒板で映像を効果的に提示することで生徒の学習意欲・関心を高めること,②生徒が学習用パソコンから自分の意見や回答を送信し,電子黒板で共有することで「他者との学びあい」が強化できる,③生徒が学習用パソコンで作成したワークシート等を教員が管理し,全体で共有できることである。しかし,今後の課題として,佐賀県児童生徒の全国学力調査のテストの得点は全国平均値を下回ること,学習用パソコンの充電不備や故障トラブル,教員の研修時間の確保の困難が指摘された。
著者
三ツ松 誠 三ツ松 誠
雑誌
幕末地方歌壇の研究――佐賀藩の場合――
巻号頁・発行日
pp.11-23, 2021-03-31

○本書は平成29~30年度に実施された特定研究(若手)「幕末地方歌壇の研究――佐賀藩の場合――」(研究代表者:三ツ松誠)の成果報告である。
著者
逢坂 駿也 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.283-288, 2020

<p> 本研究では,物語から登場人物の感情状態を抽出するため12 種類の感情に分類した感情語の辞書を構築した.分析対象として「キノの旅-the Beautiful World-」という小説を選択し,辞書を用いて感情語を抽出した.感情語の抽出回数を多次元データとして扱い因子分析をかけた結果,皮肉な物語の因子・意外性の強い物語の因子・悲喜劇的な物語の因子の3 つに分類された.また各因子での登場人物の役割ごとの感情の差異を抽出した.</p>
著者
山本 達司 田口 聡志 三輪 一統
出版者
公益財団法人 牧誠財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.47-62, 2021 (Released:2022-03-08)
参考文献数
35

本研究では,従業員による逆淘汰の事例として予算スラックの形成に着目し,それを削減する企業内環境観察システムの提案を行う。すなわち,粗雑なシグナルを発するシステムと精緻なシグナルを発するシステムの比較検討を行う。実験室実験の結果,粗雑なシグナルを発するシステムが従業員の報告により強く影響を与え,シグナルの上限を超える報告に対して管理者が拒否する傾向が強かった。つまり,粗雑な情報を発する企業内環境観察システムと,その許容範囲を逸脱する従業員報告に対する管理者の拒否権との併用が,経営管理ツールとして優れている可能性がある。
著者
新井 康平
出版者
公益財団法人 牧誠財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.39-46, 2021 (Released:2022-03-08)
参考文献数
14

日本企業において,リーン生産の諸要素が工場・事業所の会計・経理担当者が必要としている会計知識に与える影響を探究することが,本論文の目的である。具体的には,群馬県の工場・事業所を対象とした郵送質問票調査に基づいた分析を実施した。分析結果からは,管理会計を複雑化するのではなく,簡略化された戦略管理会計実務を実施するために会計知識が必要とされることが明らかとなった。
著者
後藤 顕一 今井 泉 寺田 光宏
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.225-228, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
4

2022(令和4)年度から始まる新学習指導要領では,高校化学における熱化学に関する扱いが,これまでとは大きく変化する。熱化学は,化学領域にとどまらず,多くの学問領域での基盤となる概念であり,高校化学での位置づけは重要である。そこで,我が国の高校での熱化学を「変化―エネルギー」と概念と捉え,これにおける概念理解と獲得を目指したカリキュラム編成について考察する。考察に当たっては,日本学術会議に提出された「化学分野の参照基準」と新学習指導要領,ドイツのカリキュラム編成の考え方等を基に考察する。特に資質・能力の育成,国際標準,系統性の視点から,エンタルピー変化の扱い方,エントロピー変化についての動向の把握と具体的な方略について検討する。
著者
司法省調査部 [編]
出版者
司法省調査部
巻号頁・発行日
1939
著者
森莊三郎著
出版者
有斐閣
巻号頁・発行日
1925
著者
村上 貴美子
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 = The Journal of the Department of Social Welfare (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.23-30, 2014-03-20

1922 年に制定された健康保険制度が,わが国最初の社会保険制度であることは周知の事実である.1868 年,明治維新を迎えた我が国は,西欧諸国の文化・社会経済に直面することとなった.その一側面に「保険」制度との出会いがある.民営保険が発展していく中で,1880 年代から90 年代にかけて各種「国営保険」論が展開された.本論は,各種国営保険論が社会政策的意義を持つ「社会保険」に収斂する過程を検証した.

1 0 0 0 OA 白耳義国史

著者
周布公平 著
出版者
静養書楼
巻号頁・発行日
1877